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Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

12タンゴ/ブエノスアイレスへの往復切符

2007-02-03 00:01:48 | 映画 さ行
             *公式サイト
2005年/ドイツ/86分
監督:アルネ・ビルケンストック
出演:ロベルト・トネット、マルセラ・マイオーラ、ジゼラ&ガスパル、アルフレッド・カルリーノ、他
音楽:ルイス・ボルダ、マリア・デ・ラ・フエンテ、リディア・ボルダ、ホセ・リベルテーラ、ホルヘ・ソブラール、ラス・ムニェカス、パブロ・マイネッティ、フリオ・パネ、ウンベルト・リドルフィ、エリサベート・リドルフィ、ディエゴ・スキッシ、オスカル・ジウンタ、フアン・クルース・デ・ウルキーサ、パブロ・ラ・ポルタ、他

ミュージック・ドク・フェス de デート、この日二本目は「12タンゴ/ブエノスアイレスへの往復切符」
客層が「愛しきベイルート」とは全く違っていたのが面白いな、と思ったけど。何となく、ダンスやってます!みたいな感じの方が目立ってた。

この作品もアルゼンチンの政情を色濃く描き出している。タンゴを、そのダンス・シーンを期待していくとそれは裏切られる。

タンゴという音楽、それがどれほどメッセージ性を持って人の心に強く訴えかけるものなのかを初めて知った。歌詞に思いを込めて、愛を歌うものもあれば、この国の不安定さ、貧しさを歌い、こういう状況に追い込んだ政府を批判するタンゴもあることを知る。それによって観客は背後にあるアルゼンチンの歴史を垣間見ることになる。移民を受け入れることによって成り立っていた国が、今はまたヨーロッパなど外国に移民を送り出す国になっている現実。銀行封鎖によって考えられないような事態に直面するアルゼンチンの国民。そういう困難な状況の中、全てを飲み込み、映し出してタンゴは流れる。
タンゴを演奏する奏者が素晴らしく、そしてタンゴを歌う女性歌手たちがまた魅力に溢れた歌を聴かせてくれる♪(その歌に驚き、次に解説を読んでその年齢に驚愕したのはマリア・デ・ラ・フエンテ!・・・何てったって92歳の現役タンゴ歌手だ)

*Wikipedia アルゼンチン
コメント (2)
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親密すぎるうちあけ話

2007-01-17 00:30:17 | 映画 さ行
            *公式サイト
2004年/フランス/104分
監督:パトリス・ルコント
出演:サンドリーヌ・ボネール/ファブリス・ルキーニ
~その出逢いはふとした過ちから始まった~

女がやってきて扉を開ける。中にいた男は女に精神科医に間違えられる。その間違いを正す間もなく女は赤裸々に自身の結婚生活の悩みを語り出し次回の予約までして帰っていく。
ダークな色調の画面、追い詰められ疲れた女の顔、生まれた時からずっと住み続けた部屋で変化のない生活を続ける税理士の男のびっくりした顔。
女は謎めき名前さえしばらく明かされない。冴えない女が語る官能的なうちあけ話に思わず耳傾けてしまい、あまつさえ次に彼女が訪れる日を楽しみにしてしまうようになる男。

鼻かんでしゃべりたいだけしゃべり悩みを語り続け、男のもとを訪れる度に美しくなっていく女に比べ、男はその話に心奪われ、魅せられ挙句に自分が間違えられた精神科医に相談していくのがなんとも可笑しい~!鏡の前でいやに若々しくダンスする姿もなんだか微笑ましく見えたりして・・・

ミステリアスな展開に引き込まれているうちに、画面はいつの間にか明るく輝き始め女は美しくその衣装も明るく軽くなっていくのに気付く。どろどろした話を想像していたらそれは見事に覆され・・・

いやあ、これは素晴らしい大人のメルヘンでした
コメント (8)
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007 カジノ・ロワイヤル

2006-12-02 20:31:07 | 映画 さ行
         *公式サイト

2006年12月1日/アメリカ・イギリス/ 144分
監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング
脚本:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド/ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ/エヴァ・グリーン/マッツ・ミケルセン/ジュディ・デンチ/ジェフリー・ライト/ジャンカルロ・ジャンニーニ/サイモン・アブカリアン

初めて007を、劇場で、しかも公開初日!に観てきた。何といっても「レイヤー・ケーキ」で気になって仕方なかったダニエル・クレイグが007なんですもの~

オープニング・クレジットのおっしゃれなこと・・トランプがスクリーンの中で意志を持っているかのように舞い散って、それが鮮やかで美しいことったらない。すっかり魅入られ酔いました。確かに最初の弾丸男を追い詰めていくシーンは、目まぐるしく場面が高くなったり急降下したり、大ジャンプありでそれを追いかけるのだけで、もう目が回る~、ジェットコースターに乗った感じね、いうなれば。
徹頭徹尾、観客を引き込むように作りこまれていて飽きさせたり、だれたりするところが殆どない。アクションも勿論凄いのだけれど、互いに相手の心理を読み合い冷静な駆け引きの応酬を繰り広げるポーカー、007の「最初で最後の女」ヴェスパーとの辛い切ない愛。そして、私は上司M(ジュディ・デンチ)がこの上なくかっこいいなぁ~、と思ってたんだけど、とにかく登場人物、一人一人が役にぴったりはまっているのが小気味いい。
ボンドの鍛えぬいた肉体は凄い!拷問シーンは最初椅子に縛り付けてどうするのかと思ってしまいましたが、いやはや別の意味で凄かった・・・。それでも笑顔を浮かべるボンド!がそこにいる!!
しかし、ボンドの走る姿は何となく「ターミネーター2」の悪役T1000が車追いかけて走る姿を連想させたなぁ。早く走るのにはこの形かぁ、なんてね。走るシーンがたくさんあったものね。

いやあ、よかったです!ダニエル・クレイグの007素っ敵でした~!!
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ソウル・オブ・マン

2006-04-21 00:07:23 | 映画 さ行
BMPシリーズはマーティン・スコセッシ製作総指揮により製作された7人の監督によるドキュメンタリーである。
三本目にDVDで見た&聴いたのはかの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を撮った、最近では「アメリカ、家族のいる風景」のヴィム・ヴェンダース監督による『ソウル・オブ・マン』*NTT-X Store
惑星探査船ボイジャーに乗せられていたレコードに記録された「ダーク・ワズ・ザ・ナイト」から話が展開する。この歌を歌っていたブラインド・ウィリー・ジョンソンの話から始まり、スキップ・ジェイムズ、そしてJ.B.ルノアーという伝説的な三人のブルースマンの実際の映像・演奏とともに彼らの曲をカバーしているミュージシャンの姿をそれぞれに映し出すという手法をとっている。オリジナルの演奏とカバーされている演奏の対比がたいそう興味深い。(吃驚したのはスキップ・ジェームズをカバーしているジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンがステージで、な、何と「テルミン」!使ってたの)ブルースと信仰の関係、ブルースとゴスペルの関係、時代に感応しなおかつ先を行こうとしていたブルースなど、面白かったです。
ベトナム・ブルースが流れ、そこにキング牧師の演説、その集会の画像に♪We Shall Over Come♪の歌声がかぶる・・・100年ほんとに100年の間に起こった事なの?ショックでした。

ところで、現在表参道ヒルズ 本館3階「O(オー)」で5月7日まで夫人の写真家ドナータさんと『ヴィム&ドナータ ヴェンダース写真展/尾道への旅』開催中なのですね。このチラシの彼の写真を見ると、ふいっと「アメリカ、家族のいる風景」の映像が思い浮かびます。
  
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そして、ひと粒のひかり

2006-04-11 00:01:55 | 映画 さ行
          *公式HP

2004年/アメリカ・コロンビア映画/101分

監督:ジョシュア・マーストン
出演:カタリーナ・サンディ・モレノ、イェニー・パオラ・ヴェガ、ジョン・アレックス・トロ

<17歳のマリアは妊娠した上に、些細なトラブルで失業してしまい、危険と感じながらも多額の報酬にひかれ、ミュール(麻薬の運び屋)の仕事を引き受ける…>~飯田橋ギンレイホールの解説より

初めて南米の国「コロンビア」(Wikipedia)の映画を見ました。
八方ふさがりになってしまったマリアが選んだのは、麻薬の運び屋、これはいくつもの実話に基く話だという。繭玉くらいの大きさの麻薬のかたまりを飲み込み、アメリカへ持ち込むための容器としか扱われない運び屋たち。それを取り出すときの屈辱をなんと表現すればよいのだろう。飲み込むのを見ていると咽喉が詰まってくる気がする・・・。(だって、飲み込む練習するのに巨峰みたいな葡萄使うんだよ

しかし、こんな救いようがない状況の中でマリアは超音波検査で自分の中に在る新しい命をはっきり意識するようになる。このことは彼女に母になる自覚を芽生えさせる。この先、彼女が果たして幸せになっていくのかどうかはわからないのだが、「ひと粒のひかり」によって内面から輝くのではないかという希望を見るものに抱かせる。アメリカで生きていく、生き抜いてやるっ!という強い目の光が印象に残る。流されるのでなく自身で生き方を選び、潔く自分の運命を切り開いて歩き出すマリアの姿はすがすがしい。女はこうでなくっちゃね!!
お気に入りの作品「女はみんな生きている」までのスカッと感はないけれど、一陣のさわやかな風が体の中を通り過ぎゆくのを感じます。
そうそう、この映画、音楽もよかったです♪
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スタンドアップ

2006-02-04 21:20:02 | 映画 さ行
シャーリーズ・セロンというと私は「モンスター」・・・あの体形にあの顔!誰?みたいな感じでとにかく凄い俳優だなあという印象だった。ただ、私にはどうにも救いようがない話に思えて「後味、悪っ」と思ったのも事実。なので、「スタンドアップ」どうしようかなぁ、と迷った末、結局この間見てきた。

監督:ニキ・カーロ
出演:シャーリーズ・セロン/フランシス・マクドーマンド/ショーン・ビーン/リチャード・ジェンキンス/ジェレミー・レナー/ミシェル・モナハン/ウディ・ハレルソン/シシー・スペイセク

私なんか、と何度も思った。
お前なんか、と何度も言われた。
それでも、立ち上がってみようと思った。 *公式HP

男性社会の鉱山で労働者として働くシングル・マザーのジョージー。そこにあったのは男性社会に進出する女性に対する、信じられないような屈辱的なセクシャル・ハラスメントの嵐だった。これは実話に基づく話だということであるが余りの嫌がらせの過激さに腹が立つのを通り越して呆れ、絶望感さえ抱いたこれは1988年のことだそうで・・・って最近じゃん!!
そんな中で立ち上がろうとするジョージーに女性として、人間としてエールを送り続けた。彼女は単にタフなだけじゃなく、弱いところも併せ持っていて人知れずひっそり涙を流したりもする。そして映画は社会的な面とともに、家族の絆の脆さと強さを描き出す。
シャーリーズ・セロンは無論のこと彼女以外の出演者もそれぞれ味と存在感があってよかった~
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ショコラ

2006-01-08 00:10:22 | 映画 さ行
何となく前から気になっていた『ショコラ』、2~3日前に『バベットの晩餐会の話をしたばかり。どちらも美味しい食べ物を巡る話、舞台になる村に住む人たちが食べ物によって心を開くというところなど共通しているようでこういう偶然ってあるのね!そして、ジョニー・デップを見るのは『チャーリーとチョコレート工場』に続く二作目、あらあ、チョコレートつながりになってしまいました。
監督のラッセ・ハルストレム はスウェーデン映画の『マイ ライフ アズ ア ドッグ』『やかまし村』を撮った方だったのね。子どもの撮り方が実に子どもらしくていいなあと見てました。(いつからアメリカに移られたのでしょう)でもそうと知ってしまうとつい『マイ ライフ アズ ア ドッグ』と比べてしまう。やっぱり『マイ ライフ ~』の方が断然印象深く思い出されます。

アメリカ/2000年/121分
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジュリエット・ビノシュ(ヴィアンヌ)/ ジョニー・デップ(ルー)/ジュディ・デンチ(アルマンド)/レナ・オリン(ジョゼフィーヌ)/アルフレッド・モリーナ(レノ伯爵)
*あらすじgoo映画
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死ぬまでにしたい10のこと

2005-07-25 00:07:12 | 映画 さ行
普段は何気なく過ぎてゆく一日一日の時間。それが当たり前・・・でも、それってほんと?実は偶然、幸運の結果なんではないのか?当たり前って?とふと立ち止まって考える時に私の前に現れた「死ぬまでにしたい10のこと」エグゼクティブ・プロデューサー、ペドロ・アルモドバルというのに惹かれて見てみた。(DVD)

監督・脚本:イザベル・コヘット
エグゼクティブ・プロデューサー:ペドロ・アルモドバル
キャスト: サラ・ポーリー (アン)
マーク・ラファロ (リー)
スコット・スピードマン (ドン)
レオノール・ワトリング(隣のアン)

テーマは「死」、だけど声高に語るわけじゃない、あくまで穏やか。

アン(サラ・ポーリー)は、夜、清掃作業の仕事をし、失業中の夫ドン(スコット・スピードマン)と2人の娘の暮らしを支える23歳。母親の裏庭のトレーラー・ハウスで暮らしている。父は長いこと刑務所暮らし。そんな彼女が病に冒され、診察を担当したトンプソン医師がアンに告げた検査結果は、「癌で余命2,3ヶ月」というものだった。 誰にも自分の病気のことを話さないと決めたアンは、「死ぬまでにしたいこと」のリストを作る・・・。

死への準備をする事で一日一日を充実させ、生きている事を愛するアン
生と真剣に向き合って生きていくきっぱりとした姿。原題は「My Life Without Me」・・・思うとこれって、悲しい。

今の自分の状況の中で考えたとしたら、果たしてどんなことを私は書き出すのだろうか。考える事は悪くないな、と思う。

因みにアンの書き出した事は次の通り
英語タウン クロスカルチャー/カルチャーカフェ)より
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Things to do before I die(死ぬまでにすること)

・Tell my daughters I love them several times a day.
 娘たちに毎日「愛してる」と言う。
・Find Don a new wife who the girls like.
 娘たちの気に入る新しいママを見つける。
・Record birthday messages for the girls for every year until they're 18.
 娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
・Go to Whalebay Beach together and have a big picnic.
 家族でビーチに行く。
・Smoke and drink as much as I want.
 好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
・Say what I'm thinking.
 思っていることを話す。
・Make love with other men to see what it is like.
 夫以外の人とつきあってみる。
・Make someone fall in love with me.
 誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
・Go and see Dad in jail.
 刑務所にいるパパに会いに行く。
・Get some false nails( and do something with my hair).
 爪とヘアスタイルを変える。
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世界で一番不運で幸せな私

2005-02-27 01:00:52 | 映画 さ行
う~ん、なんて言ったらいいのか・・・。お伽噺?
ジュリアン(ギョーム・カネ)とソフィー(マリオン・コティヤール)の二人の恋。
「ゲームにノル?」「ノッタ!」で始まり、思わず引いてしまうほど残酷に歪んでいく二人はどうなっちゃうの?もうそれでいくしかなかったの・・・。

この手の映画は、・・・と最初引いてしまったが、でもねえ、じわじわとしみ込んできたのは何故?
よく考えてみたら、実は結構生活の中で「ノル?」「ノッタ!」ってやってんじゃん!と思えてきたから、か。
全編を通じて大事なところで流れる様々な「La vie en rose」(ばら色の人生)面白い。数えるのは忘れちゃったけど。
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スパニッシュ・アパートメント

2005-02-14 11:45:52 | 映画 さ行
確か、去年公開されたと思うのだが・・・。これも見たかった映画、DVDで見ることができた。
パリから一年の予定でスペインのバルセロナに経済学の勉強のために留学したグザヴィエの青春物語。7カ国の学生と部屋をシェアして留学生生活を送る事になるのだが、見ながら何度も大笑いしてしまう。バルセロナという町を丁寧に映していて、まるで主人公と一緒に海を見たり、町を彷徨ったりしているような感じ。「アメリ」のオドレイ・トトゥがグザヴィエの恋人役で出演していた。
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真珠の耳飾の少女

2005-02-12 21:02:29 | 映画 さ行
フェルメールの有名なこの絵。ほんとにこんな話があったのかも・・・と思い込まされてしまう。スカーレット・ヨハンソンが絵から抜け出してきたかのように錯覚してしまい、余計そう思ってしまう。映画館では見られなくてDVDで見た。スカーレット・ヨハンソンは「ロスト イン トランスレーション」に出ていた女優だよ、と教えられて吃驚。
コメント (2)
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