lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

DARKNESS FALLS.

2007-07-30 14:25:38 | Enigma
Darkness_falls
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO Auto; AWB; Evaluative; iPhoto.)





□ Solarscape

Zen (Alucard Remix)




□ Marston Smith

The Child In Us




Peter McCowanによる最新リミックス、Solarscape / "Zen" (Alucard Remix)は、あの超名曲、Zehavi & Rand / "Paroxetine" (alucard's dying in your arms mix)の路線に還った、アトモスフェリックでダークなトラック。時空をカットアップしていくかのように、縦横無尽に鋭く切り込んでくるビートのエッジとマシン音。Alucardはたまに、こういう神懸かったリミックスを作るので本当に目が離せません。私にとって、2007年上半期現在、最も評価の高い楽曲です。今度のlens,align. awardはこれで決まりか?

だけど、 Alucardは他にもInsatiable Recordsから、Steve Birch ft. marcie / "Edge of the Ocean (alucards night swimming mix)"のリリースを控えてるので変動する可能性アリ。タイトルからして深海系のドープなプログレッシヴ・トランスを期待できそう。


2曲目はエレクトロニック・ニューエイジ・チェリスト、Marston Smithによる、Enigma / "The Child In Us"のカヴァートラック。シンプルだけど瑞々しい様式美を感じさせる変奏曲です。


"Fauxliage" - Pre-Release Review on :: Delerium Maniax ::

2007-07-28 13:10:55 | delerium
Fauxliagea_1



>> :: Delerium Maniax :: "Fauxliage" - Exclusive Pre-Release Review

DeleriumのBill LeebとRhys Fulberが、Leigh Nashのヴォーカルを中心にフィーチャーしたプロジェクト、Fauxliage (8月14日発売予定)のSample盤が、日本唯一のDeleriumファンサイト、:: Delerium Maniax ::に、Nettwerkより提供されました。私も運営に関わっていることから、光栄にも、世界で最初のファンレビューを掲載させて頂く運びとなりました。

また、管理人のj.d.さんのご尽力により:: Delerium Maniax ::では試聴ファイルも用意してございますので、レビューと併せてお聞き頂いて、拙ながら少しでもこの作品の魅力を伝えることが出来ればと願っています。現時点で世界で最も速い情報を日本のサイトでお送り出来ることを嬉しく思います。

そして不肖私議ながら、:: Delerium Maniax ::に寄稿したレビューの、『未編集版』をここに掲載する許可を得ました。やや冗長となってしまいましたが、お付き合い頂ければ幸いです。




□ Fauxliage

>> http://www.myspace.com/fauxliage
>> http://www.nettwerk.com/productions/cd.jsp?cd=4706

Release Date; August 14. 2007
Label; Nettwerk
Cat.No.; 305662
Format: 1xCD


Disk 1

01. All The World
02. Someday The Wind
03. Draw My Life
04. Let It Go
05. Magic
06. Without You
07. Rafe
08. Vibing
09. All Alone
10. Rafe (Gabin Remix)
11. Rafe (Pacha Remix)

(参考)
>> lens,align.: Fauxliage Press Release.


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Fauxliage - Faux (偽りの) - Foliage(葉の束)

フランス語の単語の掛け合わせで慣用的に用いられる派生語であり、転じて「葉に擬態する」や「迷彩」のようなニュアンスとなる。Leigh Nashの歌声は、その名の指し示す如く、Bill LeebとRhys Fulberの奏でる精彩なサウンドに染まり、融け込んでいる。




□ PRODUCTION NOTES             .

詳細なクレジットが未着のため、
これまでに確認出来た情報のみを参照する。

プロジェクトの存在が明らかになったのは2005年、丁度"Extraordinary Ways"のリリースと前後する時期。以来、Nashの住むナッシュヴィル(カントリー&ウェスタンのメッカ)と、スタジオのあるヴァンクーバー間において、アイデアとヴォーカルをやり取りしながらレコーディングされた。マルチ・インストゥルメンタリストのRoy Salmondと、ベーシストのLeah Randi、そしてSarah McLachlanのバンドドラマー、Ash Sood、一部ストリングスアレンジにChris Elliotといった常連パフォーマーもフィーチャーされている。また、Kristy Thirskなどをヴォーカルにフィーチャーし、D:fuseとのコラボレーション等で活動しているエレクトロポップ・プロデューサー、DJ Mike HiratzkaがAdditional Productionを務めた。

サプライズなゲストとしては、国際的に活躍しているアメリカで最も優秀なグラミー賞エンジニア、Ted Jensenをマスタリングに起用している他、Nettwerk創設メンバーのMark Jowettがギター、プログラミングで参加していること。レーベルとしての力の注ぎようが窺える。カヴァーアートはConjure One等を手掛けるJohn Rummen(Artwerks)が手掛けた。


□ OVERALL REVIEW (総評)             .

『天使のような無垢の歌声』と評されるLeigh Nashの甘く胸の詰まるようなヴォーカルは、過去に"Poem"でフィーチャーされたように、Deleriumのようなethereal-popの素材としては非常に魅力があり、かつ、楽曲のピースとして重要なファクターとなる。摩訶不思議なサウンドの織りなす夢幻の世界にリスナーが求めるのは、聴覚的な刺激から得られる官能美の極致である。このジャンルにおける影響力を自認するBill Leebが世に送り出す"Fauxliage"は、アーティストとしての自己表現とリスナーへの訴求を折衷的に両立し、アピールする狙いがあるのだろう。


総じてLeigh Nashのソロ・アルバムという位置づけと捉えて間違いない。しかし、"Vibing"や"Magic"のようなインストゥルメンタル曲に顕著だが、Bill LeebとRhys Fulberによる、往年のトリップホップ/ニューエイジの作風に根ざしたシンセワークが主張し、寧ろ"Semantic Spaces"以来のワンスタンド・コンセプトアルバムと言っても良い。

だが、あの頃の重々しいサンプリング・コラージュは今や見る陰もなく、"Extraordinary Ways"や"Nuages Du Monde"の作風を正統に受け継いだ、生演奏向きのライトポップ様式の印象が色濃い。ヴォーカルラインさえも、"Blue on Blue"で見られたLeigh Nashのルーツであるカントリーミュージックが下地にあるらしく、"Innocente"で打ち出した、ブレイクビーツとトライバルサウンドの融合した、神妙で耽美な雰囲気は望むべくもない。

ただ、DeleriumとしてAude / "Vents Contraires"をプロデュースした時と同様に、あくまでサイドプロジェクトの一環として、FLAやDeleriumほど重点を置いていない、或はライブでの再現性をそれほど考慮していないせいか、ビートの節回しやギミック、ヴォーカルの処理がオーヴァーダブに偏重気味であり、これが幸いして立体的で厚みのある電子音響が実現され、重みの効いたドラムロールは"Nuages Du Monde"以上に鋭角的な印象を与える。

また、荒野を抜けるような独特の郷愁を伴った粗いパッド、張り上げるようなシンセのサイレンなど、上述の特徴と相まって、Deleriumの最新作よりも、Conjure One / "Extraordinary Ways"のイディオムに類似した点が多く挙げられることから、Rhys FulberのProducerとしてのウェイトの大きさが窺えるだろう。

以下、楽曲毎のレビューを並述していく。




1. All the World               .

幽玄かつ不気味なアトモスフィアと電子音が、エキゾチックで東洋的な世界観を演出する"All the World"は、おそらく最もDeleriumに通じるトラック。イントロと間奏では、アルバム全体に登場するエレピの2音の共通モチーフが呈示される。高音で歪みを生じさせる硬いアルペジオはBill Leebのトレードマークと言っても良い。前半の暗さから後半の抜けの良い爽やかなボーカルへの繋ぎが解放的。間奏部は今にも幽霊が出てきそうな暗鬱なサウンドで、ヴォーカルも終始どこか寂しげな響き。


2. Someday the Wind             .

アコースティックギターのリヴァースからの導入、濡れたパーカッション、はじめはマイナーブルース調に、そして抜けの良いサビでのびやかに歌う、スローテンポで舌足らずなLeighのシュガーヴォイスに、遠くで唸るように呼応するエレキギター。中盤以降ではAsh Soodの乾いたドラムが激しく響く。また、ここでもややソフィスティケイトされたアルペジオが特徴的に被されるが、これは"Nuages Du Monde"の"Lost and Found"よりコーラス部分を抜いた同じ素材を用いている。


3. Draw My Life               .

ヴィブラフォンがメルヘンチックに鳴り響く孤独の世界で、Leigh Nashが人生の儚さと希いを切々と歌い上げる。ボーカルはとても切なくて、しかし時折ポジティブな色を帯びる、コロコロと表情を変える心象を丁寧に反映した扇情的な曲。リヴァーブと生音のコラージュを幾重にも施したドラムは力強く、そしてどこか壊れてしまいそうな儚さも漂う。ヴァイブは例の共通モチーフ。間奏部分では、Leighのファルセットのレイヤーに甲高いシンセの白玉が、天上の響きと聴き紛う眩い光を放つ。


4. Let It Go                 .

ストリングス基調の艶やかな曲。濡れてきらめくピアノとドープなビート、切ない出だしからポジティブな色に転調するLeigh Nashの表情豊かなヴォーカルは、これまでのDeleriumには無いエスプリを感じさせるもので、Sixpence Non The Richerの頃の感触を喚起させる。ヴォーカルラインも独特で、類似フレーズの上昇、下降の段階的なシークエンスによって、聴覚を絡めとっていくようなフックが効いている。ドラムはライトなものに代わるが、ノイズやエスニックな音声の名残を臭わすハム音等が効果的に散りばめられ、Conjure Oneのサイレンが登場するなど、Rhys Fulberのキーボードが際立っている。


5. Magic                  .

インストゥルメンタル。
バロック的なローズ・ピアノと、ダブ処理によってどこか懐かしい響きを伴ったチェレスタのシンコペーション、華やかで煌めくような協奏で幕をあけ、オブキュアなプログラミング・ドラムが合流する。東欧風のオペラチックなソプラノコーラスの導入で、楽曲は朝露のようなアンビエンスからややトーンを落とし、異国への憧憬を嗅ぐわす淡々としたパートへ。Conjure Oneの"Pilgrimage"にアプローチが類似している。ブリッジで土底からこみ上げてくるように浮上するツヤのあるシンセ・ストリングスが束の間、高みから見晴らすような解放感を与えてくれるが、ギターのハウリングで締めくくられる描写は、やはりどことなく見知らぬ地を行く旅の心細さを物語るようでもある。


6. Without You               .

ダークなイントロに始まり、重いストリングスとジャジーな生音のコラージュ、質感豊かでトリッキーなビートセクションに、気怠いヴォーカルラインが哀愁を誘うブルージーなトラック。"Let It Go"と同じく、同じボーカルフレーズに差異を設けて繰り返すという、Leigh Nash独特のアンニュイなカラーを発揮させる技巧が印象に強く残る。切り込むようにオーバーダブされたドラムビートの噛み合わせも、楽曲の刺々しいイメージを加味している。一方で、中盤に登場するローズ・ピアノの演奏は、70年代~のサイケデリック・フュージョンを彷彿とさせ、実はここに至って、"Magic"、"Without You"、そして"Vibing"の三曲が同様の懐古的手法においてアルバムの軸を明らかにしているということに気付かされる。


7. Rafe                   .

出自はLeigh Nashが個人的な理由から書き上げたもの。出し抜けに明るいポップトラックであり、限りなく"Blue on Blue"の彼女のソロ曲に近いカントリー調アレンジ。しかしこれほどごくありきたりなバンドアレンジが、この作品においてはより精彩に聴こえるのも特徴的だと言えるだろう。とはいえ、ここでもギターとローズのシンコペーションによる共通モチーフに加え、味付け程度に身を潜めているBill LeebとRhys Fulberのシンセワークが効果を上げている。この"Rafe"、当初は6月にシングルカットされるはずであったが、こうしてRemixを含めてアルバムがリリースされてしまう以上は、中止となった可能性が高いと推測せざるを得ない。しかしDJ用にプロモ盤がリリースされることも考えられる。


8. Vibing                  .

彼らにとって全く新しいエレクトロニカ/フュージョンスタイルのインストゥルメンタル。私の知る限り、FLAやDelerium、Conjure One、その他のサイドプロジェクトにおいて、Bill LeebとRhys Fulberがこのような楽曲を手掛けたことはかつてないと思われる。打ち込みの精緻なリズムセクションが刻むマイナー調のクラブ・ジャズ風サウンド。"All the World"、"Draw My Life"、"Rafe"、"Magic"、"All Alone"にも共通するモチーフであるフェンダーローズのシンコペーションに、夕闇の冷気を感じさせる哀愁のギターやヴァイブが絡む。その一片を担うワウワウ・ギターは、Deleriumの"Til' the End of Time"や"Lost and Found"にあっても効果的にサンプリングされていたが、このように然るべき文脈において演奏されたのは初めてで、逆にDeleriumのアレンジの底流にあるルーツをここに辿ることが出来る。一方で、このメロウな楽曲を随所で力強く巻き込みながら引き上げて行く壮大なシンセ・ストリングスは、実に彼ららしいスピリチュアルな感情を呼び覚ます。弦の上昇音とローズピアノの下降音の交叉が、リアルと幻想の何とも言えない折衷感を織り成している。

過去の巨匠達、Bernard HerrmanやBurt Bacharach、John Barryが作り上げた、ストリングスの音色を前面に押し出す懐古的なジャズの方法論は、近年でもTelepopmusikやThe Cinematic Orchesteraなどによって再構築され、モダン・ラウンジ・ミュージックシーンにとっては既に定番と化した趣きもある。しかし"Nuages Du Monde"の"Tectonic Shift"の後半においてはJohn Barryへのオマージュを謳っている他、Rhys FulberがAndrei Arsenyevich Tarkovskyへのリスペクトを明らかにしたり、Bill Leeb自身が映画のスコアを書くことに関心を寄せていることを表明していることから、Deleriumの場合はもっと直接的なアプローチに根差していると言えるだろう。特にFauxliageのように、エスノ・アンビエント/インダストリアルの方面で培ったノウハウを基に、再び融合を試みた例は珍しいかもしれない。

もともと映画音楽とは、映像の連続性の与えるインスピレーションに即して感情面での記憶銘記の補完を行うものだが、そこに「ジャズ」と言う冗長性のあるイディオムを組み込むことで、この効果を映像のドラマツルギーから引きはがして反転することが可能になる。ジャズは現実を飾り恍惚感を得るもの、ストリングスは対照的にファンタジーを喚起させる相反の効果があるように思えるが、映像感覚のある音楽、あるいは散逸する『ドラマティックな』印象の集合を喚起させるという共通項の中にあって、Deleriumとラウンジミュージックは同じルーツを触媒として、危うい関係性と絆で結ばれているのだ。


9. All Alone                .

"Vibing"の流れを受ける形で、浮き沈みする欠けたビートのクラスター、連音のバスドラムとアコギで幕を開ける。タイトルは"All the World"と対になるイメージを狙ったもので、寂しげに響くヴォーカルは悲壮美すら感じさせる。マルチ・パーカッションがLeighのヴォーカルの節々に寄り添う如く絡みながら、パッドやコーラス、ピアノといった各パートを有機的に紡ぎ上げる。イントロの寂繆感は次第に薄れ、ポジティブなストリングスのウェーブでハーモニックな転調を迎えた後、元のトーンに戻り、Leigh Nashが再び奮い立つように孤高に歌い上げる。アウトロのローズ・ピアノとギターのシンコペーションは、"Magic"のイントロとリンクし、円環性を成している。


10. Rafe (Gabin Remix)           .

イタリアのFLIPPO CLARYとMAX BOTTINIによるクラブジャズ・ファンク系ユニット、Gabin。 アメリカーナなラジオ・エフェクトがイントロの、サルソウル系ガラージ風リミックス。Rafeのヴォーカルラインに息づくカントリーソウルを、見事にファンクテイストに調理している。


11. Rafe (Pacha Remix)           .

このPachaというRemixerの正体についてはついに特定できなかった。微細にダブ処理されたビートパーカッションがムーディなアフターアワーズ・リミックス。中盤でスペイン語のラップが上乗せされる。比較的邪魔にならずに聞き流せる良アレンジ。




以上11曲。

Fauxliageは、それぞれの曲が束ねられた葉の如く一体感の内に融け込んでおり、曲毎のインストゥルメントも流動的に繋がる良く纏まった構成を成している。また上述の通り、Leigh Nash、Bill Leeb、Rhys Fulberの3者のルーツを浮き彫りにし、かつ冒険的な試みも為された、一聴したよりも『新しい作品』と評価するに相応しいアルバムに仕上がっていると言えるだろう。Fauxliageとは偽りの虚飾ではなく、それぞれの音楽性の探求の道程で見出された、紛うこと無き真の音楽性の結晶に違いないのだ。


Seraphic Dawn.

2007-07-25 17:51:38 | music5
Seraphicdawn
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO Auto; AWB; Evaluative; iPhoto.)





□ Michael & Levan

Digital Bird




□ Mango

Lollipop Girl





Michael & Levanはグルジア出身のニューカマー。
"Digital Bird"は凍みるような冷気と暗さ漂うchill out.

MangoことAlexey Golovanovはロシアのコンポーザー。柔らかなパッドと、精彩なサウンド・エフェクトを散りばめたカレイドスコピックなリズムセクションが奏でる瑞々しいハーモニーが、同Tilth MusicのSnake Sedrickや、Stefan Anion、そしてAlucard等、他のクリエイターからも支持されています。また、Alucardの自主レーベル、MPFS Blackから"She was here"のリリースも待機中。Tilth Music繋がりでArthur Deepが硬質で冷たいチル・アウトリミックスを提供しています。

>> http://www.myspace.com/theroyalfruitmango
>> http://www.alucard.ca/ (試聴サンプル有り)


[bioinformatics-jp]「ライフサイエンス分野の統合データベース」の連載

2007-07-25 12:15:32 | Science
>> http://www.kyoritsu-pub.co.jp/pne/libs/2007/usual08.html

[bioinformatics-jp] MLからの転載です。
産学官連携の生命科学データベース化戦略。


最新の蛋白質核酸酵素(2007年8月号)
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/pne/libs/2007/usual08.html
から「ライフサイエンス分野の統合データベース」の連載が始まりました。
一回目は「生命科学系データベース統合化の背景」ということで、内閣府連携施策群「ライフサイエンス分野のデータベースの統合化に関する調査研究」
http://61.193.204.197/html/20527A01001.htm
の代表研究者、大久保公策先生が書かれています。現状の問題点がよくまとめられていると思います。

「シリーズの開始にあたって」に書かれているように、「最近、国家レベルでのデータベース整備戦略の立案と実施を行なう中核的組織の必要性が認識され、2006年度から"ライフサイエンス分野の統合データベース整備事業"が文部科学省によって開始された。2007年度からは大学共同利用機関法人
情報・システム研究機構内にライフサイエンス統合データベースセンター(Database Center for Life Science:
DBCLS, センター長 高木利久)が設立され、国内のさまざまな生命科学データベースに対して、単なるunificationではなくintegrationという意味での統合化を図ろうとしている。また、経済産業省、厚生労働省、農林水産省も、省庁連携施策としてこれを進めようとしている。」とこのような情勢になっており、日本の統合データベース構築・維持に向けていろいろと進んでおります。



Ulrich Schnauss / "Goodbye"

2007-07-20 04:01:17 | music5
Usg


□ Ulrich Schnauss / "Goodbye"

Shine
Medusa
Stars

Release Date; 24/06/2007
Label; Independiente UK
Cat.No.; ISOM68CD
Format. 1xCD

>> http://www.ulrich-schnauss.com/ (myspace)

>> tracklisting.

01. Never Be The Same
02. Shine
03. Stars ( featuring Judith Beck )
04. Einfeld
05. In Between the Years
06. Here Today, Gone Tomorrow
07. A Song About Hope
08. Medusa
09. Goodbye
10. For Good


星空の天蓋に白む円い光芒、或は暗黒の静寂を轟かせる無数の光束の如き、フィードバック・ノイズのソニック・アーキテクチャー。ドイツのエレクトロニカ/シューゲイザーの旗手、Ulrich Schnaussの3rdアルバムです。

有機的、ランダムに束ねられ、流動的に紡がれる音の粒子。ノイズ・アトモスフィアの不安定なうねりと、輝度の高いウワモノと重厚なパッドの射幸性メロディ、そして遙か遠来するギターのディストーションが織りなすラッシュ・サウンドスケープ。このアルバムの真の魅力はアウトロ部分、その怒濤のサウンドテクスチャが静寂に離散する瞬間にあります。眩い音の洪水が闇の彼方に引いて行く寂繆感と虚無感が、ロボティックでニヒルなヴォーカルの郷愁とあいまって、何とも言えない視覚性を伴って訪れます。轟音によって静寂を感じさせる、光によって闇を知るというキアロスキューロ。(※・・・Ulrichは、曲を作るにあたって、楽曲ごとの『色』のイメージを見るんだとか)


"Medusa"は、Ulrich Schnauss自身がリスペクトし、自身も参加するLONGVIEWのRob McVeyをフィーチャーして、アルバム中でも異質の、エッジの効いたノイズ・エモ・ハードサウンドを奏でています。そしてアウトロでは、ディレイを効かせた教会聖歌の混声コーラスが神々しく降り注ぎます。

他にも、彼の長年のコラボレーターであるJudith Beckをフィーチャーした"Stars"の、ライトポップなフレーズの背後に舞う分厚く精緻を極めたビートワークも一筆に値する。"Shine"の壮大なスケールを感じさせるイントロや、中盤以降のヒュージなバックコーラスのシャワーも癖になるし、"goodbye"も、前作"A Strangely Isolated Place"の流れを汲む、煌めくウワモノと甘いメロディが秀逸の長編曲。古めかしいアコースティックギター、どこか懐かしさを感じるコーラスとエコーでアルバムを静かに締めくくる"For Good"も、演奏者が立ち去る音がサンプリングされていて、一抹の寂しさと肌寒さを覚えるような、見事にしっくりくる相応しい幕引きとなっています。


テックハウスとの融合が著しい、グルーヴ感を前面に押し出した近年のシューゲイザーの傾向の中にあって、"Goodbye"はMy Bloody Valentineなどのより古く由緒あるバンド感覚のアプローチに根ざしたまま、ポップ性も同時に深化させようという手堅いアプローチがうかがえます。Trans AMやHammockを彷彿とさせる節もありますね。実際、Ulrichは今作での方向性を"record an album based on more traditional electronic music structures"と定めていたようで、彼がなぜ幅広いシーンから支持を得ているのかと言えば、一見最先端の未来的音響の底流にある、普遍的、伝統的なバンドサウンドのスピリチュアルな作用であったりするのかもしれません。


教育と産業構造虚飾化の相関。

2007-07-20 01:47:26 | Science
>> 博士とプライド-ポスドクの死者、行方不明者の本当の原因

「博士」も定職が見つけられず…ポストドクター1万5000人超(産経)
【やばいぞ日本】序章 没落が始まった「ダイナミズム失う」(産経



私は今は現場の人間ではないので、この問題については手短に私見をまとめさせて頂く。ともかく、日本の産業構造における人材不足である。人数ではなくて、その質。エレクトロニクス、精密機械、その他あらゆる基幹産業の末端におけるまで、技術や知見の伴わない未熟な人材の多さ。これは当然、日本の村社会的な教育差別構造に端を発した現状であると言わざるを得ない。いわゆる「日本のエリート」の基本能力の欠陥、技能の偏向性などについては、上記『【やばいぞ日本】序章 没落が始まった「ダイナミズム失う」』を読んで察して頂きたい。

技術者と研究者は違う。また、経済を動かすダイナミズムとなる多くの「非」理工系の社会人も、様々な方面で実力やキャリアを評価されるだろう。しかし、現在は産学共同システムに代表される一部の上部構造を除いて、技術者と研究者が軽視されると言う逆転現象が起こっている。彼らを労うことはあっても、自分がなりたいとは思わない。社会の中枢には、いわゆる文(経済・法学)系エリートの価値観が蔓延していて、富のダイナミクスで物事のバリューを計るという矛盾した悪癖が支配的である。結果、個々で見ればたいして創造性がなく、利益を産まない(しかしなくてはならない)業務が蔑ろにされることになる。一般的にとは言わないが、悪例として「一定水準の訓練と経験を経れば誰にでも出来る仕事」を専門的な技術者に強いて、本来「専門性が高く、技術的な知見に長けた」人がいるべきポストに、無能なキャリア組が居座る。(これには理系に対してのコンプレックスなどの精神的な要因も働いていると思われる。だいたいにおいて、「専門性が高い」→「視野が狭い」という一意的な決めつけは、その手のまやかしでしかない。優秀な人に限って言えばだが、理工系分野の専門性の高さは、汎用可能な普遍性のある技術の高さを保証すると同時に、先端的な学際に通じた深く広い知見ゆえに齎されるはずのものである。)


技術者や研究者になるには、莫大な自己投資と研鑽を積み重ねなければならないのに、「現況の」社会の要求に応えられない(細分化された学術分野は、いつどこで必要性に迫られるかわからない、データドリヴン的性質を持つ)という理由で社会的評価がなされないというのならば、大学院までの「技術・研究」の特化型教育を刷新する必要が有る。現状の「犠牲者が出ることを前提」とした高リスクシステムは破滅的な内部矛盾を抱えている。その結果が、今の日本の産業構造の空洞化に繋がっているのだ。Googleなどが導入し、日本物理学会が企業に呼びかけた「20%ルール」(仕事時間の20%を、独自の研究にあてられる)でさえ、任期付きの職場では如何程の実効性があるのか疑問である。時間だけでなく、設備や資金の充足も問題であろう。

たとえば就職の問題。教授、研究室のコネや、院生自身の活動という従来の選択肢に加え、やはりなんらかのセーフティネットを展開する必要がある。研究者の輩出の過程に注がれたはずのエネルギーの損失を考えれば、その程度は当然理にかなっているものと個人的には考える。そもそもドクターの量産は国が打ち出した政策であった。独立の自由研究機関みたいなものを新しく作って、自律的な社会構造の中で創造的なプロジェクトやテーマに打ち込んでもらうというのもいいかもしれない。そして、やはり劣化の激しい末端の産業において、それなりの「報酬」と「評価」のもと、支援や指揮に向かってもらうとか。社会活動の上で、個人の人間性に何らかの障害があるならば、メンタル面も含めたコンサルティングの上で、保障を制度化する必要性さえあると思う。

然し乍ら、本当に実力のない博士もいるのだから問題は複雑である。間違いだらけの論文、企業利益に癒着したお手盛りレポートetc...)本当に優秀な人材は現状でもアカデミックポストを得るだろうが、やむを得ない事情で技能を生かせない人の方が大半だろう。そもそも金と時間をかければ誰でも容易に博士になれるシステム自体が問題なのだ。博士号を得るためだけなら、海外のディプロマミルでいくらでもPh.Dを取得すれば良い。問題は、本人が人生をかけて「何を探求したかったのか」あるいは対照的に「どのように社会貢献したかったのか」という、真に基本的なことなのだということを忘れてはいけない。だから、その為に必然的に誰かが苦労しなければならないなら、ボトムラインを上げましょう、というのが人道的な姿勢ではないか。自己責任論とかいうすっとぼけた言論は、富を得ながら(あるいは貧しくても)利己的な振る舞いで経済構造に巣食っている厚顔な人たちに本来向けられるべきものである。


Neither Youth Nor Age.

2007-07-15 07:12:17 | 写真
Neither_youth_nor_age_1
((IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO Auto; AWB; Evaluative; iPhoto.)





□ Tune of the Day

□ The Killers

Mr.Brightside [Jacques Lu Cont's Thin White Duke Mix]




_*

--------8<--------キリトリセン--------8<--------


Phoenix


□ Harry Potter and the Order of the Phoenix

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
深夜に先行観て来ました~♪
序盤からシリアスで暗い展開で、
謎が謎を呼び、伏線を張り巡らしながら

ジワジワ...ジワジワ.....

魔法社会の不条理、様々な思惑が交叉する大人達の
理不尽な仕打ちから孤立し、尚奮い立つポッター。
そしてラヴ。

ジワジワ...ジワジワ.....

かつてない強烈な魔法戦!
頑張れガラフ、じゃなかった、ガンダルフ!!
クライマックスで仲間や先生達との絆を再確認する姿に涙。
この時の音楽は、グレツキの『悲歌のシンフォニー』を
モチーフにしていました。

そしてジワジワ...ジワ.....あれ?;ー△ー)


そのままジワジワジワジワ、ジワジワと終わりました。。
伏線の回収、謎の回答も恋の行方も投げっぱなし?
面白かったけど、満足感は微妙。。

なんだかんだ、最終的にはハーマイオニーとハリーが
くっつきそう。自覚はないけど相思相愛ぶりが伝わる。。

特徴的な女性キャラも増えたので、
ハーレムかはたまた修羅場な展開になるのかな?
ワクワクドキドキ。


ちなみに、以前も書きましたが、原作は
『アズカバンの囚人』しか読んでません。
でも映画版もあれが一番面白かったです。
何よりJohn Williamsの音楽が最も素晴らしかった。
『アズカバンの囚人』のスコアは往年の作風が復活していて、
John Williamsファンにとってのマスターピースです。


abstract: Quantitative evaluation of Chaos. - 複雑性の定量化。Version/1.0.3

2007-07-14 15:21:52 | Science
柔軟なデジタル言語を使うことによって、今やわれわれは、アイデアのブロックをかつてないほど容易に識別し、操作することができる。アイデアのブロックが急増していることを考え併せると、イノベーションのペースはますます加速すると結論づけることができる。たとえばヘルスケアのような分野では、デジタル化の技術と生物学の知識(ゲノムのマップ)と強力なコンピューターの組み合わせによって、次々に大きな変化が起こることが予想される。

21世紀のライト兄弟は、アイデアの組み合わせによる解決策を見つけ出す為に、先例のない手法と能力を手に入れた。将来の富は、優れたアイデアを実行する人間ではなく、優れたアイデアを創造する人間に齎されるに違いない。

            -Michael J. Mauboussin.



私見では、この言説の意味する所にポジティブな指向性を認めることには疑問を覚えます。言語の発達、法律、世界の工業化、携帯電話、インターネットなどのツールが実現したイノベーションは、世界と個人個人の関係性の為す相の変化を齎しはしたが、同時にツールを取り巻くビジネスや世界観が創出され、既存の現実問題に絡みあい、より複雑化せざるを得なくなった。人の生活は便利になるが、それ故に忙しくなる。つまり、問題解決の為の手段のはずが、それ自体が新たな問題に成り代わる。物事が単純になるということはありえない。その為に共変位した相の関係性が、局所的、離在的には単純性をもたらしたとしても、その一定の範囲規模内に存在する関連事象に干渉しながら、一回り高次な構造となって再構成される環の中に世界はある。

(素粒子物理学における重力子や、さらに基本的な粒子といった未発見粒子の理論的予測、標準模型に付きまとう諸問題も、この一環を成す。)


→この『理論の符号化レベルの保存性』ということについては、実は過去のエントリーにおいても言及しています。

>> lens,align.:二重のコード (物理認識レベルの情報階層性)

(物事を理論的に解決、説明できるということが「事象の真性」を捉えることだとは限らない。超弦理論のような、現在有望視されている主流の理論科学ですら、帳尻合わせの試行錯誤による複雑化が著しい。(論理的適合性は向上していく)。また最近ネットでも活発に見られるようになった、文理統合を試みた「自己流」の多くの科学哲学も、恣意的、独断的な論理展開の過程で多くの解れを生じさせている。単に概念的に認識可能な任意の形式に変換できるということに過ぎない。)


情報の複雑化はエントロピー増大に例えられることがあります。それは、「情報」が単に抽象的な存在なのではなく、「情報」を生み、「情報」を認識する、人間を含めた物質層のダイナミクスまでを包合した振る舞いの一側面として捉えられるからです。だとしたら、情報のインフレーションには『非永続性』、あるいは『破綻(catastrophe)』があるかもしれないと危惧することもできるでしょう。人にとっての「情報が尽きる」とはつまり、人が社会性を維持出来なるまま収束させていく、ということと同義です。逆に、人間という種が抱えて来た問題の複雑化は、進化過程において必然性、あるいは必要性のあったもの。依って、人口の爆発的増殖と生存のプロセスにおいて正のフィードバックを持つ適応度地形の定性であったと言い換えられます。


※・・・また、人間と、その周辺に相互作用する情報受容体(準知性、他生物等)に共有される情報特性には、「距離・地形的な連続性が与える相関性」というパラメータが含まれている。あくまで我々が認識の根を下ろす次元、時間系において負荷が生じる情報についてしか言及することはできない。情報は「相対性」の産物に他ならないからです。→リャプノフ時間。


※・・・Bio-Informartics分野のイノベーションを取り上げると、象徴的、汎用的な問題解決の為のアルゴリズムが、非常に多岐に渡って細分化され、試行・最適化が為されている。たとえば昨年末には、「時間制約の厳しい大規模巡回セールスマン問題 (TSP)を対話的応答時間内に専門家レベルの最適度で解く」という題目に対して、"メタヒューリスティクスの並列タブーサーチにおけるプロセス間通信の効率化"、"多種ヒューリスティックスによるGA (Multi-world Intelligent Genetic Algorithm)"、"局所利己的遺伝子許容型GA (Locally Selfish-gene Tolerant type GA)"といった、様々な画期的な提案が公表された。

しかしながら、対象となる問題を分解、解析するルートをアーキテクトしたところで、今度はそのためのツールやインターフェースの一般化、もしくは理論から現実の事象、問題解決への応用に付随するマッチングや諸コストの問題が浮上する。『手段』は恒常的に再評価され、見直されるべきものである。


現状においては、事象の複雑性を「何が、何に対して、どの程度複雑なのか」と定量化する手段は一般化されていない。もしこの定量化が何らかの必要性を持って確立されるとしたら、ある複雑系を持つ『群』について、その規模依存性と時間発展における特有の振る舞いをデータ化して、一定の定性を解析、俯瞰できる可能性があり、ある集合の活性化の度合い、あるいは結晶化、破綻予測を、その集合の帰属する構造に照らして、相対的に量ることができる。カオスを計測するということは、同時にオーダーを計るということに繋がる。そして、この手法自体によって更に深刻化した社会の複雑性が、人を新たな問題と対峙させることも自明であろう。


Etyl / "La Tortue" / Линда

2007-07-13 04:57:13 | music5
Etyl



□ Etyl / "La Tortue"

En L'Homme
Moi Je
Je Savais

Release Year; 2006
Label; Wea
Cat.No.; 8345118352
Format: 1xCD

>> http://www.etyl.net/
>> http://www.myspace.com/etylfr

>> tracklisting

01. En L'Homme
02. Naoiq
03. Bulle
04. Et Si Jamais
05. Une Fois En Bas
06. Moije
07. Kit
08. Desolee
09. Meandres
10. Je Savais
11. Histoire De
PV. Naoiq
PV. En L'Homme


フランス発ヌーヴェル・ポップの新星、Etylのデビューアルバム。リーダーであり、ヴォーカルを務めるEglantineを中心に、ヴァイオリニストとコーラスを兼任するChristelle Lassort、ベーシストのChristophe Beaudriard、ドラムのBertrand Perrin、エレクトリックギターのAntonie、アコースティックギターのNicolasの6人編成による、生楽器主体のスムースなトリップ・ホップ。ジャズやハウスのムードに乗っ取ったバンドサウンドを基調としていながらも、Eglantine自身によるエレクトロなオーヴァーダブによって、楽曲全体にサイファイで未来的な立体感を演出しています。

Eglantineはもともとクラシックの教育を受けてきたそうですが、エレクトロニカやEthereal-trip hopに徐々に傾倒し、ジャケットでAkaiのシーケンサーを抱く程の機材オタクになったようです(笑)そのサウンドはやはりというか、Emilie Simonと比較されることが多いみたいですが、実験音響分野で前衛的な技巧を追求していたEmilie Simonとは対照的に、Eglantineは生演奏のオーガニックな音感と、ありものの使い慣らされた(堅実な)機材の工夫によって得られる遊び心に溢れたサウンドを創り出すことを得意としているように感じられました。

しかし反面、キッチュで親しみやすいメロディもあったEmilie Simonと比べ、Etylのフレーズはどこか捉えどころがなく、淡々と心象を吐露していくような突き放したクールささえ感じられるのが面白いですね。ヌーヴェルポップの潮流に身を置きながら、同時に古き良きシャンソンの色香立つエスプリを受け継いでいるような印象。PVでは自らの身体で惜しげも無く、アンニュイなエロティシズムを醸し出しています。




Linda


□ Линда / "Песни тибетских лам"

Сделай так
Танец под водой
Купание в грязной воде

Release Year; 1994

>> http://www.linda.by.ru/
>> http://v-unit.de/forum/index.php?showtopic=40 (Discography)

>> tracklisting.

01. Сделай так 06.51
02. Беги на цыпочках 03.16
03. Песни тибетских лам 04.45
04. Мало огня 05.34
05. Танец под водой 05.26
06. Девять ангелов 04.40
07. Девочки с острыми зубками 03.46
08. Девочки с острыми зубками (акустическая версия) 02.33
09. Купание в грязной воде 05.03
10. Я не буду стрелять 03.32
11. Киска 03.12
12. Я не останусь одна 03.12
13. Небесный город 02.43



90年代後半にロシアを沸かせたらしいカザフスタン出身のギリシャ系ロシア人、Lindaのデビューアルバム。1990年代中盤といえば、CD市場の最盛期に乗っかった、折からの国際的なワールドミュージックブーム。(民俗音楽の世界規模な交換。)さらに、Bomb The BassやEnigma、Deep Forestといった、エスノ・フュージョン・クロスオーヴァーなハウスミュージックが最先端のものとして受容されていた時代で、世界的にイミテイターが溢れていた時期でもあります。

このアルバムも、そんな流れで産まれた一作品だと捉えられるもので、プロデューサーのマクシム・ファデエフが構築した当作品のサウンドは、Bomb The BassやSingle Gun Theoryと同系に位置する、エスニックなサンプリングとハウスビートのブレンド、そしてLindaの可憐で透明感のあるヴォイスが瑞々しい、トリップ・ホップの王道となっています。また、この手の楽曲に良くある「なんちゃって日本語」には大分聞き慣れてきましたが、この作品のは寧ろ味わいがあって全然イケてます。w

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上は2nd Album "Bopoha(Vorona)"からのクリップ。
こういう作風がきっかけで、彼女はドラッグ疑惑のスキャンダルを抱えたまま一線から退いてしまったようです。。しかしその後もライブパフォーマンスを披露したり、今でもアルバムがカルトな話題を呼んだりと、当時の強烈なインパクトと閃きは未だに尾を引き続けています。

(追記)
↑と、書きましたが、本国では割合コンスタントに
リリースを重ねているようです。

DISOCRAPHY:
Pesni Tibetskih Lam (Songs of the Tibetan Llama's) [1994]
Tantsy Tibetskih Lam (Dances of the Tibetan Llama's) [1995]
Vorona (the Crow) [1996]
Vorona (Remake & Remix) [1997]
Konsert (Live Concert Album) [1998]
Platsenta (Placenta) [1999]
Beloe Na Belom (White on White) [1999]
Embrion (Embryo) [2000]
Zrenie (Sight) [2001]
AtakA (Attack) [2004]
Pochti Bliznetsy (Almost Twins) [2005]
AleAda (AleAda) [2006]

SINGLES:
Tsepi I Kolt'sa (Chains & Rings) [2004]

COLLABORATIONS:
HIM (Finnish Goth-Rock band, which was scrapped after Linda left BMG)
Moby (TBA)
Bjork (TBA)
Stefanos Korkolis (AleAda, Nazorei)


YouTubeで見られる"Agonia"のPVに象徴されるように、近年は更に深化したオカルト系ゴシック・ポップの色が濃くなっています。うーん、この方向へ行っちゃうと、今は似たり寄ったりの作品が沢山ありますからね。。個人的には1stの作風が最も評価できます。





以上2作品は、なつみるくさんより寄贈されたものです。彼女には深甚なる謝辞と無比なる賞讃と共に、このエントリーを捧げる(笑)


(追記)

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□ Линда / "Северный Ветер"

さらにYouTubeで拾い物。
これは・・・スゴイ。
ドラッギーなビートワークに、棘のあるヴォーカル。
こういう尖った作風もかなり良いかもしれません。
PVもシュールなアートフィルムを見ているようです。
ラストの畳み掛けるような映像シーケンスと、
ビザーレな民族唱歌の合唱のシンクロが素晴らしい。


Ruth Ann Interview & Fauxliage New Tracks.

2007-07-13 04:31:43 | delerium
□ Fauxliage / "All the World"、"Without You"、"Rafe"

>> http://www.myspace.com/fauxliage

Fauxliageの新曲が、myspaceにさらに3曲追加。
幽玄かつ不気味なアトモスフィアと電子音が、エキゾチックで東洋的な世界観を演出する"All the World"は、おそらく最もDeleriumに通じるトラック。前半の暗さから後半の抜けの良い爽やかなボーカルへの繋ぎが解放的。間奏部は今にも幽霊が出てきそうな暗鬱なサウンドで、ヴォーカルも終始どこか寂しげな響き。

"Without You"は重いストリングスとジャジーな生音のコラージュ、質感豊かでトリッキーなビートセクションに、気怠いヴォーカルラインが哀愁を誘います。期待よりなかなか良さそうです。。

"Rafe"はこれでもかっていうくらい爽やかなドリームポップですね。昨年のLeigh Nash自身のソロアルバム、"Blue on Blue"に入っていても不思議じゃない曲。

(参考)
>> lens,align.:Fauxliage Press Release.




Whataboutus



□ Ruth Ann Interview.

>> http://www.enigmamusic.com/ruthann/
>> http://www.myspace.com/ruthannfans

Enigmamusic.comが先日から公募していたRuth-Annへのインタビュー企画の回答が公開されました。上記特設ページでインタビュー含め、フォトのダウンロード等の特集が組まれています。個人的には、内容は取り立てて興味をそそるものではなかったのですが、幾つか取り上げると、


・"Gravity of Love"の歌詞について

「Michaelからは、これが「何について」の曲なのかある程度の説明は受けたけど、同時に自分なりの解釈が求められた。私にとっての『Gravity of Love』は、愛がどんなに重要で意味のあるものか、また、それが「本物」の愛であるのかどうかということなの。」


・"What about us"とEnigmaは一切リンクしていない
・OliveのTomと交流はあるが、再結成の予定はない。
・CD媒体でもリリースして欲しい。
・シングルを発表するなら"No Surrender"、クリップはJulien Temple(Enigmaの3rd,4thでPVを手掛けている)にして欲しい。
・"Ruth-Ann"として成功したい。
・またEnigmaとしてコラボレーションしてみたい。
・"The Woman I Could Be"と"More Than Ordinary"のバックヴォーカルは、Peter Ries(Enigmaお抱えのリミキサー)


などなどが、彼女の回答で気になった点でした。その他の内容でも、彼女が如何にCretuを信頼して傾倒しているか、ということが窺えるものでした。是非Enigmaの次回作で歌声を聴かせて欲しいですね。


Clip. -Biodiversity and ecosystem multifunctionality.

2007-07-13 03:01:50 | Science
地球:海洋トランスフォーム断層に沿った重力異常の拡大速度依存性
Spreading rate dependence of gravity anomalies along oceanic transform faults
p183 - 187


Gravity and bathymetry data from transform fault systems associated with mid-ocean ridges that are spreading at different rates indicates that crustal thickening may occur under transform faults associated with intermediate- and fast-spreading ridges. If confirmed, this observation would require a change in our understanding of how magma accretion occurs along rapidly spreading mid-ocean ridges.

Patricia M. Gregg, Jian Lin, Mark D. Behn and Laurent G. J. Montesi
doi:10.1038/nature05962

Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/abcRaeaUj2oCjIba
Article: http://ml.emailalert.jp/c/abcRaeaUj2oCjIbb



生態:生物多様性と生態系の多機能性
Biodiversity and ecosystem multifunctionality pp188 - 190

An analysis of published data from grassland biodiversity experiments looks at the relationship between biodiversity and multiple ecological processes (ecosystem multifunctionality). Different species often influence different ecosystem functions, suggesting that studies considering single ecosystem services in isolation may severely underestimate the levels of biodiversity required for fully functioning ecosystems.

Andy Hector and Robert Bagchi
doi:10.1038/nature05947

Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/abcRaeaUj2oCjIbc
Article: http://ml.emailalert.jp/c/abcRaeaUj2oCjIbd


□ 2007年日本バイオインフォマティクス学会年会 (JSBi2007)

>> http://zp.cbrc.jp/jsbi2007
>> http://www.jsbi.org/


Fauxliage / "Let it Go" Sample.

2007-07-10 06:37:42 | delerium
Fauxliagea_1



□ Fauxliage / "Let it Go" Available on myspace

>> http://www.myspace.com/fauxliage


Fauxliageの楽曲が遂に公開されました。
まだ試聴できるのは"Let it Go"のみですが、ストリングス基調の艶やかな曲。濡れてきらめくピアノとドープなビート、切ない出だしからポジティブな色を帯びていくLeigh Nashの表情豊かなヴォーカルが鮮やかです。確かにDeleriumには無い情緒溢れるエスプリを効かせていて、アルバムにも期待が高まります。Conjure Oneっぽい感じもしますね。

(参考)
>> lens,align.:Fauxliage Press Release.


Michael J. Mauboussin /「投資の科学」

2007-07-09 03:22:58 | Science
Mtyk


『投資の科学』
(原題:"More Than You Know - Finding Financial Wisdom In Unconventional Places")

著者:Michael J. Mauboussin
初版:2007/02/26
監訳:川口有一郎
翻訳:早稲田大学大学院応用ファイナンス研究会
発行:日経BP社
ISBN978-4-8222-4551-1

投資業界を先導する世界有数のトップ・グループ、"Legg Mason Capital Management, Inc."のチーフ・インベスト・ストラテジスト(=投資戦略立案者)が、複雑系(Chaos/Complexity)、情報理論、生物学や脳科学といった知見から『投資のダイナミクス』について鋭く切り込んだ著書。トレーダー達の間でカルトな支持を得たエッセー集"The Consilience Observer"を拡大再構成したもの。


・投資における『適応度地形』の存在
・「結果」に対して人は「原因」を捏造する(因果関係を見誤る)
 →事象に『真因』というものは存在しない。
・経験則からの分析は役にたたない。
・平均値ではなく、異常値が世界を支配する (→ファットテール)
・行動ファイナンスは地雷である
・「希少性」「非対称性」の高い情報の負荷と価値
・あらゆる企業成長に共通する4つの法則

・多くの投資家の行動が一様化すると(誰かの知識に頼ると)、マーケットは機能しなくなる。(群衆行動における情報のカスケード)

→行動原理・価値体系がバラバラの方が相互活性化(カオスの縁)

・「何もしない」ことの価値・知性(『無為』と『作為』の天秤)
→ 近視眼的な損失回避が導く非効率性
→『非自在性の自覚』=『自覚無き自在性の獲得』

・記憶媒体の進化による爆発的なイノベーションの加速は、問題解決に多様な(予測不可能性のある、意外な)道筋を与える。

→※私見では、この言説の意義にポジティブな指向性を抱くのは疑問を覚えます。携帯電話、インターネットなどのツールが実現したイノベーションは、世界と個人個人の関係性の為す相の変化を齎しはしたが、同時にツールを取り巻くビジネスや世界観が創成され、現実問題に絡みあい、より複雑化せざるを得なくなった。つまり、問題解決の為の手段のはずが、それ自体が新たな問題に成り代わる。物事が単純になるということはありえない。その為に共変位した相の関係性が、一回り高次な構造となって再構成される環の中に世界はある。


・1987年10月の「ブラックマンデー」のような株価暴落は、宇宙が10億回生まれ変わった時間を要しても『計算上、確率的にはありえない』はずだった。


ここ5年間、ファイナンス、マネージメント系の著書には色々手をつけてきましたが、遂に決定的な良書に出会えました。というのも、私自身にとっての命題分野でもある、生物学的複雑系システムの知見(他には脳科学分野の説明も豊富)から投資論を扱った最初の総括的著書だからなんですね~。あのダンカン・ワッツ(非線形動力学のパイオニア)と友人だというのも奇遇というか驚き。 関連して、Steven WolframやSteven H. Strogatzの引用があるのも、最近の自然科学のトレンドを着実に取り込んでいることが窺えて、信頼がおけます。まえがきでは、複雑系研究の最先鋒、サンタフェ研究所への熱烈な謝辞も表明されています。

まだ一通り目を通した他、触りと本命の第四章『科学と複雑系理論』しか本読していないですが、私が昨年あたりにここで展開していた「株価変動の『アノマリー(特異点)』とユニタリー時間系」に結びつくような主張も展開されていて胸のすくような思いです。が、複雑系のパースペクティブではありがちですが、株式市場でうたわれている、いわゆる「定石やテクニック」というものの根拠を否定、あるいは無効にしてしまうような内容も含むので、敵を作ることもあるでしょう。問題作といわれる所以でもあります。


本著は投資論にとっての新風とされているそうですが、複雑系の見地からはまだまだ掘り下げが浅いような気もします。まだ認識が一般化されていないせいでもあるでしょう。でも危険予測の重要性に鑑みるという点では、それに大部分を割いた非常に先鋭的な言説なので、投資のプロにほど、一度は読んで胸に刻んでほしいもの。


また、扉でウィルソンの"Consilience"を引用しているように、著者は現代において細分化、専門化の著しい異分野学術(学際)の知見の統合がもたらす創造的な発見を重要視していて、これも自分が常々考えていることと共鳴しているのですが、それは何故かというと、著者が「結果」よりも「過程」に本質があると説く通り、あらゆる問題に向き合う「手段」というのは、思考のアルゴリズム(及び、振る舞いと関係性の変位)に関わることであり、それは脳科学的には信号の処理方法であって、「信号の処理」と一元視すると、汎用的にあらゆる問題解決に対して有用性を持つ、ということなのだと思います。

ここで何回も取り上げてきた、bio-informaticsにおける情報処理技術の発展と蓄積がもたらした、同技術の他分野への応用(プロトコル解析や電波天文学等)も代表例の一つでしょう。他のことに関する考え事に適用したメソッドが、知らぬ間に無関係な考え事に噛み合う、という経験なら誰もが持っていますよね。複雑系とは、無限に絡み合ったシンプリシティの非可換なセグメントとして捉えられるからです。(このセグメントは、主観者のパースペクティブが属するエネルギー準位系に築く関係性によって、"還元的に"全体性から現出する。)


と、齧っただけで長々とイントロダクションを書いてしまいましたが、読み終わったらまた感想を書くかもしれません。とりあえずオススメ。


prominence.

2007-07-01 21:21:05 | music5
Fermata_1
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO Auto; Evaluative; iPhoto.)




□ Tunes of the Day


□ Globus / "Epicon"

Preliator
Orchard of Mines


>> lens,align.: Globus / "Epicon"




□ Alessandro Safina

Diva Mea



引き続き混声合唱+ビートアレンジ系の紹介です。
過去にも扱ったものですが、簡単に説明。
GlobusはImmediate Musicの商用名義アルバム。オルフを意識したカンタータ調のコーラスに豪快なスフォルツァンドといい、e.s.Posthumusとアプローチが被っていますが、もっと市場を意識したヴァラエティのあるアルバム構成。

"Diva Mea"は、あえてAlessandro Safinaのオペラの無いインストゥルメンタルバージョンを。後半部の混声合唱のスタッカートが、オルフ的で荘厳なスケールを演出しています。

Carl OrffのCarmina Burana、特に"O Fortuna"の構造をトレースした現代音楽は、実はここに列挙し切れないほど存在します。その手の楽曲が映画予告に適用される流行として一つの口火を切ったのは、James Hornerの"Glory"でしょう。他に、映画音楽の分野において、合唱の効果を一般層にまで存分に知らしめたという点では、Jerry Goldsmith("Omen")やVangelis("1492")の功績も忘れてはなりません。Globusは"1492"へのオマージュらしき曲をアルバム中で披露していますし、Deleriumも初期作品において"1492"の合唱やフレーズのサンプリングを散りばめています。


参考:
>> lens,align.: 混声合唱系アーティストのリスト


※最近になると、Spectrasonicsの"Symphony of Voices"を代表とした、合唱系のソフトシンセ、サウンドライブラリが一般向けに販売されているため、誰でもそれっぽいものを量産することが容易な時代になっています。とはいえ、楽曲の価値を決めるのは、結局は『作曲家』としてのセンスとオリジナリティ以外にありませんね。