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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Tomb Raider: Underworld

2009-02-15 12:17:42 | music8
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>> http://www.spike.co.jp/tombraider_u/


□ Tomb Raider: Underworld

Main Theme
Burning Manor (Vocals)
Lower The Gate
Thor's Room


Eidos / Crystal Dynamics
Director: Eric Lindstrom / Toby Gard
Score Composed by: Colin O'Malley
Main Theme by: Troels Brun Folmann


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□ STORY

世界の数々の古代遺跡を攻略してきた女性考古学者のララ・クロフト。地中海の奥底に眠る古代遺跡で探索をしていたララは、あることに気づく。尊敬する父が追い求めてきた神秘的な土地「アバロン」と、突然失踪を遂げたララの母親。一見無関係と思えるこのふたつに、実は何か接点があるのではないか? と。真実を解明するため、ララは世界中の闇に葬り去られていた古代の土地「アンダーワールド」へ足を踏み入れることに。また、母親の謎を解く旅の途中、世界のすべて、神をも滅ぼす恐ろしい力を宿す、神話に伝わる武器「トールハンマー」が実在することを知る。神話に隠された真実とは…?



世界で最も愛されている遺跡探検アドベンチャーゲーム、"Tomb Raider"シリーズの最新作。これをプレイする為にPS3を買いました。

ゲームをすること自体、凡そ7~8年ぶりになるのですが、最後にプレイしたのがトゥームレイダーの4作目。このシリーズは他に3作目しかやったことがないですが、それでもずーっと意識の奥底で燻り続けるインパクトを与えてくれた作品でした。

私にとってその魅力とは、何と言っても「朽ち果てた遺跡を探索する情緒とカタルシス」以外の他にありません。数々のトラップや鬼畜の如き仕掛け装置も、言うなればそれも古代の意思との対話であり、ここで関係性を築いているという、ある意味、遺跡フリークにとっての「麗しき妄想」全てが凝縮されているといっても過言ではないのです!(力説)


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もう実写と見紛うばかりのCGの描き込み、情報量の凄さに圧倒されるばかりでした。要所要所でBGMが挿入されますが、プレイ中は自然音に包まれるだけのシークエンスも多く、ただボーッと画面を眺めてるだけで癒されます。


このシリーズに名高い難しさは、謎解きや戦闘にもそれなりにあるのですが、実は「操作性のシビアさ」こそが、その大部分を締めていたりします。今回ただでさえ画面の情報量が半端ないので、8年ぶりにコントローラを握る私には正に修羅の道。。それでもなんとか、Hardモード+最もシビアなカスタマイズでクリアしました!

ただ、映像にリアリティが増した分、舞台装置やギミックについては逆に制限が生じているようには感じました。クリア手順が随分と画一的になったような。。?あと、海中シーンにおいて生理的に生じる障害、「3D酔い」これが最大の難関でした。


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とはいえ、巨大な装置がけたたましく鳴動する様は壮観です。今作のテーマは「北欧神話」がベースということもあり、舞台となる遺跡の建築様式は質実剛健で荘厳なオーラを放っています。ストーリーは、かなーりアメコミチックになってますね。。ただ、それを除けば、神話に歪曲された生々しく重厚な真実に迫っていく展開には引き込まれるものがあります。


[以下、ネタバレ]

北欧神話の「ラグナロク(世界の終末)」とは何だったのか、オーディンやトールといった太古の神々の正体とは?と、その真相の大部分は明かされないどころか、多くの矛盾と謎を残したまま終わります。話が繋がっているという"Tomb Raider: Legend"と"Tomb Raider: Anniversary"のストーリーを参照してみても、謎は広まるばかり。


ララのドッペルゲンガーについては、シナリオ的な必然性が全くありませんが、これぞパルプ・フィクション!って感じで好きなくだりですね。母親の行方は、分かりやす過ぎるほどの決着が。。



以下、このゲームにおけるミソロジーを整理すると、


トールに与えられた地上最強の兵器「ミョルニル」は、地下の機械施設ヘルヘイムへの鍵であり、無重力のパワーを用いる(?)。地球「ミッドガルド」を取り巻いているという大蛇ヨルムンガンドは、実はプレート・テクトニクスにおける地殻構造そのものを指しており、ヘルヘイムに設置された「デバイス」によってヨルムンガンドを刺激すると地球は再び火山の星へと還り、種の大量絶滅を引き起こす。この装置が何故作られたのかは不明。

生命種を瀕死状態にして進化を促す「セブンス・エイジ」を引き起こすのが目的である不死の女王ナトラ(一作目のボス)は、この装置の機能に乗じただけであって、彼女自身が北欧神話とどう関わっているのかは全く説明されない。前々作のエクスカリバーが時空転送のポータルとして再登場する他、とにかくSFテイスト満載!



この手のファンタジーとしては、「謎」を雰囲気のままで扱うのが正解なのですが、どうもシリーズ化して関連の話を引っ張っている以上、ある種の顛末を設けようとしているのかもしれません。



音楽について。前々作"Legend"から引き続きTroels Brun Folmannがメインテーマを担当。劇伴曲はColin O'Malley(Yanniの指揮者も経験)によるもので、ほぼ全編に渡って、Hans Zimmer系の混声合唱+オーケストラ、エレクトロビートで構成される曲ばかりです。

ただ、今作は従来にも増してずっとクラシック寄りのアレンジになっているとのことです。それでも舞台となる各国の民族色を押し出した、エスニックなアンビエントに徹するトラックが大半ですね。オープニング・ムービーではモーツァルトのLacrimosaが使われています。



Tombscore

□ Graeme Revell / "Tomb Raider" Original Score

Main Titles
The Planetary Alignment
Home Invasion


こちらは2001年にアンジェリーナ・ジョリー主演で製作された映画版"Tomb Raider"から。スコアはあのGraeme Revellが担当していて、民族音楽系アンビエントと教会的混声合唱、そしてデジタルビートと、現在におけるゲーム版トゥームの音楽の方向性を打ち出したといっても良い内容。私のマスターピースの一枚でもあります。


THE FUTURE SOUND OF LONDON / "ENVIRONMENTS II"

2009-02-01 09:18:23 | music8
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□ The Future Sound of London / "Environments II"

Viewed From Above
A Corner
Small Town
Ice Formed

Release Date; 05/01/2009
Label; Jumpin & Pumpin
Cat.No.; CDTOT62
Format: 1xCD

>> http://www.futuresoundoflondon.com/


>> tracklisting.

01. Viewed From Above
02. Glacier (Part 1)
03. Serengeti
04. Colour-Blind
05. A Corner
06. Newfoundland
07. North Arctic
08. Factories And Assembly
09. Ice Formed
10. Small Town
11. Nearly Home
12. Boca Manu
13. Journey To The Center
14. Glacier (Part 2)


Written by Brian Dougans and Gaz Cobain
Engineered by Yage
Published by Futuresong
Produced by The Future Sound Of London
Recorded at EBV Studios London
Enhanced by FSOL and Yage at 9 Ley Lines West 2008


this album was created with help and inspiration from:
Max Richter, Daniel Pemberton, Chris Margory
Robert Fripp (King Crimson), Colin Bell, Will White(Propellerheads).



1988年、UKエレクトロの最左翼として登場した時代のパイオニアであり、今やテクノ・レジェンドとして讃えられるFSOLこと、Brian DougansとGaz CobainのデュオによるAmbient Album。昨年夏にリリースされたmp3 AlbumをCD向けにエンハンスしたもの。


主に90年代、FSOLやその他無数の別名儀によって残された膨大な音源の数々は、現在エレクトロニカやIDMと称されるジャンルの基盤構築に大きく貢献したとしても過言ではありません。

YageやAmorphous Androgynousといった名義ごとに、あらゆる音楽スタイルを自在に行き来する彼らにとって、シンセサイザーとサンプリングを駆使した、不定形でSci-Fiな異時間的音響を奏でるFSOLは、それらのCardinal Point(基準点)でもありました。


2007年、彼らは長い潜伏期間を経て、聖典とされる過去の音源を"From the Archives"としてコンパイルし立て続けにリリース、それを皮切りに『FSOLとしての』積極的な作曲活動を再開しました。



その一環として象徴的にインベントされたのが、紛うことなきFSOL名義による新作アルバム、"Environments"シリーズです。その一作目では楽曲を大きく二部構成とし、過去の音源を再構築しながら間断なく続くオーガニックなアンビエントを奏でていましたが、今回"Environments II"においては、楽曲を小分けにタイトル、それぞれのパート毎に特徴的な音響や曲調をイニシャルし、抑揚を効かせています。全編に自然や動物などによる環境音がレイヤーされています。


今作に大きく貢献しているMax Richterは、ドイツのネオ・クラシカルの旗手であり、フルートやストリングスの旋律に電子音響を絡め、FSOL独特の硬質で冷たいアトモスフィアの中に室内楽的な静謐さを加味しています。

ダークでシネマティックな導入となる"Journey to the Cener"と"Glacier (Part 2)"の流れは、Amorphous Androgynous名義でも見せたサイケデリック的なアプローチから民族音楽に切り込んだ、Bill Laswell風のサウンド。


他にも、フィルタリングされた合唱がビザーレな印象を喚起する"Small Town"や、初期のエスノ・トライバルなサウンド・スケープに立ち返った"Serengeti"と"North Arctic"、"Boca Manu"。荒涼とした巨視的空間に無機質で機械的な鳴動を響かせる"Newfoundland"。

そして、Old Schoolながらダイナミックなビートを効かせる"Colour-Blind"と"Factories and Assembly"、"Ice Formed"など、そこには確かに、FSOLがオリジネイターとして開拓してきた『テクノ』の音響の新旧が介しています。