□ Ruth Ann + Michael Cretu (Enigma) / "What About Us"
>> http://www.ruthann-music.com/
>> http://www.crocodile-music.de/enigma/index.php
(レビュー)
>> lens,align.:Ruth Ann / "What about Us"
Release Date; 04/ June/2007
Label; tba
Cat.No.; none
Format: AAC (Exclusive for i-Tunes)
>> tracklisting.
1. No Surrender
2. Go
3. Drive
4. What about us
5. You talk too much
6. Beautiful
7. Dancing into Hell
8. More than Ordinary
9. Letter to Heaven
10. I'd die for you
11. The Woman I Could be
12. Believe in Me
EnigmaのMichael Cretuが、OliveのRuth-Ann Boyleのソロデビューアルバム、『What About Us』をプロデュース、6月4日に日本を含む世界中のi-Tunes Storeにおいてリリースされることが決定しました。
このアルバム、実は2004年に製作されたまま、お蔵入りとなっていたもの。クレトゥは"Voyageur"をリリース後に、Angel("Return to Innocence"のヴォーカル)の2ndソロアルバムの製作と共に、Ruth-Annとレコーディング中であることを明らかにしていましたが、当時はアルバムが完成間近というニュースが入って以来、情報が途絶えたまま自然消滅となるものかと思われていました。
新設されたRuth-Annのオフィシャルサイト(上記)で"What about Us"収録楽曲の全クリップが試聴できますが、作風は驚く程シンプルで、Cretuの他のプロデュース作品からのマテリアル(プリセット音源)やフレーズの使い回しが目立つのが興味深いです。"Voyageur"よりも"A Posteriori"との共通点が多いのも、このアルバムのリリースが一度断念されたものであることを生々しく物語っているようにも思えます。
"No Surrender"は、Enigmaの"Sitting on the Moon"のボーカルフレーズと酷似しているし、"Letter to Heaven"は"Sitting on the Moon"の伴奏そのもの。"I'd die for you"のピチカートは、同じくCretuがプロデュースしたAndru Donaldsの"Just for one Day"のものだったり、他にザッと聴いてみた限りでも色々と確認できます。
"Beautiful"はJens Gadとのコラボレーションだそうですが、そういえば、Jens Gadは自身のプロジェクトである"Achillea"のpre-recording(試作バージョン)でRuth-Annのヴォーカルを起用していたことが思いだされます。こういう生音を使用したチル・アウトと彼女の声は非常に相性が良いのですが、残念ながら、他のダウンテンポなエレクトロダンスでは、その魅力を活かしきれていない印象。
Ruth-Annは、Tim KellettとRobin Taylor-Firthらと立ち上げたブリティッシュ・トリップ・ホップバンド、Oliveのヴォーカルとして活動。Cretuに『彼女の声がEnigmaに必要だ』と見初められ、Andru DonaldsとともにEnigmaの4th Album、"the Screen Behind the Mirror"と5th "Voyageur"に参加。Enigmaとしての最初のフィーチャー曲"Gravity of Love"では、オルフのカンタータとダイナミックなトライバルビートに、神々しいまでにクールなヴォーカルをのせて、衝撃的なインパクトを全世界に齎しました。
彼女のヴォーカルの魅力は前述の通り、漣を描くように吹き抜け、どこまでも透き通るようなフラットで涼しげな声質。似たようなシンガーが存在しない稀有なスタイル。どこか愁いを含んだような表情を見せることもあって、Oliveの持ち味である、アンニュイで灰色の哀愁に満ちたサウンドとは切っても切り離せない存在。しかしEnigmaの仰々しさと妖しさにも全く退けを取ることなく調和を見せ、その意匠は"Following the Sun"で頂点を迎えましたが、その後、何らかの事情で(おそらく"What about us"がお蔵入りとなった経緯と関連があるのでしょう)クレトゥが"A Posteriori"製作前に、サイドプロデュースから孤立。以降、Ruth-Ann名義での活動はアナウンスされていませんでした。オフィシャルのBiographyの更新が待たれます。
※アルバムレビューは、発売日以降に綴ります。
□ Tunes of the Day
□ Enigma
♪ Gravity of Love (Chilled Club Mix)
♪ Following the Sun
"Following the Sun"は"Voyageur"を締めくくる壮大なヴォーカルトラック。地平線が開けるようなアトモスフィアに、"Boum-Boum"のパーカッションがより立体的に浮き彫りにされ、時計の2音がリズムを刻む中、Ruth-Annのヴォーカルが射光の如く現れる。(出だしのメロディは"Silence Must Be Heard"のもの)そして間奏では"Return To Innocence"、"Child In Us"のアコースティックギターのリフがハーモニカの明るい旋律と共に浮上し、サウンドストラクチャはワンループ毎に複雑な幾何学模様を噛み合わせていくように、より高次な軌道へと引き上げられ、鳴動する世界装置の如くハーモニックに鳴り響く。コーラスとアトモスフィアのウェーブが離散していくアウトロでは、グレゴリオ聖歌が消え入りそうなくらいの音量でレイヤーされています。
>> http://www.ruthann-music.com/
>> http://www.crocodile-music.de/enigma/index.php
(レビュー)
>> lens,align.:Ruth Ann / "What about Us"
Release Date; 04/ June/2007
Label; tba
Cat.No.; none
Format: AAC (Exclusive for i-Tunes)
>> tracklisting.
1. No Surrender
2. Go
3. Drive
4. What about us
5. You talk too much
6. Beautiful
7. Dancing into Hell
8. More than Ordinary
9. Letter to Heaven
10. I'd die for you
11. The Woman I Could be
12. Believe in Me
EnigmaのMichael Cretuが、OliveのRuth-Ann Boyleのソロデビューアルバム、『What About Us』をプロデュース、6月4日に日本を含む世界中のi-Tunes Storeにおいてリリースされることが決定しました。
このアルバム、実は2004年に製作されたまま、お蔵入りとなっていたもの。クレトゥは"Voyageur"をリリース後に、Angel("Return to Innocence"のヴォーカル)の2ndソロアルバムの製作と共に、Ruth-Annとレコーディング中であることを明らかにしていましたが、当時はアルバムが完成間近というニュースが入って以来、情報が途絶えたまま自然消滅となるものかと思われていました。
新設されたRuth-Annのオフィシャルサイト(上記)で"What about Us"収録楽曲の全クリップが試聴できますが、作風は驚く程シンプルで、Cretuの他のプロデュース作品からのマテリアル(プリセット音源)やフレーズの使い回しが目立つのが興味深いです。"Voyageur"よりも"A Posteriori"との共通点が多いのも、このアルバムのリリースが一度断念されたものであることを生々しく物語っているようにも思えます。
"No Surrender"は、Enigmaの"Sitting on the Moon"のボーカルフレーズと酷似しているし、"Letter to Heaven"は"Sitting on the Moon"の伴奏そのもの。"I'd die for you"のピチカートは、同じくCretuがプロデュースしたAndru Donaldsの"Just for one Day"のものだったり、他にザッと聴いてみた限りでも色々と確認できます。
"Beautiful"はJens Gadとのコラボレーションだそうですが、そういえば、Jens Gadは自身のプロジェクトである"Achillea"のpre-recording(試作バージョン)でRuth-Annのヴォーカルを起用していたことが思いだされます。こういう生音を使用したチル・アウトと彼女の声は非常に相性が良いのですが、残念ながら、他のダウンテンポなエレクトロダンスでは、その魅力を活かしきれていない印象。
Ruth-Annは、Tim KellettとRobin Taylor-Firthらと立ち上げたブリティッシュ・トリップ・ホップバンド、Oliveのヴォーカルとして活動。Cretuに『彼女の声がEnigmaに必要だ』と見初められ、Andru DonaldsとともにEnigmaの4th Album、"the Screen Behind the Mirror"と5th "Voyageur"に参加。Enigmaとしての最初のフィーチャー曲"Gravity of Love"では、オルフのカンタータとダイナミックなトライバルビートに、神々しいまでにクールなヴォーカルをのせて、衝撃的なインパクトを全世界に齎しました。
彼女のヴォーカルの魅力は前述の通り、漣を描くように吹き抜け、どこまでも透き通るようなフラットで涼しげな声質。似たようなシンガーが存在しない稀有なスタイル。どこか愁いを含んだような表情を見せることもあって、Oliveの持ち味である、アンニュイで灰色の哀愁に満ちたサウンドとは切っても切り離せない存在。しかしEnigmaの仰々しさと妖しさにも全く退けを取ることなく調和を見せ、その意匠は"Following the Sun"で頂点を迎えましたが、その後、何らかの事情で(おそらく"What about us"がお蔵入りとなった経緯と関連があるのでしょう)クレトゥが"A Posteriori"製作前に、サイドプロデュースから孤立。以降、Ruth-Ann名義での活動はアナウンスされていませんでした。オフィシャルのBiographyの更新が待たれます。
※アルバムレビューは、発売日以降に綴ります。
□ Tunes of the Day
□ Enigma
♪ Gravity of Love (Chilled Club Mix)
♪ Following the Sun
"Following the Sun"は"Voyageur"を締めくくる壮大なヴォーカルトラック。地平線が開けるようなアトモスフィアに、"Boum-Boum"のパーカッションがより立体的に浮き彫りにされ、時計の2音がリズムを刻む中、Ruth-Annのヴォーカルが射光の如く現れる。(出だしのメロディは"Silence Must Be Heard"のもの)そして間奏では"Return To Innocence"、"Child In Us"のアコースティックギターのリフがハーモニカの明るい旋律と共に浮上し、サウンドストラクチャはワンループ毎に複雑な幾何学模様を噛み合わせていくように、より高次な軌道へと引き上げられ、鳴動する世界装置の如くハーモニックに鳴り響く。コーラスとアトモスフィアのウェーブが離散していくアウトロでは、グレゴリオ聖歌が消え入りそうなくらいの音量でレイヤーされています。