lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

levitated ring.

2006-03-27 21:56:35 | art music
Firstplasma_2
(RT-1装置:浮上しながらプラズマ発光するコイル)
(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

>> http://www.k.u-tokyo.ac.jp/index.html.ja
>> http://www.ppl.k.u-tokyo.ac.jp/RT1news/rt1.html
[概要] >> http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/180203_02.pdf

RT-1 プロジェクトは,新しい原理によるプラズマ生成システムを開発しようとする実験プロジェクトである.東京大学・大学院新領域創成科学研究科が同大学の高温プラズマ研究センターと協力して,平成 16 年度から柏キャンパス・基盤科学実験棟に建設を進めてきた.平成 18 年 1 月に最初のプラズマ実験に成功した.
────
RT-1 は天体の磁気圏に似た構造を実験室で再現する装置である.多くの天体はダイポール磁場をもち(例えば地磁気),その磁場にトラップされたプラズマが磁気圏を形成する.RT-1 は,真空容器(宇宙空間に相当する)の中に超伝導マグネットを磁気浮上させ,それが作るダイポール磁場(天体の磁場に相当する)でプラズマを閉じ込める.木星の磁気圏は,極めて高βのプラズマを閉じ込めていることが知られている.しかし,それがなぜ可能なのかが十分理解されていない.東大のグループは,これが木星磁気圏の回転流の効果であると理論的に予想している.


M.I.T.のLDX-Projectと同様の原理で高音超伝導コイルを用いた装置ですが、天体物理学にヒントを得てプラズマの回転を採用することで、競合に差を見出そうとしているようです。現在南仏キャダラッシュで進行している国際核融合実験炉、ITER(1億度)の十倍を超える発熱量が実現できるというから驚き。

要約すると、真空容器中のコイルを地磁気のような磁場で浮上させ、電流を流すことでプラズマを磁場に閉じ込めるのですが、この時、コイルを天体に見たてて、プラズマの回転の有無が効率を左右している可能性を検証し、高βプラズマの生成・制御を実現しようとするもの。

プラズマは原子核と電子が分離して活動的な状態を差し、宇宙空間の物質の大部分を満たしていますが、天体の周囲では磁気の影響を受けて創発的に磁気圏、惑星間では電磁圏を形成します。このダイナミクスには、プラズマ間の位相同期(ホタル群の明滅のシンクロと同じようなメソッド)といった自己組織化現象が働いていると分析されていますが、理論的、実験的な検証は未だ不完全なので、RT-1実験のこうしたプラズマ宇宙物理学への貢献も期待されます。

※補足:浮上超伝導コイルの磁束保存によって、自己安定な浮上条件が存在する。
>> 高温超伝導コイルの自己安定な 無制御磁気浮上

□ 

http://maintenance.blogzine.jp/maintenance/2006/03/post_3be2.html

先日のOCNブログの管理場面表示遅延について、
OCN側からの報告がなされましたが、大方の予想通り、
メンテナンスの影響を受けてアクセス制御を行う
負荷分散装置のスタック閾値が異常に
低くなってしまったことが原因のようです。
大規模バックボーン網の調整では仕方ないこととはいえ、
こうしたリスクの周知までを、メンテ前から
行うという選択肢もあったのではないですかね~。



□ Tunes of the Day

□ Monolake / "momentum"

Tetris

ミニマルテクノ、音響、エレクトロニカ、クリックハウス、インダストリアル、アンビエントといったサウンドを縦横無尽に操る奇才Robert Henke。本作はやや明快なビートを主軸にした、ジャケットのイメージ通り、複雑な動機関によって法則的に奏でられる機械音という印象を受けます。割りと曲毎で方法論が異なるので批評し難いですが、全体的にインダストリアル色が強め。
暗闇の底から浮かんでは沈むようなドープで濁ったビートが心地良い"atomium"、弾力と質感を漂わせるバウンドエコーを不規則に配置して、時間軸に平行してずらしていく"White_II"、様々な音の関数が曲線を描いて交りながら、レイヤーを結んだり、ほつれたりと展開する"Tetris"、幾つかのテクスチャを貼りつけて、ビートのエフェクトに変化を加えながら組み合わせを推移させていくミニマルトラック"Stratosphere"、"Credit"は吹き抜けるアトモスフィアで空間を包み込む、ノンビートのアンビエント。



□ Team Shadetek / "Burnerism"

Lancolin



□ Above & Beyond / "Tri-State"

Home
In The Past

Anjunabeatsに代表される、ディープでカッティングエッジなトランスの流行にはじまり、今や磐石の地固めに入ったTrance/Progシーンを多面的に牽引しているユニット。"Tri-State"は、彼らの集大成というよりも、コンセプト的に製作された感のあるアーティストアルバム。この手の作品は、DJ Mixから受ける印象よりもトーンダウンしてしまうのは必然的とも言えるのですが、それ以上に音使いが淡白で、anjunabeatsの特色等を期待する向きにはあまりオススメできません。とはいえ、丁寧なシネマティック・サウンドスケープとして聴けそう。Zoë Johnstonも参加。



□ Transa / "Chronology"

Timeless



***************************************************

Above & Beyond

Home.
(Vocals by Hannah Thomas)

Here I come to find myself,
catch the tide,looking for a peace
at the end of the line.Sometimes I can't
help myself,fever's high,I'm all at sea
and so unwise.I'm so afraid I 'll lose
your love as time goes by,but courage
is a fire and a beacon so bright.The
sunset built a memory,our love sign,
and all at sea we come alive.

Will I wash away,turning like a stone?
I need a place where I belong.
Call a setting sun,to throw me down a rope
and take me to a place called home.

I close my eyes,I know you're there,
love of mine,standing on the shore in a
world I design.The sunset fires a lonely
flare into the sky,and all at sea we say
goodbye.

Will I wash away,turning like a stone?
I need a place where I belong.
Call a setting sun,to throw me down a rope
and take me to a place called home.
Looking for a place called home.

     ────
ここに来たのは「わたし」を見つけるため
波を掴まえて あの水平線の果てに安らぎを
探しているの。時々どうしようもなくなる
熱に浮かされて 途方に暮れて あてもない
とても恐れていたの 時が経つにつれて
あなたの愛が失われていくことを
だけど勇気は燃えて 灯台は眩しく輝いてる
夕日は想い出を繕ってくれた
わたしたちの愛のしるし
あてのない海で 私達は生き続ける

洗い流して石みたいに変えてしまう?
わたしには自分の居場所が必要なの
沈む夕日を呼び戻して
そのロープを手繰り寄せて 連れていって
「ホーム」と呼ばれていた場所へ

目を瞑ればわかる あなたはそこにいる
わたしのものだった愛は あの岸に残されている
わたしが描いた世界に
夕日の炎は あの空じゃ寂しい灯火
あてのない海で 二人は「さよなら」を言うの

洗い流して石みたいに変えてしまう?
わたしには自分の居場所が必要なの
沈む夕日を呼び戻して
そのロープを手繰り寄せて 連れていって
「ホーム」と呼ばれていた場所へ
「ホーム」と呼ばれていた場所を 見つけたいの。


Delerium New Album & Fauxliage.

2006-03-27 04:37:25 | delerium

先月に引き続き、Rhysからの近況報告です。

□ "Latest projects" Conjure One Phorum posted by Rhys Fulber.

>> http://phorum.nettwerk.com/conjure1/index.php?topic=5.0

Hello everybody and welcome to the new forum...

What I've been working on - wrapped up my contributions (co writing and programming 5 songs and adding keyboards to a couple more) to the latest Front Line Assembly album titled "Artificial Soldier" which should be out around June.  Currently entering the mix stage on a new Delerium album, whose style is somewhat reminiscent of Karma with more sophisticated production.  Also mixing an album i produced with a new female voiced alt-metal band from Poland called Delight for Roadrunner Records Germany.   After this we will get into mixing the new Leigh Nash voiced project Bill and myself have worked on called Fauxliage which will probably be released next year.  Then I have a couple other productions (Mortiis, etc) and will somehow find time to work on new Conjure One material and some live dates in the summer..

that's all for now, R

≪ Last Edit: March 25, 2006, 10:47:27 AM by archangel ≫ 

  > abstract;

>> about Delerium.

Deleriumの新作については、昨年の段階で曲はほぼ完成してる
という情報がありましたが、今ようやくミキシングに入った模様。
そして、そのサウンドの内容は・・・
"KARMA"を思わせつつ、更に進化を遂げたものになる
とか。事前情報の「ダークかつエレクトロでアップテンポ」が
矛盾しない方向に出ることを期待しています。
(この人達はいつもそんな発言してますw)


>> about Fauxliage.

Leigh Nashのヴォーカルを主軸に、
Bill Leeb、Rhys Fulberがデュオを組んだプロジェクト、
Fauxliage (Foliage改め)は来年の発売になりそう。

このFauxliage(フォーリッジ)という単語、
『群葉』という意のFoliage(フォーリッジ)と
フランス語である"Faux(偽りの)"と"Liage(束縛)"の
2語をかけて捩られた派生語のようで、
意味としては『葉に擬態する』とか、『造葉』となるでしょうか。
検索すると一般には同名のカモフラージュ迷彩服の
商品名として周知されていることがわかりますw


>> about New Conjure One Album

諸々のサイドプロジェクトの合間を見て、
Conjure Oneのサードアルバムと、夏に行われる
ライブについて構想を図るということでした。


>> FLA , and the others

他には、
FLAのニューアルバム"Artificial Soldier"(6月前後に発売)
で共同製作している5曲に取りかかっている真っ最中。
ポーランドのFemaleオルタナメタルバンド、
Delightをプロデュース中の他、Mortiis等のEBM系アーティスト
との仕事を引き続き行っているという内容。


Jens Gad Presents / "Le Spa Sonique"

2006-03-26 01:52:39 | music2
Le_spa_sonique

□ Jens Gad Presents / "Le Spa Sonique"

Magnolia (sample)
Fourfold Vision
Echoed Emotions
Sacred Skies

Release Date; 04/04/2006

>>  http://www.gadmusic.com/

!!coming soon!!

EnigmaのCo-Producer、Jens Gadのソロプロジェクト。
"Achillea"、"Enigmatic Obsession"に次ぐ第三弾、
"Le Spa Sonique"は、クラブのチルアウトラウンジで
流れていそうなクールでアトモスフェリックなサウンド。
現在はAchilleaの2ndアルバム、"Amadas Estrellas"を
Luisa Fernandez(Enigmatic Obsession)の
ヴォーカルを中心に製作中です。

Amada Estrella



□ エニグマティック・オブセッション
  / 『シークレッツ・オブ・セダクション』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EWBSBO/qid=1143310237/sr=1-2/ref=sr_1_8_2/249-3213637-1377910

2006年5月3日リリース。
ドイツで昨年発表されたEnigmatic Obsessionの
1stアルバムの日本盤が、アーガスレーベルより
発売されるようです。


□ Tunes of the Day

□ Junkie XL / "7am ambient"

"Sphere" - "All I Want"



□ Uttara - Kuru / "Prayer"

Mendicant Priest (Remix)



_*


Sleepthief Preorder!

2006-03-25 02:55:47 | art music

□ Sleepthief / "The Dawnseeker" now available for preorder.

>> http://www.neurodisc.com/showItem.php?id=136

Release Date: June 27, 2006 
 
**ACCEPTING PRE-ORDERS NOW! Your credit card will be charged at the time of the order and the CD will be shipped on or close to the release date.** Sleepthief's gallant debut 'The Dawnseeker' embarks on an epic journey featuring collaborations with some of the most acclaimed female vocalists and songwriters in the world of electronica including: Kirsty Hawkshaw, Harland, Kristy Thirsk, Jody Quine, Caroline Lavelle, Kyoko Baertsoen, Nicola Hitchcock, Roberta Carter Harrison, san.drine, Jerry Eckert, and Lauren Edman. 

立ち上げ時から追跡をはじめて幾星霜(約2年)ついにこの時を迎えました。はじめのうちは本人とコンタクト取ったりしていましたが(笑)その時は、日本でのディストリビュートにとても関心を寄せていてくれたので、こっちでリリースパーティとか企画したら来てくれるかもしれませんね~。DJにオファーしているリミックスや、5.1chサラウンドバージョンの進行状況も気になります。i-Tunesでは五月初旬にリリースされるそうです。サンプルを試聴してみたところ、やはりHPで公開されていたバージョンより各段に深みが増しているようですね。

関連して、気になるニュースを一つ。

>> http://www.kirstyhawkshaw.co.uk/

Kirsty Hawkshawが、ソング・ライティングにおける"Co-Produce"としての報酬区分の明確化を図って、今後、他アーティストとのコラボレーションにおいて、"フィーチャリング"形式をとらないorクレジットさせない意向を表明しました。これは、一楽曲におけるヴォーカリストの貢献の度合とペイに公平性をもたらそうとする狙いがありそうです。Deleriumの新曲を製作中の彼女ですが、果たして新アルバムへの影響、そして何よりそのビッグネームゆえに、現在氾濫している"Featuring"を謳うシーンに遡行する姿勢が与える影響は大きそうです。



□ トレンドへの還流 (ブログスフィアの結節点)
(以下に述べる拙文は、某チャットでの対話から生じた雑感を羅列したもの)

奇形化していると言われて久しい日本のブログ界隈。たしかに、ジャーナリズムに根差したブログ本来の実利主義的な有り方からみて、ニッチな趣味や評論、日記サイトと化した現状は愁うところが大きいのかもしれない。『Web2.0』という用語も2,3年前から頻繁に使われているが、いまだにジャーゴンの域にあるような感もあり、最近においては用語の使い方において揶揄されることもあるようだ。しかしたとえばGoogle Adsenseは一時期話題となったロングテール理論に基づいて収益をもたらそうとするものだし、その辺のフレームワークは、ネットのユーザ自身のBehavior(生態)をとり込んで成り立っていると言えなくも無い。

こうした現状の中、ブログ群がリンクしながら結成する意味的集合体をブログスフィアというが、この俯瞰性を高めようと、スフィアをあらゆる形で可視化するソフトやブログの影響力等を計測するアプリケーションが開発されている。ここで注意したいのは、ネット世界の認識の変化は、ネットへの関わり方自体の変化を意味するということだ。私達のインターネットでの振舞いは、ブラウザ上で表示されているリンクの先の先を認識できないこと、つまり盲目性が大きな要素となって決定付けされていると思われる。これらをインターフェース上で包括的に認識できるということは、ブログスフィアを形成する上で隣り合うブログの節々、隣人同士の独自の関係性を希薄にはしないだろうかという杞憂めいた不安もある。そもそもブログの真価は、その空間的な広がりよりも、ネット上で築かれている意味論的な結晶の分節点として、如何なる遠隔作用を及ぼしているかに由来すると思えるが、それはブログ同士の可視的、直接的なトラフィックでは測り得ない。リンク以外の全てのトラフィック(過去のアクセス、引用の閲覧etc)を統合しなければならないからだ。

では実際に、ブログスフィアに限らず、ネット回線を通じて形成される類のコミュニティがどういった言動や振舞いを見せるかといえば、過去にこのブログでも扱ったように、ある種の秩序化行動、各ノードから発信される様々な信号をそのフレーム内のリミットサイクルに落とし込んで、『結晶化』するのではないか。提示された問題に対して、意見の賛否に関わらず「みな同じようなことを言う」のである。新聞紙面を飾る国際的な問題といった大きなものから、ワイドショーのネタ、身内の痴情といった卑近なものまで、そこに無数の見解はあれど、当事者や専門家、権威の先導する知識を、ある程度共有している倫理観や論理性によってコラージュして、個人の「見識」は完成する。そこには常にトレンドたる見識の「メインストリーム」がある。私達はある問題に直接関係していなくても、表層的にそのトレンドをトレースしながら論戦を交えることができるし、それ自身が「世論」に拮抗するパワーとなりえるだろう。だが、所詮トレンドを追うだけの論調は、ミスリードを犯しやすい。創発的に操作、扇動されやすいのだ。(反面、ネットが持つ準知性的な免疫力も忘れてならない)

ブログの個性たるジャーナリズムは、ここにおいて大きな意味を持つ。重要なのは「あなた自身の定点観測」なのである。何も隣町の町長選挙や、ウラン濃縮について語るべきではないと言っているのではない。(厳密にはあらゆる問題に一人一人が関係しているのだけど)掲示された問題について、「自分がどう行動するか」「自分に○○な影響が及ぶ」「自分の経験では○○であった」という独自性があるだけで大分価値が違ってくる。その点、自身の社会的立場をブログに反映できる人は幸いである。ただ、様々な事情でそうすべきでない、素性を明らかにしたくないと判断した場合であっても、工夫次第で独自性は十分に発揮できる。ネットで多く見られる、メインストリームを流れる見識をパズルのように組みかえるだけの(知識を並べるだけでは解決しない)論調には辟易気味で、そこが正に「ネットには独立した知がほとんどない」といわれる所以でもあるだろう。



□ ゼノンパラドクスに見る「記述」誤謬性と空間定義。

古代の哲学者ゼノンの呈示した有名なアキレスと亀の話。

1.亀はアキレスより前方に位置する
2.亀とアキレスは同時に同じ方向へ移動する
3.アキレスの移動速度は亀より速い
4.アキレスが一定の距離を進む
5.亀は最初にアキレスより前方にいたのだから、
 全ての位置を始点とおくと、アキレスが進んだ位置より、
 常にわずかづつ前に位置している。
6.アキレスは永遠に亀に追いつくことができない。

パラドクスというよりも単なる直感を惑わす矛盾で、これを翻す反論は現在までに幾度となく考証され、数学的には無限級数などを使って反証されるが、ここでは単純な思考ゲームとして扱ってみたい。

まず、現実の時空においては、移動には「幅」が生じるため、「全ての位置を始点とおく」という記述に、パラドクスを成り立たせる拘束力が無くなる。これは定義である。問題自体が命題となり、空間の帰属する系を支配しているルールとすりかえられているのだ。「常にアキレスより亀が前にいる。」この言葉が空間の準ずる状態について普遍的に言及し、縛っていると言える。5と6の間で演繹法と帰納法が交錯しているのである。これは実にナンセンスだ。

無限分割できる全ての位置(点)において停止観測を行った場合、その物体は「停止状態」でなければならない。現実の状態と観測条件を混同してはならない。たとえば工学分野で利用されている「量子ゼノ効果」は、観測という「干渉行為」が現実にもたらす状態である。

だが逆に、ゼノンパラドクスが成立する空間を数学的にアーキテクトすることは可能である。問題は特定のロジックを運用したい空間を誤らないことである。その意味でゼノンのパラドクスは絶対的に否定することができない。そもそもパラドクスの対象となる空間が如何様なものか言及されていないからである。つまり反証を求めること自体がパラドクスであった。



□ clip.

環境:アマゾン盆地における生物保全のモデルを作成
Modelling conservation in the Amazon basin
Britaldo Silveira Soares-Filho, et al.
Abstract: http://www.nature.com/nature/journal/v440/n7083/abs/nature04389.html
Article: http://www.nature.com/nature/journal/v440/n7083/full/nature04389.html

宇宙:赤方変移z ? 3~4の距離での初期の星のかなりの量の形成
Significant primordial star formation at redshifts z  3?4
Raul Jimenezand Zoltan Haiman
Abstract: http://www.nature.com/nature/journal/v440/n7083/abs/nature04580.html
Article: http://www.nature.com/nature/journal/v440/n7083/full/nature04580.html



□ Tunes of the Day

□ John Oswald / "Plexure"

Open
Urge
Cyfer
Mad Mod
Massive
Velocity

数十分の一秒まで切り刻まれた数千曲にも及ぶ楽曲をコラージュした超高速マルチギア・サンプリング。ジョン・オズワルドの作品(PlexureにはJohn Zornも参加)は、もともと全ての音楽が「既製の素材のコラージュ」に過ぎないという普遍性に基づいて、音楽の「著作権」や「オリジナリティ」という概念に鋭く切り込むテーマを扱ってきた。

楽曲の刹那刹那に分節点、つまり連続性が転回するピークを迎える。神経が反応する音の断片一つ一つに、聴き手が音楽文化の中ですり込まれてきた印象が火花のように喚起され、時間感覚をその結晶化した音響空間のフレームワークのうちに溶かし込んでしまう。

1曲目"Open"の後半、"2-Rip"とタイトルされたセクションには、50秒あまりのセグメントに"単語"単位に分解された600超の素材が現れる。(挑発的なことに、スリーブには冠詞から接続詞に至るまでビッシリと『歌詞』が記載されている。)こういうことは、今ではPro-Toolsといった機材を使えばなんのことはないのだけど、この作品においては手作りの意匠で行われているところに意味がある。



□ Sir Dupermann / "Sir Dupermann"

Hjelpe Elpe
Knittophone

ノルウェー発信、超微粒子コラージュ音響。



□ 87 Central / "Formation"

Fire

楽曲毎に個別のベクトル・コンポーネントを持たせ、有機的に生成される音波の周期を雛型として、環境音とそのフィードバック、シンセや楽器音をプロセッシング構築したノイズドローンとアンビエントとの転写領域。じわりと何かが燃え上がる音や、貨物船が汽笛をならしながら入港するイメージなど、サウンドスケープ的な聴き方も。



□ Autechre / "Draft 7.30"

Xylin Room
V-Proc

音の複雑性、イリーガルな響きはより深みを増しながら、"Confield"ではカオス状態にあった音間に働くカシミア効果的な音楽としての関連付けから、より高次な軌道に絡めとられた音像を展開。規則性のあるビートは、アモルファスに分散進化してしまった彼らの音を引き寄せる引力として働き結晶化、これもオウテカが次のステップに踏み出す通過点として必要なプロセスだったのかもしれません。


□ Landau / "Thepicompromise"

Independence

MerckレーベルからのIDM系新進気鋭プロジェクト。巨視的なオーダーの下でカオティックに乱舞する偏執的、鋭角的で多彩なビートと、生弦の音と戯れる奇妙な電子音、お伽の絵画を思わせるパッド。偶然性に任せてレイヤード、シーケシングされた本作は、ジャケットさながら、生きた血流を感じさせる音の有機結合体です。Enigma4thの"Between Mind & Heart"を髣髴とさせる印象。教会聖歌風のコーラスをフィーチャーした曲もあります。



□ maps + diagrams / "polytuft-tech"

Grenaulb

近未来のジオメトリックなアーキテクチャーを思わせるIDM。幾層にも張り巡らされたグリッドを貫くように、心臓を始め身体中の皮膜を共振させるランダムな重低音は、聴覚と海馬に作用して幾何学的な音模様を形成する予期記憶を欺くように、任意の点で違った関数の環に引き上げてしまう未知と予知のマッピングのプロセスを具象化した音楽。エッジの効いた複雑なプログラミング・ビートとは対照に、フワリとした浮遊感、恍惚感を覚えられる不思議な作品です。



□ Pharmacy Of Sound (David West)

Searching For Substance

五月下旬に知人の主催するパーティで来日予定、
北欧プロッグシーンのトレンドセッター、
David Westの未発表名義によるトラック。
Ozgur Canとのデュオ、Audioholics名義での
"External Key"(名曲!)を聴いたときからリスペクトしています。
骨太なベースライン、超巧微細なビートテクスチャや美麗なアトモスフィア、メロディセンスは他のDJ達の追随を許しません。

Proton Radioにて彼の代表曲のmix setが試聴できます。
http://www.protonradio.com/phpBB2/viewtopic.php?t=4628&sid=d3e8d84017ac1bd4db74a658be28bca2

(※一部、Enigma会議室への過去の投稿より抜粋、改変)



そうそう、仕事の都合で来週の予定が代わりました。

3/30 コンラッド東京
3/31 グランドハイアット東京 (http://www.grandhyatttokyo.com/)

二泊三日の滞在予定です。
グランドハイアットはせっかくのゴールドパスポートを使いたいからw
どこか良い箱にDJ来日してないかなぁー。


お知らせ

2006-03-22 02:43:25 | 日記・エッセイ・コラム

3/22(水)8:00 - 3/23(木)20:00の期間、
ブログサーバのメンテナンス工事の為、
更新できません。閲覧は可能なようですが、
例によって不具合が出ることは想定しておきましょう。
でも、36時間って異例な長さでわ。。?


あぁ、そういえばブライダル・モデルの件、
せっかくですのでちょっとだけ。

1週間程前から会社の繋がりで頼まれていたのですが、
(ブライダルショーのモデルはシロウトさんが多い)
私に限っては、都合のつかなかった常連さんの
“代役”という形での参加だったため、直前まで
主催者側に私の素性すら知らされていなかった模様。

よって、私の名前も台本も無いまま、ほとんど飛び入りで
リハーサルを行うことになったのですが、コーチ(笑)が
それでも容赦なくて、けっこう厳しかったです。。
「バミってる(床にあるテープの印)ところまで進む!」( ゜д゜)はぁ?
「そこでターン!回らなくてもいいから!」どっちやねんΣ( ̄□ ̄;
「台本読んだの?」って、それがあったら苦労しないってば(T-T
階段の昇降では幾度となく裾を踏み、とどめはリハ終了後に
「えーと、ところであなた名前ないけど…」気付け!ヽ(`Д´)ノ 

逆にショーの本番までの時間は台本借りて、
ペアを組む人達とも打ち合わせることが出来たので
余裕でこなすことができましたけどねー。
ドレスの早替えでは、控え室ではなくステージ裏で
男女関係なくごちゃごちゃと衣装ひっぺはがして着せ替え。
細かいトラブルはあったものの、わけもわからず
狐につままれたような感じのまま事が運んでいきました。
でも最後の最後、全員並んで名前を呼ぶところで
あがっちまいました。。。w

報酬は一万円分のペアコース食事券。
まぁ仕事量を考えると破格かも。貴重な経験もできたし。
(もう着ることないかもしれないからw)
次回も頼まれましたが、絶賛お断りですw

PS.
3/26(日)~3/29(水)まで汐留ステイ暫定です。
初日:コンラッド東京(汐留)
2日目~3日目:パークホテル東京連泊

昨年より若干グレードを落としつつ、
今回は余裕のある日程でゆったり過ごそうかなーと。
コンラッドの「水月スパ&フィットネス」は是非試してみたい。
恒例のパークハイアットは予算的に今回は断念。
マンダリン・オリエンタルの「マンダリン・コーナールーム」
も今年中に泊まってみたい一室であります。

>> http://www.conradtokyo.co.jp/ (コンラッド東京)
>> http://www.parkhoteltokyo.com/ (パークホテル東京)
>> http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/ (マンダリン・オリエンタル東京)
>> http://www.parkhyatttokyo.com/ (パークハイアット東京)



□ Tunes of the Day

□ Monica Ramos / "Moai"

Te Espero (Waiting for you)



_*


calm.

2006-03-21 02:09:45 | music2

Img_0516a
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO.400; BW; Evaluative.)


学ばれた全ての教訓
私の魂が 彼らが燃やしたものを灰にしてしまった
だから 時が果てるまで 静けさが私の名を汚す
咎める…
そして 疑い 責めている
時が果てるまで 永遠に…

今度はあなたが泣く番
そして生涯 何故か と自分に問い続けるのです
あなたにはわかっていたのだから…

      ――Delerium『'til the end of time 』



□ Tunes of the Day

□ Luminary

Amsterdam (Maor Levi Remix)



_*


ENIGMA 6 ALBUM NEWS.

2006-03-16 23:36:33 | music2

(※ 3/17 16:00 …"Tunes of the day" 追加)

http://www.enigmamusic.com/news/news.html

Michael CretuがドイツのTV番組にゲスト出演。
"Enigma6"の製作について、ドイツで行われる
サッカーワールドカップの開始前には終えたいと
明らかにしました!Virginにも確認済みで、
リリース準備を整えているとのことですが、
日程の延期はお約束ですので覚悟しておきましょう。


□ Sleepthief "The Dawnseeker" finished.

一方、Sleepthiefのデビューアルバムは
マスタリングを終え、プロモ盤が配布される段階まで
漕ぎつけました。様々なルートで入手できると思いますが、
感想を是非発信した上で、製品盤も購入して応援したいですね。



□ Tunes of the Day

□ ENIGMA / "Turn Around" CD Single

Gravity of Love (Chilled Club Mix)
   (Remixed by Peter Ries)


□ Andru Donalds / "Snowin' under my skin"

Simple Obsession
Power of the loser


3/15分のエントリー、"Hello + Welcome"シングルについては
前後しますが、これから書きます。
※ 3/17 3:51…3/15 Enigma / "Hello + Welcome" 更新しました。(歌詞追加)


Enigma / "Hello + Welcome"

2006-03-15 03:33:30 | music2

Welcome_1

□ Enigma / "Hello + Welcome"

Release Date; 10/03/2006
Label; Virgin/EMI
Cat.No.; 3429180
Format: 1xCD

Tracklisting.

1.Radio Edit 3:29
2.Thunderstorm Mix 6:09
3.After the Storm Mix 6:28
4 Video 3:20

>> http://www.enigmamusic.com/hello/index.htm (試聴)

Produced by Michel Cretu
At A.R.T. Atudios Ibiza. SPAIN

Music & Lyrics:Michael Cretu
Published by 1-2-3 Music / Crocodile Music
Vocals:Andru Donalds
Backing Vocals:Die Vier Monteure
Remix Track 2&3 + additional production by Boca Junior for independiente Music Ltd.
Video Directed by Thomas Job for Zeitreise Media
Cover Art: Lmp
Special Thanks to Felix Sturm and Peter Hanraths at Universum Box Promotion

Video Section.

producer:Robin Susinetti
director:Thomas Job
camera:Massimo hanozet
editor:Gerd Berner
Production Company:Zeitreise Media

CD-Rom:Katy Matthies, ilovewurst.de

というわけで、届きました。

この曲の感想や出自については、もうしばらく前から
何度も述べてるので、レビューは省きます。
ミドル級ボクサー、Felix Sturm自身が主演する
PVの監督は、Push the Limits、Gravity of Love、
Turn Around、Voyageur、Boum-Boumに引き続き、
Tomas Jobが担当していました。

さておき、Enigmaが『闘い』をイメージして
ボクサーに捧げた曲という点で、
これまで扱ってきたテーマ性に関連させて
非常に興味が出てきたところでもあります。
"Enigma 6"の方向性に影響があったとしても良いかも。
というのは、さっきまで『シンデレラマン』を
鑑賞してたせいもあるのですがw
Enigmaの持つ幾分形而上学的、超越的視点から見た
『ボクシング』とは何なのか。"Push The Limits"での
『剣道』の映像にも通じるものがあるように思われます。



Dienacht

□ Schiller Mit Thomas D / "Die Nacht...Du Bist Nicht Allein"

Release Date;14/10/2005
Cat.No.;06024 9874076 7
Label;Universal
Format:1xCD

Tracklisting.

1.Fernsehfassung 4:24
2.Northern Lite Mix No.2 4:11
3.Instrumental Version 4:27
4.Sonneaufgang 3:16

Fernsehfassung (TV Version)

ついでに発注してたSchillerのシングル。
アルバム"Tag und Nacht"からのシングルカットでした。
Thomas Dとコラボレーションしたこの曲、
個人的にSchillerの最高傑作として推します。

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Die Nacht...Du bist nicht allein

(Male Vocal:Thomas D)
(Female Vocal : Tina Dürr)

(女性ヴォーカル)
du bist nicht allein - ich bin immer hier
du bist nicht allein - ich bin immer hier, um da zu sein

あなたは独りじゃない - 私はいつもここにいるよ
あなたがそこにいるから

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□ 3/14 日記。

この日は休みだったので、ちょっと高い美容院で
思いきっていつもと違うカットとカラーリング、
パーマを注文。諸々込みで2万円とフンパツしましたー。
この後は自分でハイライトなり、ダークアクセントで
立体感をつけていく予定。髪色をここまで明るく
するのは一年以上ぶり。(そこまで明るくないけど)
休暇も3月後半こそは、仕事の召集がかからないことを
祈って、一年分遊ぶぞー!(勉強もね。。。)


Banco de Gaia new Album.

2006-03-13 01:35:31 | music2

□ Banco de Gaia New Album will be released in June 12

http://www.banco.co.uk/news/

Banco de Gaiaのニューアルバムが先日完成。
6月12日に発売予定となりました。
アンダーグラウンドシーンを席捲してきた
時代から、そのユニークなトランスサウンドと
民族音楽の切れの良いサンプリングセンスを
持ち味としてきた彼らですが、
最近はヴォーカルチューンにおいても
独特に煌くものを発揮してきています。
特に女性ヴォーカルによるリリカルで
メランコリックなメロディラインは
近作に共通して挙げられる
Banco de Gaiaの新たな特徴の一つでしょう。
近日中に明かされるという新作のサウンドについて
期待が高まります。



□ Tunes of the Day

□ Banco de Gaia / "Igizeh"

Glove Puppet (Vocal Version)



_*

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Glove Puppet
(feat.Jennifer Folker)

Can we stop now all our arguments?
Can we end now all our wars?
I think it's time we had a go
at finding out whats wrong.
Is there something you don't like
in the way i sing to you?
Please tell me, maybe i'll change it
or explain it for you.
What would make you feel better?
Is there something i can do?

Do we have to carry on like there is no choice?
Do you like how you're feeling?
Does it take the ache away?
Shall we just forget it, i never said it, okay...

Please remember what i look like,
Please remember that i tried
But you burned me
Left me empty
Wouldn't listen, i died

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Glove Puppet (指人形)

もう議論はたくさん。
今すぐ全ての戦争を終えられないの?
今がその時だと思うの。私達が
何を間違っていたのか気付くべき。
私があなたへ歌っていることに、何か
気に食わないことでもあるのかしら?
だったら教えて。それを変えるか、
わかってもらうから。

私達には為す術もないの?
そんな気持ちでいられる?
そうやって痛みを忘れるの?
だったらすぐに忘れましょう。
もう何も言わないわ。わかった…。

どうか憶えていて、私がどんなだったか
何を為そうとしていたのか
でもあなたが私を灰にしたのよ
空っぽのまま
何も聞こうとしなかった。
私は死んだのよ。


斜線

2006-03-10 21:51:56 | music2

Img_0517
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; Auto; AWB; Evaluative.)


PM 16:43

眠い目をこすりつつ目覚める。
大分日が傾いてきたようだが、車の中に直接射してくる陽光のおかげで十分暖かい。ここは橋の下にある、私のとっておきの場所の一つ。陽気な空に誘われて出かけてみたものの、外気は思いの他冷たく、しばらく車内で仮眠を取ろうと思ったのが1時間前のこと。湾に架かった頭上の大きな橋の上では、夥しい量の自動車が、キラキラと黄金色を帯びながら往来している。ふと、ケイタイの着信に気付く。

「明日、緊急の案件がありますので出社してください。」

留守録を再生し終えた私は、ミラーに映る自分の顔に落胆の色を見逃さない。気を取りなおして飲みかけのコーヒーを手にとってみるものの、すっかりぬるくなってしまっている。フロントガラスの向こうに光る波面は、のんきに、ユラユラと、眩しく揺れていた。

「休みじゃないじゃん。。。」(ボソッ


ってなわけで、休暇に入って間もなく、早速仕事が入りました。
予定が丸潰れ~。。あはは。。。



□ Tunes of the Day

□ Ozgür Can / "The Reclaim EP"

Over Nothing At All



□ ATB

Marrakech
IntenCity



_*


BLACKOUT.

2006-03-09 15:03:15 | music2

Img_0518
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; Auto; AWB)

と、いうわけで、ようやく長いお休みを頂きました。
とは言っても、進行中の業務には常にスタンバイですが。。
とりあえず、ゆっくり体調を整えて、保養したいですね~。
今月後半には、また都内でホテルヒーリングを計画中。
リゾートに行くには。。
ちょっとスケジュール的にきついかな。。。

昨夜からブログのアクセスが集中しているようなので
調べてみたら、『One & Only リゾート Reethi Rah』の
検索でアクセスしているみたい。
私も1ヶ月くらいは南の島で羽を休めたいです。。



□ Tunes of the Day

□ Maple Bee / "Chasing Eva"

Moth Touch
The Messenger



□ Hybrid / "Morning Sci-fi"

Blackout (feat.Kirsty Hawkshaw)



_*


Mnemosyne / The Hilliard Ensemble.

2006-03-09 01:11:44 | art music

──ことばを忘れかけている歌と、
   ことばへの切実な憧れを胸にしまった音楽との
   ひっそりとしたよびかわし  
-黒田恭一

Mneme_2

□ "Mnemosyne" / Jan Garbarek
         The Hilliard Ensemble.

Delphic Paean [Athenaeus B.C. 127]
Mascarades [Basque folksong fragments]
O ignis spiritus [Hildegard von Bingen 12th Century]

The Hilliard Ensemble

David James (countertenor)
Rogers Covey-Crump (tenor)
John Potter (tenor)
Gordon Jones (baritone)

Jan Garbarek (soprano and tenor saxphones)
produced by Manfred Eicher

ECMレーベルを代表する、ノルウェー出身の前衛音楽家でサクソフォン奏者であるヤン・ガルバレクと、御大ヒリヤード・アンサンブルによる『オフィチウム』に継ぐ企画盤。録音も同じ聖ゲーロルト修道院で行われました。今回扱うのはペルー民謡の断片(ケチュアの歌)にはじまり、エストニアの子守唄、古代ギリシア音楽、ロシア詩篇からバスク民謡、パドレイミュ旋律の断片と、数世紀も砂漠の砂に埋もれていた遺跡を含む、その出典さえも謎に包まれた世界各地の古学古譜の集成。

古い原理に基づいていた『オフィチウム』に比べ、『ムネモシネ』では、原典の記譜からは、その破損度や解析の程度により、最低限の情報しか得られない為、記譜が明らかなもの以外は多くの部分を、彼らの<確実な知見と経験に基づいた>即興に頼っています。"Mnemosyne"が歌うのは、忘却の女神レーテの手のひらから零れ落ちた、忘れ去られていく記憶の欠片たちへの憧憬なのです。

ヒリヤード・アンサンブルは、これまでにもチェコの古楽を扱った"Codex Specialnik:Music From A Prague Manuscript c 1500"も含め、古代から現代音楽(とりわけアルヴォ・ペルト)に至る膨大なレパートリーの中でも、ユニークな方法論で慣らしてきたキャリアがありますが、モラーレス(1500-1553)の『Officium Defunctum(死者のための聖務日課)』に着想を得た、『オフィチウム』以来、第5の声部として加わったヤン・ガルバレクとのコラボレーションでは、お互いに会心の即興的パフォーマンスを発揮、それ故、同じ素材でも二度と同じようには演奏を再現できないとのこと。そういった刹那的な魅力が、この作品に神秘性と深みを与えています。結びとして、各紙の批評を掲載したい。


「落ちつかせ、同時に高揚させる」
「氷の暖かさと言うべきか、そして包み込まれるようなテクスチャー」

              ───ヘラルド・トリビューン紙

「ガルバレクのソプラノ・サックスは、ジャズとクラシックの境界、神聖と世俗の境界、古代と現代の境界をすべて消し去り、デイヴィッド・ジェイムズによるカウンター・テノールの高声部に巧みに溶け込む。」
              ───ニューヨーク・オブザーバー



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ラテニアである『Mnemosyne』から転じて
『Mneme』(記憶)という言葉が生まれましたが、
これはギリシア語のMimeme(模倣)に通じ、
リチャード・ドーキンスによる造語であり、
現在盛んに使われている
『Meme(ミーム)』(情報子)の語源となりました。

即ち、記憶の転写による模倣の差異と連鎖こそ、
芸術などの情報があらゆる文化に与える反応、
負荷と変異の本質と言い換えられます。


MUSIQUE DE LA GRÈCE ANTIQUE.

2006-03-08 02:55:47 | art music

Cover

□ "Musique de la Grèce Antique"
  / Atrium Musicae De Madrid, Gregorio Paniagua

グレゴリオ・パニアグア率いるアトリウム・ムジケー古楽合奏団による『古代ギリシア音楽』の考古学的検証と“遊び”。ハルモニア・ムンディのアナログ録音特選名盤に選ばれた一枚。音楽史がグレゴリオ聖歌によって体系付けられるよりも遥か遥か昔、後にあらゆる西欧芸術の潮流を形成するヘレニズム文化の源流、紀元前にまで遡って、世界各所で発掘されたパピルス紙や大理石といった遺跡的な文化史料や、その断片、後世の写本を元に、(出典の信憑性は問題にしていない)芸術的な意匠を加えて復元、当時の楽器なども研究して復元したもの。ヒュドラウロス(水力オルガン)の音色が面白いです。

ギリシャ語、ラテン語、アラビア語の理論書が統合されるより以前、太古からギリシャ音楽では二種類の記譜法が用いられていました。この二つ、15の異符号を含む器楽記譜、24文字のイオニア・アルファベットからなる声楽記譜法については理論研究が明らかにしてきましたが、その『リズム』については、それを指示をする記述はほとんどない為、(以前過去ログで紹介した、『セイキロスの墓碑銘』においては、考古学上非常に貴重な『リズム符号』が存在した。)そこを演奏者の幻想と意匠に委ねて完成したのが、これらの楽曲です。

これに関して、この作品の核心となる意匠については、私の拙文よりもパニアグア自身の寄稿を引用したい。

エウリピデスのパピルスの最初の音が響く前に、われわれは録音を、「アナクルーシス」すなわちプレリュードの手法による「響きの爆発」ではじめた。これは、かくも遠く隔たった耳慣れぬ音響世界に乗り込んでゆくために必要な、緊張感のある静寂を創り出すものである。

パピルスや大理石の断片にはおびただしい欠損があるが、そうした個所のために、われわれはさまざまな解決を発見した。まず、絵や彫刻を中立的なセメントで修復する場合のように、余分な手を一切加えず断片を尊重する方法。次に、その旋律線が次にくる断片のそれと符合する可能性のある時は、「反考古学的」復元を行って、それらを(しかるべき抑制を伴ってではあるが)われわれのファンタジーで染め上げた。

第3に、パピルス・オスロでのように、補いようのない空白を、嘆きに満ちたまったく不協和な響きや噪音、機能性のない和音で埋めたケースもある。

末尾の部分では、クレタ=パエオニアのリズムがしだいにテンポを速めて、われわれをしめくくりのカタストローフへと連れていく。この「カタストローフ」という言葉は、ここでは二重の意味を含んでいる。すなわち、普通の用法における破局、災いと、音楽における静止───リラの歌が鳴り終えたあとに中心軸に静止すること───を、それは同時に意味するのである。


Hymne à la Muse [A.D.130-]

クレタ島に生を受けた作曲家、メソミデス(後130年頃)のものとされる「ミューズ(ムーサ)への讃歌」。導入として用いられる別々の二つの曲を繋げたもの。ギリシア神話におけるムーサは、芸術や学問を司る9人の女神で、記憶の女神ムネモシネとゼウスの娘達。歌詞では、詩作においてムーサに祈り、後半ではその一人、抒情歌を司るカリオペーとアポロンの名も登場します。使用楽器は古代ギリシャを代表する弦楽器キタラ(調和、節度を重んじるアポロン的思想を象徴)と、カノン(ピタゴラスが発明した単弦楽器。モノコルド。音程比測定器)


Hymne à Néméis [A.D.130-]

同じくメソミデスの作品。人間の傲慢さを抑え、罰する女神ネメシスへの叙述が述べられていましたが、ここでは器楽の演奏のみに絞られています。使用楽器はテュンパノン(打楽器。ディオニソス祭で女性に演奏された。)、プラギアウロス(リビア起源の横笛)、アウロス(これも古代ギリシャを代表する管楽器で、鋭い音色をもってディオニュソス的世界を表現する)、セイストロン(シストロム。馬蹄形の金属製打楽器)、アスカウレス(バグパイプの一種)。


Aenaoi Neferai [B.C.450-385?]

アリストパネス(B.C.450-385)の喜劇『雲』が写筆された15世紀頃の史料から、第275-277行の引用。雲のコロスの入場歌(パロドス)の導入部、『「不断に流れる雲」たるわれらは、オケアノス(大海)のふところを出て、登っていこう。』と歌われています。演奏は40弦を持つ古代ギリシア最大の撥弦楽器エピゴネイオンとディスコス(ハンマーで叩く金属楽器)、アウロス、エリュモス(角笛様のプリュギア地方のアウロス)、クシュロフォノン(アプリア地方の飾り壷に描かれていた、梯子状の木琴)、フュサリス(アウロスの一種)、そしてヒュドラウロス(水力オルガン。パンの笛に水圧で風を送る。クテシボイス、あるいはアルキメデスの発明)


Hymne Chrétienne d'Oxyrhynchus [A.D.200-300?]

エジプトのオクシュリンコスで発見された「パピルス・オクシュリンコス 1786」に記述されている、最古のキリスト教讃美歌。『トリニティ』(三位一体)を称えながら、「アーメン」で結ばれます。演奏楽器は前述のセイストロン、ペクティスと呼ばれる三弦の楽器。


Papyrus Zenon.Cairo fragment [B.C.200]

出典は「パピルス・ゼノン 59533 カイロ断片」で、カイロ博物館に保存されている3行の断片。破損が著しいですが、悲劇の一部と推測されています。演奏はキュンバラ(シンバル様の楽器)、アウロス、ヒュドラウロス。



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突然、大雨と雷がやってきました(><。)
ゆっくり眠れそうです。(笑)
その前に高台に写真取りに行こうかな。。