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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Kirsty Hawkshaw / "Sanctuary" E.P

2009-01-27 14:05:17 | music8
Sancutary



□ Kirsty Hawkshaw / "Sanctuary" E.P

Meteors Hill

Release Date; 23/01/2009
Label; not on label
Cat.no.; none
Format: mp3 Album

>> http://www.kirstyhawkshaw.co.uk/


>> tracklisting.

01. Lavender
02. Meteors Hill
03. Sanctuary
04. Sanctuary (Digitonal Remix)
05. Night Theme
06. Faith in me
07. Night Theme (Paradox Remix)


Kirsty Hawkshaw名義でのソロ・リリースとしては"O.U.T."以来、およそ10年ぶりのOriginal Vocal Album(E.P)となります。

2000年以降、Kirstyは主にTrance方面を中心に、ダンス・ミュージック界隈において途方も無い数のフィーチャリングをこなしてきましたが、2008年を境に、自身のウェブサイトから活発にオリジナル曲の配信を開始しました。

最近、彼女はあの‘Second Life’に没入しており、仮想空間上のパブやプライベート・ジェットにおいて、世界中のアーティストやファンと交流を重ねているようです。そして彼女のアバターである"KFH"に自身のスピリチュアルな『旅』を反映させ、頻繁にMachinima(ゲーム上の既成のグラフィックを操作して作るアニメーション)をアップロード。その為のサウンド・トラックも、Mark Pritchard (a.k.a. Global Communicaton/Pulusha)を始めとする、親交のあるDJ達と共に作曲しています。



>> http://jp.youtube.com/user/KFHMACHINIMA (KFHの動画チャンネル)


Machinimaに使用した一連の楽曲が、Kirstyの立ち上げたMagnatuneレーベルからDownload Albumという形で不定期にリリースされていますが、昨年末、正にKirsty Hawkshawの‘Full Album’という名目で発表された"Winter Moon"は、彼女のVoiceをほぼ全編に渡ってinstrumentとして使用した、Ambient/Chill Outのoff-Vocalといった構成。その作風もKirstyの深い精神世界の顕示であり、恐ろしく内省的なものとなっていました。

Ambient Albumという発想自体は、1999年に製作した"Enlightenment"という作品がお蔵入りになった経緯もあり、以来ずっと温めていた企画なのかもしれません。



さて、ここに来てようやく"Sanctuary"E.Pについての紹介となりますが、その内容は『一個のシンガーであるKirsty Hawkshaw』としての表現手法に立ち返った、アコースティックかつ素朴なもの。楽曲のプログラミングは、Remixも提供している人気リミキサー、DigitonalことAndy Dobsonが手掛けています。


notesによると、"Sanctuary"は1999年にコーンウォールで作曲されたものの、今まで日の目を見ることが無かった秘蔵曲で、Digitonalのremixは2003に製作されたものだとのこと。切々と紡がれる可憐な歌声は、まだまだ瑞々しい当時の煌めきを残しており、最も貴重な音源の一つに数えられるでしょう。


また、2005年にPole Folderのアルバム"Zero Gold"に提供した、"Faith in Me"のリテイク・ヴァージョンが収録されているのも嬉しいですね。"Night Theme"をリミックスしたParadoxことDev Pandyaは、UK Drumfunkの第一人者。現在、彼がAlaska名義で製作を進めているアルバムの数曲に、Kirsty Hawkshawが参加しているとのことです。

E.P全体の印象としては、アコースティックとチル・アウトの間の微妙なバランスに揺れながらも、この上なく静謐でメロウな後味を残してくれる粒選りの作品でした。




□ Sleepthief New Album will be out on June 2009!!

>> http://www.myspace.com/sleepthief

Kirsty Hawkshawも参加しているEthereal-Popの最右翼、Sleepthiefの待望のニューアルバムが、6月のリリースを予定しているとのこと。同アルバムに参加したZoe JohnstonとKirstyは懇意らしく、彼女のblogでも仲睦まじい写真が幾つかご覧になれます。


それと、実は昨年末から今月初めにかけて、SleepthiefがKirsty HawkshawをフィーチャーしたChristmas Song、"O Come O Come Emmanuel"を期間限定で配信していたそうですが、私は見事に聞き逃してしまいました(;_;。

Justinは、次の冬にSleepthiefの"Christmas Album"をリリースしたいと語っていて、"Emmanuel"も収録するつもりだそうですが。。もうショックで神戸牛くらいしか喉を通りません。。。



Announcement: "Petaflops-Over-Scale Computer and Life Science Applications".

2009-01-23 05:42:55 | Science
シンポジウムのお知らせ:
「超ペタフロップス級コンピュータと実験生物学の連携による生命現象への挑戦」
Petaflops-Over-Scale Computer and Life Science Applications


【日 時】2009年2月5日(木)10:00-17:40
      2009年2月6日(金)10:00-12:35

【場 所】理研横浜研究所 交流棟ホール
http://www.yokohama.riken.jp/outline/access/index.html

【懇親会】2月5日(木)17:50-20:00

【参加費】無料(懇親会費 3,000円)

【申込方法】事前登録要:http://mdgrape.gsc.riken.jp/pcla/pcla09.html


【概 要】
現在理研では、10ペタフロップス超の性能をもつ次世代 スーパーコンピュータの開発が着々と進められており、それに合わせて理化学研究所での各種研究活動との連携について議論が進められています。

その中でも特に、近年の 生命現象の定量化の進展から、生命科学における大規模シミュレーション・情報処理の可能性が注目されています。特に横浜研究所は、大規模計算を活用する上で有効な生命研究データを大量に産生するポテンシャルを有しています。

そこで、横浜研 究所を中心に、基幹研究所・神戸研究所・播磨研究所を含めて実験的な方法に基づく生命現象の解析と大規模シミュレーション・情報処理による計算生物学の連携を考えるシンポジウムを開催いたします。



本シンポジウムでは、特に、以下の3つの領域について議論します。

1.構造生物学と分子シミュレーション
タンパク質の立体構造をベースにしたシミュレーションや計算機上での分子設計・創薬研究

2.大規模実験データと情報処理技術
次世代シーケンシング施設やXFELから生み出される大量データの解析のための情報技術

3.細胞生物学と数理モデル化
細胞生物学データの定量化とそれに基づくシミュレーショ ン・モデル化


皆さまの参加をお待ちしております。




#English information

Announcement:
Symposium on “Petaflops-Over-Scale Computer and Life Science Applications”.

Date:
February 5 (Thu) 10:00-17:40
February 6 (Fri) 10:00-12:35

Place:
The main lecture hall (Koryuto Hall) in the main office building,
RIKEN
Yokohama Institute
http://www.yokohama.riken.jp/english/outline/access/index.html

Reception:
February 5 (Thu) 17:50-20:00
(Fee: 3000yen)

Registration:
http://mdgrape.gsc.riken.jp/pcla/pcla09.html
(Admission Free.)

At the plenary symposium, the following three areas would be discussed:

1. Structural Biology and Molecular Simulation
Computational and simulation molecular design and drug discovery researchbased on three-dimensional [3D] protein structure (s).

2. Large-scale Experimental Data and Information Processing Technology
Information technology for analyzing massive data produced through the next generation sequencing facility (ies) and XFEL.

3. Cellular Biology and Mathematical-modeling
Quantification of cellular biology data, and simulation-modeling based on it.

*The presentations will be given in Japanese




□ clip.

表面気温の年サイクルの位相変化
Changes in the phase of the annual cycle of surface temperature p435
A. R. Stine, P. Huybers & I. Y. Fung
doi:10.1038/nature07675

Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvbp
Article: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvbq



南極氷床表面の1957年の国際地球観測年以後の温暖化
Warming of the Antarctic ice-sheet surface since the 1957 International Geophysical Year p459
Eric J. Steig et al.
doi:10.1038/nature07669

Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvbx
Article: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvby



生態:生態学的ネットワークおよび社会組織ネットワークに対する単純な二者間協力モデル
A simple model of bipartite cooperation for ecological and organizational
networks pp463 - 466
Networks of co-operative interactions occur in both ecological and socio-economic situations, with plant pollination by animals and interactions between manufacturing and contracting companies being respective examples.

This work proposes a parsimonious model for co-operative networks that predicts the specific properties of real ecological and socio-economic networks, demonstrating that similar principles of co-operation might underlie both situations.

Serguei Saavedra, Felix Reed-Tsochas and Brian Uzzi
doi:10.1038/nature07532

Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvbz
Article: http://ml.emailalert.jp/c/adcRadhs4cyumvb1



波動関数を元に戻す
  (from "Nature Physics 2009/01" Reserch Highlights.)

>> http://www.natureasia.com/japan/physics/updates/200901.php

波動関数の崩壊は、量子物理学における最も興味深く、また誤解される要素の1つである。シュレーディンガーの猫は、箱を調べることによって死んでいるか生きているかを確認できるが、それまでは両方の状態にあると考えられている。N Katzらは、正しい方法で箱を調べればこの「崩壊」を逆転できることを実験で示した。

量子的なふるまいの観察についていえば、超伝導回路は猫よりはるかに優れている。回路の状態(2つの可能性のうちの1つ)は「弱」測定を用いて調べることができる。否定的な結果からは、部分情報のみが得られる。そして、波動関数の崩壊の逆転が依存するのは、この不完全性である。たとえ一方の状態になる可能性が他方より高いにしても、我々にわかるのは系がそれぞれの状態になる可能性だけである。Katzらは、マイクロ波パルスを印加して、これらの確率を逆転し、同じ弱測定を繰り返した。ほかの否定的な結果が得られれば、系は初期状態に戻る。Katzらの実験では、70%の確率でこれが起こった。


【関連】

>> http://blog.goo.ne.jp/razoralign/d/20080708 (ページ下部)

(量子物理:輪廻が「シュレーディンガーの猫」を救う)

>> http://www.nature.com/news/2008/080702/full/454008a.html

Physicists reverse quantum?classical transition.
Zeeya Merali


President Obama's inauguration.

2009-01-21 07:25:14 | Science
Obama
(オバマ大統領の就任演説:CNN)



第44代アメリカ大統領となったBarack Obama氏の就任式が、つい先ほど執り行われました。(今現在パレード中)注目されるスピーチの内容は、キャンペーン時の煽情性を抑制した真摯で粛々とした現実的な色を帯びつつも、相変わらず求心力に満ちたもの。若干27歳のスピーチ・ライターが手直したという文面は、手堅くも瑞々しいエネルギーを感じさせるものでした。


時間が限られているので率直な感想だけ述べさせてもらうと、最も印象的だったのが、自国の経済復興に言及した中で「自己利益の為に他者を犠牲にした者たち」を批判する内容があったこと。多くの資本主義国家にはもちろん、とりわけ日本のトップにはまずできない論説に違いないですね。「新時代には一人一人の責任が求められる」という要旨に照らして、これほど決意を明示する一節は他に無いでしょう。


個人的な最関心事である環境/科学政策については、まずはEPA主導による温暖化対策の一環として、2009年末のコペンハーゲン会議までに指針を定めること。これは国際的な科学研究従事者の大きな共通了解でもあります。日常的にレポートされる世界各国の研究機関からの多角的なデータに触れていれば、それが現実の問題であるのは自明なことなのですが。。


(※ しかしながら、昨今は温暖化懐疑論の主流として、IPCCの示した二酸化炭素要因の「確信性の高さ」を、「確定事項か否か」と二元論に挿げ替えてしまう、凡そ『科学的論議』とはかけ離れた物言いが、科学従事者【ではない】弁者(特に専門知識に疎いエコノミスト)の間でスタンダードを得つつある由々しい実態がある。

つまりは環境問題がプライマリかどうかを議論の対象にしている愚である。包括的に問題を解決するフレームを構築・維持していくことが堅実であるべき姿勢なのだ。その中で人為的CO2排出要因が90%以上の確度を以て、【目下検証されている】。その姿勢すら否定するのなら、温暖化政策が飢餓問題や経済問題に優先、あるいはスポイルしているという「実態」が如何程に深刻な影響を及ぼしているか、ということこそ、彼らは説得に足る根拠を示して訴えるべきだ。


彼ら「一部のエコノミスト」の第一の問題点は、その論拠が画一的なソースに偏りすぎるということ。彼らは自身でリサーチできるはずもなく、任意のデータひとつとっても、イロハを知った如きの見聞に憶測の上塗りで論駁し、おこがましくも数値に基づいた論議を阻害、翻訳による解釈の違いや、誤謬についての攻撃的な言葉いじりに明け暮れ、「国際的にはそれほど問題とされていない」「環境利権のプロパガンダだ」(モチベーションとしても、良くも悪くもビジネス性を伴うのは必然ではあるのですが)と極端な印象にミスリードしてしまう。

これはもはや環境問題がどうのと議論するステージに上がる以前の話で、自身の専門外の分野について、誤った権威的・一時的なトレンドに降り回されているに過ぎない。自身こそが操作・利用されている存在だという自覚が無いのだ。)



次いで、目下直接的な影響を波及させている"Primary Problem"、飢餓・健康問題へのFDAの早急な対処。そして、ブッシュ政権下で不遇の時を迎えていた、NIHによるStem-cell(幹細胞)研究の強化を公約したオバマ大統領の‘ゴーサイン’が待たれています。



私にとってサプライズだったのは、この就任式典の為の音楽が、John Williamsに委嘱されていたこと。そのタイトルは"Air and Simple Gifts"というヴァイオリン・チェロ・クラリネットとピアノによる四重奏曲。

アメリカを代表する作曲家、コープランドが1944年に作曲した『アパラチアの春』を引用した楽曲で、あの有名な"Simple Gifts"の主題が大胆に盛り込まれています。



□ Variations of "Simple Gifts"

"Simple Gifts" by Empire Brass
"Simple Gifts" by Cincinnati Pops Orchestra, Erich Kunzel & James Galway
"Simple Gifts" by Laura Sullivan



アメリカ生まれのアメリカ育ちと言っても良いこの曲は、元々はシェーカー教が発祥の伝統歌で、多くのAmericanに親しまれているクリスチャン・スタンダード。シェーカーの母体、クェーカーのルーツのあるイギリス/スコットランドに絡めて、しばしばCelt Songとしても演奏されます。



Tis the gift to be simple,
'tis the gift to be free,
'Tis the gift to come down where we ought to be,
And when we find ourselves in the place just right,
'Twill be in the valley of love and delight.

When true simplicity is gain'd,
To bow and to bend we shan't be asham'd,
To turn,turn will be our delight,
Till by turning,turning we come round right.
     
      -Elder Joseph Brackett (1797-1882) America


つつましくあることは天与のもの
自由であることは天与のもの
私たちの行き着くべき場所を見つけることも また天与であり
そしてその場所に辿り着いたときこそ
その谷間は愛と喜びに満たされるだろう。

私たちが真の慎ましさを手にしたとき
真っ直ぐに、そして謙虚に生きることは
もはや恥ずべきことではなくなり
変わることも 変わることも私たちの喜びとなるだろう
変わろう 変わるのだ あるべき居場所に巡ってくるまで



John WilliamsがObama氏に捧げる言辞(楽曲に歌詞は無いのだけど)として、これ以上相応しいものは有り得ないという気がしますね。その大部分が、大統領の就任演説に大きくオーバーラップするものでもありました。