□ Etyl / "La Tortue"
♪ En L'Homme
♪ Moi Je
♪ Je Savais
Release Year; 2006
Label; Wea
Cat.No.; 8345118352
Format: 1xCD
>> http://www.etyl.net/
>> http://www.myspace.com/etylfr
>> tracklisting
01. En L'Homme
02. Naoiq
03. Bulle
04. Et Si Jamais
05. Une Fois En Bas
06. Moije
07. Kit
08. Desolee
09. Meandres
10. Je Savais
11. Histoire De
PV. Naoiq
PV. En L'Homme
フランス発ヌーヴェル・ポップの新星、Etylのデビューアルバム。リーダーであり、ヴォーカルを務めるEglantineを中心に、ヴァイオリニストとコーラスを兼任するChristelle Lassort、ベーシストのChristophe Beaudriard、ドラムのBertrand Perrin、エレクトリックギターのAntonie、アコースティックギターのNicolasの6人編成による、生楽器主体のスムースなトリップ・ホップ。ジャズやハウスのムードに乗っ取ったバンドサウンドを基調としていながらも、Eglantine自身によるエレクトロなオーヴァーダブによって、楽曲全体にサイファイで未来的な立体感を演出しています。
Eglantineはもともとクラシックの教育を受けてきたそうですが、エレクトロニカやEthereal-trip hopに徐々に傾倒し、ジャケットでAkaiのシーケンサーを抱く程の機材オタクになったようです(笑)そのサウンドはやはりというか、Emilie Simonと比較されることが多いみたいですが、実験音響分野で前衛的な技巧を追求していたEmilie Simonとは対照的に、Eglantineは生演奏のオーガニックな音感と、ありものの使い慣らされた(堅実な)機材の工夫によって得られる遊び心に溢れたサウンドを創り出すことを得意としているように感じられました。
しかし反面、キッチュで親しみやすいメロディもあったEmilie Simonと比べ、Etylのフレーズはどこか捉えどころがなく、淡々と心象を吐露していくような突き放したクールささえ感じられるのが面白いですね。ヌーヴェルポップの潮流に身を置きながら、同時に古き良きシャンソンの色香立つエスプリを受け継いでいるような印象。PVでは自らの身体で惜しげも無く、アンニュイなエロティシズムを醸し出しています。
□ Линда / "Песни тибетских лам"
♪ Сделай так
♪ Танец под водой
♪ Купание в грязной воде
Release Year; 1994
>> http://www.linda.by.ru/
>> http://v-unit.de/forum/index.php?showtopic=40 (Discography)
>> tracklisting.
01. Сделай так 06.51
02. Беги на цыпочках 03.16
03. Песни тибетских лам 04.45
04. Мало огня 05.34
05. Танец под водой 05.26
06. Девять ангелов 04.40
07. Девочки с острыми зубками 03.46
08. Девочки с острыми зубками (акустическая версия) 02.33
09. Купание в грязной воде 05.03
10. Я не буду стрелять 03.32
11. Киска 03.12
12. Я не останусь одна 03.12
13. Небесный город 02.43
90年代後半にロシアを沸かせたらしいカザフスタン出身のギリシャ系ロシア人、Lindaのデビューアルバム。1990年代中盤といえば、CD市場の最盛期に乗っかった、折からの国際的なワールドミュージックブーム。(民俗音楽の世界規模な交換。)さらに、Bomb The BassやEnigma、Deep Forestといった、エスノ・フュージョン・クロスオーヴァーなハウスミュージックが最先端のものとして受容されていた時代で、世界的にイミテイターが溢れていた時期でもあります。
このアルバムも、そんな流れで産まれた一作品だと捉えられるもので、プロデューサーのマクシム・ファデエフが構築した当作品のサウンドは、Bomb The BassやSingle Gun Theoryと同系に位置する、エスニックなサンプリングとハウスビートのブレンド、そしてLindaの可憐で透明感のあるヴォイスが瑞々しい、トリップ・ホップの王道となっています。また、この手の楽曲に良くある「なんちゃって日本語」には大分聞き慣れてきましたが、この作品のは寧ろ味わいがあって全然イケてます。w
上は2nd Album "Bopoha(Vorona)"からのクリップ。
こういう作風がきっかけで、彼女はドラッグ疑惑のスキャンダルを抱えたまま一線から退いてしまったようです。。しかしその後もライブパフォーマンスを披露したり、今でもアルバムがカルトな話題を呼んだりと、当時の強烈なインパクトと閃きは未だに尾を引き続けています。
(追記)
↑と、書きましたが、本国では割合コンスタントに
リリースを重ねているようです。
DISOCRAPHY:
Pesni Tibetskih Lam (Songs of the Tibetan Llama's) [1994]
Tantsy Tibetskih Lam (Dances of the Tibetan Llama's) [1995]
Vorona (the Crow) [1996]
Vorona (Remake & Remix) [1997]
Konsert (Live Concert Album) [1998]
Platsenta (Placenta) [1999]
Beloe Na Belom (White on White) [1999]
Embrion (Embryo) [2000]
Zrenie (Sight) [2001]
AtakA (Attack) [2004]
Pochti Bliznetsy (Almost Twins) [2005]
AleAda (AleAda) [2006]
SINGLES:
Tsepi I Kolt'sa (Chains & Rings) [2004]
COLLABORATIONS:
HIM (Finnish Goth-Rock band, which was scrapped after Linda left BMG)
Moby (TBA)
Bjork (TBA)
Stefanos Korkolis (AleAda, Nazorei)
YouTubeで見られる"Agonia"のPVに象徴されるように、近年は更に深化したオカルト系ゴシック・ポップの色が濃くなっています。うーん、この方向へ行っちゃうと、今は似たり寄ったりの作品が沢山ありますからね。。個人的には1stの作風が最も評価できます。
以上2作品は、なつみるくさんより寄贈されたものです。彼女には深甚なる謝辞と無比なる賞讃と共に、このエントリーを捧げる(笑)
(追記)
□ Линда / "Северный Ветер"
さらにYouTubeで拾い物。
これは・・・スゴイ。
ドラッギーなビートワークに、棘のあるヴォーカル。
こういう尖った作風もかなり良いかもしれません。
PVもシュールなアートフィルムを見ているようです。
ラストの畳み掛けるような映像シーケンスと、
ビザーレな民族唱歌の合唱のシンクロが素晴らしい。