lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

太陽系に新たな第9惑星発見の可能性。 -the New Solar System's ninth planet.

2008-02-28 06:59:51 | Science
Xplanet



□ 太陽系外周に「新惑星」か=地球質量の3-7割と理論予測-神戸大

>> http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008022800064 (2008/02/28/05:54)

太陽系の惑星で最も外側を周回する海王星より、はるかに遠く、大きな軌道を回る惑星級の新天体が存在する可能性が高いとの理論的予測を、神戸大の向井正教授とパトリック・リカフィカ研究員が27日発表した。主に氷でできており、質量は地球の3-7割、直径は地球並みの1万-1万6000キロとみられ、今後の大規模観測で10年以内に発見される可能性があるという。

実際に発見され、国際天文学連合(IAU)の惑星の新定義を満たせば、準惑星に格下げされた冥王星(質量は地球の500分の1)に代わって、第9惑星が復活することになりそうだ。論文は米天文学誌アストロノミカル・ジャーナルに掲載される。
 海王星より外側では、太陽系外縁天体と呼ばれる小天体が1994年の初発見以来、約1100個も見つかっている。しかし、海王星より内側の惑星や小天体の軌道が円盤を成すように並んでいるのに対し、外縁天体群の軌道は楕円(だえん)形で、大きく傾いている。
 向井教授らはこの謎を解くため、約40億年前に太陽系が誕生してからの歴史をコンピューターでシミュレーションした。



向井正教授は日本惑星科学会会長で、宇宙探査機などの光学システムの技術更新にも大きく貢献している方です。外縁天体群の変則軌道を理論上再現するために仮想した『惑星X』。海王星の遙か外側を、長半径150-260億kmの楕円軌道で周回し、公転平面が他惑星に対して大きく傾斜している為、今まで観測されなかったそう。

観測が実現すれば、かつてセドナとエリス(不和の女神の名前)の存在によって、その座を追われた冥王星に代わり第9惑星の地位を得るのは間違いないでしょうね。


Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull Trailer.

2008-02-15 04:15:38 | 映画
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□ 『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』

>> http://www.indianajones.com/

Director: Steven Spielberg
Executive Producer: George Lucas
Release Date; MAY 22. (Japan; June 21)


ヌッパヌッパー♪ヌッパパー♪

キタ━━━(ノ゜∀゜)ノ ┫:。・:*:・゜'★,。・:*:♪・゜'☆━━━!!!! (ガラガラガシャーン!
ついさきほど、長らく謎に包まれていた、
インディジョーンズ4作目、「クリスタル・スカルの王国」の
予告編が全米で公式に公開されました。
公式サイト他で高画質版がご覧頂けます。

日本でも追って、これから明朝にかけて
ニュース番組などで放送される予定とのことです。

Indy


冒険の舞台は1957年の南米マヤ遺跡。詳細は未だ不明ですが、オーパーツとして有名なクリスタル・スカルを巡る争奪戦が繰り広げられるそう。チラッと映るイグアスの滝が迫力あります。ハリソン・フォードのムチは健在でパシーンパシーン!(T▽Tイイハナシダナー、ジョン・ハートやジム・ブロードベント、ケイト・ブランシェットなど、個人的にも大好きな俳優が脇を固めていて嬉しいです。

Sparco


今回の敵役はブランシェット演じるソ連のエージェント、スパルコ。でもインディが戦ってるのは、これまでのナチスに代わって、同郷のアメリカ陸軍のようですね。

そして・・・!

記念すべき1作目、「レイダース」のヒロイン、マリオン・レイヴンウッド役のカレン・アレンが同名のキャラクターで登場。すごい綺麗!!28年前から時が止まったかのように若く美しさに磨きをかけています。


最も気になるシーン、

Roswell


"ROSWELL, NEW MEXICO 1947"

これはかの有名な1947年の「ロズウェルのUFO墜落事件」と関連を匂わせます。実は以前から「宇宙人が登場する」とのウワサがまことしやかに流れており、今回の予告編で更に疑惑が確信に向かった模様。もしくは宇宙人だとされた「何か?」かもしれませんが、原案はいたずら好きのジョージ・ルーカスだからもしや・・・。

※スターウォーズのスピンオフ小説などを執筆するSF作家で天体物理学博士、Kevin J. Andersonが書いた"The X-Files"の小説版『遺跡』において、マヤ遺跡の地下にUFOが眠っているという題材が扱われています。また、『STAR WARS  EPISODE:IV A NEW HOPE』に登場するヤヴィン第4衛星の反乱軍基地となった神殿は、マヤの遺跡群をモチーフにしたもの。


クリスタル・スカルは実在するオーパーツで、レーザーを通すと水晶で出来た頭蓋の中心に光が集まって発光するという神秘的な構造から、超古代文明、あるいは異星人の遺したテクノロジーだと様々な説が唱えられています。ディズニーランドでは1995年に、このモチーフを元に「インディジョーンズ・アドベンチャー クリスタル・スカルの魔宮」というアトラクションを開発。そして今回の新作の原案として採用されました。しかし内容は別モノになると思われます。

Maya


幼少時代から数え切れないほど鑑賞してきたインディージョーンズシリーズ。私にとっては、神話に対する憧憬とロマンチシズムの源泉とも言えるべき存在であり、その神秘性とは対比的に生々しくも大胆なアクションを繰り広げるジョーンズ博士のヒロイズムは、正に現代にとっての一つの神話とも言えるのではないでしょうか。

今作は「魔宮の伝説」路線のようですが、旧約聖書における「聖櫃」や、最後の晩餐の「聖杯」と十字軍にまつわる冒険の過程で描かれたキリスト教の聖書的世界観こそが、私がこのシリーズに抱く最も強いノスタルジーなので、(そしてそれを彩るジョン・ウィリアムズの宗教的楽曲も素晴らしかった!)今回の純粋な活劇風味には、とにかくそんな情緒を吹っ飛ばすくらいダイナミックなものを期待したいところなのです。

Maya2


スピルバーグのアクションセンスは、彼自身の年齢や時代において全く見劣りすることも枯渇することもない、まさに天啓めいたものを感じるので、あとは現在のVFX技術が、このインディージョーンズという主題において、どれだけ彼のイマジネーションを引き出せるかに掛かっているでしょう。ただ、ストーリーを総括するデビッド・コープの脚本は、大胆なアレンジでエンターテイメントは作れるのだけど、いつも予定調和的に小さく纏まりがちになる印象があるので、一抹の不安が。。。




□ John Williams / "Raiders of the Lost Ark"

The Miracle of the Ark


□ John Williams / "Indiana Jones and the Last Crusade"

End Credits (Raiders March)


ジョン・ウィリアムズ作曲、インディ・ジョーンズ・シリーズのスコアから2曲。"The Miracle of the Ark"は、旧約聖書にある「十戒」を収めた契約の箱の、人智を超えた力と神々への畏怖を壮大なスケールで奏でる名曲。背筋の凍るようなホラースコアリングの方法論も用いられており、ナチスの軍人や近代兵器を巻き上げ、雲を引き裂く巨大な炎の柱が眼前に浮かぶようです。人体が熱でドロドロ溶けるシーンは今もトラウマです。今の技術でリメイクして欲しいシーン。

3作目『最後の聖戦』では、ジョン・ウィリアムズの円熟期に書かれた最も格調高くヴァラエティに富んだ楽曲が展開され、スピルバーグの絶賛を受けています。特に古楽器などで演奏される「聖杯」のモチーフが琴線に触れ、古代へのロマンを掻き立ててくれます。全体的にもモチーフの切り替わりが計算された、フィルムスコアとしての完成度の高い楽曲が並び、この"End Credits"中盤で聴かれるスケルツォは、ウィリアムズの完成したアクション・スコアの一つの頂点となっています。子供の頃は、CDの銀盤がレーザーで焼け落ちるほど聴きました(笑)


E.S. POSTHUMUS / "CARTOGRAPHER"

2008-02-13 06:10:00 | art music
Es_cartographercover
(Michelangelo Merisi da Caravaggio / "St. Jerome Writing" c,1604)


"Qui autem docti fuerint fulgebunt quasi splendor firmamenti; et qui ad justitiam erudiunt multos; quasi stellae in perpetuas aeternitates."
  ーIncipit epistula Sancti Jeronimi ad Paulinum presbyterum.

『学びを得た者たちは、さらに天蓋の輝きの如く光り続け、多くの者を義へと教え導くだろう。間断なき久遠にある星たちのように』
    ー聖ヒエロニムスからパウリヌスへの手紙


□ E.S.POSTHUMUS feat. Luna Sans / "CARTOGRAPHER"

ISUNOVA PI
SOLLENTE
MOSANE PI
CAARANO
NOLITUS PI

Release Date; 14/01/2008
       21/12/2007 (on iTunes)
Label; Wigshop Records
Cat.No.; WS2237
Format: 2xCDs

>> http://www.esposthumus.com/cartographer/cartographer.html
>> http://www.myspace.com/lunasans


>> tracklisting.

Disc.1 "feat. Luna Sans"

01. Nolitus
02. Isunova
03. Vorrina
04. Selisona
05. Marunae
06. Mosane
07. Decifin
08. Sollente
09. Caarano
10. Raptamei
11. Oraanu
12. Nivaos
13. Nasivern


Disc.2 "Piri Reis Remixes"

01. Aschielf PI
02. Oraanu PI
03. Marunae PI
04. Mosane PI
05. Isunova PI
06. Nasivern PI
07. Selisona PI
08. Raptamei PI
09. Caarano PI
10. Nivaos PI
11. Sollente PI
12. Decifin PI
13. Vorrina PI
14. Nolitus PI
15. Odenall PI


1929年、「ピリ・レイスの古代地図」がコンスタンチノープルで発見された。驚くべきことに、この地図には6千年以上に渡って氷に覆われていた湾や諸島が描かれていた。古代にこのような探検ができた文明とは一体どのようなものだっただろうか?

探検したのは、南インド洋の小さな孤島ヌマの人々ではないか。高度な航海技術を持つ海洋人であった彼らが地球のすみずみまで航海したのだ。私たちは、彼ら独自の言語を創り出した。"Cartographer"では、ヌマ島の人々の文明、発見、滅亡の物語を歌い上げる。



e.s. (="Experimental Sounds" or "Electronic Sounds")、Posthumus (="All Things Past" 全て過ぎ行くもの)。多様な古楽器が織りなす情緒に流麗なオーケストラ、地を這うような野太いトライバル・パーカッション、祈り上げるように響き渡る荘厳な混声合唱、そしてそれらの親和性を高めるエレクトロニクス。E.S. Posthumusの紡ぐ"CARTOGRAPHER(地図製作者)"の音楽は、遼遠たる大地に悠久の歴史を経て刻んできた、時空の境界無き人間の共時体験を、ピタゴラス哲学の教示『音楽は相反するあらゆるものの共鳴』に倣い、麗しき過去の空想史として現代に描き奏でる。

この2ndアルバム"CARTOGRAPHER"は、無名ながらも魅惑的なラテン系ヴォーカリスト、Luna Sansの歌声をフィーチャーしたディスクと、それらの曲を合唱曲にアレンジし、ボーナストラックを追加したディスク、"Piri Reis Remixes"の二枚組でリリースされた。今作のモチーフとなっている歴史上最も有名な『カルトグラファー=地図製作者』の1人であるPiri Reisについては後述するが、『ヌマ』についての伝承は調べた限り見当たらず、架空の設定、あるいは非常にマイナーな学識である可能性が高い。


ロサンゼルスに生まれたイケメン兄弟、Helmut VonlichtenとFranz Vonlichten。幼少の頃より母からピアノを学び、Franzは高校卒業と同時にレコーディング・スタジオに職を持つ傍ら、HelmutはUCLAで考古学を専攻。2000年に結成したユニット、"e.s. Posthumus"において、シアトル合唱団の重々しい混声コーラスと、各国の伝統楽器のプロフェッショナルを招いて、ロックのリズムやエレクトロビートを乗せるという古くも新しいスタイルを確立。(パフォーマーにはMichael LandauやDavy Spillane、Matt Laug、Lance Morrisonといった有名ミュージシャンも起用されている他、合唱団とオーケストラを指揮したJeffrey "Woody" Woodruffは、Celine Dionを始め数多くの大物アーティストを手掛けるエンジニアでもある。)

デビューアルバム、"Unearthed"の激情と憧憬を同時に煽る神秘的な作風は、ハリウッドの大作系映画の予告編などで好んで使われ、インディーズ・アーティストながら異例とも言える数のカルトなファンを世界中に生んだ。

2008年現在、e.s.Posthumus、あるいはもっと過去からの同系統の作品は量産され続け、数え切れないほどの劇伴作曲家やアーティスト、そしてライブラリ音源において同様の方法論の追随が試みられているが、e.s.Posthumusの音楽は、そのどれとも似て非なる一線を引いた佇まいがある。"Unearthed"のリリースから7年余り経て尚、ブロックバスター映画のトレーラーで彼らの作品を耳にする機会が未だに多いことが、その魅力と独自性の何よりの証左だろう。



"CARTOGRAPHER"の詳細なクレジットは公表されていないものの、楽器編成自体は"Unearthed"とさして変わらないようである。大編成の混声合唱団にオーケストラ、鋭角的に刻まれるドラムやベース、そしてペルシア~古典トルコ、アラブ音楽のインストゥルメントがボサノヴァやサラバンドといった様々な舞曲のリズムを奏で、ウーリアンパイプやネイ(中東の葦笛)といった特徴的な民族楽器が、ある時は広大な平原を歩む如く牧歌的に、ある時は大海の星原に歌う如く雄大に、抒情豊かな音色で染める。西欧神話、キリスト教、あるいは有史以前より遠い時代から人々が闊歩してきた、自然と文化を巡る遙かな記憶の原景を謳いあげる壮大な音の叙事詩である。


Luna Sansのヴォーカル・トラックとPiri Reis Remixesの棲み分けは徹底されており、Luna Sansサイドには"Nivaos"を除き混声合唱が一切登場しない。代わりにスパニッシュ・ギターが、古代ヌマの言語を想定したという造語("eRa"と同様に、ラテン語に酷似したフレーズが多用されている)によって歌われるヴォーカルに郷愁の色を添えている。こちらは昨今のイビサ系チルアウトやワールド・フュージョンにも頻繁に見られるラテン~イスラエルポップの様式にかなり近く、情緒過多な甘ったるいオーケストレーション(Tim Janisをはじめとしたヒーリング・ミュージック、イージーリスニングにさえ大分歩み寄っているように聴こえる)が如何にもと言った感じで調和している。

Luna Sans自身はDeep ForestやEnya、Massive Attackといったニューエイジ、トリップホップからポップオペラをルーツに挙げるシンガーであり、今回の起用にあたっては非常に慎重にならざるを得なかったというが、出来上がったものは意外と保守的に仕上がっているのではないかと個人的には申したい。


ここで残念なのは、混声合唱をメインにした"Piri Reis Remixes"が、あくまでLuna Sansのヴォーカルトラックのアレンジに準じたものであるという点である。大半の楽曲において、コーラスはヴォーカルにとって代わって主旋律を奏でるものではなく、インストゥルメントの一部として融け込んでしまっている。ボサノヴァを取り入れるなど、ヴァリエーションそのものは多彩になったものの、構造はよりミニマルになり、軽妙、あるいはゆったりとしたムード音楽に興じている感が強い。

世界中の古都や伝説の都市への憧憬を謳い上げた"Unearthed"。その最大の特徴だった仰々しいまでの混声コーラスのダイナミズムと先鋭性は失われ、空間的な残響効果を伴ってソフィスティケイトされた柔和なサウンドに落ち着いており、特に前作では雄々しかった男声パートが抑制されている。"Unearthed"における"NARA"や"ISFAHAN"の手法をエンハンスしたアルバムという印象が強い。"EBRA"や"POMPEII"のヘヴィメタル色はすっかり陰を潜め、"ANTISSA"や"MENOUTHIS"のような心をえぐるキラートラックも少ない。"Isunova PI"や"Mosane PI"については、"Unearthed"からの進化を顕著に窺わせる出来だけに、アルバム全体のトーンダウンした雰囲気は心残りである。


また、"Luna Sans"サイドと"Piri Reis Remixes"の製作過程にどういう摺り合わせがあったのかは定かでないが、ボーカル曲とコーラス曲が同じトラックを共有しているが故に、それぞれに不似合いなシークエンスを分け持っているという状況が所々に見受けられる。たとえば"Isunova"や"Marunae"といった、映画音楽を意識した劇音楽調の盛り上がりが展開される曲においては、フレーズが徐々にクレッシェンドやスタッカートを伴って一点でピークを迎える特徴的なアクセンチュエーションが施されており、どうしても楽曲の世界観を歌っているはずのボーカルとは乖離して聴こえてしまい、試みとしては巧くいってないと思われる。逆に、ボーカルの不在に代わるにはコーラスの存在感が薄いトラックも多く見られ、やはり贅沢なBGMという位置づけに甘んじたものを感じてしまう。


"Piri Reis Remixes"の特異ともいえるボーナストラック、"Ashielf PI"と"Odenall PI"は、以上に挙げた特徴とは全く対照的な作風であり、純粋にフィルム・スコアリングを意識した、クラシカルかつ映像との親和性と視覚性の高い楽曲となっている。"Ashilef PI"は、2005年に DJ Quik and Bizarre.と共作したNFLのテーマソング、"Rise to Glory" (Posthumus Zone)や、"Cartographer"に先駆けてリリースされたシングル"Unstoppable"を一分の尺に圧縮したような曲で、あからさまにHans Zimmer率いるRemote Control社におけるアクションスコア・ライティングの方法論を拝借している。

"Piri Reis Remixes"では楽曲の構成を鑑みて、"Luna Sans"サイドから大幅に曲順が差し替えられているが、"Ashilelf PI"の終結部の中断から"ORAANU PI"の壮大なコーラスに瞬間的に移行する展開は大迫力である。ギターとパーカッションの軽快で胸のすくような導入部から始まる"ODENALL PI"は、大袈裟なフレーズの反復で大胆に楽曲を割さきながらも、各展開部に独特なフルートやストリングスのメロディを絡めて、ハリウッド往年のスペクタクル映画を彷彿とさせるドラマティックかつ感動的なインスピレーションでアルバムを締めくくっている。



アートディレクション             .

Stjeromewriting


『執筆する聖ヒエロニムス (c.1605-1606)』


ジャケットアートは、"Unearthed"の『聖マタイと天使』に続き、同じカラヴァッジョことミケランジェロ・メリージによる『執筆する聖ヒエロニムス』(ローマ、ボルゲーゼ美術館所蔵)が使用されている。色彩に富み、「闇」を効果的に用いた写実主義の厳格なイメージは、e.s.Posthumusの生々しくダークなサウンドに実に相応しい。ジャケットでは省かれた筆の先にある骸骨は、「知の流性」と「死」を結びつける象徴的なメタファーである。おそらくアルバムの『Cartographer(地図製作者)』というタイトルに倣って引用されたもので、聖ヒエロニムスの主題とは切り離して「地図を書き写す様」だと捉えさせる意図があるのだろう。

ウルガータ聖書のラテン語訳によって、西欧のキリスト教化に最も貢献したことでカトリックの四大教父の1人に数えられる聖ヒエロニムス。シリア砂漠を放浪し、様々な試練を打ち破った寓話が残されており、知見に富み、論理的ながらも、あまりに辛辣で厳しい性格は、彼が遺したとされる幾つかの書簡にも顕著に現れている。晩年、カラヴァッジョは同様の主題による、もう一つの『執筆する聖ヒエロニムス』をサン・ジョヴァンニ大聖堂の祭壇画として描いている。


Novamap


"Nova totius Terrarum Orbis Tabula"

ジャケット内側のディスクホルダーには、17世紀に出版され最も普及した『新世界全図』がプリントされている。著者はハッキリとは判別できないが、"G a. Fichasect"と記銘されているようである。(上の画像は別の出版者によるものだが、地図部分は共通している。)


Pirireis

"Piri Reisの地図"


Cartographer、ピーリー・レイス。オスマン帝国の軍人であり、同時代の海洋知識の集大成である『キターブ・バフリエ』を著し、その後の世界地図の一般化に大きく貢献した。一般に『ピリ・レイスの地図』と呼ばれるものは、"Cartographer"の序文にある通り、1929年にコンスタンチノープルで発見された、1513年製作の航海地図の写本の一部である。

エジプトのセリム一世に献呈されたこの地図は、紀元前4世紀の古代マケドニアから、イスラム世界やポルトガルの航海史、そしてコロンブスによる新大陸地図の情報を纏めたもので、その解釈を巡っては、神秘めいた異説が様々唱えられている。


最も有名なのは、Graham Hancockが著書『Fingerprints of the Gods (神々の指紋)』において、これを「超古代文明」の存在の傍証としたところだろう。当時は確認されていなかった南極大陸が記されているという点を論拠として冒頭に紹介しているが、実は巻中の引用において縮尺を変更し方位が回転されている他、多くの証拠について不正操作や論理的飛躍が指摘され、現在では疑似科学の象徴的な存在として認識されている。

e.s.Posthumusが"Cartographer"のテーマとして扱う『ヌマ伝説』は、このハンコックやデニケンが唱えている「古代のオーパーツ」、「知識の伝承者」の存在をモチーフとしていると思われるが、あくまで作品を鑑賞する際にイメージを拡張するファンタジーの加味であり、誰しもが抱いている神秘に包まれた古代史へのロマンや冒険心を思い起こして、素直に聴いてみるのも一興であろう。


こうして音楽を彩るアート、学識、物語といった種々の要素によって構成される"Cartographer"の古式万華鏡的世界。斯様にe.s.Posthumusは、自ら標榜する通り、かのピタゴラス哲学の観念にあるが如く、異なる次元の素材同士を調和させ、歴史と国境を超えた壮大なハーモニーによって人々の心を震わし、その幻想を統べる新世界の地図を描いたのだ。


Watch out for falling satellites. (successfully broken up!)

2008-02-01 09:09:13 | Science
(At 03:26 GMT on 21 February, the Navy cruiser USS Lake Erie fired a modified Standard Missile 3 (SM-3), which intercepted the satellite as it passed 247 kilometres over the Pacific Ocean,and successfully fired.)

Nrol21_2
(Deltaロケットで打ち上げられるNROL-21)


※ 2/21日、ハワイ海洋上の米海軍イージス艦「レイク・エリエ」が、迎撃ミサイルSM-3にて当該衛星の撃墜に成功。概算では破片は大凡大気圏で燃え尽き、この高度では脅威となるデブリは発生せず、高高度のヒドラジン汚染は現状では危険視することはないとの発表。


□ 米スパイ衛星NROL-21が陸地に墜落する可能性

>> http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200801301539
>> http://www.nature.com/news/2008/080129/full/news.2008.536.html

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のルノー司令官は29日、米国防総省で行われた記者会見で制御不能に陥り、近く地球に落下すると報じられている米国の大型スパイ衛星に付いて触れて、制御不能に陥った衛星が「NROL-21/USA-193」である事実を認めた上で、NROL-21は2月末から3月にかけて北米大陸に墜落するとの見解を示した。


NROでは、次世代のスパイ衛星として、衛星自体を地上の光学観測施設から見えなくする「Misty」と呼ばれる一種のステルス衛星と、「KH-12」シリーズの巨大な光学観測装置の小型化を目指した衛星の開発を主導。 今回、制御を失って近く地球に落下してくる可能性が強まってきた衛星は、後者の技術開発の過程で生まれてた技術を検証するために打ち上げられた次世代スパイ衛星の技術検証用実験衛星となる。

 
衛星は2006年12月13日に米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地からデルタ(Delta)II-7920-10型ロケットを使って打ち上げられた後、高度376キロから354キロの楕円の低軌道に投入された。しかし、予定軌道に投入は成功したものの、衛星本体の起動シーケンスが始動した後で問題が発覚。フライト・プログラムが正常に起動しないという状態に陥った。NROでは地上管制からコマンド操作を行い、衛星コンピューターのリブートを行うことで問題からの復帰を試みたが、事態の解決には至らず、1月末には「トータル・ロス(Total Loss)」が宣言されて運用は断念された。

 衛星は打ち上げられてからしばらくの間は内部バッテリーの電源供給により基本的なコマンドは受け付けていたが、フライト・プログラムが起動しなかったため、主電源供給源となるソーラーパネルの展開もできず、既に昨年2月頃には内部バッテリーも空となり、完全に制御を失う状態に陥ったものと見られている。

 この衛星はNROのスパイ衛星のため開発費用などの詳細は明らかにされていないが、開発には数億ドル(約数百億円)が投じられたものと見られている。



上を向いて歩こうよ~♪
って、エーッΣ(゜д゜lll)

(この記事について、3時間もかけて長々と書いた文章がブラウザのバグで吹き飛んでしまった為、上の引用を以て簡潔に締めます。くやしいですっ!(TДT))


海外ではトップニュースを飾るほど大々的に報じられていますね。もともとは内部関係者のリークが発端となって公表された情報。それがなければ隠し通す気だったんでしょうか。。現時点では北米に落下予定とは公表していますが、実のところ大気圏での再突入時に進路が大きくブレる可能性もあるわけです。事実、再突入までは落下地点の予測は不可能だとのアナウンスを当初は行っていました。被害は未知数ですが、とりあえず同緯度上の陸地の人々は覚悟しておいた方が良いかもしれません。


NASA Orbital Debris Program Officeによると、過去40年間、地球上には一万を超える軌道上のデブリが落下してきているが、これまでに深刻な事故に至ったケースは皆無だとか。

Skylab
2001年、サウジアラビアに落下したSkylabのチタン製ロケット・モーター(重量70kg)


NROL-21については、大気圏への再突入時にアルミニウムの外層は剥がれ落ち、燃料タンク部分が焼け残って落下する可能性があるとのこと。その際に飛散するとされる、非常に毒性の強い(人にとっては神経毒にあたる)ヒドラジン(hydrazine)が、低高度まで残存していた場合に環境汚染や健康被害が予測されています。逆に、再突入時に拡散しきった場合は無害化されるそうですが、姿勢制御の為に搭載されていたヒドラジンは事故の為使われず、ほぼ満タンの状態で残っている可能性が高く、楽観はできません。


スペースデブリ対策として、使用済みの衛星は25年以内に落下させるという国際ルールがあります。しかし今回のように何らかの不具合で制御不能になったデブリが危険物と化す可能性も、今後考えられるわけですね。その場合の対応マニュアルや責任の分配などの更なる明確化も急務かもしれません。


・1995年にNASAが制定した要項
>> http://www.orbitaldebris.jsc.nasa.gov/mitigate/mitigation.html


・関連

□ 軌道デブリ解析ツール

>> http://www.orbitaldebris.jsc.nasa.gov/model/engrmodel.html


□ 宇宙太陽発電システム(SSPS)の軌道間輸送の検討(2)

>> http://utashima.exblog.jp/92410/

lens,align.:宇宙の太陽光をレーザー光に変換、地上へ (頁下部)




□ clip.

ヒトの行動:人殺しの本能
Human behaviour: Killer instincts pp512 - 515
What can evolution say about why humans kill ? and about why
we do so less than we used to? Dan Jones reports.

Dan Jones
doi:10.1038/451512a
http://ml.emailalert.jp/c/ab2badva7yxdyaa4


デバイス物理学:ナノワイヤーを使った有望なディスプレイ
Device physics: Nanowires' display of potential pp533 - 534
The future of the video display is both flexible and transparent. Finding
a material for the attendant electronics that is small-scale, bendy and
see-through is a tall order ? but a promising candidate is emerging.

Hagen Klauk
doi:10.1038/451533a
Standfirst: http://ml.emailalert.jp/c/ab2badva7yxdyaaT
Article: http://ml.emailalert.jp/c/ab2badva7yxdyaaU




□ Tunes of the Day

Wmsfd

□ Lustral / "When My Satellite Falls Down"

When My Satellite Falls Down (Slow Dancing Society's Event Horizon Mix)



□ carl b presents khensu

Chasing Leaves




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