01. Let There Be Light (York Remix)
02. Far Above The Clouds (York Remix)
03. Ommadawn (Mike Oldfield & York Remix)
04. Guilty (Mike Oldfield & York Remix)
05. Tubular Bells (Mike Oldfield & York Remix)
06. To France (York & Steve Brian Radio Mix)
07. Northstar (Mike Oldfield & York Remix)
08. Moonlight Shadow (York & Steve Brian Radio Mix)
09. Guilty (York & Mike’s Electrofunkmix)
10. Tubular Bells 2 (Mike Oldfield & York Remix)
11. Never Too Far (ft. Tarja Turunen)
新曲"Never Too Far"を除き、Remix集という体裁を取っているものの、マイクにより過去のマルチトラック・テープからのオリジナル音源の提供を受け、単なるダンス・リミックスではなく、現在のプログラミング技術を駆使することによって、当時の曲想を現代風に解釈するという『リテイク集』といった趣になっている。マイク本人も新たに楽器パフォーマンスを披露している。
実は現代のエレクトロニックミュージックへの傾倒は、マイク自身が"Light & Shade"(2005年)で打ち出したかった方向性なのだと思うが、その反動が全編オーケストラの"Music of the Spheres"だったのだとすると、今作はマイク自身のクリエイティブな足がかりになることをファンとして望まないわけにはいかない。
『Let There Be Light (York Remix)』 ("The Song of Distant Earth"収録・1994年)
1990年代、いわゆるニューエイジ・ミュージックの全盛期にマイクが送り出した屈指の傑作である。アーサー・C・クラークのSF小説『遥かなる地球の歌』に基づく曲想。リリース当時もBTやHardfloorなど、名だたるリミキサーが料理しているが、Stenzelは敢えて楽曲のリミックスではなく、『楽曲の完成』の方向を目指している。
より重厚で深淵な響きを添えたアトモスフィア、繊細なビート・プログラミング。YorkといえばChill Outワークも評価されているが、なかでも"Enigma" Michael Cretuの片腕、Jens Gadとのコラボレーションはファンには良く知られたところである。かの"Enigmatic Obsession"で披露した神秘的なヨーロピアン・ムード・ミュージックを思い出させる楽曲。
『To France (York & Steve Brian Radio Mix)』( "Discovery" 1984年)
マイクがPOP路線を敢行したのは、Virgin Recordsのイニシアチブとされているが、その功罪とでも言うべきか、その中でも名曲は生まれ、マイクは英ポップ史にもしっかりと足跡を残してきた。
『Moonlight Shadow (York & Steve Brian Radio Mix)』 ("Crises" 1983年)
言わずと知れた世界的ヒットナンバー。後年多くのアーティストがカヴァーを発表し、数えきれないリミックスが生まれた。撃たれた恋人が息を引き取る様を為す術も無く看取るという内容の歌詞は、長年ジョン・レノン殺害を歌ったものと考えられて来たが、後にマイクがインタビューで、実在の奇術師ハリー・フーディーニの半生を描いた映画"Houdini (魔術の恋)"にインスパイアされたものだと答えている。
『Never Too Far (ft. Tarja Turunen)』
Nightwishでも知られる(もはやソロ活動の方が有名?)Tarja Turunenを迎えた新曲。蒼く静かな焰のように情熱を湛える甘美なヴォーカルに、チューブラー・ベルズの変奏モチーフが絡む。この曲自体は、マイクの1987年の作品、"Islands"におけるBonnie Tylerのパフォーマンスに影響されたものだという。
ちなみに"Islands"収録の"The Time Has Come"には、後にEnigmaを名乗るMichael Cretuがプロデューサーとして参加している。