lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

luminary.

2017-02-12 15:28:05 | music15


□ luminary - Dark, Progressive & Post-Classical Music

>> https://youtu.be/zzWgupFSOBE

luminary - tracklisting.

1. Fragment II / Jóhann Jóhannsson
2. Orlando: Persistence of Images / Max Richter
3. Beautiful Ones / DíSA
4. Verses / Ólafur Arnalds
5. Orlando: Transformation / Max Richter
6. Me quitte: No. 9, Chaconne (Soul) / Niels Ronsholdt
7. Uniko: III. Sarma / Kimmo Pohjonen
8. Me quitte: No. 6, Sérénade (L'homme) / Niels Ronsholdt
9. Music for 18 Musicians: I. Pulses / Rough Fields
10. Genuine / Valravn


Artworks: Jeremy Geddes / Christian Schloe / Charles Weed

‘I hate the small looking-glass on the stairs,’ said Jinny.
‘It shows our heads only; it cuts off our heads.

- Virginia Woolf "The Waves"


何年ぶりかにPrivate Mixを作りました。ウルフの詩『波』にインスピレーション。

『花々は暗い緑の海の上を泳ぐ光でできた魚。』
『波は立ち止まり、まるで無意識に呼吸する眠り人のように溜息をついた。』


▶︎ ニコニコ動画版も製作しました。







Conjure One / "Holoscenic"

2015-11-22 15:21:13 | music15



□ Conjure One / ‘Holoscenic’

>> http://www.conjureone.com

Release Date; 20/11/2015
Label; Armada Music B.V.

>> tracklisting.

01. Kill the Fear (feat. Hannah Ray)
02. Miscreant
03. Under the Gun (feat. Leigh Nash)
04. All That You Leave Behind
05. Only Sky (feat. Christian Burns)
06. Serac
07. Still Holding On (feat. Aruna)
08. Ghost (feat. Kristy Thirsk)
09. The Garden
10. Brave for Me (feat. JEZA)
11. Oceanic (feat. Mimi Page)


♪ "Miscreant"





♪ "Kill the Fear"






Rhy Fulberによるソロプロジェクト、Conjure Oneの4th Album。

アンビエントからポップネスに至るまで、エレクトロニック・ミュージックの様々な要素を統合して、シネマティックで壮大な物語を描き出す方向性は、3rd "Exilarch"の延長上にあると言える。

『完新世の』というタイトルに冠されている通り、文明や自然の営みさえを超えた、悠久の地質学的スケールにおいて、人の想いや情緒に共鳴する祈りを奏でる様は、哲学的、形而上学的機智に富んだ、かつてのEnigmaを聴いている感覚に最も近い。



主にOmega 8を用いて演奏される各楽曲の印象は、これまで以上に冷たいアトモスフィアに覆われており、独特の緊迫感を漂わせてたシリアスな作風となっている。ストリングスのサンプリングも随所に配置し、Deniz Renoのエスニックコーラスを用いた"All That You Leave Behind"や、 Arunaをフィーチャーした"Still Holding On"において特上のスパイスとなっている。


Leigh NashやKristy Thirskなど、お馴染みのヴォーカリストの起用曲は、まさにDeleriumと同様のディレクションを施されており、ファンにとって親しみやすい曲調を保証している。一方でChristian BurnsやMimi Pageなど、ダンス系シンガー起用曲には、Armadaのレーベルカラーに誂えたような最先端のChill Outトラックの様相を呈している。

しかし、現在のEDM界隈で製作されるそうしたチルアウト・アンビエント楽曲に多大な影響を及ぼしてきたオリジネイターこそがRhys Fulberであったことを考えると感慨深いものがある。



本作の製作スパンも非常に長期に渡っており、最初にリリースされたシングルから数年のブランクを持って発表に漕ぎ着けたが、既発曲については、アルバム収録にあたりディレクションやビートラックのマイナーチェンジが施されているのも、嬉しい配慮の一つである。




M.E.S.H. / "Piteous Gate"

2015-07-19 18:19:03 | music15



□ M.E.S.H. / "Piteous Gate"





>> tracklisting.

01. Piteous Gate
02. Optimate
03. Thorium
04. The Black Pill
05. Kritikal & X
06. Epithet
07. Jester’s Visage
08. Methy Imbiß
09. Azov Seepage



“tightly gridded and sculpted sound” that “juts up against loose-wristed improvisation, automated processes, and collage”

ベルリンのアンダーグラウンド・シーンの新鋭DJクルー、Janusを代表する作曲家のデビューアルバムから。クラブ音楽というよりは、インダストリアルに近いけど、そこはかとなく漂うオサレ感。でも、"The Black Pill"や"Jester’s Visage"はしっかりアンダーグラウンドらしく狂気を感じさせる。歪んだ弦の音階が和っぽかったりバロックっぽかったり。




□ Deep Forest - Sweet Lullaby (blank & Jones RELAX Mix)

>> https://pro.beatport.com/track/sweet-lullaby-relax-mix/6851091

B&Jによる新リミックス。音涼みにぴったりなアンビエント。





Chicane / "The Sum of Its Parts"

2015-01-31 16:43:06 | music15


□ Chicane / " (The Whole Is Greater Than) The Sum of Its Parts"



♪ The Sum of Its Parts (Album Minimix)

Release Date; 25/01/2015
Label; Modena Records
Cat.No.; MODENACD7, ARDI3532
Format: 1xCD, Digital.

>> tracklisting.

01. Église
02. 38 Weeks (feat. Ferry Corsten & Lisa Gerrard)
03. Oxygen (feat. Paul Aiden)
04. One Thousand Suns (Soundprank Vocal Mix) (feat. Ferry Corsten & Christian Burns)
05. Tuesdays (feat. City Lies & Manu Zain)
06. Still With Me (Disco Citizens Mix) (feat. Bo Bruce)
07. One More Time (feat. Duane Harden)
08. Fibreglasses
09. Orleans (feat. Lisa Gerrard)
10. Motion (feat. Paul Aiden)
11. No More I Sleep (Disco Citizens Rockin' Mix) - (feat. Senadee)
12. Photograph (feat. Christian Burns)


>> http://chicanemusic.co.uk



英国のダンス・グールー、ChicaneことNicholas Bracegirdleの6th Album.
デビューから凡そ20年目となる今作は、00年代フロアの香りを漂わせつつ、Chicaneが迂回してきた懐古的なダンスミュージックの表現、そして従来よりもストリップダウンされた音像の合間に、映画音楽的なエッセンスも塗した、素朴ながら聞き応えのある出来となっている。


遡ること5年前、アイスランドのPost Rockグループ、Sigur Rósをカヴァーした”Poppiholla”は、当時独自路線を突き進むも、初期の曲想であるバレアリック・トランスを好む古いファンとの溝を生んでいたChicaneにとって、全く新しいやり方で迎合される転機となった。

それほどに北欧エレクトロ・ポップのテイストと、Chicaneの奏でる柔和でセンチメンタルな音色は相性が良く、2010年代にあって確実に新たなリスナー層の支持を得た。 前作 ”Thousand Mile Stare (2012)”では、”Poppiholla”の手法をアルバム・コンセプトにまで拡大・研鑽し、やや過積載と言えるほど、叙情的でアンビエントな曲想を展開する。


今作”The Sum Of Its Parts”も、アルバム・リリースとしては2年以上のブランクがあるものの、基本的には”Thousand Mile Stare”以来、単発的に発表されてきた曲を主軸にしたもので、その作風や特徴といい”Poppiholla”の潮流を汲むものと言って良い。

Ferry Corstenとの共作である”One Thousand Suns”はまさに、アルバム”Thousand Mile Stare”からのアウト・トラックであり、ピアノリフを流用した同タイトルのセルフリメイクである。今をときめくシンガー、Christian Burnsのキレの良いヴォーカルが印象的だが、当初リリースされたヴォーカルオフ版は、エスニックな民族唱歌がサンプリングされている。


リードタイトルの "Église” (教会)は、その名の通り、ボーイズクワイアによる神聖な響きのパフォーマンスで幕をあける。荘厳ながら何処か物悲しい旋律は、これまでもアルバムの要所を飾っていたアンビエント・トラックに準ずるもので、幾層にも重ねられたパッドとシズルの透明な音色が、感傷的ながら静謐さを湛えた幕開けを演出する。

Dead Can DanceのLisa Gerrardをフィーチャーした”38 Weeks”と”Orleans”は、このアルバムの新機軸であり、より映画音楽的なアクセントとなっている。中世の城下町、あるいは太古の遺跡から響くようなプリミティブな歌声が、Chicane独特のアンビエントサウンドと幻想的に共鳴する。同様にLisa Gerradを招いたOrbitalの”One Perfect Sunrise”も彷彿とされる。


“Oxygen”、”One More Time”、”No More I Sleep”、”Motion”は、Chicaneの2000年代中期からのヴォーカルトラック路線を正統に引き継いだものであるが、よりストレートなフロア音楽の表現に依っている。ちなみに“38 Weeks”、”Fibreglasses”、”No More I Sleep”の三曲は非常に酷似したフレーズを流用しており、今作品のコンセプトを強く印象付けている。


イギリスのオーディション番組で発掘された才能あふれる女性ボーカリストBo Bruceをフィーチャーした”Still With Me”は、透明感のある歌声に哀愁漂う旋律、そしてトレードマークとも言えるパッドを駆使した、Chicaneに特徴的な要素が凝縮されたハイライト・トラックと呼ぶに等しい。


ミッドテンポのインスト楽曲”Tuesdays”は箸休め的なラウンジ・ミュージックといった様相ではあるものの、ギターの音色の重ね方や、1st Album以来の懐かしい効果音に、この20年来を遠くまで歩んできたChicaneの音楽的ルーツが垣間見えるようで感慨深い。