![Mandelbrot Mandelbrot](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/7c/f7b786c983112e6e988ee2c2b6ae8fd8.jpg)
(example of low Kolmogorov complexity Art.)
□ Musical beauty and information compression: complex to the ear but simple to the mind?
>> http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1756-0500-4-9.pdf (BMC Reserch Notes)
>> BioMed Central Article Abstract.
>> Complex simplicity is the best for music (ZME Science blog.)
Author: Nicholas J Hudson Computational and Systems Biology CSIRO Livestock Industries
“Entia non sunt multiplicanto praeter necessitatem.” The Lex Parsimoniae, otherwise known as the Law of Economy or Occam’s Razor (1288-1348).
The entire life-long sensory data stream of a human is enormous. The adaptive solution to this problem of scale is information compression, thought to have evolved to better handle, interpret and store sensory data. In modern humans highly sophisticated information compression is clearly manifest in philosophical, mathematical and scientific insights.
For example, the Laws of Physics explain apparently complex observations with simple rules. Deep cognitive insights are reported as intrinsically satisfying, implying that at some point in evolution, the practice of successful information compression became linked to the physiological reward system. I hypothesise that the establishment of this "compression and pleasure" connection paved the way for musical appreciation, which subsequently became free (perhaps even inevitable) to emerge once audio compression had become intrinsically pleasurable in its own right.
BioMed Centralから、珍しく『芸術性』に関するコルモゴロフ複雑性との斬新な仮説がパブリッシュされていたので、簡単に紹介します。
結論から言うと、普遍的な名曲とされている音楽ほど、それ以外の楽曲に比べ高い情報圧縮率を有しているとのこと。つまり、原音の複雑さに対し、主観者が認知する過程で対象情報が単純化される度合いが高ければ高いほど、その音楽を心地よく感じるのではないかという仮説。
もちろんこれには、「美」という感覚が、人間の認知科学の未知の領域や、もっと複雑な経験則によって生じるものであるという前置きがあってのことですが、著者は「一定の傾向」を計測する一つの方法論を提示しています。
仮説の検証段階においては、比較サンプルとする二つの同程度の長さの楽曲を配置。両者とも均等な条件の下に"Loseless" Audio化を施されているのですが、ここで、楽曲特有の音の符号状態に起因する圧縮率の差異が生じます。
ロスレスオーディオという技術自体が人間の聴覚を一定の基準に設定されたものである為、これをそのまま、原音の複雑性に対する人の認知上の情報圧縮率と置き換えるというもので、ここに些か乱暴さを感じる人もいそうですが、例えばベートーヴェンの交響曲と、テクノやトランスといった音楽、そしてランダムノイズの圧縮率は、それぞれ順に有意な圧縮率の下降傾向が確認出来るそうです。
(※ そもそも演奏形態や音色が与えるカリキュレーティングへの影響も無視できないが、ここでは検証されていない。)
![Edgeofchaos Edgeofchaos](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/72/abbc1ee03712917363bd10dc07301cc1.jpg)
(『カオスの縁』に近づくほど、圧縮対象への興味が強い上昇傾向を示す)
これは「美と秩序性」の関係性に帰結する単純な問題であるかのように見えますが、そもそも音楽という「経時的な現象」を評価する際に、人間はその音の刺激の連続性に触発されているだけではなく、その音の全体的な構造を計算し、脳内で一塊のものとして圧縮していく過程が、審美的な快感に結びつけられていくという視点において、一種の定量的な検証手法を呈示しようとする実験なのです。
音楽や芸術の美しさ、刺激の傾向といったものに、定量的な脳の計算プロセスを照合してプロダクションが行われるようになる可能性をも示唆するものでしょう。そしてこれは、物語などの叙述体系(システマ)に関する考察や、あらゆる学術分野の表現形態、技術習得の方法論にも応用可能かもしれません。
そもそも、人の意識が外部刺激の複雑性を、認知的に単純なパターンに引き入れようとするプロセスで、その度合いを定量的なアトラクター(吸引力)で示すことが出来るのだとしたら、その意味するところは何なのか。という疑問に行き着きます。
例えば「ノイズ」と「そうでないもの(意味のあるもの)」を見分けるのは、知能体系の生存競争において獲得されてきた能力の一つの特質と言えるでしょう。
前置きされているように、価値の多様化した現在において、必ずしも圧縮率に依存した審美的認知が行われているとは限らなくて、たとえば、ノイズ・ミュージックにおいて、そのエンコードされがたい情報の複雑性そのものが、ある種の嗜好性を持つグループに特有の刺激反応を喚起することもある。
(※ この議論には、哲学的にはオッカムの批判も含む集団と個体の個別性についての質料形相論的・エネルギー論的な展開も絡めそう。)
さらに原文では、アインシュタインなどの科学的洞察に見る、五感認知の情報圧縮可能性と芸術的な美しさについても言及しているほか、音楽認知の生物学的起源との競合(生理的報酬や和音処理)についても触れられていて興味深いものです。
もう一つ、音楽を要素間の組成物として見た場合、符号化された楽曲の持つ情報が、人間が音楽として認知する楽曲自体に対して、どの程度の複雑さを有しているのか。その尺度となる指標として『コルモゴロフ複雑性』の概念が利用できます。
これはある記述言語において、特定の表現対象が最小サイズの情報量となるプログラム(同時にデータの圧縮限界も示す)を指すもので、記事上部のマンデルブロ集合の一部は、その一例として挙げたもの。(ファイルサイズ140,000bitに対して、それを記述するプログラム情報量は遥かに小さい。)
例えば今回の実験に関しては、カイリー・ミノーグの曲が、ベートーヴェンの交響曲第三番よりも『低コルモゴロフ複雑性を持つ』との表現が為されています。
フラクタル・アートの例をとってもわかるように、コルモゴロフ複雑性は、任意の情報形態や表現物について、人間の抱く感情の非可算性といったものに深く結びついているように思われる概念であり、それ自体が計算不能性を有するという興味深い事実があります。(任意の記号列に対して、実効性のあるコルモゴロフ複雑性を直接導出することは出来ない。)
またコルモゴロフ複雑性は、それが帰属する記述言語、万能計算機が違ったとしても、その計算機同士のエミュレート可能性から、複雑性には定数分の差異しかもたらさないという性質があり、これは主観と客観のパースペクティブの同一性や認知計量の概念に関連づけられそう。
(※ コルモゴロフ複雑性によるデータ圧縮理論は、実際に人の扱う記号体系が、全ての可能な記述言語に対して、ごく小さい領域に偏在していることも示唆している。)
人間が操作する『偏った』記述体系の島において、音楽や芸術という刺激形態が担うシステムと実効性。それはセイレーンの歌のように、人の意識を「現実の違う側面」へと誘(いざな)う本性を隠し持ったものなのか。或は茫洋たる意味論の大海に浮かべた、虹色に輝く貝殻の一片に過ぎないのか。
もしかしたらそれこそが、純粋科学の限界に対して、人の心の真実を映し出す為に差し伸べられた手なのかもしれない。
□ my twitter log storage.
□ 音楽の情報圧縮率と快感。普遍的な名曲ほど、音の複雑性が脳内で単純なパターンに変換。 RT @BioMedCentral: Complex simplicity is the best for music http://ow.ly/3JJpV http://ow.ly/3JJq6
□ InsideScience: http://bit.ly/fJURMn
The Chill Of Music - Research reveals the biochemical connection between music and emotion #Brain #Dopamine #ISNS
『音楽』の与える脳内の生化学反応。
□ 同一の対象事象の記述について、その複雑性を単純なパターンで再現したものと、単純性を複雑なパターンで再現したものは、究極的には見分けがつかないものになるはずである。或いはそうならないとしたら、表現言語自体に瑕疵があるのかもしれない。
□ reaktorplayer:
A List of All The Programming Languages For Music: http://tinyurl.com/4ls7ntw
□ iIRCAM:
IRCAM creates software programs like Orchidée. What is Orchidée you might wonder? http://fb.me/zDt7CqVH
□ creativecommons:
Al Jazeera Releases Egypt Coverage Under Creative Commons: http://rww.to/hfXK3x (videos CC BY, Flickr stream CC BY-ND)
□ creativecommons:
RT @mohamed: Since putting up Egypt material under CC, traffic to our CC Repository has jumped by 723% - http://cc.aljazeera.net
□ ASLANmedia: Reza Aslan
RT @AlanFisher Muslim Brotherhood tells Al Jazeera its not behind Egypt protests but is participating in them, wants new government.
□ WSJMidEast: WSJ Middle East
Egypt Opposition Picks a Leader http://on.wsj.com/gHaR4N
![Collab Collab](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/24/116f2d25a49a648196ed065da86f76bf.jpg)
□ 科学計量コンサル会社(Science-Metrix)による、Great Circle algorithmに基づいた全世界都市間科学連携ライン・トレースマップ。超美麗 RT @wellcometrust: map of worldwide scientific collaboration between researchers http://bit.ly/fpP3HG
□ drjonboyg: Jonathan Gitlin
NHGRI's first Genome Advance of the Month is up, written by your's truly: http://genome.gov/27543158
□ komekoka:
これすごい。菌のイラストまであって動物界の分類もわかりやすい。 / [生物アイコン] ライフサイエンス統合データベースプロジェクト-統合ホームページ-LSDB http://lifesciencedb.jp/lsdb.cgi?gg=resource_icon
□ 大域的に結合した振動子の位相同期 / Phase synchronization between collective rhythms of globally coupled oscillator groups http://bit.ly/fF3MRb #AIP_CHAOS
![Heic0615a Heic0615a](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/f4/214a55f6dd9e9404436081a22ad5783c.jpg)
□ Colliding galaxies make love, not war http://bit.ly/ecWYs2 via @StarWalk: http://bit.ly/98PxsF
□ 生命の発生に必要な重元素が第二世代の恒星近傍に留められるのは周知だけれど、更に有機合成が起こる空間関係を特定出来たのがポイント RT @naturejapan: 生命の原材料 "故郷"を特定 太陽系有機物 阪大など共同チーム http://nature.asia/g4Nc2q
□ AIP_Publishing:
When do measures on the space of connections support the triad operators of loop quantum gravity? http://bit.ly/f5nTqj #AIP_JMP
□ portablegenomic:
Local companies dominate the global genetic sequencing market - SignOnSanDiego.com signonsandiego.com/news/2011/jan/… via @sdut
□ nutrigenomics: Michael Müller
Personalized medicine: Pharmaceuticals Are Genetically Challenged - WSJ.com online.wsj.com/article/SB4000…
□ U-Pb年代測定法によると、恐竜は大量絶滅後も70万年も生存していた RT @EurekAlertAAAS: dinosaurs survived mass #extinction by 700,000 years : http://eurekalert.org/e/3t00
□ suedemonaku:
.@nclimate_jpn にG.Schmidtの論文の紹介記事(http://bit.ly/gEl4fV)。「温室効果が一番大きいのは水蒸気」という当たり前な話を定量的に確認したもので、これが今さら論文になるのか、と一瞬思ったけど、丁寧な解析で有用な情報。納得。
□ suedemonaku:
IPCCとか温暖化に関する @nclimate_jpn の記事(前のRT二つ)を読んでると、気候学者ってのはずいぶん割りに合わない仕事だなと思う。みんなが信じないならそれでいいけどね、と斜に構えてもいいんじゃないか。みんな正義感が強いから頑張っちゃうけど、逆効果なのかも。
□ 学校の授業に刺激喚起を伴う睡眠装置を使った、再活性化プログラムを取り入れれば... RT @naturejapan: 睡眠中の記憶強化 (Nature Neuroscience): NPG Nature Asia-Pacific http://nature.asia/fq54Ki
□ OxfordJNLsJapan:
【文学】 Henry James - 戦争と魔術 http://bit.ly/hhbQVa
□ セルビアの科学振興センターは凄い RT @SciNewsBlog: sponsored http://spn.tw/tSbLw Do you know any unique architecture? Vote for your favorite building of 2010
□ 広義のNFCはFeliCaを包摂するけど、互換性があるとは言え、プロトコルが共通している位であっても、運用スケールでみれば全然別物の製品。国際標準規格は商業ベースとしてのFeliCaのマーケットを変えてしまうわけで、その意味で「淘汰」という解釈はあながち間違ってはいない。
□ ICの最もデリケートなケースにおける統計学的研究。アジア人と西洋人でも傾向に差が。 http://ow.ly/1s0tS7 (Full PDF)@OxfordJNLsJapan: 【医学・がん】 がん患者にとってよい、悪いニュースの伝え方 http://ow.ly/1s0tS6
□ 私にとって打ちひしがれた時ほど、視界が澄んで頭の冴える瞬間はない。既成事実、過去とは「実証」の連続に他ならないからだ。
□ 『詩』とは、種々の感情の這いつくばっている汚泥の底、その絶望的なところに立脚して初めて人間の実存に根ざしたものになる。本能的でないものは、理性であるはずはないからだ。死に至る生物である自身と向き合い、共有しきれない叫びを虚無の穴に向かって投げかけるのだ。救いがあるとすれば、その響きが誰かの琴線を震わせることがあるかどうかということである。その瞬間は虚無でないと思えるから。