lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Kettel / "Whisper Me Wishes" preview.

2007-05-08 15:26:45 | music4
Whisper



□ Kettel / "Whisper Me Wishes"

Release Date; tba
Label; Clone Records
Cat.No.;Dub cd 14
Format: 1xCD

>> http://www.clone.nl/item9313.html
>> http://www.myspace.com/captainkettel
>> http://www.myspace.com/violoncellist

Reimer EisingのKettel名義による最新フルレングス・アルバムが近日リリース予定。2003年のEP、"the Cuddle and then Leave"に、新曲9曲を追加したもので、新曲では同じオランダのチェリスト、Sietsejan Weijenbergによるフィドルをフィーチャーした、より静謐でクラシカルなトラックに仕上がっているとのこと。Clone Recordsのサイトで試聴できます。

この人はほんとに多作なので、いちいちチェックが追いつかない。。。今年3月には本人による高音質アレンジとボーナストラックを追加収録した、"RE:Through Friendly Waters"も発売されています。個人的には、"Volleyed Iron"のようなアートウェイヴ調の純アンビエント作品をまた作って欲しいですね。今年始め頃に行われた日本ツアーも成功に終わったそうです。数年前までは、ここまで人気が出るとは想像出来ませんでした。





□ National Geographic 日本版 5月号

>> http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/index.shtml

特集『ジェームズタウンの遺したもの』が面白い!!
入植がもたらした生活環境と自然環境の劇的な変化、疫病の流行、そして干ばつと交易の破綻が招いた、部族連合ポウハタンの襲撃。Charles C. Mann("1491"の著者)による『植民地建設当時のアメリカ』は必読です。上記オフィシャルにて全文読めますので、是非チェックしてみてください。本誌では先住民世界の地図や、様々な遺物の写真を併せてご覧になれます。キリストの磔がトライバル調に彫られた黒い鉱石の十字架が目を引きます。

Salt
この写真はGoogle Earthからのキャプチャ。National Geographic本誌でも紹介されている、オーストラリアのシンプソン砂漠に描かれている数十kmスケールの模様。自然発火によってソルトブッシュが焼かれて露出した土壌で、風向きが炎の方向を変えるため、このような「絵」が出現するんだそうです。赤いのは鉄分を多く含むため。これは目立つようにレタッチしました。他に紹介されているものでは、衛星から埋没部分を地磁気で画像解析した、シリアの古代都市アルラウダの全容も興味深いものがあります。




□ Tunes of the Day

□ Lisa Ekdahl and Peter Nordahl Trio/ "Back to Earth"

Down with Love
If I were a Bell

ポップ・アーティストとジャズ・シンガーの二つの表情を持つ『スウェーデンの妖精』、リサ・エクダール。声がメチャ可愛い♪ジャズ・スタンダードで湿っぽさには定評のある"Nature Boy"も、彼女が歌うと驚くほど純な響きに(笑)声質がフラットでスムースに通り抜けてしまうので、ジャズにはミス・マッチだと思われる方も居るかもしれませんが、そこに味わいがあって良いようです。

"If I were a Bell"は、学校のチャイムでお馴染みの鐘の音をアレンジしたもので、オリジナルはFrank Loesserがブロードウェイのミュージカル"Guys and Dolls"に作曲した劇中歌をアレンジしたジャズ・スタンダード。The Miles Davis Quintetによるアレンジが最も有名でしょう。ちなみに、あの鐘のメロディは、ロンドンのBig Benの鐘の音がモチーフ。

尚、このCDは、なつみるく(美少女)さんによって寄贈されたものです。彼女から頂いた音源はほぼマスターピース化しております。ここに深甚なる謝辞を申し上げる。m(_ _)m


elevation.

2007-05-03 13:17:39 | music4
Elevate_1
(IXY DIGITAL L2; Auto; Exp.±0; AWB; Evaluative.)



□ Tune of the Day

□ Chicane / "Chilled"

Lost You Somewhere (Heliotropic Mix)






□ 無為と断罪

・ 労働しているだけで困窮者を救うことにつながる、という言説について (Arisanのノートさん)
>> http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20070424/p1

・ 道徳的詐術とは何か (モジモジ君の日記。みたいな。さん)
>> http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20070421/p1


私がここで環境問題及び世界経済に関して言及するときには、必ず『資本主義の功罪』を意識して、私たち自身の責を問う文言を発してきたつもりですが、この度まさに「我が意を得たり」とも言うべき言説が、上記お二方のブログにおいて展開されていたので、まずはそちらをご覧頂きたい。

「世界を覆う困窮に対して、豊かな人々には責任がある。」こんなことは分かりきっていることとして、「では、世界をより良くするには何が出来るか」といった場合に、「世界をより悪くする方向に加担しないことが出来る」という選択も考えられるでしょう。でも、もしかしたら、世界をより悪くする方向にいながら、困窮者を救済している者がいるかもしれない。単純化し過ぎかもしれませんが、こういった立場の人間は例えば、事業で成功して財を築きながら、余剰資産を環境保護や、そのための技術開発、またはあらゆる人道主義的基金への寄附などにあてている人々も含まれるし、わたしたちの大部分であるのかもしれません。

そもそも「資本の価値」は何処から発生するのか。遍く生産活動は、プロダクトの価値を段階的に付加していく非対称性エレベーターに乗っているようなもので、プロセスの初期段階で加工にかかるコストをオミットしていかないと、プロダクト自身が「価値を生む価値」を損なってしまう。ダイヤの原石を発見する者はダイヤと同等の対価は求められないが、それを必要とする社会の礎となる任意の生活の水準を担保しますよってことなのです。でも果たして本当にそうなっているのでしょうか?実際は、プロダクトの価値の通用する領域に下部構造へと向かう行使力が生じ、その中で何が行われているのかを人道主義に照らして顧みない、あるいは無関心でいることが、両者を隔絶しながら搾取する行使力そのものとなる。本当に深刻な道徳的詐術は、彼らに対して不当な不利益を被らさせる社会契約を選択せざるを得ない強制力として亡霊のように一方的に作用するのかもしれない。

ここに至って、資本主義を支えるはず道徳的通念の矛盾が決定的となる。経済活動を常に活性化させることが困窮者を救うことに繋がることはありえない。寧ろその逆で、困窮者自身がその労働によって、己を苦しめる構造のフレームをなすことになるのです。

とは言うものの、以前も言ったように、現状で依存している社会システムを直ちに放棄することは現実的でないし、何より人口の多い貧困層にとってのリスクが大きすぎる。また、搾取によって貧困に窮する人々がいなかった時代など世界は経験が無い。人間である限り、裕福な暮らしにベクトルが向かうのは困窮者であっても同様であり、その夢が活力となる。困窮者を救うとはどういうことか。それが生存権以上のもの、現代社会が保証する文化水準を目指すものなら、相互に正のフィードバックが生じてしまう。困窮者の生活を保護する為に、結果的に困窮者の存在が、現状では必要となっている。では、我々が謳う人道主義的救済の本質とは何でしょうか。

「実現されている不均衡」はあくまで「現時点での均衡」であることに違いない。経済で人の命を救えるということは、人の命を無為に扱ったことへの還元であり、環境保護ができるのは、環境を破壊してきたからという事実に循環する。しかしながら、果たして人間が違う道を辿れたかどうかを考えることは未踏の領域です。医療技術の発展、自然に拮抗する生活環境の実現。長い歴史をかけた自然環境との共変位の中で、己自身の中においてもあらゆる犠牲を生みながら繁殖を遂げました。その過程で、いわゆる社会認識、道徳的論理は、自己の帰属する構造を支えて来た功利主義や自己弁護の繰り返しによって、地理的、構造的な非連続面に局在性を持つようになった。つまり、自分の帰属する社会構造の良識は自らを助くが、社会構造を支える為に払われている犠牲は、その良識に反していることを無視しなければ、良識を良識とする認識を保持できない。これは人という種のあらゆる性質が導く進化型ネットワークの過渡期の一時の状態であり、この均衡の中で、人間はそれぞれ様々な問題に自覚的に、あるいは無自覚に晒されています。

しかし己を取り巻く関係性の中のみに利益を追求するbehaviorは、同時に自身を永久に罪の連鎖に縛り付けるだけでしょう。もし、その経済力を以て、誰かを救済しようとしている人が居るならば、彼にこう問うことができるでしょう。「それは罪滅ぼしですか?」「彼らを救うはずのその力は、誰の犠牲によって得られたものですか?」彼がそれを「救済」と呼ぶのなら、彼の「罪」は自覚されていなければならない。もはや私にはこう願うことしか出来ない。「不正によって得られた力は、いつか不正を正す。」ことを。「誰が」ではなくても、「誰かが」である。たとえば、私が無為に贅沢をしたお金で、利益を得た誰かがどう振る舞うか、その振る舞いの由来は何か、社会が議論を重ねた認識だろうか、そういうことなのです。



*・・・人道主義を善とするか、人命を資源とする見方の是非は、また別次元の議論が必要となる。ここでは断りなく人権主義的立場を取っています。


My New Web Site OPEN!!

2007-05-02 07:11:59 | music4
By_your_side



だったらいいなぁ。。。
昨夜から早朝にかけてブログサーバが原因不明のダウン。
更新できないので暇つぶし。
お花見日記はお預けです。。





□ Tunes of the Day

□ Libra

Anomaly (R&R Version)


□ Blank & Jones / "Relax : Edition 3"

Time (Beach House Mix)


□ Andain

Beautiful Things (Have A Break,Have A K&D Remix)




2曲目はBlank & Jonesのチルアウトシリーズ、"Relax"の最新作から。アルバムは、ビーチで流れてそうなバレアリックでムーディなトラックを集めた"Sun"、そしてよりクラブフロア向きにコンパイルされた"Moon"の二枚組構成。リラックスを通り越して眠気を誘います。。

最後は、Black Hole Recordingsが今年2月に発表した、"Special Collector's Edition 2"から。同レーベルの抱える希少なリミックス音源が収録されています。そしてこのAndainの"Beautiful Things"。やはり名曲ですよね。時を経ても色褪せること無く、多様なアレンジに堪えうる曲は、どれもヴォーカルラインが突出しています。


淡光

2007-04-30 06:34:42 | music4
Ship
(IXY DIGITAL L2; Shutter Speed.6"; ISO 50; AWB; Evaluative.)



□ Tune of the Day

□ Elvis Costello with Brian Eno

My Dark Life





ゴールデンウィーク、皆さん如何お過ごしでしょうか。
私は地元でお花見をして今週も朝帰り。
mixiでは先に公開していますが、
お花見日記は明日以降書き上げます。
眠い。。おやすみ。。。

Exit


Kosheen / "Damage"

2007-04-27 02:59:30 | music4
Damage



□ kosheen : damage

Damage
Thief

Release Date; 23/03/2007
Label; Moksha Recordings
Cat. No.; MOKSHALP04CD
Format: 1xCD

>> http://www.kosheen.com/

>> tracklisting.

1. Damage
2.Overkill
3. Like A Book
4. Same Ground Again
5. Guilty
6. Chances
7. Out OF This World
8. Wish You Were Here
9. Thief
10. Under Fire
11. Not Enough Love
12. Cruel Heart
13. Marching Orders
14. Your Life


Markee Substance、Darren Decoder、そしてヴォーカルのSian Evansがブリストルを拠点に展開するトリオ、Kosheenの3rdアルバム。えーと。。。


カッコイイ!!


思わず叫んでしまいました。
彼らの作風を鮮烈に印象づけたデビューアルバム、"Resist"のDrum'n Base色はほぼ払拭され、前作"kokopeli"のダークさと棘を受け継ぎつつ、更に荒々しく"Damage"を刻んだ、腹の底から突き上げるような一枚。男前な美女(笑)、Sianのソウルフルなヴォーカルに引けを取らず、ギターだけでなくシンセサイザーまでもがスピリチュアルに叫び上げる力強さ。いまや決して新しい音ではなく、サウンドの作り込みも粗いのですが、要所要所ではトリップホップ的なギミックを効かせてくるし、それが決して小手先の技巧に走った音遊びではなく、効果的に聴覚を突き刺してくるのに痺れます。

"Damage"や"Your Life"など、重厚なシンセストリングスで仰々しく聴かせるものや、中盤にかけて刺々しく歌い上げるアイロニカルな曲調も続くのですが、やはりシングルカットされた"Overkill"や"Guilty"に代表される、ロック調に突き抜けていく尖ったトラックが秀逸。それでいて、パッドやサウンドエフェクトの効かせどころの美味しいエッセンスを知り尽くしていて、派手さの中にも下手な外しがない。大音量での視聴に適していて野外向けなので、春~夏にかけてドライブ時のお世話になりそうです。


で、毎度のことながらジャケット・アートのセンスが素晴らしいですね。"Resist"では、絶滅した動物の剥製風の絵、"kokopeli"は気高いインディアン、そして今回は....

現在彼らは欧州各国を股にかけた"Damage"ライブツアーを敢行中。また、"overkill"のリミックス・コンペティションも開催されています。


*************************************************************

Damage.

Don't lose your head
I know the damage has been done
I know that I was in the wrong
I should have told you

What can I say?
It has probably been said
you probably wish that I was dead
and I dont blame you

You won't believe me, but okay
it wasn't meant to be this way
but at the end of the day
I still love you

I'll walk away so dry your eyes
can I just apologize?
I know I've hurt you
I didnt mean to

Look at the damage we have done
Look at the damage
I thought you were the one
Look at the damage

Look at the damage we have done
broken dreams and shattered love
What can we salvage?
look at the damage

To tell the truth
this didn't happen overnight
just like we lost the will to fight
about a year ago

Just got too familiar
and started living seperate lives
we wanted different things
and didn't communicate - 'till it was too late

You drifted further from my mind
we were so easily untied
its unbelieveable

Don't be unkind you'll come undone
you're still a child at 21
so go ahead - find someone
who really needs you

Look at the damage we have done
Look at the damage
I thought you were the one
Look at the damage

Look at the damage we have done
broken dreams and shattered love
What can we salvage?
look at the damage.

***************************************************

しっかりして
そう ダメージは深いようね
間違っていたのかもしれない
でも言っておくべきだった

何て言ったらいいのか
それはきっと何度も口にしていること
わたしなんて死ねば良いのにって たぶん
あなたが思ってても責めたりしないわ

信じなくてもOK
なるようにしかならなかったのよ
だけど結局こういうことなの
あなたのことを、まだ愛してる


すぐに居なくなるから そう、泣かないで
謝ってもいい?
あなたを傷付けてしまったみたい
そんなつもりじゃなかったのに


ほら、私たちが刻んだ傷を見て
傷を見るの
あなたこそはって思っていたのに
ほら、この傷を見て

私たちが刻んだのよ
壊れた夢に 砕けた愛
どうしたら私たち 救われるの?
この傷を見てよ


本当言うと
こんなの突然のことじゃない
一年近くも前から
私たちまるで抜け殻だった

あまりにも近づき過ぎて
離ればなれになって
こんなはずじゃなかったのに
でも切り出せなかった
こんなになってしまうまで

遠く離れたあなたの心
解けるのは いとも容易い
ほんと信じられない

取り乱しちゃダメよ
21なんてまだまだ子供ね
さぁもう行って
良い人見つけるのよ
本当にあなたを必要としてる人を


ほら、私たちが刻んだ傷を見て
傷を見るの
あなたこそはって思っていたのに
ほら、この傷を見て

私たちが刻んだのよ
壊れた夢に 砕けた愛
どうしたら私たち 救われるの?
この傷を見てよ


カオスの縁で [at the Edge of Chaos] - 2.0.1

2007-04-22 20:06:47 | music4
Class4_1Shell
(左:一次元セル・オートマトン ルール30 Class4. - Wikipediaより引用)

中学生の頃、初めてフラクタル幾何学に関する書籍を読んで、ある種の啓示を受けました。それからしばらくの間、その本で紹介されていた自己相似図形のフラクタル次元の計算方法で、色んな物の次元を計って遊んでいた時期があります。今思えば、あの頃の経験が現在の自分の物事の考え方を大きく規定してしまったような気がします。。

計算の仕方は至って簡単。

ある図形が自分と同じ形状の図形を最小単位として、M個の組み合わせで再現可能であり、かつその最小単位が元の図形の1/Nの縮小ならば、相似次元は[logM/logN]で計算されます。

例えば正三角形や正四角形は、その2分の1(1/2)の大きさの正三角形と正四角形を四つ組み合わせて再現できるので、[log4/log2=2]で2次元。立方体は縮尺2分の1の立方体8個で再現できるので、[log8/log2=3]で3次元となります。

このような自己相似形のうち、(追記:自己相似でないフラクタルもあり、その定義は曖昧。一般にハウスドルフ次元>位相次元の場合であり、完全な自己相似形はミンコフスキー次元と等しくなる。)相似次元が整数にならないものが一般的にフラクタル図形と呼ばれます。自然界に見られる形状(*木の枝の分かれ方、氷の結晶、貝殻の模様など。星や惑星が、現時点にあって概して球形(私たちにとって)を取るのもそう)の多くはこのパターンをとります。目に見える形だけでなく、動的なパターンも同様に記述可能です。(ex.最も有名なマンデルブロ集合は、f(z)=Z^2+C {* z=x+yi,C=a+bi,これを展開して実数部と虚数部をそれぞれZx、Zy軸にとる。Cは複素数パラメータ}という式の、複素数平面上での反復写像の描画プロセスとして顕現します。色分けされた領域は計算回数、無限大への発散速度を各境界毎に表現したもの。)

自然界におけるフラクタル構造の現出は、効率性という観点から、その出自とする見方が強いですが、私はその立場をとりません。効率的かどうかの評価は、実現された世界におけるパースペクティブが後付けで行っているに過ぎず、自然がその形を「選択」するのではありえない。環境に適合するというプロセスではなく、環境との共変位の中で必然的にそうなったはずです。(*これは捉え方の問題で、形が「効率性を求めた結果」なのではなく、効率性のある形状が確率的に分布する{効率的な形が、ある割合で系統的に現出するプロセスが繋がる[ex.環境に適応しやすい遺伝情報の繰り込み等]}とまで断らないと、認識に紛れが生じる為。)

これはフラクタル幾何学のほんの触りでしかないのですが、ここで踏み込んで考えてみると、宇宙になぜ「形」があるのが不思議に思えてきませんか?「形」は静的に「そこにある」のではなく、ある種のアルゴリズムに基づいて絶えず「そこに」生成されているのではないかという、極めて量子力学に近い考えに繋がることを、子供ながらに感じたことがあります。(*認識的に分類可能な規則性が混在するとしても、自然がある動的アルゴリズムを内包するなら、いくつかの数学的挙動をトレースするのは必然とも取れる。)そして現在においても、最先端の複雑系研究が向かい合っているのは正にそういうことで、わたしたちは未だ答えとは遠いところに居るんですよね。


もう一つ。
ある島の王様が、巨人と小人、そして普通の身長の人間の三人それぞれに海岸線の長さを測量させたら、小人の測った海岸線が最も長くなるという結果が得られたと言う例え話があります。フラクタルな図形は、その外縁に襞を持つため、測量者の歩幅が狭ければ狭い程、海岸線は長くなるのです(有限の境界に無限を織り込んでいる)。これは、測る人にとって意味を持つ「有効な長さ(襞を飛び越えてしまう)」が、社会的ネットワークで共有されている「自然界の認識」だということを思いださせてくれます。(*言語や図、音声といった、人間が人間との認識を共有するために外界に刻む記号は、信号の振る舞いをグリッドに沿って制御するための『マーカー』のようなものです。)

私が「パラダイム」より「パースペクティブ」という表現を好む理由もここにあります。つまり、人間の感覚が捉える宇宙は、離在する要素を繋ぐ連続面にあり、その外にあるのが「リアプノフ時間系」だと定義できる可能性もあるかもしれません。「誰にとってのカオスなのか?誰にとってのオーダーなのか?」ここが重要なのです。

生命現象は、秩序とカオスが混ざり合った状態の中で、その境界に挟まれた「カオスの縁」で顕現されているものだという認識があります。この状態は、計算理論的にはセル・オートマトンのクラス4(Stephen Wolframによる分類)で観測されます。(ごく単純な原理の差異が、特定の条件下での振る舞いと相を決定する。)人工生命研究において、カオスの縁にある領域は、相の中において計算密度が非常に高くなっていると帰納的に立証できることから、わたしたちの意識を生む「脳」も、秩序からカオスへと向かうポテンシャルの中で相転移的に「個体」を媒介している機関ではないかなーと考えられます。

そのうち、人間の認識の飛躍によって、「複雑系」を「複雑系」として捉えられなくなるパースペクティブが生まれてくるかもしれません。私たちが探っているのは、全て私たち自身の振る舞いに関係のあること。人は人になりかわる存在でしかないように、そのとき人は、人ではなくなっているのかもしれません。


*・・・追記事項、加筆部位。

このエントリは、
段階的に加筆していくことを前提に書いたものです。


Depth.

2007-04-16 07:07:13 | music4
Liquidcoil(IXY DIGITAL L2; ISO Auto; Exp.±0; AWB; Evaluative.)




□ Tunes of the Day

□ Gill Norris

Forme (Jesse Somfay's will of the wisp remix)


□ Leama & Moor

Distance Between Us (Gill Norris Mix)


医者になった為、惜しまれながらシーンの一線を退いたジーニアス、Gill NorrisことGwill Morris。(つい最近復帰して、様々なオファーを受けているそうです。)ベル音の有機的なコラージュが印象的な名曲"Forme"は、プロッグからテックハウス、エレクトロニカなど、ジャンルの垣根を超えた人気を誇り、2007年版リミックスには、ShilohやMicah、そしてLeama & Moorなどが参加しています。

特筆すべきは、フィードバック・ノイズの多層的なレイヤーで、暗黒の淵を漂うようなディープなアトモスフィアを構築した、Jesse Somfayによるアンチ・クラブダンスなリミックス。カナダ在住の19歳ということで、James HoldenやGwillと同様に天才の呼び声高いDJです。

http://www.jessesomfay.com/


一方、"Forme"のリミックスでは、正に優等生的でスタイリッシュなアレンジを施したLeama & Moor (Andy Moor)の新曲、"Distance Between Us (feat. Rushmore)"では、お返しに(?)Gill Norrisがリミックスを提供。"Forme"と同じ生音によるコンクレートが耳に優しいオーガニックなサウンドに仕上げています。


flare.

2007-04-09 08:16:08 | music4
_desert_1(IXY DIGITAL L2; ISO Auto; Exp.±0; AWB; Evaluative.)

"Light to Silence, Silence to Light" - Louis Kahn


□ Tunes of the Day

□ Mars Lasar

Seventh Journey
Great Beast of Wisdom
The Holiness
The Only Answer

>> http://www.marslasar.com/


サウンド・デザイナーとして長年多数の作品を手掛けているMars Lasar。その作風はチル・アウト、アンビエント、ジャズ、ロックと様々なフレーバーを装いつつも、全作品には一貫してシンプルなニューエイジ・サウンドの脈動が感じられます。

80年代後半~90年代前半の古き良きニューエイジ、Hans ZimmerやChristopher Franke、Oytein Sevagなどがシーンを先導していた時代に多く見られた、エスノ・エレメントをまぶしたシンセサイザーミュージック、いわゆるワールド・フュージョン風の楽曲や、映画スコア風の曲などを、様々なプロダクションやコラボレーションに携わりながら作り続けています。

2001年の作品"Karma"は、トライバルサンプリングに自然音、環境音のサウンドスケープ、そしてかつてのHansZimmerを彷彿とさせる力強いアフリカン・コーラスと、ディレイを効かせた教会聖歌を交え、最高傑作と呼ぶに相応しいダイナミックなアルバムに仕上げています。


lens,align.Mix - "sfera"

2007-04-07 21:56:43 | music4
(4/8・・・"Tunes of the Day"に2曲追加)

今回のMIXは、"Tunes of the Day"で紹介しようと準備しながら、
とうとう機会を逸してしまったものからの詰め合わせ。
なので、統一が計られていない部分も多くあります。


□ lens,align.Mix

sfera (74MB)


>> tracklisting

1. The Seal and the Hydrophone / Biosphere
2. The Baugio Track (Bedrock Mix) / Luzon
3. M37 The Flow / Model 500
4. Pulstar / Trance Atlantic Air Waves
5. Aurora / John Stanford
6. Touch the Sky / 29 Palms
7. Further Down The Road / Spacetime Continuum
8. Sky Becomes A Loop / Roger Eno & Lol Hammond
9. Sanctum / Constance Demby
10. Duan Chroi losa / Hector Zazou
11. Kyrie / Magna Canta
12. Sangita Sangita / Brainscapes
13. Love Vacation / The Enchanted


いくつかの曲について簡単に紹介します。
"M37 The Flow"は、デトロイト・テクノのオリジネイターとして、Derrik Mayなどにも多大な影響を与えたJuan Atkinsの別名儀、Model 500のアルバム"Deep Space"から。EnigmaのMichael CretuとJens Gadの変名ユニット、T.A.A.W.の"Pulstar"は、Vangelisの名盤"Albedo 0.39"に収録されている同名曲のカヴァー。

Spacetime Continuumは、アンビエント・テクノの大物、Jonah Sharpのユニットで、現在のジャズ・テイストのチル・アウト、フューチャージャズの先駆けとなりました。アルバム"Double Fine Zone"はジャズ色を前面に押し出した特筆必至の一枚で、今も色褪せない魅力があります。

Roger Enoは言わずと知れたアンビエント・ミュージックの開拓者、Brian Enoの実弟。Lol Hammondは"The Drum Club"の片割れとして、アシッド・ハウスの黎明期から活躍してきた人物です。Hector Zazouの"Duan Chroi losa"は琴の伴奏が日本人奏者によって演奏されています。他、ラスト2曲はグレゴリオ聖歌系です。



□ Tunes of the Day

□ Vangelis

Hymn (Choral Version)
So Long Ago,So Clear.


_*


James Zabiela + Nic Fanciulli / "One + One"

2007-04-06 00:02:06 | music4
One_one



□ Zabiela + Fanciulli / "One + One"

Floating Point / Carl Finlow
Think of Love / Fragmenté
Human / James Zabiela (one + one Version)

Release Date; 02/ April/2007
Label; Ministry of sound
Cat.No.: ONEONECD01
Format: 2xCDs

>> http://www.myspace.com/oneplusone
>> http://www.jameszabiela.co.uk/
>> http://www.nicfanciulli.com/

CD1:
01. James Zabiela & Nic Fanciulli Present One+One - Rover
02. Deep Dish - Stay Gold (Nu Mix/JZ & Nic F Edit)
03. Funk D'Void - To Ya Waistline
04. Crazy Penis - The Way We Swing (JZ Edit)
05. Rockers Hi-Fi - Push Push (M.A.N.D.Y. 'Pusher' Mix)
06. Compuphonic - Analogue Sparkles
07. Di_Indicator - Nothing Like You
08. Carl Finlow - Floating Point
09. Cobblestone Jazz - Dump Truck
10. Simon Baker - Plastik
11. Jurgens - Love It
12. James Zabiela - Human (One+One Version)
13. Furry Phreaks - Soothe (Cyanide Ride/JZ 'Northern Nod' Edit)
14. Fragmente - Think Of Love

CD2:
01. Shane Berry - SimonSis1
02. The Fix - Being Stoopid
03. Alcatraz/Paul Woolford - Give Me Luv/Erotic Discourse (JZ Erotic Luv Mash Up - Vocal Version)
04. Nic Fanciulli - Cat Out Of The Bag (Jim Rivers 'Cat Nap' Mix)
05. Phil Kieran - Pinhole Of Light
06. Workidz - Work It
07. Hi-Fi Bugs - Don't Die, Don't Kill Anyone
08. Electroliners - Ghetto Train (Original Mix)
09. R3volve - Netsplit
10. Deadmau5 - Faxing Berlin
11. Nic Fanciulli - Scratch N Sniff (One+One Version)
12. ReShuffle - Internal Affairs
13. Mayday - Wiggin (Nick DK Edit)
14. James Zabiela & Nic Fanciulli Present One+One - No Pressure


(参照)
>> lens,align.: James Zabiela + Nic Fanciulli / "One + One" preview



James ZabielaとNic Fanciulliのデュオ、one + oneの世界ツアーに先駆けたリミックス・アルバム。期待していた通り最高でした。今のところ2007年のアルバム作品としては、これが最本命。

one + one名義の曲では、Buick ProjectでFanciulliと組んでいたAndy Chatterleyも噛んでいます。序盤からMille Plateauxのディスクでも間違って入れてしまったかと思うような、超巧微細なクリック・ハウスを絡ませてきますが(one+one versionと銘打ったトラックは、Zabiela、Fanciulliがそれぞれ独立してリミックスしており、Clicks/Cuts風の作風はZabielaによるもの)、中盤ではディープハウスからエレクトロニカといった、ジャンルと新旧をクロスオーヴァーさせた、まるで時空を歪ませるようなプレイスタイルでグイグイ耳を引き寄せられていきます。

Disc 1はラウンジ・リスニングも出来そうな雰囲気で、スローな楽曲から沈み込んで行くようなダークでインダストリアルなトラック、オリエンタル~エスノ・エッセンスも散りばめた今風のスタイルで、Zabielaが得意とする巧い外し方や節回しがあちこちに窺えます。空間を鋭角的なスクラッチで切り込んでいくCarl Finlowの"Floating Point"、ChicaneのRemixが効いているFurry Phreaks feat. Terra Diva / "Soothe (Cyanide Ride - JZ Northern Nod Edit)"などもオススメ。


Disc 2はエクスペリメンタルでソリッドな色がやや強めで、より彼らのルーツに近いアシッド・ハウスの流れを汲むサウンド。ゆったりとしたテンポの中で、酩酊しながら興奮状態に高揚させられていくような、ビザーレであやうい雰囲気が連綿と続きます。Phil Kieran / "Pinhole of Light"や、Andy PageとPhil KのHi-Fi Bugs名義による"Don't Die,Don't Kill Anymore"では正に空間を歪曲させていくような妖しさのピークを迎えますが、デトロイト・テクノの重鎮、Derrick MayのMayday名義による"Wiggin"から、シンセが壮大に鳴り響くone+oneの"No Pressure"への重層的な連携は、実にアルバムを総括に相応しい、次世代の音楽シーンを担う二人を象徴するミックス・スタイルです。


宵月、桜、ノクターン。

2007-04-04 19:04:04 | music4
Midtower



帰ってきました。
今回の上京は色々あって、ちょっと感傷的になってしまいました。
それはまた別の機会に。。。

でも楽しかった!うん!
東京ミッドタウン、行ってきましたよー!
リッツカールトンもマンダリン・オリエンタルも良かった!
ホテルレビューや日記は、明日以降に綴ります。

写真はミッドタウン・ガーデンから見上げたMidtown Tower。
もう真夜中だったのでライトアップが消されちゃってます(; ;
それでもまだまだ散歩してるカップル多かったですね。
ピンボケ気味だけど、それはきっと、涙で滲んでしまったのです。




□ Tunes of the Day

□ Ferry Corsten

Beautiful (Alucard's Bootleg Remix)

Alucardによる非公式リミックス。
Markus SchulzのGlobal DJ Broadcastから。
Peter McCowanのリリースがまた活発になっていますね。
↓でも試聴できます。

http://www.myspace.com/alucardpeterm


lens,align.Mix - "Acqua"

2007-03-28 06:49:33 | music4
春???。
さざめく風に芽吹く新たな命、雪解けの水面が
眩い陽光にきらめき、淡い蒼の微睡みのなかにたゆたう。


・・・眠い。
ちょっと妊娠したので更新をお休みしていました。。
嘘です。そう、またなつみるくさん用にコンピつくりました。
今回もlens,align.で紹介してきた曲のカタログのようなもの。
淫雨に咽ぶ遠景、どこまでも深くなっていく深海・・・
そんな「水」な感じをイメージしました。



□ lens.align.Mix

acqua (69.8MB)

>> tracklisting.

1. Sexual (Afterlife Mix) / Amber
2. Dreaming in Colour / Art of Noise
3. Dreaming of You (Tranquilo's Ambient Mix) / The Thrillseekers
4. Remember / BT
5. Ordinary Day / Ibizarre feat.Nicola Hitchcock)
6. Political / Halou
7. On the Horizon / The Locust
8. As If You Said Nothing / Craig Armstrong
9. The Time of Turning (Reprise) / The Wevers Reel / Peter Gabriel
10. You've Gotta Learn / One Little Creature
11. While the Earth Sleeps / Deep Forest with Peter Gabriel
12. Burned with Desire / Armin van Buuren feat.Justin Suissa
13. Just Be (Antillas Radio Edit) / Tiesto feat.Kirsty Hawkshaw
14. Love Has Come Again / Human Movement
15. Heaven's Heart / Michelle Tumes





週末に上京します~♪

3/31 マンダリンオリエンタル東京
4/1 リッツカールトン東京 (3/30にOPEN)

に、それぞれ一泊ずつ滞在予定。
リッツカールトン東京は奇跡的に部屋がとれました。。
混むだろうなぁ。。。
ほんとに思いつきの突発企画なので、日程の変更はあるかも。