lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

ENIGMATIC SHOW VOLUME 3 - December (Mixed by Oceano)

2008-11-30 19:34:13 | music8
Enigmaticshow_volume3



□ ENIGMATIC SHOW VOLUME 3 (Mixed by Oceano)

>> http://www.sendspace.com/file/tsffbo (Download)


>> tracklisting.


01 - Sarah Brightman - Gothica [Remix]
02 - Sarah Brightman - Siren [Christmas Chillout by Jakub Fijak]
03 - Andru Donalds - Precious Little Diamonds [Radio Edit]
04 - Ambra - The Futute [Album Edit]
05 - Schiller - Leben Variation
06 - La Brassa - Dreams Of Eternity [Edit]
07 - Vangelis - Line Open ["The City" Session Recording][Previously Unreleased]
08 - Wise Hand - Timeless [Album Version]
09 - Pilgrimage - Land Of Ecstasy [Album Version]
10 - Frank Borell - Landpartie [A Touch Of Georgian Mix]
11 - Mistico - Mistico [Album Version]
12 - Oceanlab - Just Listen [Album Version]
13 - Chicane - Arizona [Album Version]




EXCLUSIVE BONUS TRACKS : ENIGMATIC SHOW LIVE SESSION

14 - Enigma - Seven Lives [Seven Lives Many Faces Virtual Tour][Live In Your Room]
15 - Schiller - Sehnsucht Instrumental [Sehnsucht Tour][Live In Koln]
16 - Gregorian - Moments Of Peace [Christmas Tour][Live In Berlin]
17 - Mike Oldfield - Tubular Bells [Night Of The Proms Tour]
18 - Sarah Brightman - Phantom Of The Opera [Symphony Tour]
19 - Enigma - Sadeness Part 1 [Seven Lives Many Faces Virtual Tour][Live In Your Room]
20 - Jean Michel Jarre - Hey Gagarin [The Twelve Dreams Of The Sun Tour]




Mixed by great spiritual person: Oceano

>> http://musicspiritland.blogspot.com/


I deeply appreciated your conscientious piece of work.
Keep your good devotion to music:)


Enya / "And Winter Came..."

2008-11-28 08:20:20 | music8
And_winter_came


□ エンヤ / 『雪と氷の旋律』

O Come, O Come, Emmanuel
One Toy Soldier

Release Date; 10/11/2008
Label; Warner Music
Cat.No.; WPCR-13203
Format: 1xCD

>> www.enya.com/


>> tracklisting.

01. And Winter Came...
02. Journey of the Angels
03. White is in the Winter Night
04. O Come, O Come, Emmanuel
05. Trains and Winter Rains
06. Dreams are More Precious
07. Last Time by Moonlight
08. One Toy Soldier
09. Stars and Midnight Blue
10. The Spirit of Christmas Past
11. My! My! Time Flies!
12. Oíche Chiúin (Chorale)
13. Miraculum (iTunes Exclusive)



7作目となるスタジオ・アルバム。
デビュー時より普遍的な神秘の歌声を響かせるエンヤが「冬」をテーマに描いた本作。クリスマスを間近に控えた胸の踊る祝祭の歓びと、凍み氷る純白のベールに秘された静寂の疼き。それらが共存する至高の聖域がまた一つ、今まさに冬を迎えようとしているこの世界に降臨した。


思えばこの20年来、Enyaの音楽は、多様な価値観を抱える世界中の多くの人々の「心の拠りどころ」として、絶対不可侵な神秘性を纏って、まごうことなき「癒し」の業を為してきたのかもしれない。多重録音による深いエコーを帯びた彼女のヴォーカルはもはや、ピアノやヴァイオリン、あるいはギターなどと肩を並べる楽器の普遍的な方法論の一つとして数えられるだろう。



タイトル・トラック"And Winter Came..."は、2001年のSingle、"Wild Child"にカップリングされた"Midnight Blue"のセルフ・カヴァー。キリストの生誕に備える天使の行脚を描く"Journey of the Angel"や、クリスマスの飾り付けに勤しむ様子を期待感とともに表現する"White is the Winter Night"など、サウンドメイキングについては、全体的にこれまでのアルバムよりも色彩豊かで華やかな印象を放っている。


従来のアルバムにも必ず一曲はあった、マイナーコードのダークなトラック、"O Come, O Come Emmanuel"は欧州では定番中の定番といえるクリスマス・キャロルのアレンジ。リード・シングルとして発表された"Trains and Winter Rains"は、教会聖歌のループをサンプリングするという異例の楽曲。


男女のハミングに導かれる"Last Time by Moonlight"は、恋人同士の別れをポジティヴに綴る。壊れてしまったオモチャの兵隊の微笑ましい杞憂を物語る"One Toy Soldier"は、これまでになくメルヘンチックな暖かさに満ちた楽曲。"Miraculum"も同じトラックを基調としている。

"The Spirit of Christmas Past"は、Dickensの著書"A Christmas Carol"(日本では映画『3人のゴースト』の方が有名?)にインスパイアされたもので、「現在」「過去」「未来」を生きる自分の写し身を通して、心のあるままに人生を選択しようと語りかける。


"My! My! Time Flies!"にはギターが登場するなど、今までのEnyaには無かった驚きに溢れた曲。歌詞にはニュートンをはじめ、チャイコフスキーやビートルズ、キング牧師といった歴史上の人物を暗喩する語句が散りばめられ、間近に迎えようとしている未来への時の流れに想いを馳せる。



イマジネーションの妨げにならぬよう説明は最低限に抑えさせて頂いたが、是非これらの楽曲を実際に耳にして、自由に想像を広げて欲しい。サウンドについては従来に比べ、シンセサイザーの装飾音や奥行きを増したヴォイス・フィルターの比重が大きく、あたかもモミの木を飾る色とりどりのオーナメントの輝きの如き、まさにクリスマス・シーズンに似つかわしいアルバムとなった。




□ 『ありふれた奇跡』

「人の夢は何よりも価値があるもの」と歌う"Dreams are More Precious"にあるように、Enyaの音楽は常に聴く者の心の特別な場所に座してきた。それはしんしんと雪の降り積もる森のしじまであったり、真夏の夜空に照り輝く星々の響きだったり...

どこにでもいる人が、どこにでもある自然に心を打たれ感動を抱くように、「人々の日常」は無限の奇跡の上に折り重なっている。。何も外にある「特別な場所」まで足を運ばなくても良い、それは私たちの心の中に覆い隠されていて、きっかけさえあればいつだって呼び覚ませるのだ。自身が受け入れる限り、Enyaの音楽は特別な場所と時間への「鍵」としてこの上ない働きをしてくれるだろう。



とはいえ、Enyaが誰にでも受け入れられるイージーリスニング的な安らぎと聴きやすさを持っているとは、一概には言い難い。割に刺激が強く、重厚な楽曲で占められているので、聴く側にも予め態勢が求められるかもしれない。私はアルバムをじっくり聴く機会を見計らって、とうとう数週間が過ぎてしまいました...orz


The Killers / "DAY & AGE"

2008-11-22 20:11:00 | music8
Killers_day_age



□ The Killers / "Day & Age"

Spaceman
Goodnight, Travel Well

Release Date; 24/11/2008
Label; Island
Cat.No.; B0012197-02
Format: 1xCD

>> www.thekillersmusic.com/


>> tracklisting.

01. Losing Touch
02. Human
03. Spaceman
04. Joy Ride
05. A Dustland Fairytale
06. This Is Your Life
07. I Can't Stay
08. Neon Tiger
09. The World We Live In
10. Goodnight, Travel Well


Brandon Flowers (vocals, keyboards)
Dave Keuning (guitar, vocals)
Mark Stoermer (bass guitar, vocals)
Ronnie Vannucci Jr. (percussion, drums)


ラスベガス出身でありながら、イギリスにおいて爆発的支持を得たニューウェイヴ・バンド、"The Killers"。kono
3rdアルバム"Day& Age"は、過去に彼らのリミックスやB-Side Album、"SAWDUST"を手がけたGrammy賞コンポーザー、Stuart Price(a.k.a. Jacques Lu Cont, Thin White Duke)によって全面プロデュースされています。



"New Order meets Bruce Springsteen"と評される彼らの湧然で猛々しいグルーブと、心を鷲掴みにするようなポップネスは、マドンナやブリトニー・スピアーズを手がけて来た職人、Stuart Priceのエレクトロ・アレンジによって更に深みを増し、ソフィスティケイトされています。

Stuart Priceが初めてキラーズをリミックスした"Mr. Brightside (Jacques Lu Cont's Thin White Duke Mix)"の評価はある意味オリジナルよりも高く、クラブシーンにおいても"The Killers"というムーヴメントを牽引したに違いないマスターピース。私もこのリミックスで初めて彼らを知りました。


Stuart Priceが別名義として拝借している"Thin White Duke"は言わずと知れたDavid Bowieのアルバム、"Station to Station"に初めて登場する架空のキャラクターですが、この"Day & Age"こそ、70年代グラム・ロック時代のボウイの影を仄かにちらつかせる回顧的サウンドに溢れていて感慨深いです。

バンドの中心人物、Brandon Flowersは"Day & Age"について、『デヴィッド・ボウイやルー・リード、エルトン・ジョンにインスパイアされたもの』と語っており、Stuart Priceを起用するに至った経緯がその辺にうかがえそうですね。(※Elton Jonhとは近日中にクリスマスソング、"Joseph, Better You Than Me"を発表予定)



70年代サイケ・ロックテイストのイントロで幕を開ける"Losing Touch"に始まり、今シーンで最も流行しているブリティッシュ・ハウスのグルーブを前面に押し出した"Human"、70年代ロックの曲調を耳馴染み良く洗練した風の"Spaceman"、同じく古き良きディスコ/ブラス・ロックのマナーを呼び戻した"Joy Ride"まで、これまでにない多彩な音色で前半を畳み掛けます。


"A Dustland Fairytale"に至って、the Killersの持ち味であった荒削りな哀愁のインディーズ・ロック・サウンドと再会。エスニックなアフリカン・コーラスがオーバーダブされる"This Is Your Life"は、同様のコーラスをサンプリングしたthe Dream Academyのヒット曲、"Life in a Nothern Town"をフラッシュ・バックさせる特異なトラック。


再び70年代的な小気味の良いオケとボーカルラインが郷愁を誘う"I Can't Stay"と"Neon Tiger"がアルバムの軸をしっかりと固めています。Divine Comedy(band)やRobbie Williamsを彷彿とさせる華やかな"The World We Live In"を経て、私たちの住む地球をゆっくりと離れて行く情景を浮かべる壮大なスペース・ロック、"Goodnight, Travel Well"が、かのボウイの歴史的名曲"Space Oddity"を思い出さずにはいられない厭世観が堪りません。


<object width="480" height="381"><param name="movie" value="http://www.dailymotion.com/swf/k1nAE5H8FeV4MmO8ch&related=0&canvas=medium"></param><param name="allowFullScreen" value="true"></param><param name="allowScriptAccess" value="always"></param><embed src="http://www.dailymotion.com/swf/k1nAE5H8FeV4MmO8ch&related=0&canvas=medium" type="application/x-shockwave-flash" width="350" height="278" allowFullScreen="true" allowScriptAccess="always"></embed></object>
The Killers - Human
Uploaded by The-Killers


□ The Killers / "Human" Official Video.


ユタ州のゴブリンバレー州立公園で撮影されたMusic Video。
ブランドンの妙なダンスが気になります(笑)
ホワイト・タイガーがカッコイイ!

近日中にシングルカットされる"Human"ですが、Stuart Price本人によるリミックスの他、Armin Van Buuren やFerry Corstenといった第一線のDJの起用が決定しています。


"Human" Promo CD tracklist

"Human (Radio Edit)" ? 4:05
"Human (Ferry Corsten Radio Edit)" ? 4:27
"Human (Armin Van Buuren Radio Edit)" ? 3:48
"Human (Stuart Price Club Mix)" ? 8:03
"Human (Ferry Corsten Club Mix)" ? 6:55
"Human (Armin Van Buuren Club Mix)" ? 8:12


***************************************************************

"Human"

I did my best to notice
When the call came down the line
Up to the platform of surrender
I was brought but I was kind
And sometimes I get nervous
When I see an open door
Close your eyes
Clear your heart...
Cut the cord

(* chorus)
Are we human?
Or are we dancer?
My sign is vital
My hands are cold
And I'm on my knees
Looking for the answer
Are we human?
Or are we dancer?

Pay my respects to grace and virtue
Send my condolences to good
Give my regards to soul and romance,
They always did the best they could
And so long to devotion
You taught me everything I know
Wave goodbye
Wish me well..
You've got to let me go

(* chorus)

Will your system be alright
When you dream of home tonight?
There is no message we're receiving
Let me know is your heart still beating

(*chorus)

You've got to let me know

Are we human?
Or are we dancer?

Are we human
Or are we dancer?

*************************************************************

あれだけ忠告したのに
敗北のプラットフォームへの道すがら
僕はここまで連れてこられてしまったけど
気持ちは穏やかだった
でもあのドアが開くたびに
酷く参ってしまうんだ

さぁ目を閉じ
心を研ぎすまして
束縛を断つんだ


僕たちは人間?
踊らされてるだけの?
ほら僕は生きてる
両手が冷たいよ
だから僕はひざまずいて
アンサーを探してる
僕たちは人間?
それともダンサー?


つつしんでお悔やみを その慈悲と愛徳に
良きものに弔いと
魂と情熱に哀悼を
ベストを尽くし続けた者たち
それも生涯を捧げて
僕の知る全ては あなた方の教えです
さよならと合図して
きっと上手くやるから
さっさと僕を解放してくれ


僕たちは人間?
踊らされてるだけの?
ほら僕は生きてる
両手が冷たいよ
だから僕はひざまずいて
アンサーを探してる
僕たちは人間?
それともダンサー?


お変わりないですか?
夜が更けて家が恋しくなったなら
ずっと便りはなかったけど
心臓なら動いてるって知らせてよ


僕たちは人間?
踊らされてるだけの?
ほら僕は生きてる
両手が冷たいよ
だから僕はひざまずいて
アンサーを探してる
僕たちは人間?
それともダンサー?

どうか知らせてくれ

僕たちは人間?
踊らされてるだけの?
ほら僕は生きてる
両手が冷たいよ
だから僕はひざまずいて
答えを探してるんだ
僕たちは人間?
それともダンサー?


僕たちは人間?
踊らされてるだけ?

僕たちは人間?
それともダンサー?


THE X-FILES : I WANT TO BELIEVE

2008-11-09 10:00:26 | ドラマ
Iwanttobelieve


>> http://movies.foxjapan.com/xfilesmovie/


□ 『Xファイル:真実を求めて』

X-Files (UNKLE Variation on a Theme Surrender Sounds Session #10)
Home Again

Release Date: 7 November 2008 (Japan)

David Duchovny, Gillian Anderson
Director: Chris Carter
Writers: Frank Spotnitz and Chris Carter
Music: Mark Snow


[あらすじ]

雪の降り積もるウエストバーニジア州の片田舎で、FBIの女性エージェントが謎の失踪を遂げる。直後、事件と何ら接点のないはずのジョー神父から、彼女の誘拐に関わる霊的な『ビジョン』を見たとの報告があり、FBIの捜査に協力を申し出る。

霊視によって、氷に閉ざされた湖から切断された人体の部位を発見する神父だったが、一刻を争う捜査状況の中、彼の汚れた犯罪経歴から事件の取り扱いに困惑した捜査本部は、かつてFBI内に存在していた未解決事件担当部署、"X-ファイル"課において同様のケースを扱っていたフォックス・モルダーとダナ・スカリーに助言を仰ごうと、再び彼らをFBIに呼び戻そうとしていた。



6年ぶりにモルダーとスカリーに会える!
しかも映画館の大スクリーンで!!・*:.。. (ノ´ω`・。)・*:.。

大切に保管していた「傑作選」DVD付属の前売りペアチケットを自分の極秘「Xファイル」から取り出し、モルスカの如く颯爽とコートを靡かせて映画館へ!

とはいうものの、仕事明け30時間不眠のため「あなた疲れてるのよ」状態で鑑賞したせいか、色んな意味で幻妖で奇怪な悪夢を見て来た気分に。。


Xfiles2

"Don't Give Up"

映画の大まかなテーマは、"I want to believe"という願いに対して、"Don't Give Up"と投げかけるメッセージを軸にしたもの。モルダーとスカリーの絆は、過去における「仕事のパートナー」という縛りから解放され、6年間の空白期を経て一層結びつきを増し、最初から恋人同士として登場します。脚本や演技にも6年の重みがしっかりと刻まれていました。


TVシリーズのメインスキームだったUFO・政府の陰謀ストーリーはひとまず置いて、今作はほぼ独立した一本のオカルト・ホラー・ムービーを目指していますが、目を背けたくなるような「おぞましい真実」に相対するモルダーとスカリーの関係性がこれほどまでに試され、象徴的に語られたエピソードは未だかつてありませんでした。



あれから6年。謀略により殺人罪の濡れ衣を着せられ、隠遁生活を送りながらも未だ行方不明の妹を探し続けるモルダーと、現在はカトリック系病院につとめ、不治の病に冒された少年の執刀医として深い苦悩を抱えるスカリー。それぞれに「帰るべき場所」があり、それぞれに「あきらめたくない願い」がある。


ストレンジャーによる猟奇的で理不尽な蛮行という、伝統的なアメリカン・ホラーのフォーマットに、X-ファイル特有の一筋縄ではない捻りを交えて、全体を「ヒューマン・ドラマ」として纏め上げるというシニカルかつユーモアな妙味、そしてそこはかとない「垢抜けなさ」(笑)も含めて、実にX-ファイルらしく完成されています。



[※ 以下ネタバレあり]

Xfiles1

"Proverbs 25:2, 隠すことは神の誉れなり"

猟奇殺人、臓器売買、幹細胞移植、動物実験、闇マーケット、性犯罪、神への冒涜・・・日の当たる世界より隠匿された、人間という存在ゆえの暗部と欲望が招く惨劇。それは同じく、「命を繋ぎ止めたい」という人の願いが選択した「生命の尊厳」の対極の形であった。


血の涙、犬の生首の写真、血塗られた冷蔵庫、氷片に閉ざされた無数の人間の四肢など、グロテスクかつ皮肉の効いたビジュアルは如何にもX-ファイルらしいシュールなエッセンスが凝縮されています。

この映画を見る上で、キリスト信仰への理解と知識は必ずしも必要ではありませんが、小児性愛やホモセクシュアル、人体損壊、死への挑戦など、劇中で描写される禁忌のモチーフの数々を読み解く一定のリテラシーにはなるでしょう。



Xfiles3

大掛かりなSFXとアクションを打った前劇場版とは違い、今作はエピソードとしてはかなり偏狭な舞台で小さく進行していくものでしたが、その闇の深さは計り知れず。(ロケ地・バンクーバーならではの寂れた雰囲気は初期シリーズを彷彿とさせて好きだけど)

吹雪の中、手負いの身体をひきずって山道を孤独に歩み、恐怖の真実に迫ろうとするモルダーの後ろ姿は、まさに私たちが目で追って来た「モルダー捜査官」そのものの面影に立つものでした。


色々と言いたいことはあるけれど、特にクライマックスにおける誘拐被害者の救命シーンは、手術過程までしっかり
見せてくれた方がメリハリが効いたと思う。

ただ、野蛮で粗暴な殺人者の手に落ちたモルダーを抱きとめるスキナー副長官には、積日の信頼と確執の上にグッと来るものがあったし、その絆の固さを知るからこそ、モルダーとスカリーのラストの対話とキスシーンには不覚にも目頭が熱くなりました。良くも悪くもファンに向けられた映画だし、初見の人にも一種のサプライズを与える作品と言えるでしょう。惜しむらくは、必ずしもスクリーン向けのホラー映画では無かったこと。



これまでのシリーズ同様、観客自身が超常現象に様々な解釈を抱くことが出来、イマジネーションを刺激してくれます。結局、霊視を行うジョー神父と犯人側には「隠された繋がり」があることが判明し、神父の力の真偽については、見方によっては十分否定に足る疑念を抱く余地が意図的に残されました。


神父の力を実証して、妹・サマンサの消息に一縷の望みを託したいモルダーと、かけがえのない一人の患者に絶望的な延命治療を施す覚悟のできないスカリー。

彼らが信じたものが「真実」だったのか「偽り」だったのか、それが「過ち」であったにせよ、自らが選択した道を歩み出す契機を得て支え合う姿は、正に切迫した願いを抱えるあらゆる人々の、かくあるべき形なのでしょう。答えは出ないかもしれない、しかし真実を求め続ける姿勢こそが生きる理由に足るのだと。


今はまだ冷たい闇の中を彷徨う2人ですが、彼らを取り巻く世界はいずれ氷解し大きなうねりとなって、幸運の待つ未来へと漕ぎ出す。スタッフ・ロールの背景で提示された映像が、そんなモルダーとスカリーの明日を予言したものだとしたら、ファンとしてこれ以上嬉しいことはありません。



X4

X-ファイルの代名詞といえば、不気味なピアノのリバーブにタイプ音、そして6音からなる暗翳とした情緒を伴う口笛の旋律が耳に残るテーマ曲と言えますが、この映画の音楽もTVシリーズと同じく、かの名曲を産み落とした奇才Mark Snowによるもの。

前劇場版を踏襲した、ドープなプログラミングと壮大なオーケストラを駆使したエキセントリックなホラースコアですが、意外と正攻法なアレンジも得意とする職人でもあります。


エンディングの壮麗なビジュアルと共に驚かせてくれるのは、あのブリティッシュ・エレクトロの寵児とも言えるJames Ravellのユニット「UNKLE」によるテーマ曲のリミックス。オーケストラによる哀愁の旋律とHip-Hopの融合という大胆な作風は彼らの持ち味で、チェロとヴァイオリンによる主旋律と踊るベースのカタルシスが、映画の後味を一層深いものにしてくれています。(本編自体が、エンディングの為の壮大な前フリと思えるほど(笑))


Michael Crichton dies at 66.

2008-11-06 18:34:50 | Science
Mc_4



□ マイケル・クライトンが11月4日、癌のため死去 享年66歳。

>> Washingtonpost.com

Michael Crichton, 66, a writer and filmmaker whose enormously popular and entertaining novels such as "Jurassic Park" and "The Andromeda Strain" explored the limits and consequences of science, and who also created the long-running television medical drama "E.R.," died of cancer Nov. 4 in Los Angeles.

Mr. Crichton began his literary career as a Harvard University medical student in the late 1960s and parlayed his knowledge of technology, medicine and science into a series of swiftly paced techno-thrillers. He sold more than 150 million books, and more than a dozen films were made from his novels, several with him in the director's chair.



私の人生と世界観に決定的な影響を及ぼした2人の"M.C."、その一方が、作家Michael Crichton氏でした。本当に、本当に言葉が見つからないほど悲しい。


中学生の頃に読んだ小説"Jurassic Park"及び続編の"the Lost World"(映画化作品とはほぼ別物)は、生命科学と情報工学、理論数学という多岐の道を私に啓示した聖書ともいうべき存在。私の青春期における価値観を、カオス理論をはじめとする複雑系のパラダイム一色に染め上げました。

数学モデル、複雑系システムの破綻という、ネットワーク理論黎明期の当時はまだまだ馴染みの薄い現象を、「恐竜」を用いてスリリングに示し、更に制御工学と生命工学の両者が孕むリスクと問題点を予言して見せたのは正にエポックメイキングと言えます。


そして何より、当時まだ科学理論のワン・トレンドに過ぎなかった複雑系の概念を、圧倒的なSFエンターテイメントをベースとして大衆に喧伝した功績はあまりにも計り知れなく、自然科学研究と文筆業双方に一定の貢献を果たしたことに異論を挟む余地はないでしょう。



クライトンはハーバード大で人類学を専攻、ケンブリッジ大学の客員講師にも招かれていますが、その後ハーバード大学のメディカル・スクールにおいて医学博士号も取得。1969年から1970年にかけては、あのSalk研究所(Salk Institute for Biological Studies)にポスドクとして務めていました。医学生時代に書いた『緊急の場合は』と『五人のカルテ』は、海外医療ドラマの先駆け"ER"の原案としても有名ですね。


「コーマ」や「未来警察」など、映画監督、脚本家としても独特に光る才気と情緒性を垣間見せていて、映像作家としての彼の手腕に魅了されているカルトなファンも数知れません。緻密な科学見識を散りばめたメッセージ性は、よく「説教臭い」と揶揄されるほどですが、そこには常に、彼が作家として、文学を通して大衆に発して来た通奏低音とも言うべきテーマが流れているからこそ、現代のアメリカに最も必要とされた作家と成り得たのです。


日米貿易摩擦を描いた『ライジング・サン』、航空業界に潜在するリスクに警鐘を鳴らす『エア・フレーム』、環境テロリストを題材にしたタイムリーとも予言ともいえる『恐怖の存在』といった社会派のテーマにも、一貫して見て取れたのが「思想・行動の偏向性」と「一般・硬直化した体制」との衝突と拮抗であり、双方の破綻が齎すカタルシスから覗く一縷の希望・・・これこそがクライトンの魅力でした。

今ならきっと金融危機を扱った著作を手がけるでしょうか。。




奇しくも昨日、アメリカの次期大統領にバラク・オバマ氏が決定し、環境問題、科学分野においても世界でイニシアチブを担うことを表明しました。代替エネルギーの研究開発には1500億ドルもの資本を投下する予定とのことですが、同問題についてブッシュ大統領がクライトンに会見し提起された教訓の数々を、どうかオバマ氏にも留めておいてもらいたい。


(※私としては、必ずしもクライトン氏の地球温暖化における二酸化炭素要因の否定説と、見解を同じくしているわけではありません。lens,align.における過去の「環境」カテゴリを参照のこと。「温暖化」という現象の捉え方に誤謬が発生しがちなのも、潜在的な問題なのかもしれません。(実質的には気候の『極端化』)しかし人因もしくは外因による「環境変化への適応と抑制」が普遍的な共通了解には違いありません。)




□ Breaking News.

■〔 US Election Special 〕 米大統領候補にNatureが問う
……………………………………………………………………………………………………
Natureが先ごろ、2人の米大統領候補に18の科学関連の質問に対して書面での回答を求めたところ、バラック・オバマ氏からの快諾を得た。しかし、ジョン・マケイン氏の陣営からは拒否された。ここでは、10の質問に対するオバマ氏の回答を掲載する。

http://ml.emailalert.jp/c/ac1oadjvkVohvYak



□ 遺伝:可逆化ターミネーター法を用いた高精度の全ヒトゲノム塩基配列決定
Accurate whole human genome sequencing using reversible terminator chemistry pp53 - 59

doi:10.1038/nature07517
Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/ac1oadjvkVohvYbi
Article: http://ml.emailalert.jp/c/ac1oadjvkVohvYbj



□ 生態:気候変動とレミングの個体数周期との関係付け
Linking climate change to lemming cycles pp93 - 97
Kyrre L. Kausrud et al.

doi:10.1038/nature07442
Abstract: http://ml.emailalert.jp/c/ac1oadjvkVohvYby
Article: http://ml.emailalert.jp/c/ac1oadjvkVohvYbz



□ 16年間冷凍保存のマウス死体からクローン個体を作出 (2008/11/05)
  - 絶滅動物を復活させる新技術開発へ -

Mice Frozen 16 Years Ago "Resurrected" by Cloning

理化学研究所 >>
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/081104/index.html


Marc Pickering performed "Return to Innocence"

2008-11-06 10:37:48 | テレビ番組
</object>



□ Peter Kay's Britain's Got the Pop Factor...
(and Possibly a New Celebrity Jesus Christ Soapstar Superstar Strictly on Ice)

>> IMDb

>> medley tracklisting.

01. "Return to Innocence" / Enigma
02. "Love Train" / The O'Jays
03. "Earth Song" / Michael Jackson
04. "YMCA" / The Village People
05. "There's No-one Quite Like Grandma" / the St Winifred's School Choir


あーいあーいあーいあいあいあー♪
(やいやー♪ やいやー♪)

どこからツッコンだらいいのか色々と手遅れな動画ですが、歌唱力はなかなかのものですね。アレンジも新しく、"Return To Innocence"という曲のSEXY☆な側面を再認識させられたようです。


さて、この番組は何かというと、つい先日、10月半ばにイギリスのChannel 4で放映された2時間のTVコメディショーのワンパート。今、何かと熱い著名な素人オーディション番組のパロディで構成されています。司会や批評家、パネリストの演技の臭さはもちろん、演者や観客の異様なノリからも一目瞭然のように、これらが全て「ヤラセ」(笑)


元ネタの参考:http://jp.youtube.com/watch?v=ZkaHOQQayTI

上は最近、世界中で有名になったGerman Telekomのオペラ歌手のCMで実話なのですが、イギリスではこの手のTV Showが人気に乗っかって量産されているという現状を揶揄する(?)意味も含めて、このパロディが製作されました。長ったらしいタイトルは全て同類の番組名を繋げたもの。

元ネタの番組に実際に出演しているパネリストやミュージシャン(ポール・マッカートニーまで!)の様々なゲストが「自作自演」で登場しています。



オーディション参加者については面接場面から捏造してドキュメンタリー仕立てにする本格的な作り込みよう(笑)この動画で歌っているオーディションWinnerである"R. Wayne"君を演じるのは、英国の若手俳優Marc Pickering。子役時代にティム・バートン監督の「Sleepy Hollow」に出演経験があります。


話を戻しますが、こうしてショーで歌われると"Return to Innocence"のポテンシャルは、歌唱パフォーマンスでこそ発揮されるのかもしれないという気にさせてくれますね。すごくTV映えしそう。だからこそ余計に惜しい。。

原曲のAngel (a.k.a. Andy Hard)の歌声は今でこそ比類なきほど艶やかだし、 郭英男の「老人飲酒歌」のサンプリング問題はともかく、"Long & Alive Version"後半のシャウト部分で再構成してポップソングとして展開すれば、Enigmaにもまた違った未来があったのかもしれないなと。ただそれをしないからこそのEnigmaであり、Michael Cretuその人なんですよね。


そして何より、この曲がこうして人々に浸透し、未だに親しまれているという事実。Enigmaの「今」を見つめ続けている者としては嬉しくもあり、何処か歯痒さもあり。。


Enigma / "The Same Parents" iTunes Single.

2008-11-05 02:39:12 | Enigma
Enigmasameparents



□ Enigma / "The Same Parents"

01. The Same Parents (Radio Edit)
02. Piano Moods (exclusively track)


Release Date; 31/10/2008
Label; Virgin EMI
Format; AAC [iTunes exclusive]
Note: Only available on iTunes Europe for now.

Special thanks to Oceano.
http://musicspiritland.blogspot.com/


"Seven Lives Many Faces"からのシングルカット。現在のところGerman, Europe iTunesのみのリリースで、他盤には未収録の限定トラック、"Piano Moods"が初おまみえ。

Oceano氏のご好意により音源を頂きました。


"Piano Moods"は、本当にEnigmaの曲なのかどうか耳を疑いたくなるような、爽やか且つセンチメンタルなアンビエント小曲。Voyageurの"The Piano"を思い出させますね。

"Seven Lives Many Faces"における他のボーナストラック、"Epilogue"や"Where Are We From"もそうですが、敢えてリリースする程でもないようなDemo Trackを小出しにしている感も否めません。。


"The Same Parents (Radio Edit)"は、曲の前後にコーラスの比重やシンセのループエフェクトを若干プラスした編集。どんな曲のRadio editでもありがちですが、やはり割愛によって展開に無理が生じている印象が拭えません。オリジナルが丁寧に音の進行を積み重ねて行く楽曲なだけに、かえってその魅力をスポイルして冗長にすら感じられます。一曲だけ聴き切る、或はあくまでON AIR用途としてのみ有益な音源。


ENIGMATIC SHOW VOLUME 2 - NOVEMBER 2008 (Mixed by Oceano)

2008-11-04 08:57:37 | music8
Enigmatic2_3



□ ENIGMATIC SHOW VOLUME 2 - NOVEMBER 2008

>> http://rapidshare.com/files/159382712/Enigmatic_Show_-_November_2008


>> tracklisting.

1 - Sarah Brightman - Gothica [Remix]
2 - D'Emotion Project - Cang Ding
3 - Moya Brennan - I Will Find You
4 - Joel Kanning - L'amoure Sonique
5 - Myth Chorus Of Tribe - Inception
6 - Enigma - The Roundabout
7 - Vangelis - Antarctica Echoes
8 - Art Of Noise - Moments In Love
9 - Slavik...Keller - Can You Heal Me
10 - Jakub Fijak - Return to The Past
11 - Eivissa Imaculada - Celebration
12 - Terry Oldfield - Deep Connection
13 - Enigma - Carly's Loneliness [Remix]
14 - Schiller - White


http://musicspiritland.blogspot.com/
(Oceano's great polish music blog.)


ポーランドのOceano氏の選曲による、エニグマ系Mix Compilationの第二弾が届けられました。今回はよりNew Ageに深く切り込んだテイストに仕上げています。


前作と同じSarah Brightman"Gothica"のツボを得たイントロ。続く"D'Emotion Project"と"Myth"は、ある意味有名なEnigmaの"Imitation Album (模造アルバム)"の代表曲ですね。Moya Brennan(Clannad)の"I Will Find You"も名曲。2002年にはAntillas feat.Clannad名義でのTrance Remixがヒットしています。Vangelisの"Antarctia Echoes"は、日本では『南極物語』として知れたサントラの名作から。


紹介するまでもなく、Art of Noiseの"Moments In Love"はテクノ/アンビエント界のみならず、間違いなく音楽史に残る時代を超えた名曲。ここではRemix版が聴けますが、"Into Battle with the Art of Noise"に収録されたOriginal Full Versionを未聴の方は、騙されたと思って是非一度聴いて見てください!lens,align.でも過去に挙げていますが、そのうちまた紹介するかもしれません。


Terry Oldfieldは、何を隠そうあのMike Oldfieldの弟。どの楽曲もそうですが、どっぷりと妖し気なアジアン/オリエンタルの精神世界に浸かった音楽性は、ある意味Mikeの斜め上を逝っちゃってます。Mikeはあくまで自分の音楽性を貫いているのに対して、Terryは姉のSallyともども、New Age Musicの安易で定型化した方法論に迎合してしまっている感が。。


9-11曲は、いずれもネット上で活動している無名のアーティストによるもの。13曲目の"Carly's Loneliness [Remix]"も同様に、数多あるFan Remixの一つ。Schillerの"White"はイントロの"Gothica"と対になっているような心憎い選曲です。