□ Delerium / "Music Box Opera" Limited Edition
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Light Your Light
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Hammer
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Raindown
Release Date; 30/10/2012
Label; nettwerk
Cat.No.; 30969 2
Format: 1xCD
>>
http://www.delerium.ca
>>
http://ja-jp.facebook.com/Delerium
>> tracklisting. (Fixed)
01. Consciousness Of Love (Feat.
Stef Lang)
02. Monarch (Feat.
Nadina)
03. Days Turn Into Nights (Feat.
Michael Logen)
04. Chrysalis Heart (Feat.
Stef Lang)
05. Light Your Light (Feat.
Jaël)
06. Raindown
07. Sky (Tears From Heaven) (Feat.
Kristy Thirsk)
08. Hammer (Feat.
Leona Naess)
09. Awakening (Feat.
Nadina)
※ omission on credit.
10. Frostbite (Feat.
Anna-Lynne Williams)
11. Keyless Door (Feat.
Azure Ray)
12. Music Box Opera
Bonus Tracks.
13. Stargazing (Feat.
Angela McCluskey)
※Actually, Not Available on CD (but appears on sleeve)
14. Lock Down (Feat.
Kristy Thirsk)
15. Still Kill (Feat.
Leigh Nash)
Delerium is
Bill Leeb,
Rhys Fulber and
Jeremy Inkel
Additional Keyboards:
Roy Salmond (5, 11)
Additional Guitar:
Jared Slingerland, Emerson Swinford
Strings:
Meghan Engel (10)
Bass Guitar:
Leah Randi (11)
Art Direction: Carylann Loeppky
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lens, align: Delerium / "Nuages Du Monde" Review.
ヴァンクーバーを拠点に活動するIndusrial Music出身のコンポーザー、Bill LeebとRhys Fulber、そしてJeremy Inkelがプロデュースする、今やElectonica/Pop名義となった『Delerium』の 14th Album. 前作"Nuages Du Monde"から凡そ6年ぶりのリリースとなる。
"Music Box Opera (=オルゴール・オペラ)"と冠されたこのアルバムは、確かに、これまでDeleriumが辿った変遷の中にも類を見ない試みが為されている。
POP市場に訴求するスタイルはそのままに、脈々と息衝いて来たDelerium独特であったエスノ・アンビエント的書法を思い切ってスポイル。ストリングス、Electronica色を強め、サンプリング・プログラミングという手法において、昨今は音の繊細さが際立ち始めているHip-Hop、R&Bというジャンルに大きく目配せをした構成となっているのが特色だ。
そのために、"Nuages Du Monde"で打ち出したバンド編成での演奏スタイルをとりやめ、ベース・プログラミングをRhys Fulberのキーボードに統括。重厚なベースワークと微細なサンプリングコラージュのバランスを実現している。
対照的に、"Frostbite"といったRhys不参加のトラックはベースの控えめさが顕著となっているが、Anna-Lynne Williamsの囁くような薄氷のヴォーカルに、Bii Leebの特徴的なアルペジオが冷艶な印象を湛える楽曲へと仕上げられている。
Deleriumのアルバム・メイキングにおけるスタイル、『フィーチャリング・ヴォーカリスト方式』は"KARMA"から前面に打ち出されたものであり、当然、歌い手の感性にトラックそのものが大きな影響を受ける。例えば"Days Turn Into Nights"と"Keyless Door"はイントロの旋律を共有しており、雛形のトラックが同じだったのではと思わせる曲も見受けられる。
"Music Box Opera"の前身(あるいは兆候)と言えるシングル曲、"Dust in Gravity (2009年)"は、北米で絶大な人気を誇るR&Bシンガー、Kreesha Turnerをフィーチャーし、US Danceチャートで一位を獲得したが、"Music Box Opera"の方向性は、基本的に"Dust In Gravity"のR&B/Pop路線の延長上にあると言って良い。
しかし、その書法はなお既存の市場価値を席巻しているポップからは大きく外れていることを付け加えなければならない。それは"KARMA"の作風を決定した要素に遡る。
1997年、世界情勢・経済の不安定さを抱えながらミレニアムを目前にした世相を反映してか、Dance/Electronica音楽市場においては、ダークな曲想を好む傾向があったように思われる。一方でインターネットの台頭がピークを迎え、グローバリズムや民族回帰思想をニューエイジ音楽にも色濃く汲む動きが波及し続けた結果、テクノや民族音楽のクロスオーバー音楽が人気を博した時代でもある。
このジャンルにおいてEnigmaが最大の求心力を放っていたころ、Bill LeebとRhys Fulberは、インダストリアル・ダンス・ミュージック方面において既に成功を収めていたが、一方で多数の変名を用いて、主にテクノ・アンビエントを中心とした様々なスタイルを模索していた。
中でもDeleriumは、特異なアンビエント・ドローン系作品の名義として、1989年にDossierからアルバム"Face, Forms and Illusions"を発表。グレゴリオ聖歌をサンプリングするなど、Enigmaに先駆ける形で、既に卓越したセンスと慧眼を披露している。
Bill Leebは新しいジャンルを拓くタイプではなく、どちらかというと時勢に合わせて「売れる」スタイルを独自の世界観で表現することに長けていると言われる。"KARMA"然り、私には、"Music Box Opera"こそが、その最たるものとだと捉えられてならない。
"Music Box Opera"の作風がポップスであるにしても、"Monarch"や"Awakening"等に導入されるアラブ・イスラミック系の歌唱やアンビエント・ドローン、微細なプログラミングによるサウンド・コラージュは、そして新機軸といえるHip-Hop色の強いカリブビートの導入や、なお他のコンポーザーの追随を許さない特異なバッキングを構成している。プログラミングされたリズムから生ドラムのインサートや、Deleriumの最大の特徴である電子音のアルペジオを一つとっても、Bill Leebの面目躍如だろう。
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ラテン音楽とソフトロックの書法を継承した"Days Turn Into Nights"は、アルバム中でも一際異彩を放つトラックだが、間奏部のエスノ・エレメントやスペーシーなアトモスフィアは、まさにDeleriumが得意としてきたイルビエントな音使いだ。この曲はシングル・カットされ、既にSolarstoneが自身のギグでRemixを回している。
レバノン出身の歌手Nadinaを迎えたインド・アラビック風の"Monarch"においては、"Nuages Du Monde"で打ち出した、民族歌唱の生パフォーマンスを取り入れるという方向性を維持。アルバム中もっともドープなアンビエントトラック、"Awakening"においても抜群のパフォーマンスを見せている。
"Consciousness of Love"は、現在売り出し中のカナディアン・シンガー、Stef Langの歌うストレートなR&Bであり、今作のハイライトトラックと言える"Chrysalis Heart"でも、ティーンエージャー受けのポップスタイルで若々しくときめきに満ちたヴォーカルを披露、彼女は"Music Box Opera"のカラーを決定する上で中心的役割を果たしている。
この二曲については、従来のDeleriumの書法がポップスと逆転している、つまり、ポップスの文脈に準えてDeleriumの世界観を再現しようとするサウンドに聴こえる。
一方で、Leona Naessがアダルトで妖艶な魅力を醸し出す"Hammer"は、Deleriumの持ち味である中近東ドローン系イントロからのトリップホップといった趣であり、アルバムに大きくゴシック・カラーの印象を添えている。ダークで幽玄なエレクトロ音楽とポップの融合。それが様々なスタイルが入り乱れる"Music Box Opera"というアルバムを捉え得る表現かもしれない。
その要素として、FLAの共同プロデューサーとしても名を連ねるJeremy Inkel (a.k.a. Left Spine Down)及び、そのギタリストであるJared Slingerlandの存在がどの程度のものなのか、私は彼らの出自やバックグラウンドには詳しくないので測りかねるが、この六年の空白と動向も含めて、FLAとしての活動に目を向けていたインダストリアル方面のファンの方が、この作品を正しく評価出来るのかもしれない。
"Light Your Light"は、まさにオールドファッションなDeleriumだけど、スイスの歌姫Jaelの成長が目覚しい。もう可憐で可愛いだけのヴォーカルから脱皮を遂げている。重苦しいコーラスの導入から、感傷的に歌い上げるヴォーカルはまさに、2000年代中期のDeleriumの面影を写している。
Additional KeyboardのRoy Salmondは、"Chimera"の頃の流麗な打鍵を呼び戻していて、どこか漂う湿り気は彼のパフォーマンスによる処が大きいだろう。
"SKY (Tears From Heaven)"、"Lock Down"では、お待ちかねKristy Thirskの登場であるが、その特徴は彼女自身のバンド色を前面に打ち出したAlternative Rockのカラーを強くしたもので、全体から少し浮いた印象すら覚える。しかし、ノイズやサウンド・プログラミングそのものはエレクトロニカとして秀逸であり、スタイリッシュなボーカル・スタイルと相俟って、この暗鬱としたアルバムに、どこか乾いた芯の通った力強さを与えている。
しかしKristy Thirskからは、往時の天上に響き渡るようなファルセットを聞かれないのが残念。Nuages Du Mondeでもスロートヴォイスに偏っていたけれど、今や乙女だらけのDeleriumでの貴重なテラーボイス要員として自らの立ち位置を見出したのかもしれない。
本作の唯一のアコースティック楽曲と言える"Keyless Door"は、前述の通り"Days Turn Into Nights"の旋律で幕を開ける、切なくメランコリックな唄。歌い手のAzure Rayは、映像界での引用も目立つアメリカンDream-popシンガー。この曲ではRhys Fulberの妻であるLeah Randiがベースを弾いている。
古参のLeigh Nashが歌う"Still Kill"は病んだ感じで宜しい。大御所Emerson Swinfordのパンキッシュなギターと、プログラミングがイルビエントな感じでたまらない。グラスを叩いたようなパーカッションの音色も中毒性がある。
Télépopmusikの名曲"Breahte"などを歌ったAngela McCluskeyの"Stargazing"は、Deleriumにとっては真に初の試みと言えるDubstepの領域へと踏み込んでいる。Bill Leebは今作のインタビューにおいて、Portisheadと共演したい由を語っていたが、"Music Box Opera"に漂う暗鬱としてコケティッシュなオーラは、この10年不在だったトリップホップシーンへの、かつての病的な感傷性へのオマージュとしても聴こえてならない。
表題曲である"Music Box Opera"は、Delerium自身が10年間に置き去りにして来た書法の再現である。オペラ風の合唱、これはサンプリングであるが、あたかも機械仕掛けの旋律と歌声が魂を呼び覚ますように、"Semantic Spaces"以前のテクノ/アンビエントの方法論と呼応しながら、この作品に一種の回顧な寂しさと幽愁の色を添えて幕を閉じる。
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"
Light Your Light"
Vocals by Jaël
Written by Jaël, Bill Leeb, Rhys Fulber, Roy Salmond
Open your eyes He's never gonna change
He went through rough things in his life
Just get out of his range
I can't just sit here and watch
How he hurts you again and again
How can you still let him touch you?
You mistook him for something he's not
And now it's time to wake up
Light your light, Light your light
The right one is waiting out there
Light your Light, Light your light
And then someone will truly care
You tend to find excuse
For all the things he does
But look at your bruises
We all have a choice
You mistook him for something he's not
And now it's time to wake up
Light your light, Light your light
The right one is waiting out there
Light your Light, Light your light
And then someone will truly care
The damage is done
Your daydream is all gone
There's nothing left worth to hold on to
And thought it hurts to ignite
When you put so much effort in this
But it's time to look bright
You mistook him for something he's not
And now it's time to wake up
Light your light, Light your light
The right one is waiting out there
Light your Light, Light your light
And then someone will truly care
And then someone will truly care
目を醒して 彼が変わることはないわ
あの人は何もかもいい加減にやり過ごして来た
その支配から抜け出すのよ
もう黙って見てられない
あんなに何度も何度も傷つけられて
どうして彼にまだ触れさせるの?
あなたは彼を取り違えていたのよ 彼じゃない誰かと
もういい加減に目を覚まして
光を灯して あなたの灯火を
どこかに相応しい人が待っているわ
光を灯すのよ あなたの灯火を
本当に想ってくれる人が現れるはず
ずっと言い訳を探していたの
彼がしてきたことすべてに
だけどほら、あなたの痣を見て
私たちにはみんな選択肢が与えられてる
あなたは誰かと取り違えていたの 彼じゃないわ
もう目を覚ます時が来たのよ
光を灯して あなたの灯火を
どこかに相応しい人が待っているわ
光を灯すのよ あなたの灯火を
本当に想ってくれる人が現れるはず
もう傷付けられなくていい
何もかも白昼夢だったの
大事に抱えておくものなんて一つもない
投げ捨てて散り散りに燃やしてやって
とても大きな覚悟が要るかもしれない
だけど そのとき輝き射すの
あなたは彼を取り違えていたのよ 彼じゃない誰かと
さぁ、目を覚ます時が来たの
光を灯して あなたの灯火を
どこかに相応しい人が待っているわ
光を灯すのよ あなたの灯火を
本当に想ってくれる人が現れるはず
あなたを本当に想う人が…