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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Conjure One / "Holoscenic"

2015-11-22 15:21:13 | music15



□ Conjure One / ‘Holoscenic’

>> http://www.conjureone.com

Release Date; 20/11/2015
Label; Armada Music B.V.

>> tracklisting.

01. Kill the Fear (feat. Hannah Ray)
02. Miscreant
03. Under the Gun (feat. Leigh Nash)
04. All That You Leave Behind
05. Only Sky (feat. Christian Burns)
06. Serac
07. Still Holding On (feat. Aruna)
08. Ghost (feat. Kristy Thirsk)
09. The Garden
10. Brave for Me (feat. JEZA)
11. Oceanic (feat. Mimi Page)


♪ "Miscreant"





♪ "Kill the Fear"






Rhy Fulberによるソロプロジェクト、Conjure Oneの4th Album。

アンビエントからポップネスに至るまで、エレクトロニック・ミュージックの様々な要素を統合して、シネマティックで壮大な物語を描き出す方向性は、3rd "Exilarch"の延長上にあると言える。

『完新世の』というタイトルに冠されている通り、文明や自然の営みさえを超えた、悠久の地質学的スケールにおいて、人の想いや情緒に共鳴する祈りを奏でる様は、哲学的、形而上学的機智に富んだ、かつてのEnigmaを聴いている感覚に最も近い。



主にOmega 8を用いて演奏される各楽曲の印象は、これまで以上に冷たいアトモスフィアに覆われており、独特の緊迫感を漂わせてたシリアスな作風となっている。ストリングスのサンプリングも随所に配置し、Deniz Renoのエスニックコーラスを用いた"All That You Leave Behind"や、 Arunaをフィーチャーした"Still Holding On"において特上のスパイスとなっている。


Leigh NashやKristy Thirskなど、お馴染みのヴォーカリストの起用曲は、まさにDeleriumと同様のディレクションを施されており、ファンにとって親しみやすい曲調を保証している。一方でChristian BurnsやMimi Pageなど、ダンス系シンガー起用曲には、Armadaのレーベルカラーに誂えたような最先端のChill Outトラックの様相を呈している。

しかし、現在のEDM界隈で製作されるそうしたチルアウト・アンビエント楽曲に多大な影響を及ぼしてきたオリジネイターこそがRhys Fulberであったことを考えると感慨深いものがある。



本作の製作スパンも非常に長期に渡っており、最初にリリースされたシングルから数年のブランクを持って発表に漕ぎ着けたが、既発曲については、アルバム収録にあたりディレクションやビートラックのマイナーチェンジが施されているのも、嬉しい配慮の一つである。