仕事を離れて1週間。ここ大阪では久しぶりに雨が降っています。雨が降っても日課になりつつある早朝散歩ですが、きょうも近くの不動尊に往復40分をかけて散歩してきました。このお寺には本堂と太子堂があって、驚いたことに四国八十八箇寺の祠が立ち並んでいます。そんな神聖な場所に、ポケモンGOを操るご老人の姿がちらほら。これも世の流れでしょうか。(笑)
ところで、先週、北海道に小旅行にでかけてきました。最終日の宿泊先は函館駅から特急で30分ほどのところにある大沼国定公園(亀田郡七飯町大沼)でした。とりあえず温泉に浸かって夕食をとる。うぬ?灯ろう行列、慰霊祭、灯ろう流しの文字が踊る「大沼湖水まつり」のチラシが目に留まりました。さっそくホテルの送迎バスで大沼国定公園に向かいました。
陽は既に落ち、ちょうど灯ろう流しが終わろうとしているところでした。暗闇に包まれた大沼公園の水辺に浮かぶ灯ろう。幻想的な風景が広がります。家内と二人でベンチに座ってぼんやりと眺めていたら、急に愛犬ゴンタのことを思い出してしまいました。園内に大音量で「千の風になって」の曲が流れていたからなのかもしれません。少ししんみりとしました。
翌朝、空港に向かうまでの半日間、もういちど大沼国定公園に向かいました。大小126もの小島が浮かぶ湖を遊覧船で巡ったあと、「森の小径」「大島の路」を散策しました。湖面にはスイレンやコオホネの花が彩りを添えます。「大島の路」では「千の風になって」のモニュメントに出会いました。「千の風になって」といえば、秋山雅史さんしか思いつかない私です。なぜ大沼公園にモニュメントがあるのか?
そんなことをおしゃべりしながら、催し広場に向かうと、夕刻に予定されている「千の風音楽祭in大沼」のマイク調整真っ最中でした。チラシには、名曲「千の風になって」は作家の新井満さんによって七飯町大沼湖畔の森の中で誕生しました、とあります。すると、まだお客さんのいない舞台の上で誰かが「千の風になって」を歌い始めました。なんと新井満さんその人でした。写真を撮って帰ろうと舞台に近寄ると、今度はトアエモアのお二人に出会いました。なかなか楽しそうな音楽祭でしたが、残念ながら帰阪の時間が迫っていました。
灯ろう流し、千の風になって......。ふたりとも、愛犬ゴンタが亡くなったことがまだ尾をひいているようです。帰宅して、新井満さんについていろいろ調べました。私より4歳年上で、作家、作詞作曲家、写真家、環境映像プロデューサー。小説家としては「尋ね人の時間」で芥川賞を受賞。CD「千の風になって」では日本レコード大賞作曲賞を受賞。
また「千の風になって」は、作者不詳の英詩「a thousand winds」を翻訳したもので、新井さんは南風椎氏が翻訳した写真集「1000の風」に出会い、イメージを広げていきます。ネットではこれを問題視する方もいらっしゃいましたが、訳と作曲を通じて新井さんはひとつの心象風景を表現されています。その閃きを得たのが大沼公園の森の中だったということでした。
ネットで調べてみると、出だしの部分はこうです。
(原詩)
Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.
I am in a thousand winds that blow,
(新井満「千の風になって」)
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています
この曲は、新井さんの幼友だちの、48歳という若さでお亡くなりになった奥様への追悼文集がきっかけだったよう。新井満著「自由訳 千の風になって」(朝日文庫)によれば、「追悼文とはその名の通り、あとに残された人々が死者を偲んでつづる”天国へ送る手紙”であろう。ところがこの詩は、死者が天国で書いて”天国から送り届けてきた返辞”ともいうべき内容なのである。そのような詩に生まれて初めて出会って、私は素直にびっくりしてしまった」と記しています。もうひとつ気になる言葉がありました。それは「アニミズム」です。こちらはおいおい考えていくことにいたしましょう。いずれにしてもこの曲は、新井さんのほか、秋山雅史さん、ヘイリーさんなど多くの方々が謳っています。
今回の北海道小旅行は、往復の航空券とホテルだけ予約して、あとは現地に行って考える、いつもの行き当たりばったりの珍道中でした。札幌では、真昼間から「さっぽろ大通りビアガーデン」で各社の美味しいビールを存分にいただきました。夜は観光バス「札幌夜景ディナー(藻岩山&大倉山さっぽろ夜景コース)」で夜の札幌を楽しみました。
翌日は、早朝に札幌を出発して函館に向かいました。特急北斗に乗って4時間半もかかりましたが、若い頃「青春18きっぷ」で全国を旅した家内は、るんるん気分でした。私はその間、音楽を聴きながら読書でありました。
函館では、昨年大学時代の友人たちからお誘いを受けながら仕事の関係で行けなかった、同志社創設者・新島襄の「海外渡航の碑」とブロンズ像にご挨拶ができました。新島襄は1864年、1隻の小舟で沖に出て湾内に停泊するアメリカ商船ベルリン号にたどり着き、密出国に成功した進取の精神の人でありました。 こうして北海道小旅行は終わりましたが、その翌日には、秋から始まるお勉強会のガイダンスに出席して、徐々に新しい生活スタイルを固めつつあります。そして昨日から夏休みを迎えた孫君2人がお泊りです。ゴンタが亡くなりひっそりとした我が家に、久しぶりに歓声が響いています。
お近くに不動尊があってそして本堂には四国八十八個寺
まさにran_coffeebreakさんのためにあるような....
びっくりしますね。
北海道に行ってらしたのですね。
大沼湖水まつり...千の風に乗って....
本当にゴンタさんのために流れていたような曲でしたね。
ジーンときてしまいますね。
きっとゴンタさんはお空でお二人のことを見ていたのかもしれませんね。
ゴンタさんを偲ぶ旅行だったような気もしますね。
灯篭流し.....きれいですね。
新井満さんはそうだったんですか.....
北海道の方だったんですね。
知らなかったです。
同じ同郷の私としてはちょっと嬉しいです。
初めて千の風を聞いたとき....衝撃的でした。
聞き入りました。
絶対紅白にでるわっとその時に思いました(笑)
行き当たりばったりの旅行~それもまた素敵なことでしたね。
ご夫婦仲良しなのでできることでもありすね。
我が家は無理かもしれないです(笑)
楽しい旅行良かったですね。
お孫さんたちも来ていらっしゃるのですね。
にぎやかに過ごされていることでしょう~♪
仕事を離れて1週間が経ちますが、早朝散歩を含めて毎日1万歩はクリアしています。仕事をしている頃は、これほどまで歩いていなかったのですが、歩くことによって脳が活性化していることに気づきます。改めて「歩く」ことの意味を考える今日この頃です。
>ゴンタさんを偲ぶ旅行だったような気もしますね。
なんだかそんな気もします。ペットとは言っても16年間ですからね。その意味では、ゴンタを偲ぶ旅行になってしまったとも言えます。やっとひとつの区切りができたようにも思います。
新井満さんの存在は今回初めて知りました。ご出身は新潟県だそうです。いつの頃か大沼公園に別荘をお持ちになったよう。ある日、公園の森の中で「風」を感じ、英詩の「意味」が閃いたのだとか。ここにも「歩く」ことの意味が隠されているような気がします。
そうですか。北海道のご出身ですか。良い所ですね。夏の陽が照っているのに、肌にはひんやりとした微風を感じる、ヨーロッパとほぼ同じ気候なんでしょうね。花の色の美しさが大阪とはまるで違います。
釧路方面を除いて、主だったところはほとんどおじゃましていますが、行くたびに穴場を見つけては次に繋げていますよ。いつ行っても尽きない所です。