きょうは4時半に目が覚めましたが、そのまま浅い眠りの中に。ベッドから起き上がったのは7時を回っていました。ゴンタ爺さんと少し遅めの朝のお散歩にでかけると、我が街も秋の装い、公園の木々が染まっていました。
先週の日曜日は、予定どおり秋を求めて京都にでかけました。観光客で賑わう紅葉の名所は避けて、家内と二人で向かったのは京都府立植物園でした。広い園内は人も疎ら、ゆったりと秋の京都を楽しみました。と言っても、紅葉は今一つでしたが、赤く色づいた木の実を愛でて秋を感じました。大きな道を逸れて森の小道を歩くと、大きなドングリがあちらこちらに。そのいくつかを頂いて帰りました。観光客と観光バスの排気ガスに悩まされることなく、ゆったりした秋の一日を過ごしました。【写真は紅葉まじかのフウの木とカザンデマリの実】
ところで、週の後半は異業種お勉強会の合宿例会のため、兵庫県北東部に位置する豊岡に出かけました。出石城、竹野海岸、城崎温泉等で有名ですが、私たちが訪ねたのは県立コウノトリの郷公園でした。課題は「持続可能な地域経済・産業環境を考える」。環境経済という古くて新しい視点から豊岡モデルを学ぼうというものでした。市長さんやコウノトリ文化館の方のお話しを聞いて意見交換しました。古い歴史を有し、文化度の高い土地柄ですが、人口減少が続く中で、地に足のついた諸施策を打ち出しています。コウノトリ野生復帰計画、生物多様性・ラムサール条約湿地登録、舞台芸術を中心としたアーティスト・イン・レジデンスの拠点・城崎国際アートセンター。このセンターで制作された、ノルマンディ秋の芸術祭の招致作品アンドロイド版「変身」(平田オリザ演出)は世界初演を成功裏に収め、横浜公演のあとハンガリー、パリほか欧米で上演されるのだそうです。
手許に「コウノトリと共に生きる~豊岡の挑戦~」と題するパンフレットがあります。表紙の中ほどには、昭和35年当時の出石川の水辺で農家の女性と但馬牛とコウノトリが共生する白黒写真が飾ってあり、その下に「何を失ったのか どのように取り戻すのか」という言葉が添えられています。ふと、鶴見和子先生の「内発的発展論」という言葉が頭をかすめました。
その日は城崎温泉で一泊して夜遅くまで語り明かしました。業種は違っても、話すうちに普遍的なテーマに行く着くのは楽しいものです。翌日は、帰阪するとその足で大阪市中央公会堂に向かいました。認知症に関するシンポジウムを聴講しました。古めかしい大ホールは、ほぼ満員のお客さん。関心の高さを思いました。9月に京都で「老い」に関するシンポジウムがありましたが、そのときも立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。急速に進む超高齢化の流れに、みんなが不安を抱いているからでしょう。
コウノトリはツルとは違い人懐っこい鳥のようです。人間を怖がることもなく、当たり前のように人間の日々の生活の中に共存する鳥だったようです。「人と自然の共生という大きな価値観の共有」、それがコウノトリ野生復帰計画を下支えしています。長寿社会への備えは、財政的な視点からの政治的課題になりがちですが、若者と老人が共生できる社会をどう実現するのかということなんだろうと。それが持続可能な社会を形成していくのだろうと、紅葉が始まった中之島界隈を歩いて帰途につきながら考えました。来月には総選挙があります。慌ただしい年の瀬になりそうです。
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