心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

中古レコードを楽しむ

2006-06-11 18:32:17 | Weblog
 このところ公私ともにドタバタで、ゆったりと休日を過ごすことができなかったので、地に足がついていない感覚が身体に充満しています。このままでは時間に流され緊張の糸が切れてしまいそうと、鬱憤ばらしに帰宅途中、中古レコード店に立ち寄りました。店に入った途端、私にまつわりついていた時間が止まるから不思議です。
 最近は、アナログディスク、いわゆる中古レコードに静かな関心が集まっています。私と同じ中高年世代だけでなく、いまどきの若者たちの姿も見かけます。レコードプレーヤーも新製品が発売され、爆発的に売れることはないにしてもコンスタントに売れているということですから、アナログファンにとっては嬉しいニュースです。そんな動きを知ってか、なかなか強気の商売をしているレコード店もありますが、わたしのお勧めは、大阪に8店舗を構える中古音楽ソフトの専門店「DISC JJ」。品質と品揃えとリーズナブルな価格が気にいっています。
 中古と言えば「使って古くなったもの」というイメージがつきまといますが、なかなか捨てたものではありません。モノとしては古くなっても、1枚のレコードから再生する音楽の世界は、デジタルディスク(CD)では味わえない耳障りのいい音楽を楽しませてくれます。現在、流通している中古レコードの何割かは、CDの登場で行き場を失った当時の商品であり、何割かは愛好家に丁寧に取り扱われてきたレコード。残りの何割かは通常の管理で時代を経たもので、このクラスになると1枚200円、300円の叩き売りです。でも、そんな中にも時たまきらりと光るものに出会うこともありますから無視はできません。そんなさまざまな経歴を経てきた中古レコードを買ってきては、レコードクリーナー(レイカのバランスウォッシャー33。これって一式5千円もするのです)で丁寧にお手入れをし、眠っていた生命を蘇らせる。わたしにとって最も楽しいひとときです。
 中古レコードの、もうひとつの楽しみ。それはジャケットの図柄です。西欧の美しい自然風景であったり、有名な画家やイラストレーターの作品であったり、演奏家の表情であったり....。わたしが収集するマルタ・アルゲリッチのレコードも、彼女がショパン・コンクールで優勝した若い頃の作品からずらり並べてみると、彼女の表情の変化のなかにピアニストとしての「歩み」が伝わってきます。大フィルを指揮する朝比奈隆の凛々しい姿も生き生きと伝わってきます。CDジャケットでは味わえない世界です。そんなわけで、レコード選びも「曲」や「演奏家」だけでなく「絵」で選ぶこともあるわけです。気に入ったレコードジャケットは書棚の片隅に週替わりで立て掛けます。私の部屋のインテリアのひとつでもあります。きょう手にした「珠玉のオーケストラ名曲集」も、そんなレコードの1枚でした。深い森の中の小川の縁に佇む女性、彼女を見つめる小鳥、フクロウ、ウサギ...。森の静けさの中で小川のせせらぎだけが伝わってきそうな、そんなイラストです。
 更新作業をしていたら、もう夕方になってしまいました。早いものです。今週は少し頑張って何とか土日連休にしたいと思います。
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