心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

年に一度の逢瀬~七夕の笹飾り

2013-07-07 09:27:51 | Weblog

 昨夜もたくさんの雨が降りました。愛犬ゴンタも昨夜はお家の中で過ごしました。そして今朝、輝くような朝陽を浴びながら、朝のお散歩を楽しみました。でも、早朝なのに背中に汗を感じました。これからどんどん暑くなってくるのでしょう。そろそろ梅雨明け宣言でしょうか。
 散歩を終えて野菜畑を覗いたら、ミニトマトがたくさん色づいていました。雨と太陽がもたらした恵みです。その横には、キュウリの子供たちに交じって大きな実がひとつぶら下がっていました。今朝の食卓には新鮮野菜が並びました。
 さて、今日は久しぶりにグレン・グールドのバッハ「ゴールドベルク変奏曲」を聴きながらのブログ更新です。実は昨日、大阪・中之島界隈での仕事を終えると、久しぶりに駅前第一ビル地下のワルティさんに立ち寄りました。そこで見つけたグレン・グールドのCD「ザルツブルク・リサイタル1959」。1955年録音でも1981年録音でもなく、1959年8月25日(火)にザルツブルクのモーツァルテウムで開かれたリサイタルライブ録音版です。私が9歳の頃です。1964年を最後に演奏会活動に終止符を打ったグールドの、数少ないライブ録音です。
 それを手にウキウキ気分で帰途につきましたが、最寄駅に到着して改札口を通ろうとしたとき、コンコースに立つ七夕の笹飾りが目に留まりました。ここ数日、行き交う人々が自分の思いを綴った短冊が飾り付けられています。機械音と人の喧噪に満ちた空間にひっそりと佇む笹飾に、なんだかほっとしたものです。
 七夕について少し調べてみると、「この行事は中国で古くからあった牽牛星と織女星の伝説が日本に入ってきて、一方我が国に昔からあった棚機(たなばた)つ女(め)の信仰に合流したと言われている。7日の朝に芋の葉の露で墨をすって、願い事を短冊に書いて笹竹に結ぶ」(角川書店「入門歳時記」)とありました。現代中国からは想像できない三千年におよぶ歴史の奥ゆかしさを思います。
 思い出しました。織女といえば、1カ月ほど前に交野市におじゃましたとき、機物(はたもと)神社の宮司さんにお会いしました。98歳という高齢にもかかわらず、ご自分で車を運転されるほどお元気な宮司さんでした。その機物神社には二神の棚機女(たなばたつめ)が祭られているとかで、パンフレットによると、起源は古く4、5世紀にあるとも言われ、秦氏に代表される交易商人によって組織された養蚕布織の技術をもった民が大陸から渡来し、その一部の集団がこの地に定住した、と記されています。後に、七夕伝説と結び付けられて、「秦」を機織りの「機」に換えて現在の機物神社のイメージができたのだと。今日7月7日は「七夕祭」が催されています。
 「一年に 一夜と思えど たなばたの 遭い見む 秋の限りなき哉」
 交野市は、星に関わる伝説・地名が多いことでも有名だそうで、平安時代には大勢の宮廷人が遊猟に訪れ歌を詠んだのだとか。この歌もそのひつとで、当地を流れる天の川に架かる逢逢橋で年に一度の逢瀬を許された織女と牽牛の愛は永遠に続く深い仲であることを詠んだもので、紀貫之の作です。
 そうそう、7月7日は、東京で暮らす長男君のお誕生日でもありました。35歳、二児の父親です。

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