心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

NHK「知るを楽しむ」

2008-06-01 09:51:14 | Weblog
 気の赴くままに振舞う人間にとって週1回の休息日は貴重です。日曜日が潰れると2週目の後半は、頭がかちかちになって、思考力が低下し、次第に前のめりになっていく自分に気づきます。少し危険だなぁと思いながら、なんとか週末を迎えました。昨日今日は久しぶりの連休です。ふいに孫もやってきて、お祖父さんに愛想をふりまいてくれました。
 ところで、先週の日曜日は、午後から広島に出かけました。4時過ぎには宿所に到着したのですが、その日の仕事は夜8時30分からのホテルとの打ち合わせのみ。というわけで、市電を横目にJR広島駅界隈から平和公園をめざして徒歩で市内散策を楽しみました。
 八丁堀界隈から横道に入って、少し賑やかな商店街を歩きました。日曜日とあって、家族づれやら若者たちが街にあふれていました。喫茶店で休憩したあと、歩き出したところで、なんと古本屋さんを発見しました。ビルの1、2階を占めるしっかりしたお店でした。店主との雑談を含めて1時間はいたでしょうか。「南方熊楠の森」「柳田國男アルバム」の2冊をもって店を出ました。どうも最近、職場がごたごたしていて、無意識のなかで自分の足元を見つめる衝動にかられているようです。
 足元といえば、以前ご紹介したNHK教育テレビ番組「知るを楽しむ/グレン・グールド」が、先週27日に4回のシリーズを終了しました。これまで何気なく、しかしある種の拘りをもって聴いてきたグルードの、人となりを概観できました。なによりも、理屈だけでなく生前の映像を通して知ることができたのは幸いでした。楽譜を記号として構造化して見つめていく姿勢を貫くなかで独自の音楽観を創り出したグールドの姿が印象的でした。その、孤高の天才ピアニストと言われるグールドが、夏目漱石の「草枕」を愛読していたことも意外でした。ラジオ番組で自ら朗読したという当時の録音も聞くことができました。草枕の何が彼を惹きつけたのか。英語の題名は「三角の世界」だそうです。気になります。いずれ追ってみたいと思います。
 そうそう、NHK「知るを楽しむ」は、今週から8回シリーズで「オペラ偏愛主義」が始まります。しっかり録画しておこうと思います。その水先案内人である島田雅彦氏はテキストの序言で語っています。「壮大な夢、革命運動の揺り籠、古代への憧憬、日常からの逃避、おのが本能に目覚めるための神聖な儀式、そんなオペラの世界にひとたび誘惑されたら、もう帰ってこられなくなる」と。う~ん.....、納得です。
 きょうはバッハの「ゴールドベルク変奏曲」をグールドの演奏(1981年録音)で楽しみながらのブログ更新でした。檸檬の木にぶら下げている洋ラン「レリア・ロバタ」が意外と早く開花しましたので、その写真も添えることにしました。
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