心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

4月。桜を愛でて思う日々

2019-04-03 10:21:13 | Weblog

 新元号が「令和」になりました。妙な元号だったら嫌だなあと思っていましたが、発表を聞いてなんとなく素直に受け入れている私がいました。昭和生まれの私の名前にも「和」の一文字があります。そんな親近感からなんでしょうか。それとも万葉集という日本古来の空気感のようなものに親しみを感じたからなのでしょうか。昭和、平成を経て令和。令和の時代にこの世を去ることになるんだろうなあと、しみじみ思ったものでした。

 ところで、先週金曜日の夜のこと。名古屋は豊田市に単身赴任中の長男君から「仕事がうまく片づいたので週末に帰る」との短文メール(笑)。ちょうど土曜日は、近所に暮らす娘一家とお寿司屋さんで久しぶりに夕食会を開く予定にしていたので、何かの虫の知らせ??。突然の来訪者に春休み中の孫君たちも大喜びでした。
 夕食会が終わると、孫次男君がお爺ちゃんのお家に泊まりたいというので、連れて帰りました。カードゲームに余念のない孫次男君、一枚一枚解説をしてくれますがお爺さんは何のことかさっぱりわかりません。幸い長男君が知っていて、孫君の話し相手をしてくれました。
 単身赴任中の長男君は月に2回ほど家に帰るようです。小学生2人に幼稚園児1人をかかえてお嫁さんも大変そうですが、日々の動きは共に写真データをクラウドに保存していて、いつでも見ることができます。幼稚園の発表会の動画を見せてもらいましたが、ネット社会も便利になったものです。
 その翌日、孫次男君を娘に送り届けた後、長男君を見送りがてら京都・知恩院にお参りをしました。法然上人御堂でしばしお経をBGMのようにぼんやり聞いていましたが、多忙な日々が続く長男君も少し息抜きになったようです。
 そのあと、お花見客でごった返す岡崎公園を散策しました。古くから鎮座する大きな枝垂桜が、いちど耐えかけながら何とか復活できたようで、かつての雄姿を見せていました。それにしても、外国人観光客のなんと多いことか。八坂神社では外国人の新郎新婦の結婚式が行われていました。国際色豊かな京の街に様変わりです。
 四条河原町では、京都府の府市議会選挙の投票を呼びかけるキャンペーンが繰り広げられていました。綺麗に着飾った舞妓さんから「あぶらとり紙」をいただきました。大阪の私には選挙権はないのですが(笑)。一方の大阪は維新と他政党が真っ向から争うダブル選挙の真っただ中。ブログでは政治的なコメントは控えますが、さあてどうなんでしょう。
 少し早めに夕食を共にしたあと、長男君を京都駅までお見送りしました。そのあと、京都駅伊勢丹の美術館「えき」KYOTOに立ち寄りました。ちょうど今、「久保修 切り絵の世界~紙のジャポニズム」を開催中で、作者と懇意にされている東京の知人から優待券をいただいていました。久保さんは、大阪の大学の建築学科に在籍しているときに「切り絵」の世界に出会い、独学で切り絵の制作を始めたのだとか。現在では国内外で幅広くご活躍ですが、素朴で心優しい世界に癒されました。中島潔の世界もそうですが、古き良き時代を彷彿とさせるものがありました。歳ですかねぇ。
 そんな4月某日の帰り道、本屋さんで、NHKこころの時代(宗教・人生)のテキスト「禅の知恵に学ぶ」を買いました。「大人のための哲学入門」(若松英輔著/NHK出版)も。お勉強をしようという強い意思があるわけではありませんが、歳をとっても4月を迎えると何となくむずむずするものがあります。文字に飢える、もうひとりの私がいます。
   お勉強といえば、今週の講座のテーマは古典芸能でした。能「俊寛」を例に、中世の能楽が近世の歌舞伎へ展開する時代の流れを学びました。僅かな動作で内に秘めた熱い心情を表現する能の世界。大仰な言葉と所作で人の思いを表現する歌舞伎の世界。どちらも時代と共に生きてきた日本の伝統芸能です。こうした伝統芸能の保存と再生。これからどう永らえていくことができるのかどうか。悩ましいところでもあります。
 そうそう、来月、東京に出かける予定なので、気になっていた国立能楽堂を覗いてみる予定です。うまくチケットが入手できれば良いのですが......。

コメント (2)