心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

中之島文楽を楽しむ

2017-10-01 13:53:02 | Weblog

 歩き遍路の後も、今週はなにやかやと出かけております。一昨日は夕刻、大阪市中央公会堂で開かれた「中之島文楽」(大阪市・文楽協会共催)にでかけてきました。文楽ビギナーを対象にしたプログラムで、第一部は文楽入門トーク、第二部は「冥途の飛脚(道行相合かご)」と「ひらかな盛衰記(逆櫓の段)」の二曲。三味線にあわせた太夫の謡いと人形浄瑠璃を楽しみました。
 そのうち「冥途の飛脚」の舞台は、現在の御堂筋沿いの淡路町で、舞台の背景には生駒の山並みと大阪平野が描かれていました。今はビルが建ち並んでいますが、昔の大阪はおそらく山裾まで田畑が広がっていたんだろうと思います。そんな舞台を見つめていたら、先日歩いた徳島の田園風景が浮かんできました。人の「情」を演ずる文楽の世界がぐっと迫ってきました。
 この日は終演後、エントランスでお人形さんのお見送りを受けました。
 そして昨日は、中之島の朝日新聞社で関西スクエア賞受賞記念講演会があり、神戸女学院の河西秀哉先生と小説家・玉岡かおるさんのトークに耳を傾けました。「天平の女帝 孝謙称徳」に続いて、その前日に「花になるらん―明治おんな繁盛記―」を出版されたばかりの玉岡さんの、いつものとおり歯切れよいお話に、ついつい聴き入ってしまいました。こうして著者の肉声に触れることで、作品を立体的に受け止めることができます。
 休憩時間に窓の外をみると、目の前に玉岡さんの小説「負けんとき~ヴォーリズ満喜子の種まく日々」に登場する大同生命の本社ビルが聳えていました。以前、その2階にある展示室で「大同生命の源流"加島屋と広岡浅子"」を覗いたことがあります。
 ということで、気がつけば早や10月、今年もあと3カ月となりました。そしてわたしは明日から少し遠出をしてきます。そのため、ブログの更新は2週間ほどお休みをいただきます。過ごしやすい季節を迎えて、あっちに行ったりこっちに行ったり。ひとつの所にじっとしていられない落ち着きのなさは、当分治りそうもありません(笑)。

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