心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

紅葉のカナダ・アメリカ旅行(その2)

2017-10-18 22:49:02 | 旅行

 一カ月間のお休みも終わり、きょうカレッジのアドバンスコース開講式がありました。休憩時間には休み中の話題で盛り上がりましたが、同じ班の女性が来秋アメリカ東海岸にでかけるのだと。レンタカーで紅葉のカナダにも足を延ばしてみたいけど、どうだった?と。異常気象続きなので、天候をよく確かめて日程を決めた方が良いかもとアドバイスしておきました。 
 海外旅行から帰って以後、日本では毎日のように雨が降っています。気温も下がり11月下旬の寒さですが、カナダの紅葉はその後どうなったのでしょうね。ガイドの方がおっしゃっていました。ことしはインデアンサマーだったと。インデアンサマー?。秋になっても晴天が続き気温の高い日が続くことの意味だそうです。紅葉が例年になく遅れている一因のようでした。むかしアメリカ・インディアンたちがこの時期を利用して冬のために収穫物を貯蔵する作業をしたことが語源のようですが、その土地土地の歴史と文化を思います。
 あっという間に過ぎ去ったカナダ・アメリカ旅行でしたが、いろいろ気づいたこともありました。まずは「国境」の存在。島国育ちの私にとって馴染みの薄いことですが、近年のテロ対策のためでしょうか、以前に比べてずいぶん強化されています。セキュリティチェックも、空港だけでなく展望台など人の多く集まる場所では厳重を極めました。
 空港での出入国手続きは簡素化され、端末の画面で言語を日本語に選択すれば、写真撮影はあるものの比較的スムーズに進みます。厳しかったのはモントリオールからボストンに向かうとき。アメリカへの入国手続きは厳重でした。バスツアーであっても、バスを降りて一人ひとり拳銃を腰に携えた入国管理官のチェックを受け、両手の指紋をとられ、顔写真を撮影される。お国柄の違いを強く感じたものでした。
 国旗に対する考え方も、日本とはずいぶん違います。車窓を眺めていると、誇らしげにはためくカナダの大きな国旗に出会います。日本ならどうでしょう?。大きな日の丸が至る所ではためいている風景は、ちょっと考えられません。妙な先入観があるのかもしれませんが、「戦争」「右翼」そんなイメージが付きまといます。歴史的な経緯の違いなんでしょう。自分の国の国旗を誇らしげに掲げることに、ある種の羨ましさを感じたものでした。
 カナダもアメリカも多民族国家です。ヨーロッパ系の移民が多かったためか、旗には、それぞれの民族の融和を表すシンボルとして機能している面もあります。市庁舎に掲げられたモントリオール市の旗は、フランスの「アイリスの花」、イギリスの「バラの花」、スコットランドの「アザミの花」、アイルランドの「三つ葉のクローバー」をあしらったものでした。最近、真ん中に先住民の方たちを表す「松の木」を配するデザインに変わりました。建国の精神を大事にして多民族国家としての意思をカタチで示しています。
 カナダもアメリカも、国旗は何度か手が加えられて今日に至っています。多様性と柔軟性は、ある意味で同義語なんでしょう。日の丸も憲法も、時代に即した対応が求められているのかもしれません。いま、衆議院選挙の真っ最中です。右と左と中道。さあて、どうなるのでしょうね。カナダでもケベック州議会の補欠(?)選挙が行われていて、モントリオールの街には所々にポスターが掲出してありました。
 さてさて、今回のツアーのひとつの目玉は、ニューヨークのメトロポリタン美術館でした。過密なスケジュールながら、2時間半ほどの間、日本語の案内パンフレットを片手に見て回りました。といっても、全部を見るには時間が足りません。ヨーロッパ絵画、アメリカ美術を中心に見て回りました。
 驚いたことに、メトロポリタン美術館では、フラッシュをたかない限り写真撮影はOK。感動をそのまま写して持って帰ることができました。日本の美術館とはずいぶん違います。館内はWiFiが利用でき、Metアプリをダウンロードして館内案内を見ることもできます。 そういえば、アメリカ美術コーナーの一画に、帝国ホテル(東京)を設計したフランク・ロイド・ライトを称える一画がありました。春先に見学したライト様式の旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)を思い出しました。
 8月末に東京都美術館でボストン美術館展を観たばかりですから、ことしはアメリカの二大美術館を観たことになります。帰り際ギフトショップで、グスタフ・クリムト絵画「接吻」のジグソーパズル(1000ピース)を買って帰りました。ただいま家内が悪戦苦闘中です。(笑)

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