心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

春の連休に還暦祝

2009-03-22 10:04:46 | Weblog
 久しぶりの3連休。金曜日は愛犬ゴンタと一緒に日向ぼっこをしながら、ゆったりとした時間を過ごしました。だからでしょうか、ムスカリの花が玄関口のフラワーボックスで花芽を伸ばし開花しているのに気づきました。このムスカリ、昨秋、ご近所の方に球根をいただいたもので、我が家では初デビューです。一見、ブドウの実のように見えるので、別名ブドウヒアシンスとも言われます。花言葉は「通じ合う心」「失望」「失意」「絶望」「寛大な愛」「明るい未来」。何だかよくわかりませんが、明るい未来を運んでくれることを願っておきましょう。
 お彼岸の土曜日は、長女一家、家内の妹夫妻と一緒に義父のお墓参りをしました。併せて、義妹の旦那が満60歳の還暦を迎えるのを機会に、「還暦祝」の宴をもちました。ものの本によれば、還暦とは60年で再び生まれた年の干支に還ることから行われる儀式で、赤ちゃんに還るという意味から、魔除けの色の「赤いちゃんちゃんこ」や「赤頭巾」を身に付け、長寿を願ってお祝いをするのだそうです。
 おそらく昔の人たちは、こうして人生の節目節目に、過去を振り返り未来を見つめたのでしょう。それだけ「時」というものを大事にしていた、とも言えます。いや、「心」を大事にしているということなんでしょうか。天変地異や戦争に対する恐怖に慄きながらも、生きる道を見出していく直向きさのようなものが伝わってきます。
 そういえば最近、「おおらかさ」という言葉が気に入っています。国の政治経済の動向をみていると、いや、そんなに大上段に構えなくとも、日々の営みのなかで、私たちは小さな事柄に振り回されすぎていないか。だから、全体が見えにくくなっていないか。時代の大きなうねりのようなものが見えなくなってはいないか。そんな気がします。卑屈にならず、もっとおおらかに、心を開いて物事を見つめる「心のゆとり」のようなものがほしい。そんな気がしています。
 ともあれ、予約しておいたお店に全員揃ったところで、お祝いの儀式。家内がおもむろに「赤ちゃんちゃんこ」を取り出すと、みんな大笑いでした。義妹夫婦には、私の子供たちの入学、卒業、就職と機会あるごとに成長を祝ってくれました。最近は、孫君にまで。だから、子供たちにとっては良き叔父さんでもあります。まずは、感謝の心を込めて乾杯。美味しいお酒をいただきました。そういう私も、還暦がもう目の前に迫っていますから、他人事ではありませんが。
 そうそう、1カ月ほど前から気になっていたバス停近くの大きな柳の枝先が、このところの温かさで柔らかい緑色の花芽に変わりました。春の陽を全身に浴びて嬉しそうです。公園の桜の枝には、5つ6つの開花を確認しました。ひと足早く、我が街の「開花宣言」です。こうして一気に春に突入していくのでしょう。季節の移り変わり、そして人の歩みの節目。一人の小さな存在も目には見えない地球界のなかで生かされていることに気づきます。連休3日目のきょうは、あいにくの雨模様ですが、春の3連休を締めくくるには良い休日になりそうです。...と書き終えたところで、目の前の窓に、明るい春の陽光がちらりと輝きました。
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