名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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名張毒ぶどう酒再審認めずに江川紹子さんの怒り

2012-05-26 09:19:54 | Weblog
2012.5.26(土)
 名張毒ぶどう酒事件の第七次再審請求差し戻し審で、名古屋高裁は25日、奥西勝死刑囚の再審を認めないと決定した。
 高裁決定の骨子は次のとおり。
1.再審開始を認めた2005年の名古屋高裁決定を取り消す。再審請求を棄却する。
2.鑑定の結果、事件現場に残ったぶどう酒から、ニッカリンTに含まれる副生成物が検出されな
かったのは、加水分解が進んだためとみる余地がある。
3.毒物がニッカリンTであることと、当時の鑑定で副生成物が検出されなかったことは矛盾しな
い。
4.弁護団が提出したほかの新証拠を総合しても、ぶどう酒に農薬を混入できた者は奥西死刑囚以
外にいない。
5.奥西死刑囚の自白が根幹部分で信用でき、奥西死刑囚を犯人とした事実認定に合理的な疑いを
生じる余地はない。

 この決定に対して、ジャーナリストの江川紹子さんは怒り狂った。
『証拠に基づいて判断し、再審においても「疑わしきは被告人の利益に」という鉄則を適用する―。刑事裁判の原則を放り出したとしか思えない今回の決定は、司法の自殺行為と言わざるをえない。
 検察官が主張せず、証拠に基づかず、鑑定人が述べているわけでもない新たな仮説を持ち出し、弁護人に反証の機会さえ与えず、再審の扉を閉ざす。このような裁判所の対応は、あまりにアンフェアだ。下山保雄裁判長ら三裁判官は、人権のとりでとしての役割を果たすより、何が何でも確定判決を死守することの方が大切なのだろうか。』
 以下、さらに江川さんの怒りは続く。半世紀も前の事件の白黒について、我々一般人は正直何も分からない。しかし、自白したとはいえ、50年以上にわたって無実を主張する人が本当に犯人なのかというと、今回の判決のように「ぶどう酒に農薬を混入できた者は奥西死刑囚以外にいない」と断定してしまうことに躊躇してしまう。江川さんでなくとも「疑わしきは罰せず」という鉄則はどうなっているのかと言いたくなる気持ちもぬぐえない。
 弁護団は特別抗告をすると言っているので、これからさらに最高裁での裁判が続く。これからは、まさに86歳になる奥西さんの命との戦いとなる。


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