田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

洞窟での同床同夢の安らぎを憶える 麻屋与志夫

2018-12-13 11:42:47 | ブログ
12月13日 Thu.
洞窟での同床同夢の安らぎを憶える

●近所のほぼ同年輩の男性がふたりなくなった。ついこのあいだ、元気な姿をみたのに、お悔みをもうしあげる。

●妻もあまり健康ではないし、わたしも血圧が高い。「血圧の高すぎるのも立派な病気ですよ」と医者にいわれている。

●この機会に同じ部屋に床をならべて寝ることにした。ともかくモノカキとしての生活を長い間つづけている。そこへきて、わたしは若いときからの習慣なのだが夜、寝どこで本をよんだりメモることもある。ときには、小説をかいたりもする。もちろん明かりを点けなければならない。これでは隣りに寝ている妻にはいい迷惑だ。夜もおちおち眠れないということになる。

●遠距離同棲みたいだな、と冗談がでたくらいだ。わが家は間口がだだっ広い。妻との寝室との距離が30メートルくらいあるだろうか。夜などは、携帯で連絡をするしまつだった。

●東の六畳の部屋に布団をならべて敷いた。仲良くふたりでねることにした。

●驚いたことには熟睡できた。部屋が狭いのであまり寒くはない。それもあるだろうが――。畳みの上にじかに布団を敷いた。寝床との段差がないので、広々とした平原に寝転んでいるような感覚が背中から全身にいきわたる。安定感もある。壮大な気分になった。

●妻が隣にいると、穴居人が狩りを終え、洞窟にもどってきて家族と火を囲んで一家団欒の食事をしているような雰囲気を感じた。ようするに、安らぎをおぼえたということなのだろう。妻の寝息もかわいらしい。

●「パパ、歯ぎしりしなくなったわね」
と妻に言われた。若いときのような諸々の苦労がなくなったからだろう。

●これで新しい畳にでもしたら、藺草のニオイがして一層野趣に富みきぶんがいいだろうな。

●やはり人間の生活は自然と共に在るのだと実感したしだいだ。


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