田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

村上犀君の心やさしい言葉  麻屋与志夫

2018-12-08 07:27:05 | ブログ
12月8日Sat.
村上犀君の心やさしい言葉。

●11月30日のわたしのブログに書いた。
水墨画家の村上犀君が故郷であるこの街にきたときのことである。
妻が病気だったので、わが家に泊ってもらえなかった。

●某旅館に宿泊した彼が「ご飯はおなかにたまらなかった」といった。
何を言っているのか? と一瞬とまどった。
それでも、長い交流とはありがたいものだ。
すぐにわかった。

●料理がまずくて、おなかが満足するほどたべられなかった。
そういうことを婉曲に表現したのだ。
彼の家は飲食店だった。
横浜の中華街『同発』で彼に御馳走になったことがあった。
そのとき、彼の食事の味に関する話しには敬服したものだ。

●たしかに、口に合わなかっただろう。
それをあからさまに言わないところに、かれのやさしさがあった。

●この街では「ああ、コワカッタ」と言うのは「ああ、疲れた」と言う意味をあらわすことになる。
学生で東京に住むようになった時のことだ。
コワカッタとなにげなく言った。
誤解された。
「なにが怖かったの」ききかえされた。
それで、疲れたことを「こわかった」と言うのは、わたしの住む町の、お国ことばなのだと悟った。

●こわいは『強い』を語源としていると検索してみたら載っていた。
御強=おこわ……ご飯も、同じ語源らしい。
ふつうの御飯よりも、もち米なので噛むのに強い、ということなのだろう。
噛むのに疲れた。
と言う意味でつかってもあながち間違い、誤用ではないのかもしれない。
このへんのことは方言研究の専門家にきいてみなくてはわからない。

●はらにたまらなかった。
と言ったときの、かれの困ったような、悲しそうな顔をいまでも思い出す。
わたしはさっそく「さのや蕎麦店」に彼をさそった。
この地方の蕎麦はまちがいなくおいしいことを知っている彼の顔がほころんだ。


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