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組員の動静すべてを掌握しているのは。
このコンピューターだけだ。
その操作をしながら、中新井は橋本にいま調べたことを。
知らせる。
「三品さんよ。わかったことがある。
こんどはこっちから情報をやる。
男は榊隼人。直人の従弟だ。フロリダ在住の空手マンだ」
「それが、どうして今頃日本にきたのでしょうね」
「これはマル秘なんだが、
直人のパソコンが3年ぶりに動きだした。
隼人の仕業だろう。
ということは、隼人は直人の仕事を引き継ぐ気だ」
橋本は中新井から知らされたことを三品に流した。
プレス関係の情報源として重宝な三品だ。
たまにはこちらから情報を流すのも付き合いというものだ。
居酒屋『庄屋』大森店。
そこで橋本を天野と。
カギ師のケンさんが。
が――まっていた。
「どじっちまってもうしわけありません」
「熊倉は残念だった。ベストの処置だと思う」
「ありがとうございます」
会話だけ聞いているとありふれたサラリーマンのものだ。
橋本たち渉外部の武闘派はすこぶる紳士的だ。
少しくらい聴き耳たてられてもあやしまれない。
極ありふれた日常会話としかとられない。
それが怖いのだ。
人を消すのも日常の仕事。
なんのためらいもない。
「邪魔したのは、榊隼人。直人の従弟だ。
それから熊倉の死体の処理が上手すぎる。
おそらく、ヘリに同乗していた女は黒髪につながるものだ」
「こんどは、注意してかかります」
「おれもいく」
排除が必要だ。
すこしでも、組の営業に不利益を将来もたらすヤツは早めに。
芽を摘む。
剪定する。
根こそぎ抜き取る。
橋本と天野とケンさんは、大森から京浜東北線で品川にでた。
3年も探して見つからなかった。
榊直人のマンションだ。
それが直人の部屋のパソコンが作動した。
それだけで中新井がすべてをキャッチした。
新しいタイプの筋ものと自負している橋本。
中新井が――。
おもしろくない。
でも一目置かないわけにはいかない。
コンピューターが仕事をする。
それがどうもまだ納得できないのだ。
アイツはおれよりも先をいっている。
おれよりも、新しい。
ピッカピッカの新ヤクザだ。
中山美智子を誘拐しろ。
その命令だって。
コンピューターの液晶画面に映ったボスから受けた。
どう考えてもやはり納得できない。
中新井が新しいシステムをつくりあげたからだ。
ボスの唾を浴びながら指令をだされていたころが。
なつかしい。
マンションへは裏の非常階段から潜入した。
「だれもいないのかな」
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直人のパソコンが3年ぶりに動きだした。
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プレス関係の情報源として重宝な三品だ。
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そこで橋本を天野と。
カギ師のケンさんが。
が――まっていた。
「どじっちまってもうしわけありません」
「熊倉は残念だった。ベストの処置だと思う」
「ありがとうございます」
会話だけ聞いているとありふれたサラリーマンのものだ。
橋本たち渉外部の武闘派はすこぶる紳士的だ。
少しくらい聴き耳たてられてもあやしまれない。
極ありふれた日常会話としかとられない。
それが怖いのだ。
人を消すのも日常の仕事。
なんのためらいもない。
「邪魔したのは、榊隼人。直人の従弟だ。
それから熊倉の死体の処理が上手すぎる。
おそらく、ヘリに同乗していた女は黒髪につながるものだ」
「こんどは、注意してかかります」
「おれもいく」
排除が必要だ。
すこしでも、組の営業に不利益を将来もたらすヤツは早めに。
芽を摘む。
剪定する。
根こそぎ抜き取る。
橋本と天野とケンさんは、大森から京浜東北線で品川にでた。
3年も探して見つからなかった。
榊直人のマンションだ。
それが直人の部屋のパソコンが作動した。
それだけで中新井がすべてをキャッチした。
新しいタイプの筋ものと自負している橋本。
中新井が――。
おもしろくない。
でも一目置かないわけにはいかない。
コンピューターが仕事をする。
それがどうもまだ納得できないのだ。
アイツはおれよりも先をいっている。
おれよりも、新しい。
ピッカピッカの新ヤクザだ。
中山美智子を誘拐しろ。
その命令だって。
コンピューターの液晶画面に映ったボスから受けた。
どう考えてもやはり納得できない。
中新井が新しいシステムをつくりあげたからだ。
ボスの唾を浴びながら指令をだされていたころが。
なつかしい。
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