田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

不穏な潮騒がきけてくる? /麻屋与志夫

2011-04-16 20:32:33 | Weblog
4月16日 土曜日

●餃子会館はやっていなかった。
入口には有刺鉄線が張り巡らされていた。
改築でもするのだろう。

●しかたないので某ホテルでハンバークをたべた。
おせじにもウマイとはいえないあじだった。
食材屋の冷凍物をあたためたのかな?
利益優先でこの町の人はものを考えすぎる。
その弊害があらゆる商店ででている。

●オリオン通りはシャッタ通りとなっていた。
はやく再生しないと、寂れるばかりだ。

●11時20ぷんごろ強い地震があった。
東武デパートの落合書店で買ったSPECⅢを読んでいた。
驚いて床に座り込むひともいた。
わたしは悠然と本を読みつづけていた。

●なにかおかしなことばかり起きる一日だった。
詳細は書き止めないが、平穏な日常の調和にホコロビがみえてきたようだ。

●どこがどうということはわからないのだが、
なにが地震のまえとはビミョウにちがうのだ。

●テレビをみても食べ物ネタが多すぎる。
一億総グルメなどといっている。
なにも、かわっていない。
これでいいのかな?
これからまちがいなくやってくる深刻な不況に。
どれだけの飲食店が耐えられるだろうか。

●東北で飢えている人がいるのに。
飢えないまでもなかなか食料がてにはいらないのに。
あじのよしあしをいうのは不謹慎なのかもしれない。
などと、ハンバークのあじをおもいだしながら思った。
もう外食はしない。
カミサンの作ったものだけを食べよう。

●地域差があらゆる分野で広がるだろう。
とくに教育の格差はおどろくべきものになる。
そんな予感がする。
教科書が厚くなる。
難しくなる。
どうなるのだ???

●戦後日本は文化国家の樹立を目指した。
もう一度、文化についてかんがえなおさなければならないだろう。

●どこに流れ着くのだ。日本。
社会の仕組みが液状化してしまった。
そのことだけでも、認識しておく必要がありはしないか。


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記者会見(4)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-16 19:23:02 | Weblog
4

後ろでシャッターを切る音がする。
美智子の悲鳴のようにきこえる。
耳障りな音。
シャッターの音。

「わたしの友だち。心配ないから」
ふいに現れ、美智子をかかえて走るふたり。
警備の局のガードマンが声をかけた。
「あんたら、なにものだ」
「わたしの友だち。心配ないから」
 美智子の返事だ。
 意外としつかりした音声だ。

「舌先がピリッとしびれた」 
「医務局へいくほうが」
局の男が言う。
「そうして」
「中山さん。だいじょうぶですか」
美智子担当の男、原村が声をかける。
地味な紺のストライプの背広をきている。
目立たないように配慮しているのだ。
「心配しないで。なんともない」 
神経がぴりぴりしていた。
だれかに襲われるのではないかという不安があった。
水が舌先にぴりっときた。
それで恐怖におそわれた。
パニックを起こした。
「水はすぐに吐き出した。一滴も飲んでなかった」
それでも、医務室の椅子にすわると、
「直人。わたし こわい」
と……隼人の手を放さない。
「美智子さん。
わたしと隼人がついている。
守るから。二人で守るから。
すこしよこになったら」
キリコがおとなびたようすで美智子をいたわる。
美智子は直人と呼びかけたことに気づいていない。
それでも素直に医療用の機能つきのベッドに横になる。
すんなりとした両脚をそろえてのばす。
目を軽く閉じる。

「直人がきてくれてよかった」
気丈にふるまっている。
だが、かなり混乱してもいる。
PTSDから立ち直っているわけではなさそうだ。
いや隼人の出現が。
あらたな悩みをもたらしてしまったのかもしれない。
「水はのまなかったわ」 


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