田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

鹿沼クレーン車事故/瞬間睡眠症候群 麻屋与志夫

2011-04-19 13:05:24 | Weblog
4月19日 火曜日

●鹿沼の登校中の小学生6名死亡。
何とも痛ましい事故が起きてしまった。
オヤゴサンの悲しみははかりしれないものだろう。
「親は、気が狂っちゃうべナ」
と近所のひとたちも呆然としていた。
ほんとうになんと慰めたらいいのか言葉をうしなった。

●全貌が明らかになってきた。
クレーン車の運転手が居眠りしていた。
会社をでて700メートルくらいですよ。
信じられませんね。
とテレビでコメンテーターが話していた。

●地元で小さな学習塾をわたしは主宰している。
ストレートなモノ言いをするので、誤解を受けることがある。
それで昨日のこのブログでもおおくを語らなかった。
でもすこしだけつ加えたくなった。

●15年くらい前からなんとも理解のできないことが起きている。
わたしは、瞬間睡眠と呼んでいる。

●生徒は部活動に疲れ、
ゲームに没入し、
テレビを見過ぎたり――と眠いものらしい。
眠いのをがまんして、コックリコックリ。
これはかわいらしい。
「さあ、眠いだろうがいますこし頑張ろう」と励ましてやる。
うとうとしていたのに懸命に眼を開き授業にもどってくれる。

●ところが。
ガラッと引き戸を開けて教室に入ってくる。
じぶんの席につく。
ガクッと額が机にあたる。
もう眠ってしまっている。

●もののみごとに眠ってしまう。
瞬間のできごとだ。

●「勉強は睡魔との戦いなんだよ。
眠いのをがまんして、勉強する。
ガンバッテ」
などとはげましても効果はない。

●「もし車を運転していたら大変なことになるよ」

●そう言いつづけてきて――15年になる。

●事故を起こした運転手は薬物摂取の恐れはないらしい。ほんとうに居眠りしてしまったのだろう。

●だからわたしは、この件に関しては警察には絶対に責任はないと思う。
なにかあると警察が怠慢だ、
市役所がわるい。
といいたいだろうが。
それではなにも解決しない。
どうしても責任を誰かにかぶせたいのなら、
それはわたしも含め、
子どもたちの教育にたずさわっているものが。
かぶらなければならないような気がする。

●でも、現実問題としてこうした睡眠に陥る子をどう教育したらししのか。
わからない。
識者の意見をききたいものだ。



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裏鹿沼(2)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-04-19 10:03:17 | Weblog
2

美智子は元気に出かけた。
心配かけたわね。
こちらは、なんの情報もなかったから心配はしていなかった。

また映画の仕事に復帰したてこちらはおおいそがしよ。
という連絡だった。

なるほど、忙しいらしい。
里恵からの電話はかかってきたときとおなじようにあわただしく切られた。
でも里恵はなにか不安をかかえていると父親の直感がとらえた。
どんな不安なのだ。

なにが起きようとしているのだ。
娘の不安が父に乗り移った。
孫の美智子。
智子の智をとって命名した初孫。
ひさしぶりで、テレビをつける。
中国からの冷凍餃子の中毒問題を報じている。
メタミドスという殺虫剤が混入されていたという。
その原因と犯人は、まだわかっていない。
数年前とまったく同じような事件が起きている。
なにも改善されてない。
世の中いやなことばかり起きる。
いやなことが起こりすぎる。
人は真摯に前向きで生きていこうとしている。
希望を持って明るく生きていこうとする。
この不況に耐えている。
それでは、おもしろくない。
そんな連中がいる。
人を苦しませて、生き血を吸ってたのしんでいる。
人の苦悩は、悪魔の逸楽。
そうこの世には悪魔がいる。

翔太郎と智子の二人は、
東京の娘や孫を思いながらひさしぶりにテレビを見た。
でも、テレビの画面に集中できない。
ひさしぶりでみたテレビなのに。
画面に黒い雪が降ったり、
横線がはいったり、
全体にぼやけたりしている。
翔太郎は汗をかいていた。

今電話で話したばかりの里恵のことが心配だ。
里恵は「美智子は元気に出かけた」といっていた。
それでも里恵の声には不安が感じられた。

なにかある。
なにか起きる。
翔太郎は胸騒ぎがした。
手にまで汗をかいている。
汗は暑さのためではない。
前日光高原といわれる地名が示すように確かに日光の隣町だ。
でも鹿沼そのものは低地にある。
もう初冬の寒さだ。
いくらエアコンをつけているからといって。
それほど暖房がきいているわけがない。

恐怖だった。
恐怖で汗をかいていた。



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