ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『解放朝鮮の歴史・下巻 』 ( 大国に挟まれた、小国日本の危機 )

2018-02-12 18:07:41 | 徒然の記

 『解放朝鮮の歴史・下巻』を読了。とても不愉快でしたが、参考になる本でした。

 下巻の内容を簡単に言いますと、「互いに協力し、朝鮮に統一政府を作ろう」というソ連との約束をアメリカが破り、強引に李承晩政権を拵えたことに対する、激しい非難と攻撃です。

 不快感をこらえながら読みますと、今の日本の置かれた状況と朝鮮との関係が、嫌でも浮かび上がってきます。米国のアジア政策を抜きにしては、朝鮮も日本も語れないと予想していましたが、事実はそれ以上の残酷さでした。

 大国に挟まれた小国は、大国同士の対立の余波でもみくちゃにされるという事実を、教えられました。最近の沖縄では、反日政党が左翼活動家を利用し、沖縄の独立を叫ばせています。

 朝鮮が、米ソに半分ずつ支配され、国民の願いとは別に分断国家になってしまった頃、中国はまだ蒋介石と毛沢東が戦っていました。現在の中国は、アメリカと並ぶ強国に台頭し、太平洋を半分ずつ支配しようと、そんな提案を米国に持ちかけています。

 翁長知事以下親中派の政治家が、共産党や社民党と手を組み沖縄独立運動を進めるとしたら、当時の朝鮮と同様内紛と流血の惨事が生じます。

 沖縄の一般住民は、米国と中国の戦争に巻き込まれ、親兄弟や友人知人との仲を引き裂かれます。沖縄の騒動は即座に本土へ波及し、日本中が一気に不安定になります。

 幕末の日本も勤王と佐幕とに分かれ、国内で戦争をしましたが、当時の日本人はどちらの側も「愛国心」と「皇室への尊崇の念」を共有していました。

 沖縄の反日左翼には、「愛国心」と「皇室への尊崇の念」がありませんから、勝海舟と西郷が交渉し、江戸城の明け渡しを決めたような妥協は生まれません。反日左翼議員たちの忠誠心が中国にあるのか、ロシアにあるのか知りませんが、いずれにしても彼らは、日本を嫌悪する「皇室撤廃論者」です。

 流血の戦いが生じると、たちまち日本は、米・中・ロの干渉を受け、出口の見えない内戦となります。こういう事態になれば自民党の議員も目が醒めるのでしょうが、現状では頼りない保守党です。大阪市長の吉村氏が、ロサンゼルスの「売春婦像」に抗議した時も、自民党の議員は協力しませんでした。

 沖縄独立運動などと野党がバカな動きをしていても、沖縄県議会の自民党議員は、反対の声も上げません。左翼勢力が支配する沖縄なので、彼らだけを責める気はありません。本土の自民党が強力な支援をしないのですからが、彼らにだけ行動を促すのは無理です。

 敗戦後は、物分かりが良く傍観するだけの、無責任自民党議員が多くなりました。他国の武力が介入し国論が割れたら、修復不可能な日本になるはずです。

 いつものように、コンデ氏の著書の紹介から外れてたように見えるかもしれませんが、「ねこ庭」の中では繋がっています。それを証明するため、昨日のブログから、再度慶喜公の言葉を転記します。

  ・わが方の風として、朝廷の命にて兵を指揮する時は、百令ことごとく行わる。

  ・たとえ今日、公卿大名の輩より申し出たる事なりとも勅命には違反しがたき国風なり。

  ・されば今兵を交えて、この方勝利を得たりとも、万万一天朝をあやまたば、末代まで朝敵の悪名をまぬがれがたし。

  ・さすれば、昨日まで当家に志を尽くしたる大名も、皆勅命に従わんは明らかなり。

  ・従来の情誼によりて、当家に加担する者ありとも、国内各地に戦争起こりて、三百年前の如き兵乱の世となり、万民その害を受けん。これ最も余が忍びざるところなり。

  つまり皇室は、武家の棟梁である将軍でさえ、その権威には刃向かうことができないものでした。信長も秀吉も、天皇から官位を得て「天下びと」となり、初めて諸国に君臨出来ました。
 
 こういう皇室の存在を、西洋風の「合理主義」や「人間平等」や「男女同権」で語ろうとするのが、そもそもの間違いです。
 
 敗戦後の日本は、朝鮮ほどには米ソに干渉されませんでしたが、それは朝鮮に比べた時の話です。「平和憲法」が素晴らしいとのんきなことを言っている時は、とっくの昔に終わっています。
 
 沖縄から、大阪市議会から、国会から、皇室まで眺めますと、「平和憲法を守れ」で済まされる話はどこにもありません。
 
 本日も本題を外れ、スペースを使い過ぎました。明日はコンデ氏の著作から、日本の危機を感じ取ってもらえるように、まとめたる予定です。怒りをこらえての読書なので、健康のため次回で終わろうと考えています。
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