ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

森達也氏の小説 - 3 ( 情報操作の始まりです )

2022-07-30 23:03:07 | 徒然の記

 安倍氏が凶弾で斃れた今、千葉の片隅の「ねこ庭」で、自分なりに現状を整理しています。これから、平成29 ( 2017 ) 年7月のブログを紹介します。

 新聞の記事でなく、参議院議員会館の講堂で開かれた講演会の動画です。講演会の主催団体は、「戦争をさせない1000人委員会」と言い、「憲法九条を守る会」と繋がりがあります。

 演壇の後ろ壁に、「安倍政治を終わらせよう」という横断幕が巡らせてあります。講演者は民進党の議員二人と、もう一人でした。前座の議員たちが、国会での審議が安倍総理の主導で、いかに横暴に進められたかと報告し、悪口を言うたびに会場から拍手が起こっていました。

 私の視線が止まったのは、保坂正康氏が登壇し、喋り始めた時からです。私にとって、反日か保守か旗色不鮮明だった氏が、この場では紛れもない反日評論家でした。氏の言葉を紹介します。

 「今の安倍政権がやっていることは、行政独裁なんです。これは、戦前の軍事独裁と同じ性格のものなんです。」

 「現在の憲法は、まだ平和憲法ではありません。非軍事化憲法に過ぎないのです。これを私たちの力で、本物の平和憲法にしていかなければなりません。」

 聴衆が氏の話に聞き入り、氏は博学者らしく訓示を述べました。

 「私たちは、自分が歴史の中に生きているということを、自覚しなくてはいけません。今目の前で行われていることが、どんなことであるのか、過去の歴史から学ばなければなりません。」

 「安倍政権が行っている一連の法律は、戦前の軍事国家への歩みなんです。テロ防止法なんて、戦前の共謀罪ですよ。国民を監視し、公安が拷問で国民を弾圧する、そんな法律です。人間不信の、悲しい、暗い社会ですね。」

 「安倍総理や自民党の議員がこんなことをするのは、彼らが歴史を知らないからなんです。歴史をきちんと認識していれば、過去の過ちを反省し、こんな法律は作れないはずですし、憲法改正なんて、言うはずもありません。」

 どんな人間が集まっているのか、氏の言葉のはしはしで拍手が起こり、賛同の声が聞こえました。氏の話を聞く限り、氏の歴史とは、たった70年前の戦時下の昭和時代です。狭く、短い歴史観から下される日本への断罪、こんな話に拍手をしているのですから、聴衆は「お花畑に住む人間たち」と理解しました。

 左翼活動家の主宰する講演会のおかげで、保坂氏が「東京裁判史観」を信じる人物だったと分かりました。世界中の国の中で、悪いのは戦前の日本だけだったと、どうしていつまでもこんな話を続けていられるのでしょう。すぐそこに北朝鮮のミサイルが飛んできて、日本が威嚇され挑発されているのに、一言も触れない評論家の話に、なぜ疑問も抱かないのでしょうか。

 こんな氏が共同通信社や朝日新聞の論客として記事を書き、テレビにも顔を出しているのです。このお粗末な偏見の反日講演会が、参議院議員会館の講堂で開かれている事実にも、首を捻りました。民進党の議員が便宜を図ったから、反日講演会が参議院会館で開催されたのでしょう。

 安倍総理はヒトラーみたいな独裁者だと、彼らは口を揃えて言いますが、総理が独裁者なら、議員会館での講演会を許可しません。彼らは喋る前に刑務所行きでしょう。こんなあからさまな反日と、政府攻撃の集会も取り締まれないほど、むしろ安倍内閣は無力でした。

 講演会の主催団体は、「戦争をさせない1000人委員会」で、この委員会は、「憲法九条を守る会」と繋がりがあります。「戦争をさせない1000人委員会」の賛助会員の名前を紹介します。

 故人になった人物も含まれますが、間違いなく彼らは、日本の「獅子身中の虫」で、「駆逐すべき害虫」です。おれおれ詐欺と同じですから、騙されないように注意が必要です。

    〈 「戦争をさせない1000人委員会」の賛助会員名 〉

   アーサー・ビナード(詩人)           青井未帆(学習院大学教授)

  愛敬浩二(名古屋大学教授)                     赤川次郎(作家)

  秋葉忠利(元広島市長)                            雨宮処凜(作家・活動家

   飯島滋明(名古屋学院大学准教授)           飯田哲也(社会イノベーター)
   池田香代子(翻訳家)                              石坂啓(マンガ家)
   伊藤真(弁護士・伊藤塾塾長)                  宇井孝司(アニメーション監督)
   上野千鶴子(社会学者)                           鵜飼良昭(弁護士・日本労働弁護団会長)


   浮田久子(平和の白いリボン行動・藤沢)    内田雅敏(弁護士)
   内橋克人(経済評論家)                             内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
   梅林宏道(ピースデポ特別顧問)                 浦田一郎(明治大学教授)
   永六輔(放送作家)                                    大江健三郎(作家)
  大熊政一(弁護士・日本国際法律家協会会長)  大田昌秀(元沖縄県知事)
  奥平康弘(東京大学名誉教授)                        奥野恒久(龍谷大学教授)
  小山内美江子(脚本家)


  小田川興(在韓被爆者問題市民会議代表、元朝日新聞編集委員)
  落合恵子(作家)                                           海渡雄一(弁護士・元日弁連事務総長)
  香川京子(俳優)                                           鎌田慧(ルポライター)
  香山リカ(精神科医)                                  河合弘之(弁護士・脱原発弁護団全国共同代表)
  川野浩一(原水爆禁止日本国民会議議長)      木内みどり(女優)
  木村朗(鹿児島大学教授)                            金城実(彫刻家)
  熊谷博子(映像ジャーナリスト)                   組坂繁之(部落解放同盟中央執行委員長)
  倉本聰(脚本家・劇作家・演出家)                 纐纈厚(山口大学教授)
  古今亭菊千代(噺家・真打)                          古関彰一(憲政史家)


  小橋孝一(日本キリスト教協議会議長)          小林緑(国立音楽大学名誉教授)
  小室等(フォークシンガー)                           小森陽一(東京大学教授)
  早乙女勝元(作家)                                        坂田雅子(映画監督)
  坂本洋子(フリージャーナリスト・NPO法人民法改正ネットワーク(mネット)理事長)
  坂元良江(テレビプロデューサー)                    佐々木猛也(弁護士)
  佐高信(評論家)                                             澤地久枝(作家)
  ジェームス三木(脚本家)                                篠原義仁(弁護士)


  清水雅彦(日本体育大学教授)                         辛淑玉(「のりこえねっと」共同代表)
  新谷のり子(歌手)                                         進藤榮一(筑波大学名誉教授)
  菅原文太(農業生産法人代表)                          SUGIZO(音楽家・ミュージシャン)
  鈴木力(社団法人「マガジン9」代表理事)            瀬戸内寂聴(作家)
  高作正博(関西大学法学部教授)                          高遠菜穂子(イラク支援ボランティア)


  高橋哲哉(東京大学教授)                                  高畑勲(アニメーション映画監督)
  高原孝生(明治学院大学教授)                             高良鉄美(琉球大学教授)
  田中優子(法政大学教授)                                   谷口真由美(大阪国際大学准教授)
  谷山博史(日本国際ボランティアセンター(JVC)代表理事)
  崔善愛(ピアニスト)                                   辻山幸宣(公益財団法人地方自治総合研究所所長)
  土屋源太郎(「伊達判決を生かす会」共同代表)
  土山秀夫(元長崎大学学長)                           坪井直(被爆者)


  富山妙子(画家)                                           鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
  なかにし礼(作家)                中野麻美(弁護士・日本労働弁護団常任幹事)
  中原道子(VAWW RAC 「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター共同代表)
  中山千夏(作家)                                            西尾漠(原子力資料情報室共同代表)
  西谷敏(大阪市立大学名誉教授)                      西野瑠美子(VAWW RAC共同代表)
  浜矩子(同志社大学大学院ビジネス研究科専門職学位課程教授)


  林郁(作家)                                                   原和良(弁護士)
  樋口恵子(評論家)                                         樋口陽一(憲法学者)
  福山真劫(フォーラム平和・人権・環境 代表)       舟越耿一(長崎大学名誉教授)
  古川純(専修大学名誉教授)                            前田朗(東京造形大学教授)
  前田哲男(ジャーナリスト)                           松浦悟郎(日本カトリック正義と平和協議会会長)
  南典男(弁護士・日本民主法律家協会事務局長)
  宮城泰年(聖護院門跡門主)                             宮子あずさ(看護師・著述業)
  宮里邦雄(弁護士・日本労働弁護団元会長)


  本島等(元長崎市長)                                       本橋成一(写真家)
  森詠(作家)                                                     森達也(ノンフィクション作家)
  矢﨑暁子(弁護士)                                           山内敏弘(憲法研究者・一橋大学名誉教授)
  山口二郎(北海道大学教授)                              山崎朋子(ノンフィクション作家)
  山田真(小児科医)                                           山田洋次(映画監督)
  山中悦子(NPO法人「草の根援助運動」)           由井晶子(フリーライター) 


  湯川れい子(音楽評論・作詞家)                        吉岡しげ美(音楽家)
  吉岡達也(ピースボート共同代表)                     吉川勇一(「市民の意見30の会・東京」代表)
  渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)事務局長)
  和田春樹(東京大学名誉教授)
                             (計121人)

  ( 注 )   森達也氏については、赤字で表示しました。

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森達也氏の小説 - 2 ( 情報操作の始まりです )

2022-07-30 12:24:38 | 徒然の記

 共同通信社が、記事の隅っこに森達也氏の略歴を掲載しています。

 「1956 ( 昭和31  ) 年広島生まれ。関東大震災直後のデマが引き起こした〈福田村事件〉を題材に、初の劇映画を製作中。『ぼくらの時代の罪と罰』など著作多数。」

 初めて聞く名前だと思っていましたが、「ねこ庭」の過去ブログを見ていたら、氏の名前が3回出てきましたので、該当する部分を紹介します。

 〈 平成28年6月の「ねこ庭」のブログ 〉

「揺れる九条、反対根強く。」「安部政権下の改正反対56%「問われる立憲主義」「中身より、とにかく改正」「縛るのは権力か国民か」

 これが共同通信社の記事の見出しで、「ねこ庭」のブログの説明が続いています。

 「今年の1月以来、こうした見出しの記事が紙面を飾っている。森達也氏とか、流通経済大学の植村教授、シールズの奥田某とか、何がなんでも日本の軍備反対派たちの意見が、派手に紙面を飾っている。」

 次に、こんな説明が続いていました。

 「年々増えるヒスパニックに対し、少数派に転落する白人の不安が、過激なトランプ氏への支持につながって行くと述べ、これに関する森達也氏の言葉を紹介する。」

 「森氏は、中国や朝鮮半島への批判が溢れる日本のネット空間とも重ね、 群 ( むれ ) は、異質なものを排除したくなる。 」「 ネット右翼的言説の、本質だ。 」

 〈 平成29年7月の「ねこ庭」のブログ 〉

 「国民、舐めんな!!」「 まともに答えろ!!」「 安倍から、自由を守れ!!」「 安倍から、未来を守れ!!」

 これが共同通信社の記事の見出しで、「ねこ庭」のブログの説明が続いています。

 「5月19日に採決された〈テロ等準備罪〉の成立について、非難する人々の言葉がこれです。安倍独裁、民主主義の破壊と、激しい言葉が並んでいます。安倍政権に多数を与えた国民の負託に応えたわけですから、私はこうした批判をする人々に同調しません。」

 「多様な意見があるのが民主主義社会なので、中身のない非難でも排除しません。しかし活動家と共に、多少名前を知られた人々が法案に反対を叫び、それをマスコミがどれほど大きく報道してきたのか。ここについては疑問を覚えます。」

 安倍元総理への憎悪に近い報道が、ずっとこうして続いていたのだと、再認識しました。次の部分で、森氏の名前が出てきます。

 「〈危機感を強める表現者たち〉という見出しで、同社の4月22日の記事がありました。映画監督の森達也、漫画家のちばてつや、作家の森絵都の各氏が、日本ペンクラブ主催のイベントでマイクを握りました。」

 彼らの主張を紹介していますが、今と同様、自己中心的な奇妙な意見です。

 「犯罪とは、やり終わったものを言うのが原則です。計画段階から処罰の対象となるのですから、私たち市民生活に直接響きます。」「国はあなたを守りますというマスクをかぶりながら、私たちへの監視を強めていきます。」

 紹介しながら気づきましたが、この意見は共産党の支配下にある日弁連が、大会で安倍氏を批判した言葉と同じです。だから私の意見は、今とこの時も同じです。

 今回の安倍氏暗殺テロを見れば分かる通り、山上が実行した後で処罰しても安倍氏の命は戻りません。計画の最中に取り押さえなくて、どうするというのでしょう。国を転覆したり、無差別のテロを計画したり、こうした確信犯をそのままにしておけと言うのでしょうか。

 「政府が国際基準に合わせて法律を作り、他国との情報交換ができるように法整備をしたことを、こうした偏見の主張で歪めてどうするのでしょう。私たち国民に影響があるのでなく、邪悪な計画をする犯罪者が監視されるだけで、普通に暮らしている者が取り締まられるわけがありません。」

 森達也氏の名前が、他の反日左翼の著名人と一緒に出てくるので、「ねこ庭」で取り上げても意識していなかったことが分かりました。同時に私は、こういう反日左翼の人々を使い、共同通信社が世論操作や誘導をしていることを紹介しています。

 次回も氏の名前が出てきますが、多数の中の一人ですから、こうして焦点を当てなければ、分からないまま終わっていたと思います。保守の人の中に、「安倍氏暗殺の原因に、マスコミを上げるのはどうか ? 」と、首を捻る人もいますが、私はそう思いません。

 「前回のブログ」「今回のブログ」「次回のブログ」を読まれたら、マスコミが「総理暗殺」の扇動をしていたと思われるのではないでしょうか。彼らは「憲法改正」を言う安倍元総理については、不自然なほど憎悪し、口を極めて攻撃してきました。

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森達也氏の小説 ( 情報操作の始まりです )

2022-07-29 19:21:32 | 徒然の記

 7月15日の金曜日、共同通信社は千葉日報新聞など全国の地方紙に、次の見出しで改憲反対姿勢の記事を配信しました。

 「物価高、月内に予備費支出」「電力安定へ原発9基稼働「ムードだけで改憲できない」「公明党幹部」

 青字で表示した見出しが、情報操作の部分でした。同社はその同じ日の13面の文化欄に、紙面の4分の1を使い森達也氏の長編小説の紹介をしています。

 息子たちに言います。前回のブログの言葉をもう一度思い出してください。

 「意見の一部だけを取り出し、「ムードだけで改憲できない」と報道するのは、マスコミの情報操作です。中国や北朝鮮やロシアのように、大嘘を報道する厚顔さに比べたら、日本のマスコミはまだましです。少しずつ、少しずつ、世論を誘導していくのですから、その分巧妙で悪質なのかもしれません。」

 読者に気づかれないように、少しずつ世論を誘導するちょうど良い見本が、この記事です。文化面で、しかも小説の紹介がなぜ「憲法改正」反対に繋がるのか。「ねこ庭」を訪問される方々にも、説明いたします。

 「上皇ご夫妻へのラブレター」「菊のタブー 危うさ懸念」

 見出しに続いて、記事の書き出しを紹介します。

 「オウム真理教のドキュメンタリーで知られる、映画監督の森達也さんが、長編小説『千代田区一番一号のラビリンス』を刊行した。」「退位前の上皇ご夫妻を事実上の主人公に、その素顔を描く冒険ファンタジー。」「明仁さん、美智子さんへのラブレターですと、森さんは言う。」

 ラビリンスという聞き慣れない語は、迷宮・迷路という意味ですが、魔宮の迷路として子供たちのゲームにあると言いますから、もしかすると小学生の孫たちにはなんでもない言葉なのかもしれません。

 森氏は反日左翼の人物ですから、両陛下への礼節もわきまえず、厚顔さは中国、韓国・北朝鮮並みです。著書の目的を、説明しています。

 「憲法の規定で政治的発言ができない二人が、何かを表現している。でもメディアは憚って、この意図に踏み込まない。翻訳してくれない。」「ならば自分で物語にするしかない。国を代表して、国策の犠牲者に心を寄せる。そんな二人の気持ちを、〈妄想〉した。」

 上皇陛下と美智子様のお気持ちを妄想したのが著作だ、と言います。左翼の彼らは保守系の政治家や学者が皇室を語ると、「政治利用だ ! 」と攻撃しますが、自分たちが勝手な妄想をする時は平気な顔です。こんな本を書いて売るのなら、政治利用以前に個人の金儲けのための利用です。

 氏の妄想は、平成の終わりの頃上皇陛下と美智子様が訪問された場所から生じています。

  ・水俣病の患者と面会された。

  ・足尾銅山の鉱毒被害者救済のため、明治天皇に直訴しようとした田中正造のゆかりの地を訪ねられた。

  ・戦時中の満蒙開拓団の記念館を、訪ねられた。

  ・福島の原発被災地を訪問された。

  ・沖縄の戦没被害者に、献花をされた。

 これらの地を訪ねられたお二人のお気持ちを妄想し、代弁した著書だそうですが、余計なことを思いつく傲慢さに呆れます。氏特有の反日左翼的妄想を、語ります。

 「明仁さんと美智子さんは、いろんな意味で戦後日本の国民の身代わりになってきた。アジア諸国に侵攻し、膨大な人命を奪った戦前日本の罪を背負い、平和と民主主義を掲げる戦後日本の浄化を、一心に体現してきた。」

 相変わらず日本だけが間違っていたという、「東京裁判史観」を繰り返しています。国民の多くが歴史の事実を知った今になっても、まだこんな間違った意見を新聞で発信しています。両陛下のことを思いやっているようなことを言いながら、結局は皇室否定の意見です。

 「政治的な意思が示せず、しかし国民が尊敬する天皇は、為政者に便利な存在です。その権威を忖度の名の下に利用すれば、世論は意のまま、監視役のメディアも〈菊のタブー〉には弱い。」「さらに怖いのは、天皇制を欲してやまない日本の国民性、個人の幸福より集団の秩序を優先し、常にお上を求め、長いものに巻かれたがる。」

 「その帰結が戦争だったわけだけれど、構造は今も変わっていない。」 

 衣の下から鎧が見えるとは、この意見です。結局氏は東京裁判史観を信じ、「憲法改正」に反対し、皇室が無ければ良いとする共産主義思考の持ち主です。政治面、社会面、文化面と読んでいきますと、読者は知らぬ間に「憲法改正」はしなくて良いという気にさせられます。

 森氏に問題があるというのでなく、このような人物の意見を大きく取り上げる共同通信社の姿勢の方に注目すべきです。今回はスペースの都合でここまでとしますが、過去に共同通信社が、森氏をどのように利用してきたのか。次回からは、具体的に紹介します。そしてこれが、安倍総理の暗殺事件につながると、私は推測しています。

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参院選後の千葉日報 ( 情報操作の始まりです )

2022-07-27 11:52:01 | 徒然の記

 机の上に、7月12日、13日、15日、3日分の千葉日報があります。書評を優先しているため、いつも新聞を読むのが遅くなります。

 「今回の参院選は、憲法改正のための一歩となる選挙」と考えていましたが、新聞の報道も同じ流れでした。私と違うところは、自分たちが憲法改正反対なので、最初から否定の姿勢で記事を書いているところです。

 5件の記事がありますが、4件が共同通信社の全国配信記事で、千葉日報社の記事は1件です。日ごとの見出しを紹介するだけで、共同通信社の意図が見えます。 

 ・7月12日 ( 火曜日  ) ・・1面トップ記事

  「自民大勝 改選過半数63 」立民後退17  維新倍増12」

 「参院改憲勢力179議席」「自民は議論加速 立民慎重」

 ・7月12日 ( 火曜日  ) ・・6面  政治

 「首相改憲へ意欲」「民意受け  国会議論主導」

 ・7月12日 ( 火曜日  ) ・・16面  社会  ・・千葉日報社の記事

 「改憲に期待と懸念 」「物価高対策、経済回復を」「自民大勝で県民」

 ・7月13日 ( 水曜日  )

 「改憲急ぐ必要ない58% 」42%物価高重視」「内閣支持6ポイント上昇63%」「共同通信世論調査」

 ・7月15日 ( 金曜日  )

 「物価高、月内に予備費支出」「電力安定へ原発9基稼働「ムードだけで改憲できない」「公明党幹部」

 見出し部分を要約しますと、参院選直後の記事では民意が自民党を大勝させたので、「憲法改正」に反対が言えなくなっています。総理も勢いに乗り、改憲を主導する意気込みを表明しています。

 ところが翌日になると、いつもの世論調査を実施し、「改憲急ぐ必要なし」という答えを引き出します。どんな質問の仕方をし、何人の国民に、どんな方法でアンケートを出したのか、いつもの不明な調査です。

 不明でなく、はっきりしていることは、マスコミの世論調査があてにならないという事実だけです。共同通信社ばかりでなく、NHKも朝日も産経新聞も、各社が自社に都合の良い数字を出していますから、国民も今では参考程度にしか見ていません。

 憲法改正のための選挙とは決して言わず、改憲勢力が動いていると大騒ぎして牽制しました。にもかかわらず大勝の民意が示されると、「改憲必要なし」が58%とというのでは、素直に考えて理屈に合いません。

 こうなるといつものパターンで、「改憲の必要なし」とマスコミが世論を誘導し、やがてうやうむやにしてしまいます。7月15日の、小さな見出しがその始まりです。

 「ムードだけで改憲できない」「公明党幹部」

 見出しだけ読みますと、相変わらず公明党が国民の意思に逆らい、改憲に反対していると思ってしまいます。公明党の幹部とは北川一雄氏ですが、全部読みますとまともな意見です。

 「改憲のための国民投票は、政党を選ぶ選挙とは全く質が違う。国民が、中身を理解できなければならない。最高法規に触ることが、法律や日本の社会にどういう影響を与えるのか、説明しなければならない。」

 「海外の例を見ても、国民投票で過半数を取るのは容易ではない。最初の国民投票でつまづいてはならない。」

 こうした意見の一部だけを取り出し、「ムードだけで改憲できない」「改憲は数合わせではない」と報道するのは、マスコミの情報操作です。中国や北朝鮮やロシアのように、力尽くで大嘘を報道する厚顔さに比べたら、日本のマスコミはまだましです。少しずつ、少しずつ、世論を誘導していくのですから、その分巧妙で悪質なのかもしれません。

 「女性宮家」の世論操作の前例もありますので、彼らに引きずりまわされないようにと、これからが正念場です。

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同じ保守でも、好感の持てない人

2022-07-25 13:24:07 | 徒然の記

 こんなタイトルを、わざわざ「ねこ庭」で取り上げるのが良いのか。

 人様々なので、多様な意見があるのが民主主義社会と言いながら、心の狭い意見と思われそうですが、もったいない気がしますので、私の気持ちを述べます。

 「ねこ庭」のブログを書きながら、他の人たちと同様、私も多くのブログを読みます。反日左翼の人たちのブログも、保守の人たちのブログも丹念に読みます。

 もったいないと感じるのは、保守の人のブログの話です。私と同様、保守といっても自民党の政治には是々非々で、手放しで誉めていません。反日左翼の捏造も、保守自民党の間違いも、厳しく批判しています。反日左翼の人々と違うところは、日本を愛し、日本を思う心が真っ直ぐなところです。

 それでもこうした人たちが、「安倍が」「菅が」「岸田が」と、総理を呼び捨てにすると、途端に私の心が離れます。意見は正しいのですが、礼節がありません。日本を愛するあまり、総理の間違った政策が我慢ならなくなり、つい呼び捨てになるのかもしれませんが、私はこういう方たちのブログを途中で読むのを止めます。

 もったいないと言うのは、このことです。せっかく正論を述べていながら、礼節を忘れた言葉に嫌悪を誘われます。またそれが普通の日本人だろうと思いますので、真面目な意見が受け入れられなくなるのは、もったいない話です。

 一人二人なら黙っているつもりでしたが、三人も四人もそう言う保守の人がいますので、残念な気がします。礼節を忘れた罵詈雑言は、隣国の中国や韓国・北朝鮮だけで十分です。日本の反日左翼政党も、この礼節の無さで国民の信頼を失っているから、何度選挙をやっても、1%台の支持率しか得られません。

 日本を大切にする保守の人たちが、わざわざ無作法な反日左翼政党の真似をする必要があるのでしょうか。余計なことかもしれませんが、「もったいない」話です。

 

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『金○日の核と軍隊』 - 17 ( 主題を割愛した書評の意味 )

2022-07-24 08:43:56 | 徒然の記

 本日でシリーズを終わるにあたり、訳者である文章煥 ( ムン・ジャンホァン  ) 氏の言葉を紹介しなくてなりません。

 「本書で李忠国氏は、北朝鮮の核の実態、核化学兵器の開発状況、そして核の存在を克明に明かしてくれた。氏の勇気と決断によって、ここに示された事実が、全世界を揺るがしている〈北朝鮮の核問題〉解決の第一歩となることを願わずにいられない。」

 つまり本書のメインテーマは、李氏が関わっていた核科学研究所における、兵器の開発状況と研究所や実験場の配置図などの詳細なデータでした。韓国政府が重要人物として保護しているのは、氏の身柄の安全を守るためです。

 しかし私は書評で、本題の核化学兵器の詳しい解説に、触れませんでした。化学兵器の専門家でない私は、故意に北朝鮮の開発状況を割愛しました。したがって今回の書評は、メインテーマを外した、金王朝の統治体制に限っていますので、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、なぜそうしたのかを説明しなくてなりません。

 「ねこ庭」の書評は、単なる本の紹介でなく、自分が理解し、納得したことを取り上げています。誰でもそうされていると思いますが、貴重な情報だからといって、自分で理解しないものを書き写すのは、私にも馴染まないやり方です。間違った解釈をし、誤解を与えることを恐れました。

 核兵器と生物化学兵器の詳細については、ことの重要性からして、自衛隊の専門家や政府内の科学者に任せるべきと考えました。金○恩の度重なる危険なミサイル発射を受け、最近になり「敵基地反撃能力」「敵司令部攻撃」の意見が政府内で語られるようになったのが、その一つだと考えています。故安倍総理が言い出した「核の共有」論も、ミサイルへの危機感から出発しています。

 「最近開発されたミサイルの射程距離が、日本全域をカバーするという事実が示すように、〈世界一強い〉と自負する北朝鮮の動向は、日本を直接巻き込んでいることを付記し、あとがきとする。」

 これが文氏の、最後の言葉です。つまり私は、この部分にだけ焦点を当て、独裁者金○恩の北朝鮮について紹介してきました。マルクス主義は宗教を否定しますが、自分の主義を唯一絶対として他を排斥する姿勢は、一神教の厳格さと同じで、多くの人が言うようにマルクス主義自体が宗教そのものです。

 民主主義は多数決という方法で政治を行い、異なる意見を抹殺せず議論に参加させます。民主主義の制度からは、国民を弾圧・虐殺する独裁政治は生まれません。もともと日本の文化と風土に、マルクス主義は馴染まない思想で、取り入れてはならない危険な思想だと考えています。

 共産党と立憲民主党に要望したいのは、マルクス・レーニンの思想と訣別し、日本に根を下ろした野党勢力になってはどうなのだろうということです。自由民主党の政治は長期政権になると、利権が生じますから金権腐敗政治に傾き、主権者である国民を忘れがちです。

 国民のための政治を標榜し、政権を正すには、マルクス主義でなければならないという理由はありません。政権内野党である公明党は、マルクス主義の政党ではありません。日本維新の会の立党の精神は、「船中八策」だと聞きますし、賛成党も新党くにもりも、マルクス主義でありませんが自由民主党の批判政党です。

 日本共産党の先人たちがマルクス主義に傾倒したのは、利益を優先する悪辣な経営者たちから、安い賃金で酷使される弱い労働者を救うためだったはずです。現実の社会主義国では、人類のユートピアを作れない体制になってしまうと言うことが、20世紀の実験で証明されました。

 元々は人道的で、優秀な人材が集まった日本共産党ですから、いつまでもマルクス主義に拘らず、日本の風土にあった党の意見を考え出せば良いのです。科学的社会主義と表現されるほど論理の体系が壮大で、学問的には素晴らしいマルクスの理論だとしても、いつまでもその便利さに頼っていて良いとは思えません。

 反日左翼の人々は、「ねこ庭」を嫌い反発していますが、「プーチンの核発言」と「北朝鮮による危険なミサイル発射」「中国の核の脅し」への嫌悪から、今後の国民の思潮は過激な反日左翼思想から離れていくと思います。参院選の結果が、それを示しています。「ねこ庭」を嫌い反発することより、自分たちの党が国民から見放されないようにすることの方が、何倍も大事ではないかと思います。

 「無視できない脱北者の声」をわざわざ紹介しましたのは、国民を抑圧する社会主義体制の悲惨さと危険性を、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に知ってもらいたかったからです。

 誰がどのようにして安倍氏を亡き者にしたのか、真相が解明されることはないような気がしますが、意見が違うと言う理由だけで、粛清すると言うことは許せません。美しい日本をこのような国にしないためにも、「憲法改正」が必要となっています。

 共産党を支持する人々へのお願いのような書評になりましたが、たまにはこんなこともあるのでしょう。

 全体主義の国でありませんから、国葬に反対する国民がいても当然です。大多数の国民が望むのですから、民主主義の日本では当然国葬になります。9月27日には、改めて安倍氏へ敬意と感謝を捧げようと思っています。

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『金○日の核と軍隊』 - 16 ( 無視できない脱北者の声 )

2022-07-23 13:24:18 | 徒然の記

 李氏の著書の61ページに、次のように書かれています。

 「私が亡命したことによって、姉たちも強制的に離婚させられ、どこか山の中にある強制労働収容所で苦労しているかもしれない。そんな姿が、瞼から離れない。なんの罪もない姉たちに、どうか害が及ばないようにと、毎日、ただ祈るばかりである。」

 核と生物兵器の開発機関に勤務していた氏が、機密情報を持って脱北したのですから、残された4人の姉たちが無事であるはずがありません。また98ページには、退学処分を受けた氏が、人生の再出発を賭け入隊し、故郷を離れた時の回想がありました。

 「その日の夕方、身の回りの品を持って、一番上の姉の家に行った。姉は涙を浮かべながら、〈こんなに急に入隊することがわかっていたら、ウチへ呼んで、忠国の好きなものを料理して食べさせたかった〉と、声を詰まらせた。」

 「私も胸がいっぱいになり、俯いて泣いた。両親が揃っている他の家庭とは違い、わが家は姉弟が力を合わせて生きてきたし、姉は長女として、下に続く妹弟のため本当に苦労してきた。」

 「三番目の姉も、私の入隊の知らせを聞いて、泣きながら入ってきた。どうして何も言わずに行ってしまうのかと、姉たちは急な私の入隊について責めた。」

 そして翌日、氏は姉たちや友人、知人に見送られながら、駅で別れをしました。

「見送りに来た友人たちと別れを惜しもうとしたが、姉たちが泣きながら抱きついてきたので、どうすることもできなかった。私は嗚咽をこらえ、姉たちに笑顔を見せた。」「汽車の出発時間が迫り、汽車に乗った途端、それまでこらえていた涙が頬を伝って流れた。」

 「これが、姉たちとの最後の別れになろうとは、夢にも思わなかった。それが分かっていたのなら、姉の手をもう一度握りしめ、抱きしめてあげればよかった。」

 「多くの人たちが故郷を捨て、シベリアや中国地方で今も彷徨っている。いつになったら北朝鮮にいる可哀想な私の姉たちや同胞、またシベリアや中国にいる人たちが、幸せな日を送ることができるのか。今の私には、その日の来るのを指折り数えて待つしかない。」

 私は9年前に読んだ、高英煥氏の著書『平壌25時』を思い出しました。著者は、平成3年に韓国へ亡命した北朝鮮外交官で、李氏が亡命するたった2年前に脱北しています。情報の遮断された国に住む二人は、同じ亡命者でも、互いを知らないままなのではないかと思います。

 ・ゴルバチョフと金○成は仲が悪く、金○成の独裁体制は、彼が非難してやまないものだった。

 ・終戦後に日本から帰国した朝鮮人は、すべて日本のスパイとして扱われ、監視され隔離され、不幸な人生を送っていること。

 なども、高氏の著書で初めて知る事実でした。氏の悲劇は、ソ連の崩壊から始まりました。

 「世界の多くの人びとが、憧れの的としていた偉大なロシアが、社会主義・共産主義の理念を放棄している。社会主義は、机上の楽園だったのだろうか。」

 「無階級社会だといいながら、北朝鮮には厳然とした階級が、存在している。」

 内部告発の監視社会であることをつい忘れ、ふと心の内を洩らしたため、彼はたちまち政府上層部に睨まれることとなりました。結果がどうなるのかを知る彼は、故国に妻と子を残したまま、懸命の工夫で亡命をします。

 妻子や親たちを案じ、彼は今も、夜ごとに号泣すると言うのが、『平壌25時』の中身でした。李氏と同じく高氏もまた、悲惨な人生です。

 だから私は、こうした非道な国を賛美するわが国の左翼主義者たちと、自民党内のリベラル議員が今もって理解できません。

 ソ連崩壊の現実を目の当たりにし、自国の体制に疑問を抱いたこの北朝鮮外交官と、李氏の爪の垢でも煎じて飲むべきでないのかと思う時があります。

 人権を守れ、政権の横暴を許すなと主張するのなら、反日左翼政党の議員たちは、拉致被害者を含め、北朝鮮で抑圧されている人々を救うことが先ではないのでしょうか。政権与党である自由民主党と公明党の議員は、金一族の延命に協力するのでなく、多数の国民の苦境を無くす方に力を入れるべきです。

 日本の政治家は、大切な順番を、敗戦後は間違ったままです。この原因はとりもなおさず、GHQが残した「トロイの木馬」を手つかずのままにしていることにあります。耳にタコができるほど繰り返していますが、ここでも繰り返します。「トロイの木馬」は、次の三つです。

   1. 「日本国憲法」・・平和憲法という美名で、日本の歴史と伝統を崩壊させた悪法

   2. 反日左翼学者 ・・悪法を改正させないため、世間を惑わす反戦左翼理論を発信する組織に集まっている著名学者。( 日本学術会議、日本学士院等  )

   3. 反日左翼マスコミ・・反日左翼学者の意見を全国に発信し、「憲法改正」反対のための情報操作をする組織

 長く続けてきましたが、次回で書評を終わります。

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『金○日の核と軍隊』 - 15 ( 「因果応報」、残忍な粛清 )

2022-07-23 06:02:17 | 徒然の記

 李氏の著書の284ページに、次のような叙述があります。

 「高先輩は、1年間に何回かは必ず金○日と接触する機会があったため、彼の側近についても詳しかった。その人間関係の中で、特に仲が良いのは、唯一同じ血を引く妹の金○姫の夫である張成沢である。」

 「金○日が常に、〈頼りになって信じられるのは君しかいない〉という言葉をかけるほどの、絶対的な信頼を得ている。」

 彼は、共和国国防委員会副委員長、党中央委員会政治局員、党中央軍事委員会委員などの要職をつとめ、軍においては大将の肩書を持ち、実質的なナンバー2とされ、甥である金○恩の後見人的存在と見られていました。中国との交渉は、父の代と同様に彼が一手に受け持ち、政治と金を握っていました。

 その叔父を金○恩は、父の死の2年後の2013 ( 平成25  ) 年12月に粛清します。最高権力者となっても、実質ナンバー2の彼が後見人としているのでは、操り人形にさせられます。しかも彼は、叔母と共に○男を父の後継者として支援していますから、粛清せずにおれない相手です。

 2013 ( 平成25  ) 年12月13日の、朝鮮中央放送の報道を紹介します。 

 「12月13日に開かれた特別軍事法廷で、張は党から除名され、全ての役職と称号を失い、国家転覆陰謀行為により死刑判決を受け、即日処刑された。」

 同放送は処刑の理由について、次のように述べています。

 「敵らと思想的に同調し、わが共和国の人民主権を転覆する目的で敢行した、国家転覆陰謀行為が共和国刑法第60条に当たる犯罪を構成することを、確証した。」

 「犬畜生にも劣る人間のゴミ、凶悪な政治的野心家、陰謀家であり、万古の逆賊である張成沢を革命の名の下に、人民の名の下に厳しく断罪、糾弾し、刑法60条により死刑に処すものと判決を下し、即時実行された。」

 処刑に使用された銃は通常のものでなく、体の原型をとどめなくするほどの破壊力があったといいますから、恐ろしい事件でした。

 その4年後の2017 ( 平成29  ) 年2月13日、マレーシアのクアラルンプール空港で、金○男が顔に神経剤を塗られ毒殺される事件が起きました。

 マレーシア当局は犯人として二人の女性を逮捕しましたが、二人は日本人になりすました北朝鮮人に騙され、日本のお笑い番組 ( ドッキリカメラ   )に出演するものと信じていたと述べました。二人の弁護人は、彼女らは毒物を扱っていたとは知らず、むしろ犯人は逮捕されていない4人の北朝鮮人だと主張しました。

 以後の動きを、ネットの情報から紹介します。

 「2018 ( 平成30  ) 年8月16日、マレーシア高等裁判所は審理の継続を決定し、裁判は11月から再開されることとなった。」

 「この決定にあたって高等裁判所の判事は、証拠は不足しているものの事件が政治的な暗殺である可能性は排除できないとしたほか、監視カメラの映像は両被告が毒物の取り扱いを認識していたことを示しており、〈テレビ番組のためのいたずら〉という説明は不自然であるとの見解を述べた。」

 「北朝鮮政府は事件への関与を否定する声明を出し、マレーシア当局は韓国と共謀して「証拠を捏造」していると非難した上で、勾留されている女性二人と北朝鮮人の男性を解放するよう要求した。」

 「北朝鮮当局者は死亡した自国の男性が金○男であることを認めず、死因も毒物ではなく心臓発作である可能性が高いと述べた。」

 いずれの事件も、金○恩の指示によって実行されていますが、祖父金○成の行った政敵の粛清の繰り返しです。この事件を詳しく紹介しているのは、このように厚顔な嘘をつく北朝鮮を相手に、生真面目に拉致被害者の交渉をしている、日本政府と外務省に怒りを覚えるからです。

 かって日本は朝鮮を支配し迷惑をかけたと、相変わらず日本側は「東京裁判史観」を根拠に、卑屈な姿勢で交渉をしています。しかし今の北朝鮮は、同胞の命でさえ平気で奪う人間たちですから、日本政府の抗議や要求には耳を傾けていません。こうした事実を嫌というほど知っていながら、政治家たちは、保守自民党の議員を中心として相変わらず日朝国交回復を計画しています。

 憲法を改正し、軍の力を行使してでも拉致被害者を奪還する姿勢を見せなければ、彼らは日本を見限ったまま何もしません。先日も紹介しましたが、ここでもう一度「日朝国交正常化推進議員連盟」に名を連ねる、反安倍勢力だった議員名を転記します。自民党内の反日リベラル勢力を現在のままにしておいては、日本の明日が開けないことを、これからはもっと真剣に考えなくてならないのではないでしょうか。

 民意が正しく伝われば、自民党の議員は必ず考えを修正すると信じています。国民を弾圧する共産主義政党でなく、戦後日本をリードしてきた自由民主党の議員は、民意を大切にする政治家だからです。

 会  長  衛藤征士郎(自民党)

 会長代行  額賀福志郎(自民党) 幹事長   中谷 元 (自民党)

 

 幹事長代理 平沢勝栄 (自民党)

 顧 問   二階俊博 (自民党)   岸田文雄(自民党)

       菅 直人 (立憲民主党) 福島瑞穂(社会民主党)

 副会長   塩谷 立 (自民党)   増子輝彦(自民党会派)?

                       北側一雄 (公明党)   中川正春(立憲民主党)

       笠井 亮 (日本共産党)

事務局長次長 務台俊介 (自民党)

 役  員  石田真敏 (自民党)

 委  員  石破 茂 (自民党)   坂本哲志 (自民党)  武田良太(自民党)

       林 幹雄 (自民党)   船田 元 (自民党)  茂木敏充(自民党)

       中村裕之 (自民党)   森山 裕 (自民党)  石井正弘(自民党)

       藤末健三(自民党会派)  浜田昌良 (公明党)  鉢呂吉雄(立憲民主党)

       近藤和也(立憲民主党)  井上哲士(日本共産党) 赤嶺政賢(日本共産党)

 〈 以前所属していた議員 〉

   自民党  石原伸晃  岩國哲人  大野功統  川上義博  加藤紘一 河村建夫

        佐藤章   木村義雄  小杉隆   平将明   田野瀬良太郎

        竹下亘   富岡勉   保岡興治  安次富修  山崎拓

        渡辺具能  馳浩   野田毅

   公明党  遠藤乙彦  東順治   山下栄一

 立憲民主党  生方幸夫  神本美恵子  平岡秀夫  山下八洲夫

 社会民主党  重野安正  菅野哲雄   日森文尋  又市征治  山内徳信

   民主党  加賀谷健  谷博之  藤谷光信  松岡徹  峰崎直樹

    共産党  山下芳生
    民進党  城島光力
    日本維新の会  谷畑孝
    無所属  大前繁雄  亀井静香  自見庄三郎  下地幹郎  遠山清彦
           土肥隆一  並木正芳  吉村剛太郎

 

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『金○日の核と軍隊』 - 14 ( 「因果応報」 )

2022-07-22 19:07:15 | 徒然の記

 仏教の教えだったか、あるいは古代インドからの思想なのか、「因果応報」という言葉があります。子供の頃に聞いたのは「親の因果は子にめぐる」で、意味は親が悪いことをすると子に報いが来る、というものでした。

 金王朝の本を読んでいますと、その言葉が思い出されます。金○成は、大国に翻弄される朝鮮を見て、自立した強い国家を作ろうとしました。動機は素晴らしかったのですが、彼はそのために米中ロの大国だけでなく、自国内の政敵とも容赦なく戦い、多くの人間を粛清しました。

 李氏の著書によりますと、妻以外の女性に子供を産ませるという奔放な生き方が、そのまま息子の金○日に受け継がれました。彼には妻以外の愛人が、5人いたと言われています。チュチェ思想では、後継者は長男の男子となっているとのことで、後継者が曖昧です。長男とは正妻の子なのか、愛人の子なのかということになり、争いが生まれます。

 絶大な権力を持つ独裁者の後継者ともなれば、それぞれの長男とおぼしき男子に、忠臣たちがそれぞれに支援者となってつき、激しい権力争いとなります。血に塗れた手で作った政権は、どこまでも流血がついて回ることになるようです。

 李氏の著作を離れますが、金○日の亡くなった時の状況がネットにありましたので、紹介します。真偽は確認できませんので、参考情報として読んでください。

 「金○日は2008 ( 平成20  )年8月に、一度脳卒中で倒れたとされている。その後も数度にわたって、中国やロシアを訪れるなど外交活動に臨み、国内では現地指導を重ねていた。」

「しかし2011年 ( 平成23  ) 12月17日8時30分、心筋梗塞のために死亡したとされる。」「享年70。」「2日後の12月19日正午、朝鮮中央テレビが特別放送を行い、死亡が発表された。」

「朝鮮中央通信は金○日が、〈地方視察及び指導に向かう列車の中で、12月17日午前8時半、過労により息を引き取った〉と伝えた。」

 北朝鮮の独裁者について関心がなかったので、よく覚えていませんが、朝鮮中央通信と朝鮮日報が伝えた報道によると、次のような内容だったそうです。

  ・金○日は、心臓や脳血管の病気で長期にわたり治療しており、そうした中で現地指導を続けていた。

  ・積もりに積もった精神的・肉体的過労により心筋梗塞が起き、心臓性ショックを併発した。

  ・2012 ( 平成24  ) 年12月25日、金○日の急死は、北朝鮮北部に建設中の煕川水力発電所ダムで漏水事故が起きていることを聞き、現場へ向かう途中だったと伝えた。

  ・これ以前より、強盛国家建設のため注力していた石炭を使った新技術による繊維製造業と製鉄業が、実際は業績が上がっていないにもかかわらず順調との虚偽報告だったと知り、強度のストレスを受けていたらしい。

 心筋梗塞、心臓性ショックという死因も父親と似ていますし、次の話も似ていて、「因果応報」を感じさせられます。龍谷大学教授・李相哲氏の談話です。

 「韓国に脱北した複数の元高官の証言や、金○日の死亡に触れた中韓の政府文書をを検証すると、彼は、実際には前日の12月16日の午後8時頃、訪れていた次女の金雪松宅の寝室で倒れ、搬送先の32号招待所内の医療施設で午後11時に死亡が確認されたという。」

 遺体にメスを入れられませんでしたが、亡くなった場所も、日時も、公式発表が曖昧にしているところに、独裁国家特有の謎を感じさせられます。

 序列から言えば、三男だった金○恩が、最高権力者になっていますが、これも調べてみますと「因果応報」でないかと思います。何番目の愛人か分かりませんが、もと女優の成恵琳との間に生まれたのが、長男の○男でした。

 次に金○日が愛したのは、大阪出身の在日朝鮮人だった高英姫だったと言います。二男一女をもうけ、兄が金○哲、弟が金○恩、妹が与正 ( よじょん ) です。

 つまり金○恩の上には、兄正哲の他に異母兄の長男○男がいました。○哲は女性的な優男で、政治に無関心でギタリストとして生きようとしていたため、早くから後継者として金○日に認められていなかったとのことです。

 中国在住の○男と三男の○恩が、最後まで後継争いをし、強く○男を支援していたのが金○日の妹の金○姫とその夫張成沢だったそうです。

 金○恩が最高権力者になった時最初に実行したのが、張成沢と金○男の粛清 ( 殺害  ) でした。センセーショナルな事件だったため、日本のマスコミが大きく取り上げましたので、これについては覚えています。中国が金○男を自国に住まわせ保護していた理由は、次の二つだと言われています。

 ・中国の意に反いて核大国になろうとする北朝鮮を、中国政府は快く思っていなかった。

 ・後継者として正統性のある金○男を自国内で保護することにより、いつでも朝鮮の後継者として利用できる。

 同じ全体主義国でありながら、中国と北朝鮮は対立したり協力したりで、側から見ていると実態がよく分かりません。正統性を疑問視されながら、金○日の三男で最高権力者になった金○恩の粛清 ( 殺人 ) の残忍さについては、スペースの都合で次回に紹介します。

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『金○日の核と軍隊』 - 13 ( 金○成の死亡原因 ? )

2022-07-21 17:52:53 | 徒然の記

 李氏は1993 ( 平成5 )年に北朝鮮を脱出し、中国を経て94年3月韓国に政治亡命し、韓国が身柄を保護している重要人物です。

 これから紹介するのは、亡命した氏が、韓国で語る話です。

 「1994年7月9日、その日は私が韓国へ来て113日目となった日であった。テレビやラジオ放送で、金○成主席死亡のニュースを聞いた私は、テレビの前で、金縛りにあったような状態で画面に見入った。」

 「正直に言えば、心臓がドキドキして、涙が流れてどうしようもなかった。それは私が韓国へ亡命するまでの26年間、金○成洗脳教育を受けてきた影響かもしれない。死亡の知らせを聞いた瞬間、私は生まれ育った故郷に眠る父母の墓を思い出し、4人の姉たちの顔が鮮明に浮かんできた。」

 脱北者の複雑な気持ちが、正直に語られているような気がします。

 「金○成という存在は、49年もの間北朝鮮を統治した人物である。北朝鮮の全人民は、金○成偶像化教育と政治教育を受けてきた。そのために、頭の中では金○成は人間でなく、神であると信じてきたのである。韓国に亡命してきたが、彼が突然死ぬとは思っていなかった。」

 理由として彼は、次の事実を挙げています。

  ・米国の元大統領カーター氏が、ひと月前の6月に北朝鮮を訪問し、金○成と会談している。

  ・カーター氏はその足で韓国を訪問し、金日成氏が元気であり、あと10年は自信があると語った様子を伝えていた。

 だから氏は、突然の訃報が信じられず、時間が経つとともに北朝鮮の報道に疑問を抱きはじめます。

 「北朝鮮の放送は金○成の死亡原因について、〈心臓血管の動脈硬化症で治療を受けているうちに、度重なる疲労で強い心筋梗塞が発生し、心臓ショックが発生した〉と発表し、」「〈即時に全ての治療をしたにもかかわらず、心臓ショックが止まらなかったため亡くなられた〉と続けた。」

 「さらに放送では、〈7月9日の病理解剖検査では、疾病の診断が完全に確認された〉と語った。」

 氏が疑問点を、列挙します。

  ・自然の疾病で死亡したのならば、神様的存在である金○成の体にメスを入れるはずがない。

  ・同じく共産国の指導者だった毛沢東やスターリン、レーニンなどの死亡時にもメスは入れなかった。

  ・儒教思想の根強い朝鮮半島では、死後、人体に傷をつけないことが不文律となっている。

  ・原因究明のためとはいえ、神様の体にメスを入れ、解剖するとは考えられないことである。

 閔妃時代の朝鮮では、反対派の政治犯の体を虐殺後バラバラにし、晒しものにした事例がありますので、氏の意見をそのまま信じる気にはなれませんが、それ以外は当たっているのかもしれません。

 「次の疑問は、公式死亡発表が早すぎたのではないかということです。共産主義国の場合、国家主席の死亡時には、政権交代と体制安定のため、普通は3日間、場合によっては1週間から10日後に発表されるのが一般的である。」

 「今回の金○成の死亡について、私はあえて、推論を試みてみたい。」

 かって金○成は外国要人との会談中に倒れ、心臓病で1ヶ月治療を受けたことがあったそうです。つまり彼には、心臓病の持病があったということです。

 「しかしカーター氏と会った時、元気な姿がテレビや新聞で報道され、非常に健康そうに見えた。」

 「7月8日午前2時の死亡ということであるならば、死亡前に、彼に強い刺激が与えられたのは間違いないと考えるべきだろう。」

 「以前から親子の仲が悪かったため、死亡直前に金○日が金○成に大きな不満を言い、大喧嘩となり、そのショックで持病の心筋梗塞が悪化して死亡したのではないか。」

 ここで彼は韓国情報筋の話を、紹介します。

  ・金○成はこの時、妙香山の別荘で南北頂上会談に関する会議を何度も開いていた。

  ・核問題、離散家族問題を今までよりも幅広く、韓国金泳三大統領と議論するつもりだった。

  ・しかし金○日とその反対勢力がこれに反発し、金○成は精神的に疲れていた。

  ・金○成が死亡したとされる直後、妙香山へ向けて飛ぶ3台のヘリコプターが、米国諜報機関のレーダーにとらえられていた。

  ・この時キャッチされた電波の内容は、ひどく慌てた声で「医者はまだか、医者はまだか」であったという。

  ・中国延辺地域の朝鮮族の間では、医師の出発を遅らせたのは、金○成の反対勢力が止めたからだという噂も流された。

 「金○日は、父親の急死の原因が自分にあると、継母金○愛や弟金○一などの反対勢力に疑われることを恐れ、医師団を通して、一刻も早く死亡原因を持病による心筋梗塞と発表してしまうよう、解剖の命令を下したのではないか。」

 これが氏の個人的な推測です。

 「金○成死亡についての、こうした私の疑問に回答が与えられるのには、今後、かなりの時間を要するだろう。いや、永遠の謎となってしまうことも十分考えられる。」

 永遠の謎となったのかどうか不明ですが、今は金○日も亡くなり、その子の金○恩の時代になっています。彼は親たちの意思を受け継ぎ、日本に狙いを定めた核ミサイルの発射実験を繰り返し、日本を威嚇しています。

 金○成の死因の推測があたったのか確認できませんが、次の予測だけは間違いなくあたっています。金○日の名前を、金○恩と置き換えれば良いのです。

 「おそらく金○日は、国際的に注目を浴びている核を、〈切り札〉として利用し、アメリカとの高位級会談および南北頂上会談、日本との修交関係を調整しながら、時には強行的な態度で、また時には、平和的なポーズをとりながら最重要課題である経済問題で、アメリカからの援助を引き出し、」

 「さらに日本からは、金○成が金丸氏を呼んだように、社会党を利用して、戦後の賠償金としての40億ドルを要求するだろう。」

 社会党の代わりに、自民党の中の反日勢力が日朝国交回復に動いていますが、氏の本を読みますと、まともに交渉できる相手でないことが分かります。

 反対した安倍氏の姿が、いっそう凛として見えてきます。惜しい政治家を失いましたが、氏の意思を継ぐ人物が自民党の中から現れると、信じています。安倍氏もそれを、天の彼方から見守っているはずです。

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