ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

都知事選挙に見る日本の政治 - 18 ( 都知事候補・田母神氏の評価 )

2024-06-12 23:01:45 | 徒然の記

 「田母神節」が出てこなければ、サッチャー首相の話だけでなく、氏の意見が普通だという発見をしました。

 氏の著作『自らの身は顧みず』の最後の言葉も普通なので、紹介します。

  ・自衛官はことに及んで危険を顧みず、わが国の平和と安全を守る使命を完遂していかなければならない。
 
  ・問題は、その使命感の根源である。
 
  ・使命感の根源は、我々の身の回りの人々、顔の見える一人一人の国民を守るという気概である。
 
  ・しかしもう一つ大事なことは、やはり日本という国に対する愛情である。国家防衛の基盤は、愛国心なのである。
 
  ・私たちは、戦争をやるためにいるわけではない。もちろん戦争になれば、国を守るために戦うが、そうならないために毎日訓練に励み、有事に備えているのである。
 
  ・それが、日本を侵略しようとする国に対する抑止力になるのである。
 
 氏の言わんとしていることが、ここに尽くされています。これが戦後の自衛隊 ( 軍隊 ) の新しい姿かと、感慨深いものがあります。なぜなら 天皇という言葉と、個人に優先する国家がストレートに語られていません。
 
 世間を騒々しくする「天皇」と「国家」を軽く語らず、氏が強調しているのは、「顔の見える一人一人の国民を守る」ということであり、主権在民の思想です。生まれ変わった日本の軍隊を言外に示唆している気がします。
 
  ・戦後の教育では日本は侵略国家だと教え、残虐な植民地支配をした国だと教えた。
 
  ・日の丸や君が代を口にすると、右翼だと罵られた。日本は侵略国家でないと言ったため、私は解任された。
 
  ・解任は断腸の思いだが、私に立ち止まっている暇はない。
 
  ・これを機に、自由な立場で日本の現状を訴えていきたい。それが、私を育ててくれた自衛隊への恩返しにもなると思う。
 
 自衛隊への恩義を語る氏と、鍛治俊樹氏の顔が浮かびます。チャンネル桜で田母神氏を批判している氏が、恩知らずな「人間のクズ」に見えてきます。
 
  ・私を突き動かしているのは、このままでは国が滅びるという思いだ。
 
  日本を思う人間には、まっすぐ胸に届く言葉です。「クビになった」、「日本はいい国だ」と余計なことを言わなくても、氏の矜持と憂国の念は伝わります。
 
 シリーズの9回目で紹介した、田母神氏の立候補時の言葉を思い出してみましょう。

  ・災害に強い東京をつくるとともに、東京が国家の自立を追求する中心になって頑張っていくようにする。

  ・東京は財政的な余裕があるので、都民税の減税を実行したい

  ・SNSを活用するなどして、若い世代の支持も取り込みたい

 これから東京を襲うのは首都直下型地震だけでなく、「日本国民を火の中に入れてやる」と脅す中国がいます。皇居のある首都防災は、喫緊の課題となっています。平成26年の都知事選挙に立候補した時、氏は次のように述べていました。
 
  ・災害に対応できる首都を、自衛隊と協力して作る
 
 氏が都知事になったら、皇居の防御だけでなく、都民を守るための地下シェルターを作るはずです。予算が無いから作れないと情けないことを言っているのが、自由民主党の政府です。
 
 地震対策だけでなく、隣国からのミサイル防衛に関し、自衛隊は専門部隊ですから全力で氏に協力するはずです。国難の時の首都に、ピッタリの都知事ではないでしょうか。
 
 ・東京一極集中から多極分散へとのことで、政策に注目です。多極分散という視点は、防災・国防の観点から賛同します」
 
 石丸氏へ期待する上記意見も紹介しましたが、田母神氏の機動力には及ばないでしょう。

 減税も一策でしょうが、余裕がのある財政でも防災、防衛に回せばむしろ不足するのかもしれません。都政の重要事には、信頼できる専門家を活用すれば良いのです。

 平成26年には水島氏が集めた選挙ブレーンのため散々な目に遭っていますが、今回はその轍を踏まず、自分で専門家を集めるはずですから大丈夫でしょう。

 SNSを使って若い世代の支持も取り込むという意見は、頑迷固陋な自分を引込め、人の意見を柔軟に聞くという姿勢ですから歓迎できます。

 立派な公約を語っても土台の思想が明確でない人物は政治家失格と、「ねこ庭」では考えています。有力候補者と言われる4人の中で、政治信条が不明なのは石丸氏だけでした。

 前にも述べましたが、政党を渡り歩いたり、作ったり壊したりする小池氏は、政治信条無しの「風見鶏」です。蓮舫氏は、皇居のある首都の知事にしてはならない反日左翼政治家です。立花氏のN党は、最初から問題外でした。

 不毛の選択の都知事選挙ですが、こうなりますと答えが揃います。

   小池百合子氏 ❌

   蓮舫氏    ❌

   石丸伸二氏  ❌

   田母神俊雄氏 ⭕️

 なんとか結論が出ましたので、今回でシリーズを終わります。長いおつきあいに感謝いたします。

コメント (4)
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都知事選挙に見る日本の政治 - 17 ( 英国の自虐史観教育 )

2024-06-12 17:02:55 | 徒然の記

  次回で元へ戻り、田母神氏を評価している部分を紹介します。

 そう言ったもののいざ評価を試みますと、過激な「田母神節」が邪魔をします。都知事選立候補者の中で有力視されている3人と並べて、氏を評価するのがブログの目的でしたから、そろそろ「ねこ庭」の結論を出さないと都知事選挙が始まってしまいます。

 小池氏 ❌

  ・・「目新しい物好きなだけの「風見鳥政治家」」で、太陽光パネル設置による首都東京破壊を目指している

 蓮舫氏 ❌

  ・・「小池都政をリセットする」「裏金問題で汚れた自由民主党とずぶずぶ」と相変わらず批判だけの無策政治家、しかも反日左翼勢力共産党と社民党に支援されている

 石丸氏 ❌

  ・・政治家に不可欠の思想信条がなく、元銀行マンらしい数字的効率化の追求だけで、首都東京の機能分散というより、弱体化を目指している

 ここに田母神氏の評価を加えれば今回のシリーズが終わるのですが、簡単に終われないので苦慮しています。

 氏の著作『自らの身は顧みず』を読んだ時の感想を思い出してみます。

    1. 氏の愛国心は90%同意できる。氏が極右と言われるのなら私も同じだ。

   2.  氏は来栖参謀総長以来二人目の、政治的犠牲者となった自衛隊の高官だった。

   3.  国の安全保障、防衛省の組織に関する意見は正論であり、いずれ見直される時が来る。

   4. 歴史に関する意見も正論だが、「何が何でも日本が正しい」と主張する頑固さに普通の国民は違和感を覚える。

  と、こんな感想です。同じ保守と言いましても、林房雄氏の著作を手にした時の強い感銘や敬意の念は、残念ながら生じませんでした。
 
  「誰にでも分かりやすく、ユーモアを交えて語る。」と氏は言いますが、氏の「ユーモア」は、いわゆる「駄洒落」の類で、知的な風刺や警句の味がありません。
 
 「誰にでも分かりやすく」というのは大事ですが、物ごとを単純化してしまうと、真意が間違って伝わる危惧があります。

  ・私は、日本の国をいい国だといってクビになりました。そんなら、自衛隊のトップには、日本の国は悪い国だという人間がふさわしいのか。

 講演会で氏は聴衆の笑いを誘っていましたが、こうした単純化や極論は、愚かな者を笑わせても、真面目な人間は眉をしかめます。

  ・国防の基本には、愛国心がある。日本はいい国だと自衛隊員が誇れなくて、どうして国が守れるのか。

 氏の意見に反対しませんが、「日本はいい国」という表現の中に氏独特のレトリックがあり、素直に肯定できない夾雑物が含まれます。

 問題になった「田母神論文」も、改めて読み返しますと同じ印象でした。以前と違い、今度はじっくり読みました。氏を真似て遠慮なく言いますと、このレベルの内容なら若い自衛官の論文であり、将官である氏には別の論理展開があったのではないか・・という印象です。

 反日・左翼マスコミと反日の野党が跋扈している日本で、自衛隊のトップがこうした論文を書けば、どういう騒動になるか予測できるはずです。戦後70余年が経過したのに、いつまで隊員たちの誇りを踏みにじるのかと、トップである氏の怒りを理解しますが「論文」の表現には疑問が残ります。

 氏の論文は、政府とマスコミと世論に対する反撃で、反日左翼に言わせれば、「敵対的攻撃」の挑戦状です。氏は承知の上で論文を提出し、実名を公表しました。問題提起のための覚悟だったと、評したい気持ちもあります。

  いずれにしましても氏への正しい評価は、ずっと後になるはずです。安全保障法が成立した後来栖氏が再評価されたように、憲法改正後に、田母神氏が見直される日が来るのかもしれません。

 「憲法改正」後に見直されても、都知事選挙には間に合いません。「ねこ庭」の過去記事を探していると、真面目な氏の意見がありました。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介します。

  ・自国のことを悪く言う自虐史観に悩んでいたのは、日本だけではない。

  ・大英帝国として世界中に植民地を持ち、英国旗を7つの海にはためかせていたイギリスもそうだったのである
 
  ・1970年代から80年代に入り、イギリス人は誇りを失い働く意欲を失っていた。世に言う英国病である。
 
  ・学校では学級が崩壊し、子供たちの学力も極端に落ち込んだ。当時の学校で行われていたのは、英国を 「侵略者」と断罪する教育だった。
 
  ・左翼団体の作った教科書が使用され、イギリスは人種差別に満ちた侵略国家であり、白人文化は残虐非道の文化であると非難されていた。
 
  ・こんな教科書で教育されていては、子供たちは国家にプライドが持てるはずがないと考えたのは、時の首相のサッチャーだった。
 
  ・サッチャーは、教育の大改革を実行した。
 
  ・改革の柱は自虐的な偏向教育の是正と、教育水準の向上である。
 
  ・歴史のカリキュラムについては自国への誇りや、アイデンティティーの形成が目標とされた。
 
  ・もちろん、教職員組合や労働組合からは猛反発を食らった。教職員組合は、半年に渡ってストライキを実施したが、サッチャーは屈しなかった。
 
  ・サッチャーの実績は、規制緩和など経済面の改革ばかりが注目されたが、その前にこうした国民の意識改革をやり遂げたのである。
 
  ・サッチャーは鉄の女と言われたが、信念の愛国者だった。
 
 スペイン、ボルトガルに始まる欧米列強のアジア・アフリカ侵略が、日本を「東亜百年戦争」に引き込んだのですから、「ねこ庭」では英国を残虐な侵略国家の中心と見ています。
 
 サッチャー首相がこのために苦労していたとは知りませんでしたが、本家本元のイギリスが自虐史観教育で苦しんでいたとするのなら、日本の政治家はサッチャーを見習うべきでしょう。
 
 スペースがなくなりましたので、田母神氏の都知事候補者としての評価を次回にしたいと思います。結論を思案中ですから、ちょうど良いタイミングになりそうです。
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