「 5. 堤伸輔氏の意見 」
・安倍政権の時は、明らかに圧力一辺倒だった、というのは言い過ぎかもしれませんが、圧力を否めない時期があり、結果的にそうなったと思います。またステークホルダーと言われるその人たちも、おおよその人たちが圧力を重視してきた時があった訳ですよ。
・私の手で全員を取り戻すと総理は言いましたけれども、その言葉は一歩も進まなかった。結局10年、ものごとが動かないまま進んできた訳ですが、せっかくここで動きがある中で、これをチャンスとして日本側が捉えなければいけないと思います。
・その中でのキーワードは、既に出ていますけれど「人道」という視点、「日本の独自制裁」をどうするか。あともう一つ加えておきますと、在日朝鮮人の人たちの扱いをどうするかなど、向こうがどこに関心を持っているかということを、こちらも汲み取っていくことですよ。
在日北朝鮮の人たちの扱いなど誰も言及していないのに、氏が発言します。問題をややこしくするための意見なのかと、今まで重きを置いていなかった氏に関心が急に高まりました。
放送界というのか、マスコミ界というのか、内情に疎いので堤氏がどのくらい偉いのか、略歴を読んでも分かりません。しかし1時間に及ぶ長い番組で、最後の発言を司会者が求めた所に、氏の位置づけを見た気がします。
「蓮池さん、どうも有難うございました。」
他にも出演者がいるのに、蓮池氏一人に司会者が頭を下げた所にも、堤氏のコメンテーターぶりを感じさせられました。ウィキペディアで調べますと、氏の略歴が次のように書いてありました。
・熊本県出身。東京大学文学部卒、1980 ( 昭和55 ) 年新潮社入社。
東大文学部の卒業生には、阿川弘之、夏目漱石、芥川龍之介、菊池寛、佐々淳行氏などの著名人がいますが、宇都宮健児、家永三郎、丸山眞男、宮台真司、向坂逸郎など、「ねこ庭」が嫌悪する左系の人物も多数います。
・平成28年からは、『週刊TBS-TBS報道部』を皮切りに、TBSグルーブが制作する報道・情報番組の コメンテーターを相次いで担当。
・BS-TBSでは『報道1930』に出演している。
ウィキペディアの情報からは、左系なのかどうかは不明ですが、安倍元首相に批判的なところを見ますと、「安部派裏金問題」を追求する仲間なのかもしれません。言葉遣いも丁寧で謙虚な氏が、出演者の発言をまとめる形で締め括った意見を紹介します。
・せっかく金正恩総書記の方から、岸田総理のことを閣下と呼んでくれている訳ですよね。かってはもっとひどい言葉で、日本の総理のことを呼ばわっていた訳ですよね。
・だとしたらこちらもそのチャンスを捉え、向こうが何を求めているのかをよく考えてですね。岸田総理には、やってる感を出そうとせず、本気でやって欲しいということですよね。
・さっき蓮池さんがおっしゃったように、日本ができることを具体的に伝えていかないと、ただ首脳会談をやりたいとか、特使を送るとか言うだけでは、北朝鮮に対するメッセージにはなりにくいんだと思います。
「 北朝鮮が拉致という犯罪を実行した、犯罪国家であることは口にしない。」
「 金総書記のメッセージを好機として、日本は相手の意向を探りつつ、問題の解決に取り組まなければならない。」
どうやら氏の意向は、ここにあるようです。時期を守らなければ切り捨てるべしという蓮池氏の一部の発言を除けば、出席者の意見は概ね氏の意向の範囲内にあります。
たった1時間の動画でしたが、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介するのに、6日間を費やしました。それだけ重い問題だったことになります。
「いずれが日本にとって妥当な決断なのか、「ねこ庭」ではまだ結論を出し兼ねています。」
曖昧だった「ねこ庭」の判断を、最後に述べようと思います。たとえ88人の読者登録しかない、千葉の片隅の独り言だとしても、あれもこれもと良い顔をしていたら、現実問題の解決になりません。「ねこ庭」から見える風景で一番心配なのは、堤氏のように自分の国を忘れた人々の意見に乗せられていると、
・日本はまたしても、世界の「現金自動支払い機」の役目をさせられて終わる。
ということです。拉致問題積極派の人々の思考には、被害を受けた国が日本であり、北は犯罪国家であるという視点が抜けています。だから私は、一番現実的で、一番過酷な事態を覚悟している蓮池氏の意見に賛成します。
・期限を守らなかったら、北の求めるような日朝関係というものは、未来永劫無いという姿勢。これに北が反応してくる限り解決するのであって、こういうものを北が無視した場合、北は拉致被害者を帰す気がないと判断せざるを得ない。
少数者のために多数者が犠牲にならない社会・・これが民主主義社会の原則ですから、国民の生命を預かる政治家は、無責任な批評家たちが何を言おうと、決断する勇気と覚悟が要ります。涙をこらえながら、声を詰まらせて語った蓮池氏の言葉を、私はこのように受け止めました。
長いシリーズを終わるにあたり最後に付け加えなくてならないのは、やはり次の2点です。
1. 「憲法改正」・・日本の国民と国土を守るための軍の再建
2. 「皇室護持」・・日本の歴史と伝統を大切にし、ご先祖への感謝と敬愛を忘れないための皇室