ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 6

2024-03-31 21:27:53 | 徒然の記

 「 5. 堤伸輔氏の意見 」

  ・安倍政権の時は、明らかに圧力一辺倒だった、というのは言い過ぎかもしれませんが、圧力を否めない時期があり、結果的にそうなったと思います。またステークホルダーと言われるその人たちも、おおよその人たちが圧力を重視してきた時があった訳ですよ。

  ・私の手で全員を取り戻すと総理は言いましたけれども、その言葉は一歩も進まなかった。結局10年、ものごとが動かないまま進んできた訳ですが、せっかくここで動きがある中で、これをチャンスとして日本側が捉えなければいけないと思います。

  ・その中でのキーワードは、既に出ていますけれど「人道」という視点、「日本の独自制裁」をどうするか。あともう一つ加えておきますと、在日朝鮮人の人たちの扱いをどうするかなど、向こうがどこに関心を持っているかということを、こちらも汲み取っていくことですよ。

 在日北朝鮮の人たちの扱いなど誰も言及していないのに、氏が発言します。問題をややこしくするための意見なのかと、今まで重きを置いていなかった氏に関心が急に高まりました。

 放送界というのか、マスコミ界というのか、内情に疎いので堤氏がどのくらい偉いのか、略歴を読んでも分かりません。しかし1時間に及ぶ長い番組で、最後の発言を司会者が求めた所に、氏の位置づけを見た気がします。

 「蓮池さん、どうも有難うございました。」

 他にも出演者がいるのに、蓮池氏一人に司会者が頭を下げた所にも、堤氏のコメンテーターぶりを感じさせられました。ウィキペディアで調べますと、氏の略歴が次のように書いてありました。

  ・熊本県出身。東京大学文学部卒、1980 ( 昭和55 ) 年新潮社入社。

 東大文学部の卒業生には、阿川弘之、夏目漱石、芥川龍之介、菊池寛、佐々淳行氏などの著名人がいますが、宇都宮健児、家永三郎、丸山眞男、宮台真司、向坂逸郎など、「ねこ庭」が嫌悪する左系の人物も多数います。

  ・平成28年からは、『週刊TBS-TBS報道部』を皮切りに、TBSグルーブが制作する報道・情報番組の コメンテーターを相次いで担当。

  ・BS-TBSでは『報道1930』に出演している。

 ウィキペディアの情報からは、左系なのかどうかは不明ですが、安倍元首相に批判的なところを見ますと、「安部派裏金問題」を追求する仲間なのかもしれません。言葉遣いも丁寧で謙虚な氏が、出演者の発言をまとめる形で締め括った意見を紹介します。

  ・せっかく金正恩総書記の方から、岸田総理のことを閣下と呼んでくれている訳ですよね。かってはもっとひどい言葉で、日本の総理のことを呼ばわっていた訳ですよね。

  ・だとしたらこちらもそのチャンスを捉え、向こうが何を求めているのかをよく考えてですね。岸田総理には、やってる感を出そうとせず、本気でやって欲しいということですよね。

  ・さっき蓮池さんがおっしゃったように、日本ができることを具体的に伝えていかないと、ただ首脳会談をやりたいとか、特使を送るとか言うだけでは、北朝鮮に対するメッセージにはなりにくいんだと思います。

 「 北朝鮮が拉致という犯罪を実行した、犯罪国家であることは口にしない。」

 「 金総書記のメッセージを好機として、日本は相手の意向を探りつつ、問題の解決に取り組まなければならない。」

 どうやら氏の意向は、ここにあるようです。時期を守らなければ切り捨てるべしという蓮池氏の一部の発言を除けば、出席者の意見は概ね氏の意向の範囲内にあります。

 たった1時間の動画でしたが、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介するのに、6日間を費やしました。それだけ重い問題だったことになります。

  「いずれが日本にとって妥当な決断なのか、「ねこ庭」ではまだ結論を出し兼ねています。」

 曖昧だった「ねこ庭」の判断を、最後に述べようと思います。たとえ88人の読者登録しかない、千葉の片隅の独り言だとしても、あれもこれもと良い顔をしていたら、現実問題の解決になりません。「ねこ庭」から見える風景で一番心配なのは、堤氏のように自分の国を忘れた人々の意見に乗せられていると、

 ・日本はまたしても、世界の「現金自動支払い機」の役目をさせられて終わる。

 ということです。拉致問題積極派の人々の思考には、被害を受けた国が日本であり、北は犯罪国家であるという視点が抜けています。だから私は、一番現実的で、一番過酷な事態を覚悟している蓮池氏の意見に賛成します。

  ・期限を守らなかったら、北の求めるような日朝関係というものは、未来永劫無いという姿勢。これに北が反応してくる限り解決するのであって、こういうものを北が無視した場合、北は拉致被害者を帰す気がないと判断せざるを得ない。

 少数者のために多数者が犠牲にならない社会・・これが民主主義社会の原則ですから、国民の生命を預かる政治家は、無責任な批評家たちが何を言おうと、決断する勇気と覚悟が要ります。涙をこらえながら、声を詰まらせて語った蓮池氏の言葉を、私はこのように受け止めました。

 長いシリーズを終わるにあたり最後に付け加えなくてならないのは、やはり次の2点です。

  1.  「憲法改正」・・日本の国民と国土を守るための軍の再建

  2.  「皇室護持」・・日本の歴史と伝統を大切にし、ご先祖への感謝と敬愛を忘れないための皇室

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 5

2024-03-30 22:03:58 | 徒然の記

 西江 ( そがん  ) 大学客員教授であるワン・ソンテク氏は、北朝鮮外交問題に関する専門記者として、20年以上南北、米朝交渉の現場を取材してきた人物だそうです。

 そんな氏には、日米韓が足並みを揃え北朝鮮への圧力を続ける中、今年に入り、金正恩総書記の見舞い電報や妹の与正氏の談話など、日朝が急速に接近しているように見えるそうです。日本人だけでなく、韓国人が見た日朝関係という視点で氏の意見は参考になります。

 もともと韓国では保守派・進歩派という二大勢力が対立し、政治を不安定にしていますが、捏造の慰安婦問題や徴用工問題で、散々日本に難癖をつけてきたのが進歩党です。

 進歩党は大統領選挙に僅差で敗れ、ユン政権の誕生を許しましたが、依然として国民の支持の半分を得ていますから、彼らの動きは無視できません。ワン教授が、私たちの知らない韓国の事情を教えてくれます。

 「 4. ワン・ソンテク氏の意見 」

  ・日朝はある意味、互いに対話をする意思はやりとり済みで、日朝会談の実現に向けた具体的な条件について、意思を交換している。そう考えれば辻褄が合うのです。

  ・北朝鮮に対し、強硬な姿勢を貫いてきた保守派の支持で誕生した尹 ( ユン ) 政権ですが、今日本と北朝鮮の接近を簡単に批判できない状況にあります。

  ・保守派のユン大統領は北朝鮮に対し強硬政策を展開しているので、日朝の接近に大いに反発する可能性があります。しかし一方でユン政権は、日本との良好な関係を重要政策として掲げています。ですから日朝の接触に多少の不満はあるでしょうが、日本と表立って衝突することは起こり得ないわけです。

  ・保守派とは反対に、北朝鮮との宥和政策を推し進めてきた進歩派は、これまで日本に対して歴史認識などで強硬な姿勢をとってきました。しかし今回は、日本の動きを支持するという声が上がってきています。

 反日の塊である進歩党に支持されても、それは単に「敵の敵は味方」という一時的な戦術ですから、日朝の接近がユン政権打倒に利用されるとしたら、迷惑な話です。

  ・進歩党からすると、ユン政権は北朝鮮との対話面において過剰に強硬な立場をとっているため、せめて日本だけでも乗り出して、北朝鮮との話し合いを実現させれば、これが米朝対話につながると期待している。

  ・さらにそれが南北対話につながり、朝鮮半島の緊張緩和につながり、平和体制の構築に少しでも役立つのであれば良いと、進歩党は日本と北朝鮮の接触について前向きな態度を見せることがある訳です。

 一つの国が動くと、予想しない面から他国が連動するというのは、国際社会の常識なのかもしれません。日本の専門家が関係国の話をしないので、ワン氏の説明が視野を広げてくれます。

  ・日朝会談に向けて前向きなものがあるとしたら、そこにメリットを感じるのはアメリカも同じです。ユン大統領の強硬姿勢で緊張が高まり続ける韓国に、アメリカが負担を感じ始めています。

  ・朝鮮半島の緊張が高まりすぎて、戦争の脅威が統制可能な範囲以上に高まると、アメリカに負担がかかりすぎるからです。北朝鮮に対する断固たる態度は、「統制できる範囲内」でのみ行われなければなりません。

 韓国、アメリカの話と視野を広げてくれましたが、疑問も広げてくれる氏の意見です。何をするか分からない独裁者を相手にしているのに、「統制できる範囲内」で対応すべきと自国の大統領に注文をつけています。ネットで氏の略歴を探しましたが、著名人でないらしく見つかりませんでしたので、西江大学について調べてみました。

  ・西江大学校は昭和35 ( 1960 ) 年に、カトリックのイエズス会により設立されたミッション系大学である

  ・著名な卒業生は、朴槿恵元大統領 

 進歩党系の反政府大学でないことは分かりましたが、北朝鮮を必要以上に刺激するなと、氏が大統領批判者であるのは間違いなさそうです。

  ・日朝首脳会談が「朝鮮半島の安定」という軍事的緊張を緩和し安定する方向になれば、つまりアメリカの立場から見て「管理できる程度」になれば、好ましいことなのです。

  ・急浮上した日朝会談の可能性は、こうした状況だからこそ、日本独自の動きを進めるため「悪くない環境」です。

  ・日本の役割はありますし、岸田総理にはその構想があると思います。今日本に与えられた様々な条件からして、日本の動きは日本自身にも役立ち、周りにも貢献できるのです。

  ・ただ、拉致問題だけが日朝会談の全てではありません。非核化という大きな障害が存在していますが、たとえ現在の水面下での接触が失敗し、首脳会談が実現しなかったとしても、水面下での対話のチャンネルを構築するという成果を残せば、今後の可能性があるのです。

 核保有のため巨額の資金を費やしている北朝鮮は、経済的に破綻し、加えて農業政策の失敗から食糧が国民に行き渡っていないと言われています。アメリカから対話の道を閉ざされ、韓国には主敵宣言をしていますから、金総書記は曖昧戦略を取る岸田政権に擦り寄ろうとしています。

 ワン氏はこれを、日本にとって好条件の環境だと言い、岸田首相の姿勢を積極的に評価しています。独裁者の金総書記ほどではありませんが、岸田首相も政権維持のためには何をするか分からない人物ですから、「ねこ庭」ではむしろ不安が半分以上です。

 ここまでで番組に登場する専門家4人の意見を紹介し、残るのは「 5. 堤伸輔氏の意見 」一人となりました。堤氏は北朝鮮問題の専門家でなく、当番組の制作コメンテーターであり新潮社の学芸出版部の編集委員ですから、発言は多くありません。男女2名の司会者を含め、4人の専門家たちが事前に打ち合わせをしていたのか、ぶっつけ本番に意見を述べたのか、そういうところも推測しながら、次回は最後の紹介をします。

  「 5. 堤伸輔氏の意見 」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 4

2024-03-29 22:16:18 | 徒然の記

 今回は、めぐみさんの遺骨に関する蓮池氏の証言です。

  ・2002年にめぐみさんが死亡し、今遺骨を探しています。と言うのが北の報告だったですね。

  ・その時めぐみさんの夫も、めぐみさんのご両親に出した手紙の中で、めぐみさんが亡くなったのは1993年の3月と同じようなことを書いています。その時、自分が遺骨を保管していることをいっさい言っていなかった。

  ・ところが2年後になって、「あ、遺骨は私が持っていました」なんて、あまりに不自然ですよね。

  ・しかも当時の彼は、私たちと同じ処遇の拉致被害者だった訳で、組織の中では、組織の指示通り動かなければいけないという立場の人だった。組織の力を借りなければ、何もできない人なんです。

  ・そう言う人が、組織に黙って、どこにあるかも分からないお墓を探して、仲間を動員してお墓を掘り返し、遺体を火葬までした。しかも私たちが隣に住んでいる所で、遺骨を保管していた。彼が火葬したしたオボンサン火葬場は、その時はまだ建設されていなかった。

  ・作り話もここまでくると、本当におかしな話になっちゃう・・と言う状況です。めぐみさんの遺骨については、DNA鑑定だけでなく、こう言う経緯の状況だけでも否定できると言うことです。

  ・北朝鮮が日本へ出す人と、出さない人とを分けている基準は2つあると思う。一つは北朝鮮が認めたくないテロ事件に、間接的にでも関与している人。例えば大韓航空機爆破事件で実行犯だったキム・ヒョンヒに、日本語を教えたとされている田口八重子さん。

  ・それから、よど号事件ですよね。よど号事件のテロリスト、いわゆるハイジャッカー達を匿っているということ自体が、国際的な非難を受けている訳で、その人たちが拉致をした、しかも北朝鮮の指示によって拉致をしたということを世界中に知られたくないということから、こう言う人たちを表に出さないと言うこと。

 ここでよど号事件のテロリストたちの話が出てくるとは、意外でした。末川博氏や小田実、寺尾五郎、土井たか子氏などの政治家や著名人が、北朝鮮を理想国家として賛美していた頃の話です。昭和45 ( 1970 ) 年に、「日本赤軍派」を名乗る過激派学生9人が、北朝鮮へ亡命しようと日本航空機 ( よど号  ) をハイジャックした事件です。

 世界革命を夢想する愚かな学生たちは、北朝鮮に拉致されたのでなく自ら望んで亡命し、逆に北の指示を受け拉致実行犯の仲間入りをしています。彼らは自分が拉致した日本人女性や、北が拉致した日本人女性と結婚し子供を作っています。自らの職業を「革命家」と自称する彼らの家族の中に、特定失踪者に含まれている人がいるのかどうか、「ねこ庭」では分かりませんが、蓮池氏の証言によって複雑な状況があることは推測できました。

 蓮池氏も愚かな学生9人のテロリストについては、これ以上喋りません。

  ・つまり喋ってもらいたくないことを知っている人を、出したくないと言うのが一つです。もう一つは、北は我々を日本へ帰したくないものですから、日本政府の人に会った時、日本へ帰りたくない、家族とは平壌で会いたいと言わせようとした。

  ・子供たちがいて、人質に取っていれば、何でも言うことを聞くだろうという人たち・・。どうもこの人は、日本政府の人に会わせると、日本へ帰りたいとその場で言ってしまう人と、おそらくそこで線引きをした。

  ・出せない人たちは、「居るけど出せません」と言えない訳ですよね。ですから、亡くなったと言うことで処理をした。奴らはびくびくしながらも、子供を人質に取られているから大丈夫だろうという線引きをして、帰してくれたのが5人だったというのが私の考えです。

 「私たちの人生は過酷だった。」「しかし残されたのぞみさんたちは、もっと辛い毎日を送っています。」「私たちだけが帰って・・申し訳ないと言う気持ちがあります。」

 「ねこ庭」の過去記事で取り上げたインタビューの動画で、声を詰まらせて涙ぐむ氏の姿がありました。このようにして当時の状況を詳しく説明されますと、北の工作員かと氏を疑った自分を反省したくなります。親たちが生きている間にと、拉致問題を優先させる思いに偽りはないのでは、と言う気がしてきました。

 ここで司会者が、非常に重要な質問をしました。それは私の疑問でもありました。

 「蓮池さんはですね。ずっと、例えば横田めぐみさんとのこと、例えばどこで暮らしていたとか、ほとんど話してこられなかったと、思うんですよね。」

 「ここにきて、話をされているように、見えます。どんな思いからですか。」

 ・いや私はめぐみさんについては、もう10年くらい経ちますが、いろいろな所でお話をしています。

 ・ただ私たちが色々言うのを控えめにしていたのは、次に帰る人たちに悪い影響、つまり、帰ると何でもバラしてしまう、やはり帰してはいけないと、北に思わせないために、しばらく日本政府を信じて解決するのを待っていたと言うことです。

 ・ところが様子を見ていると、そんな話ではないと、北にはどんどんプレッシャーをかけていかない限り動かせないと、最近考えるようになりました。北が解決済みと言っていることを打ち壊すのは、我々しかいないのではないかと、そう言う意識が最近ますます強くなりました。

 ・北朝鮮に対して、日本から出せるものは限られています。国際的には国連の安保理制裁もあるのですから、無理なものは出す必要はないと思います。

 ・で、今やれることはこうで、将来やれることはこうだと、それを拉致被害者を帰すという条件のもとで出すよと言う主張。それとやはり将来に対して、日本政府なり我々国民なりが、明確な姿勢を北朝鮮に示すべきと思うんですよね。

 ・と言うのは、期限を守らなかったら、これからは北の求めるような日朝関係というものは無いという姿勢。こういうことに北が反応してくる限り、解決するのであって、こういうものを北が無視した場合、北は拉致被害者を帰す気がないと判断せざるを得ない。

 ・期限という意味は、本来そういうところにあると思う。ですから、使いたくない言葉ですが、飴と鞭・・この両面で行くしかないというのが、私の考えです。

 以上で、氏の意見の全てを紹介いたしました。北の機嫌を損なわないようにと、際限のない譲歩をする意見ではありません。親世代の高齢化という期限を過ぎたら、未来永劫日朝関係の正常化は無いという、常識的、現実的な意見です。氏の意見が、松原、磯崎両氏と違うのはここです。

 北が期限を守らなかったら、未来永劫北との関係はないという断言は、拉致被害者の一人だった氏だから言える言葉かもしれません。決断の背後には、「いざとなれば、拉致被害者と帰りを待つ家族を断念する。」という強い覚悟があります。現実的で残酷な意見は、北朝鮮の非情さを体験した蓮池氏が口にしても、松原氏と磯崎氏には言えない言葉です。

 しかし現実的、残酷な決断が、国のリーダーに求められる政治ではないのかと、そんな気がします。多数の国民の安全と幸福を守るために、少数の犠牲はやむおえない、それが「民主主義社会の基本だ」と世界の政治家は考えているのではないでしょうか。

 テロリストが航空機をハイジャックしたり、人質を取って建物に籠ったりした時、他国の政治家は容赦なく強行突入をさせます、双方に死者が出ても、将来の危険を除去するため妥協はしないという姿勢です。

 「人の命は、地球より重い」と言い、超法規的措置でテロリストの要求を呑み、3億円を持たせ、獄中の殺人犯を国外逃亡させた福田首相の姿勢が、戦後日本の政治家の典型のような気がします。人質の命を救った人道的決断に見えますが、一方では将来の危険に目を背けた判断とも言えます。

 こうした観点から見ると、蓮池氏の意見が国際社会の常識、松原氏と磯崎氏の意見が日本の常識と、そんな区分ができる気もします。世界の常識が何でも良いとは言えませんので、いずれが日本にとって妥当な決断なのか、「ねこ庭」ではまだ結論を出し兼ねています。

 「ねこ庭」を訪問された方々は、どのように受け取られるのでしょう。

 結論を急がず次回は、四人目の専門家 「 4. ワン・ソンテク氏の意見 」を紹介いたします。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 3

2024-03-29 12:33:39 | 徒然の記

         松原仁氏  ・・ 立憲民主党衆議院議員・元拉致問題担当大臣 

           磯崎敦仁氏  ・・ 慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 )・・ 

           蓮池薫氏   ・・ 新潟産業大学特任教授・  

         ワン・ソンテク氏・・韓国西江大学客員教授・

      堤伸輔氏  ・・ TBS番組制作コメンテーター

 今回は、3人目の専門家・蓮池氏の意見を紹介します。松原氏と礒崎氏が説明している画面の端に、聞き入っている氏の姿が映し出され、司会者が都度意見を求めています。番組の中で、氏がいかに重要視されているのかが分かります。

 以前「ねこ庭」で紹介した時の氏は謙虚でしたが、今回は口をへの字に結んで顎を突き出し、胸を張っています。松原氏と礒崎氏が氏の意見に添って話をしているせいもあるのでしょうが、得意らしい様子が窺えます。

 「北朝鮮問題の核、ミサイル、拉致の3点セットから切り離し、高齢化が迫る拉致問題を優先する」、というのが氏の持論です。岸田首相が氏の持論通りに北と交渉を進め成功したら、日本の戦後外交史に金字塔を立てる功績になります。

 帰国直後に大学へ復学し、卒業後に講師となり、准教授、特任教授と昇格しただけでなく、国政の難題に助言するという活躍ぶりは、並の人間にできることではありません。氏が得意になっても、当然だろうと思います。

 ただ私はつい先日の3月23日に、FNN プライムオンで「めぐみさんに関するインタビュー動画」に出演した氏を見た時と、同じ印象を持ちました。 

  ・最近の氏の発言の頻繁さだけでなく、ネット界が突然「拉致問題」を報道し出した不自然さが目立ちます。

  ・国内の不自然な動きと、金正恩氏の「衝撃発言」は連動しているのではないか。

  ・蓮池氏は、本当に金日成バッジを外したのだろうか ?

 今回も同じ疑問を抱きつつ、氏の意見をコメントなしで紹介いたします。

  「 3. 蓮池薫氏の意見 」

  ・もちろん日本は、核・ミサイル・拉致の3点セットと言われるものを解決する。その上で国交正常化、過去の清算という流れではあるものの、岸田総理の話の中では、時間がないからと、特に拉致問題を人道問題として位置づけています。

  ・と言うことは、政治的軍事的な大きな問題は時間がかかるので、まずは拉致問題を人道という枠の中で解決する。人道については北朝鮮の食糧難であったり、また人の行き来など、日本独自の制裁にかかわるものがありますので、これとからめて解決しようとする方向性がある。

  ・北も、国交正常化ということを表に出さずにいるところを見ると、接近していく可能性が無くはないかと思います。そういった中で、日朝間で水面下のやりとりが行われ、多少歩み寄りというか、共通項が出て来たのではないかなとそういうふうに考えています。

  ・日本は今拉致問題に対して、私も含まれますが、期限をつけて解決しようと呼びかけています。総理の話の中にも「時間的制限」という言葉があり、このまま停滞したら、日朝の関係構築はあり得ない、無くなるかもしれないということですね。

  ・これって、期限を守れなかった場合、もう30年50年ずーと北が求めているような日朝の関係はできないのだと、だから存命の間に拉致問題を動かさないと、貴方たちには日本との関係は無くなりますよと言うことです。それは北にも伝わっているのではと思います。

  ・金正恩委員長の頭の一部には、「後継者体制づくり」、「今のうちに基盤を固めておきたい」と言う考えが明らかにあると、私には見えています。そうでなければ、あんなに若い娘さんを出してくるということはないのです。そういう意味で、今のうちに日本との関係で何かを動かさないと、次の代に支障が出てくると金正恩委員長が考えているのではないかと、私は考えています。

  ・韓国とは、関係を維持しつつ、拉致問題を解決する道は必ずあると思います。拉致問題については互いに協力しましょうと言う合意もありますし、さらに言えば、北にいる日本人の拉致被害者の所在については、日本よりも韓国の方が情報が入手しやすい。

  ・全体的なことを言えば、日本は拉致問題だけをやろうとしているのではなくて、核・ミサイル問題も含めて考えています。拉致問題を人道的見地から優先してやろうとしているだけなんです。アメリカや韓国との風通しを良くして、コミニュケーションをとっていけば、両国が反対するすることにならないのではないかと考えています。

  ・北朝鮮の作戦は、生きている人は出さないわけにいかない。出したくない人は、亡くなったと言うことにしている。めぐみさんに関する北の主張は、完全な捏造です。

  ・北朝鮮は拉致は解決済みと盛んに言うけれど、その中身には8人の死亡が含まれています。亡くなった8人については遺骨や報告書 ( 診断書 ) があっても、どれ一つとっても死を証明しているものはありません。

   ・ここで遺骨の問題について、一つだけ付け加えておきたいのですが・・・

 蓮池氏の意見は、遺骨の説明で終わります。こんなに詳しく氏が経緯を語るのを聞いたのは、初めてです。もしかすると話の山場なのかもしれません。紹介するにはスペースが足りませんので、一旦ここで一区切りとし、残りを次回に致します。今日は3月29日、朝から激しい雨風が「ねこ庭」を騒がせています。叩きつける雨がガラス戸を濡らし、水滴となって流れています。

 それでも昨日までの寒さが嘘のようで、ストーブなしで机に向かっています。

 「強い雨ですが、桜の開花を促す春の長雨です。気温も暖かくなります。」

 天気予報の通り、雨足は強くても気温が上りました。開花を促す春の雨なら、待てば花咲く春がすぐそこです。蓮池氏の話も、拉致問題の開花につながるのだとしたら、聞き逃すわけに行きません。次回も「ねこ庭」へ足をお運びください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 専門家諸氏の意見 - 2

2024-03-28 12:43:15 | 徒然の記

 本日は、朝鮮政治の専門家・慶應大学礒崎教授の意見を紹介します。「ねこ庭」で考える専門家と、ネット界での専門家が同じ意味でないことを知る驚き・・まずそこから始めようと思います。

  ・専門家とは相手の言い分を全て肯定し、どうすれば相手の気分を害させずに対応するかを提案する人物のこと

 ネット界での意味がこう言うことなら、松原氏と礒崎氏は同じ仲間です。しかし「ねこ庭」で考える専門家の定義は違います。

  ・専門家とは相手の長所・短所を熟知し、いかに有利な回答を引き出すかを提案できる人物のこと

 犯罪者の勝手な言い分を聞き、被害者に我慢をさせる提案しかできない人物が果たして専門家と言えるのでしょうか。国民から言論の自由を奪い、自国の現状を他国へ漏らすことを禁止している北朝鮮は、中国と同じ秘密国家です。自分のことは何も知らせず、他国の情報をしこたま欲しがるのが独裁国家ですから、この動画も彼らは間違い無く見ています。

 朝鮮の専門家ならば両氏はこのことを知っていますから、いわば動画での発言は彼らが送る北朝鮮ヘのシグナルではないのでしょうか。事前に、日本の手の内を教えていることになるではないかと、むしろ「ねこ庭」では危惧します。 

  ・北朝鮮は難しい相手です。トランプ大統領が非核化を掲げて、3回会ったけれどうまくいかなかった。やはり核実験に反対していた習近平国家主席も、5回会ったが、別に北は核を放棄する訳ではない。

 氏はこのように言い、首脳会談を模索する岸田首相へ過大な期待をしないように提案します。

  ・岸田総理が20年ぶりに日朝首脳会談を実現しようとすると、国民の期待感は高まりますよ。とにかくあれもこれもと、満額回答を期待しますけれども、これまでの政権ができなかったことを、北朝鮮と向き合ってするのであれば、国民が理解を示していくことが必要であると思います。

 以上「ねこ庭」の意見を先に述べましたので、以下礒崎氏の意見をコメントなしで紹介します。(「~する訳」という言葉を多用し切れ目なく喋るため、氏の意見は焦点が定まらない時がありますので、「ねこ庭」で編集しています。)

 「 2. 磯崎敦仁氏の意見 」

  ・私は、蓮池さんがおっしゃったことと非常に近い考えを持っております。

  ・日本に対するメッセージの出し方は、変わってきている訳ですけれども、その背景にはやはり短期的には、日米韓が安全保障上の関係を深めていく中で、ここに楔を打ちたいという思いがあるとは思いますが、そう簡単に日米韓が揺らぐものではない。

  ・そのくらいのことは北朝鮮も分かっている。ですからもう少し中長期的なところ、現在のワシントンは「もしトラ」でなく「ほぼトラ」になっている訳ですよね。トランプ大統領の再選可能性を、みんなが語っています。

  ・北朝鮮もそれを見据えている訳で、米朝交渉もいつかは再開させないと、制裁も解除されないままである訳です。ただ北朝鮮が自ら譲歩する訳ではなく、トランプ氏が大統領になったとしても、アメリカの変化を待つことに変わりはない。

  ・しかしその時にはやはり、日本が重要になってくる訳ですよ。日本は米朝関係を促進させる要因にはならないけれども、米朝が接近しようとした時、邪魔をする、妨害をするということはできます。

  ・安倍政権の時には、トランプ大統領がシンガポールで米朝会談をしようとして、直前になってそれをやめようとした時、安倍総理が賛成した訳ですよ。つまり米朝会談が実現しないことに賛成した。そういう妨害をしないで欲しいということですよ。

  ・日朝が国交を回復するということは、もう遠い先の話になっている訳ですが、その遥かに手前のこととして、最低限日朝関係を改善しておかないと、また邪魔をされるかもしれないという短期的・中長期的な考えがあって、とりあえず日本に対し高いハードルのボールを投げてきたということですね。

  ・今回2月15日に金与正氏が、日本に対し初めて談話を出してきた訳ですけれど、拉致は解決済みという従来からのスタンスは守りながらも、談話の末尾に何が書かれてるいかと言うと、しつこく、これは私の個人的な見解であると書いてある訳ですよね。

  ・談話とか金与正氏のメッセージとかで、北朝鮮の姿勢が変わることはあり得ないですよ。トップとトップがあって、日朝首脳会談が成立してこそ変わり得るかもね・・という程度のことを示唆している。

  ・日朝首脳会談が成立するのだとしても、相当ハードルの高いボールを投げて来ている。拉致問題を解決済みとしてままで日本が乗れないことを、北朝鮮は十分知った上でこの話を出していると思います。

  ・日米韓でやるべき問題と、日本が独自に動かなければならない問題があって、拉致問題、日本人の生命と安全にかかわる問題に関しては、日本政府が独自に動くしかない訳ですよ。

  ・2018年の6月にシンガポールで米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。安倍総理はトランプ大統領を通じて、金正恩氏に日本側の懸念を伝えている訳だけれども、アメリカの大統領が日本人の拉致被害者たちを取り戻してくれる訳ではない。

  ・ですからこれは日本が動くしかない。そのための首脳会談をするタイミング、これまで日本が模索しても中々無かった訳ですけれども、久しぶりに本気で模索するタイミング来たように思います。

  ・北朝鮮の今回のシグナル、昨年5月のパク・サンギル外務次官、1月の金正恩氏の見舞い電、そして2月の与正氏のメッセージと3つ続いた訳です。与正氏のメッセージでは、北朝鮮の首脳部として今回の日朝接触、日朝首脳会談に対する具体的構想を持っている訳ではないことも言っている。

  ・ですから北は、ボールを投げているだけなんです。日本にボールを投げたところで、北は失うものがない。とにかく北は、日本に譲歩を迫る。

  ・日本が相当程度の覚悟を決めて、北朝鮮と譲歩をして、今の北朝鮮と岸田総理が会うのであれば考えましょうかと、こう言う内容のメッセージですよ。

  ・メッセージの出し方は変えているが、拉致問題は解決済みという姿勢は変えていない、動かしていない訳です。ただこれを動かさなければ意味がないと、日本では考えられている訳です。それを知った上でメッセージを出している訳ですから、かなり難しいですね。

  ・これまで「ストックホルム合意」があった訳ですから、民主党政権下でも、自民党政権下でも、日本はずっと北朝鮮に説明をし続けて来た、北の矛盾を突いて来たところである訳ですよ。

  ・問題は、金正恩氏が政権を発足してから13年目に入って、最近氏が父親やお爺さんが作って来た政策を否定しているところが目立つ訳ですよ。

  ・お爺さんの金日成が1980年代に掲げた「南北連邦制による統一」を、真っ向から否定している。金日成の業績を讃えて父親の金正日が建てた記念塔も、爆破して失くしたり、3年ほど前には、韓国から外貨を引き出す装置だった金剛山観光事業を止めさせたりしている。

  ・お爺さんや父親の名前は出さないけれども、先代のやって来たことを明確に否定するという姿が目立っている。金正恩氏は、先月2月16日の金正日国務委員長の誕生日も、今年と昨年は参拝にすら行っていない。

  ・だから、拉致問題は貴方自身がやったことではないでしょう、ということは言い出せる訳ですよね。昔の過ちを正して、新しい未来を作ろうというメッセージを投げられるかどうか・・・というところですね。

 

 これまで何度か紹介していますが、今回は何を語るのか。次回は、三人目の専門家の意見を紹介します。 

   「 3. 蓮池薫氏の意見 」 」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 専門家諸氏の意見

2024-03-26 22:22:45 | 徒然の記

 「 1. 松原仁氏の意見 」

  ・与正 ( ヨジョン ) さんや正恩氏の発言、またこの前のパク次官の発言を含めて、明らかに北の対日交渉窓口は、従来の強硬的な部署 ( 統一宣戦部?  ) と違うチームなったということが、3回のシグナルを出してきたことから推測できる。 

  ・私は拉致問題の解決は、親子が抱き合う姿を見て解決だと12年前から言っていたわけですが、やはり北は儒教国家としてこのことは理解できる。

  ・ただこれからの交渉で一番重要なのは、2002年の小泉訪朝時のあのことは繰り返したくないと、北朝鮮の色々な人間、エージェントと私は大臣時に会っていますが、彼らはこのことを強く主張していた。

  ・つまり5人の拉致被害者を帰したのに、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となったわけですよ。あれを繰り返したくないというのが、北の最大の関心事ですから・・・これは言葉を変えていうと、「出口論」ですよね。

 無礼な予正氏のことを「ヨジョンさん」と呼ぶところから、氏に疑問が生じましたが、小泉訪朝時の話は驚くしかありません。政府認定の拉致被害者17名の他に、特定失踪者が873人いて、合わせると890人です。この中のたった5人を帰すのも、すったもんだの末にやっと実現しました。

 当時の経緯を知る国民からすれば、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となるのは当然の話です。今度交渉して5、6人の話になれば、繰り返したくないと北が駄々を捏ねても、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となります。元拉致担当大臣としてもう少しまともな意見を述べると思っていましたが、反日左翼政党の大臣らしい北朝鮮寄りの姿勢でした。

 ・私は国内では強硬派としてやってきましたが、今回は北朝鮮が了解し、納得できる「出口論」をどう作るかです。私が拉致担当大臣の時野田総理に提言し、安倍さんにも話をしてきたが・・・

 ・全ての日本人側のステークホルダー、つまり「家族会」「救う会」「調査会」「有識者」、そして「日朝議連」。これが集まって一定の解決案というものを合意し、もし7割8割合格の答えが出てきたならば、北への人道支援も、万景峰号を含む解禁をしましょうと、私は大臣時代に言っているんですよ。

 ステークホルダーというのはビジネス用語で、株主、経営者、従業員、顧客、取引先、金融機関など、企業のあらゆる利害関係先を指す言葉です。どういう意味で氏が言っているのか分かりませんが、企業経営と国政を混同しているのは間違いありません。その証拠に氏の挙げているステークホルダーの中には、肝心の「国民」が見えません。

 氏の意見のどこに強硬派らしい正論があるのか ????、 幾つもの疑問符が並びます。

 ・これらはまあ、松原仁が大臣時代に言ってきた「松原仁の3つの原則」なんですが、その3つ目の原則、実は私が言ったというより北朝鮮側の強い要請もあって入れたものです。

 ・つまり「2002年の、あのトラウマは繰り返してはいけない。」ということ。

 ・どうやったらこれを担保できるか。一定の解決をしながら「反北感情」が盛り上がらないように抑止するためには、ステークホルダーの参加が大事になります。

 ステークホルダーを参加させても、890人の拉致被害者が半分も帰らなければ「反北感情」は再発します。トラウマを繰り返したくないのなら、北の譲歩をどうすれば引き出せるのか、その方に心を砕くべきでしょう。罪のない日本人を拉致した犯罪国家という意識が、氏にはないのでしょうか。日本が北をトラウマにさせたのでありませんから、北朝鮮擁護のトラウマという言葉からして間違っています。

 紹介するのが嫌になりますが、立憲民主党の大臣がどんな政治をするのか、今後のためになると考えて頑張ります。

 ・結論的に言えば、昨日おととい林担当大臣に予算委員会で言ったのですが、今回の交渉には、「家族会」から信頼のある西岡さん、「調査会」から信頼のある荒木さんを参加させること。

 ・金正恩さんとの話合いの場に同席できないのは当然ですが、二人を一緒に連れて行って、そこで知恵をもらいながら交渉をやることによって、日本側のステークホルダーが一定の納得できる結論を出す。

 ・これで結論が出なければ、逆に北へ強い姿勢も出すぞと、こういうことになるのですね。

 ・基本的には核とミサイル、国連安保理で行っている制裁を維持することは当然でありまして、その上で日本が拉致問題のため行っている独自の制裁、万景峰号を含む他の制裁ですね。

 ・拉致問題という外交での最重要問題を決着させるため、日本がそこに手を入れても米韓は了解していると思います。

 ・北朝鮮がこうやって様々なシグナルを送ってくるというのは、日米韓の連携に楔を打ち込みたいという若干の期待はあるかもしれないが、本質的には拉致問題を解決しておくことが、北朝鮮の未来にとって極めて魅力的であるということを考えていると思います。

 ・日本にとって拉致問題の解決が最優先課題であることを、北は十分わかっているんですよ。

 ・だから私は、金与正発言にしても、全て分かった上で精一杯のシグナルを出しているのだろうと考えています。2002年のようなことが繰り返されない限り、私は首脳会談の可能性はあると考えています。

      以上で、立憲民主党衆議院議員・松原仁氏の意見の紹介を終わります。氏は野田内閣の時、国家公安委員会委員長、拉致問題担当大臣をしていました。次回は、慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 ) 磯崎敦仁氏の意見を紹介します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 金総書記のシグナル - 2

2024-03-26 12:57:00 | 徒然の記

   4.  令和6年3月1日 TBS NEWS DIG  「# 報道1930」・・動画

           * " 動く日本" 米韓にもメリット?日朝の接触「拉致問題」  北朝鮮の本音は

  「女性司会者の説明」

    ・そして先月15日には、金正恩総書記の妹・与正 ( ヨジョン  ) 氏が、「拉致問題を障害物にしなければ、両国が近づけないはずがなく、岸田総理がピョンヤンを訪問する日が来ることもあり得る。」との談話を発表。

  「条件なしで会談に応じる」と言う言葉が、北朝鮮には上から目線と受け取られかねないと蓮池氏は言いましたが、与正氏の言葉は上から目線どころでなく、傲慢な発言です。女性司会者が問題視するふうでなく説明を続けていますが、私は不愉快になりました。 

 松原議員と磯崎教授が、明快な意見を述べると期待しブログを書いていましたが、これ以後は最後まで動画を観て紹介をするという何時もの方法に切り替えました。

 最後まで見た感想は、ゲスト出演者への失望でした。彼らは金正恩総書記が、岸田首相宛の見舞いの電報に、総理大臣閣下と敬称をつけていたことを重要視し、歩み寄りのシグナルを好機と捉え、拉致問題の解決へ進むべしという意見です。日本国民の拉致という彼らの犯罪行為を、誰も批判しませんでした。

 表現は異なっていますが、彼らの意見は一方的な日本の譲歩でまとまっています。国交を回復し戦後補償をすると言えば、北は拉致問題に歩み寄りを見せるという、蓮池教授の意見と同じ路線です。松原氏や磯崎氏が、金総書記と与正氏の横柄な発言を多少批判するかと期待しましたが、何もありませんでした。

  ・アメリカとの非核化交渉を避け、経済的な困窮が続いている北朝鮮が支援を求めて、日本独自の交渉の呼びかけに応じる可能性が今はあると、私は考えています。考えようによっては、拉致問題が動く可能性があるんじゃないかと思うのです。

 令和4年の10月、柏崎市の講演会で蓮池氏が北朝鮮の内情を語っていましたが、今回氏は北の経済状況の悪化に触れていません。「拉致被害者と家族の高齢化」、つまり「人道問題の解決」が全てに優先するという氏の持論が、出演者の共通認識となっている印象を強くしました。

 救出を待っている拉致被害者と、待ち侘びている家族のことさえなければ、傲慢無礼な北朝鮮が経済的に疲弊し、国が消滅に瀕しても、自業自得ですから痛くも痒くもありません。しかし北朝鮮が拉致被害者という人質を抱えている限り、日本は彼らの言動に翻弄されます。

 「ねこ庭」から見える風景は、次のようなものです。

  ・金日成バッジをつけた蓮池教授の意見の通りに、岸田首相とマスコミと学者が動かされようとしている。北の意見を代弁しているに過ぎない氏の姿勢に、誰も疑問を抱いていない。 

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々が、同じ印象を抱かれるかは不明ですが、自分の考えを明らかにした上で、動画の続きを紹介します。私たち国民と同様に、北の言動に翻弄されている拉致被害者家族会についての解説になります。

  「女性司会者の説明」

  ・こうした動きの中、今週の月曜日には被害者家族会が苦渋の決断を発表しました。

  ・家族会代表の横田卓也氏の発言です。

   「親の世代が存命のうちに、全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国がする人道支援と、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないとする、新しい方針を打ち出す。」

 北朝鮮への経済支援反対、スパイ船万景峰号の入港禁止と、強い制裁を政府に求めていたのが家族会でしたが、拉致被害者と親世代の高齢化のため方針転換を余儀なくされています。

 いったん動画の順番を離れ、出演した専門家たちがどのような意見をのべているかを、まとめて紹介することにしました。

      立憲民主党衆議院議員・松原仁氏  ・・元国家公安委員会委員長 元拉致問題担当大臣  ( 野田内閣  )

         慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 )・・ 磯崎敦仁氏

         新潟産業大学特任教授・蓮池薫氏  

      韓国西江大学客員教授・ワン・ソンテク氏

  TBS番組制作コメンテーター・堤伸輔氏 ・・新潮社学芸出版部編集委員

 ちょうどスペースが無くなりましたので、次回からといたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 金総書記のシグナル

2024-03-25 18:49:47 | 徒然の記

   1.   令和6年1月6日 NHK NEWS WEB

   2   令和6年1月15 ( ? ) 日 TBS NEWS DIG ・・動画

   3.  令和6年1月16 日 テレ東BIZ ・・動画

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 金総書記の「施政演説」

2024-03-24 23:39:46 | 徒然の記

   1.  令和6年1月6日 NHK NEWS WEB

   2 令和6年1月15 ( ? ) 日 TBS NEWS DIG ・・動画

           *  金正恩総書記「韓国は第一の敵国」 北朝鮮の最高人民会議で施政演説、憲法の改正を指示」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・ 金総書記の「見舞い電報」

2024-03-23 18:26:55 | 徒然の記

 ・令和6年1月6日  金正恩総書記の「岸田首相への見舞い電報」

 ・令和6年1月15日   金正恩総書記の「最高人民会議での演説」

 これから紹介する情報を上記タイトルで示しましたが、重要な話なので情報発信元、日付、タイトルを再確認しました。その結果、2件を追加し下記の通り修正します。

 1.  令和6年1月6日 NHK NEWS WEB

         *  北朝鮮キム総書記  岸田首相宛てに見舞いの電報  能登の地震受け 

 2 令和6年1月15 ( ? ) 日 TBS NEWS DIG ・・動画

         *  金正恩総書記「韓国は第一の敵国」 北朝鮮の最高人民会議で施政演説、憲法の改正を指示」

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする