ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

紅葉

2011-12-15 23:02:59 | 徒然の記

 今年は、錦木(にしきぎ)の紅葉が、素晴らしかった。

 雨に濡れて光る、小さな紅い実は、しみじみ見とれてしまうほどだった。定年になるまで、朝星を見ながら家を出て,夜の星を仰ぎつつ帰宅する日が多かった。遅刻や欠勤を罪悪と思い込み、ひたすら会社へ行くことに、心を傾けて来た。

 特に真面目な会社員だったということでなく、回りが大半そうだったので、疑問も抱かなかった。だから、四季の移ろいや自然の美しさなど、目に留めるゆとりがなかったのだろう。

 今頃、こんな身の回りの草木に感動できるのだから、幸せといえば幸せなのだ。時間にゆとりができると、周囲がよく見えるようになる。正しく理解しているのかどうかは別にして、とにかく目についてくる。国会議員についてだって、わが家の庭の花木と同じことで、テレビや新聞やパソコンに向かう時間があるから、つい見てしまう。議員のに姿には幻滅させられるが、庭木の紅葉には裏切られないと、そこが違うだけで、再発見という事実は同じだ。

 庭木は、人間としての私を幸せにし、議員たちは、国民としての私を不幸にさせる。

再発見という事実は同じでも、その影響たるや、正反対だ。私と同じように定年となり、突然時間をしこたま手に入れ,幸福と不幸を同時につかんで、癇癪を起こしそうになっている人間が、他にもいるのではなかろうか。

 その人物と会って,話がしたいものではないか。

秋深し、隣は定年退職者。いや、もう秋は既に去り、冬の寒さが居座りつつある。

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適材適所

2011-12-04 13:06:40 | 徒然の記
 パソコンで、国会中継を良く見る。下品なヤジがひっきりなしに流されている画面だ。

 どういう仕組みでこんな放映ができるのかよく分からないが、それでも内容は普通の国会中継なので見る価値はある。こうした画面をNHKが全国放送したら、たちまち民主党は次の選挙で議席を失うに違いない。この番組を見て、私はNHKが大臣たちのお粗末な姿を報道しないのだと初めて知り、やはり政治の介入というものがあるのだろうかとそんな疑問すら覚えるようになった。

 自民党の議員への質問に即答できず、背後に座る官僚たちから差し出されるメモが頼りの、見ているだけで情けなくなる大臣たち。自分の言葉で答えて欲しいと言われても、官僚のメモを読むだけしか出来ない川端総務大臣。オームの判決が出たのに死刑の執行をしないのはなぜかと問われ、しどろもどろ何を言っているか分からない平岡法務大臣。議事堂内での雑誌の写真撮影に対しては詰まらない自己弁護を勢い良くやるが、肝心の行政刷新法規は何も知らない蓮舫大臣。

 質問する議員を睨みつけ、まるで喧嘩でも売るように切り口上で答えるしかできない彼女。宮中晩餐会より同僚議員のパーテイーを優先した行為を詫びる、みっともない一川防衛大臣。違法なマルチ商法業者との癒着を問われ、居直っている山岡消費者担当大臣。拉致犯の関連団体に多額の寄付をした当時の民主党財務担当だった彼が、国家公安委員長・拉致問題担当大臣というのだから、開いた口がふさがらない。野党の議員に追求されても、知らぬ存ぜぬで押し通す厚顔ぶりだ。

 野党議員に答弁する大臣たちは、教師の質問に答える劣等生の姿そのものだったと知る驚き。野田総理が組閣後の国会をびっくりするような短期日程で提案し、野党を憤慨させた理由が今分かった。当時は新大臣の実態を知らなかったため、ヤジばかりで内容の無い国会審議に野田氏が反発していたのだと不覚にも好意的な解釈をしていた。野田氏が言っていた「適材適所」がこれだったのかと、失望のだめ押しだ。

 昔は国会中継の録画など見る機会も方法もなかったので、もしかすると自民党の議員たちも似たり寄ったりだったのかと思う気もないではない。あの頃の自民党は「政治主導」とか「官僚支配の排除」だとか,威勢の良いことは言わず、難しいことは何でも次官に答弁させていたのだから、こんな体たらくは曝さなかった訳だ。それにしても民主党の大臣たちは、こんな毎日で自己嫌悪に陥らないのだろうか。政治主導どころか、官僚支配そのものの国会答弁ばかりで、これこそがマニュフェスト違反の最たるもの。

 投票した国民への裏切りというものでないか。議員報酬や大臣報酬の額に心を奪われるとしても、もし私がこんな大臣だったら、即座に辞任を申し出るに違いない。高額な報酬と、さらし者になる惨めさと、どちらを取るのかと言えば・・・・・・・。いや、正直なところ、この選択は難しい。「仮定の問題には答えられません」「当事者でない自分が、憶測でものを言う立場にありません」と、結局は逃げるか。厚顔無恥な彼らのように。
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