ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日本の危機 - 解決への助走 -25 -(2) ( 歴代米国大統領の所属政党 )

2019-11-30 23:06:25 | 徒然の記
 今回は、第二次大戦以降の米国大統領の所属する政党を調べ、世間の噂にどれほどの信憑性があるのか、確かめてみます。
 
   1.  ルーズベルト 民主党 人種差別主義者、日本人嫌悪。第二次大戦時在米日本人を、砂漠の収容所へ強制移住。
   2.  トルーマン  民主党 広島・長崎への原爆投下指示。
 
   3.  アイゼンハワー 共和党 安保改訂時の岸首相と関係良好。訪日しようとしたが、ハガチー事件のため断念。
   4.  ケネディー  民主党 厳しい対日経済政策、構造改革を迫る。
 
   5.  ジョンソン  民主党 ( 中国核実験成功 )
   6.  ニクソン   共和党 日本無視の米中国交回復 反日のキッシンジャーを重用
 
   7.  フォード   共和党 現職アメリカ大統領として初めて日本を公式訪問。昭和天皇と会見。
   8.  カーター   民主党 中華民国(台湾)との断交を決定し、1979( 昭和54 )年1月1日、中華人民共和国と国交を樹立。
 
   9.  レーガン   共和党 貿易摩擦に関し、国内の保守派や大企業からのプレッシャーで、一貫して日本に強硬な姿勢。その一方でソ連と正面から対峙、日本を、安全保障上重要な「パートナー」として、重視。中曽根総理との関係良好。( ロン・ヤス関係 )
 
   10.  ブッシュ ( 父 )   共和党 国内の双子の赤字と日本のバブル経済を背景に、日米構造協議において、農作物とりわけコメ、牛肉などの輸入自由化を要求。自動車産業の対米輸出の大幅規制など、アメリカ大統領としては異例といえる、対日保護貿易主義を堅持。また、湾岸戦争時、多額の資金援助を行った日本への謝意を表明せず。(親中派)
 
   11.  クリントン   民主党 円高政策を強力に推し進め、日本の輸出産業は円高不況と呼ばれる深刻な打撃。日本政府に対し、減税や銀行への公的資金の投入、スーパー301条に基く市場開放等、高圧的、内政干渉にも近い形で要求。(極端な親中派)
 
  12.  ブッシュ ( 子 ) 共和党  ニューヨークとワシントンD.C.で同時多発テロ発生。アフガニスタン侵攻、イラク戦争。小泉首相、ブッシュ大統領と個人的信頼関係を築く。
 
  13.  オバマ     民主党   現職のアメリカ合衆国大統領で、尖閣諸島への安保適用を初めて明言。アメリカ大統領として、広島平和記念公園を訪問。広島平和記念資料館を視察後、慰霊碑に献花。慰安婦問題で韓国を支持、安倍総理を批判
 
  14.  トランプ     共和党 
 
 現職のトランプ氏については、ネット上に沢山の情報があります。氏は、相手国の首脳を褒めたり貶したり、珍しいタイプの大統領です。言いたい放題のお喋りを、以下に可能な限り転記します。
 
  1.  1989 ( 平成元年 ) 年、ロックフェラー・センターが三菱地所に買収された時。
   「ニューヨークを吸い尽す日本を、止めなくてはならない」
 
  2.  1990 ( 平成2年 ) 年
  「日本は、石油の7割近くを湾岸地域に依存しているが、」「その輸送ルートは米軍が守っている。」「日本は、米軍に守られて石油を持ち帰って、アメリカの自動車メーカーを叩きのめしている。」
 
 「日本の優れた技術者は、ビデオデッキや車を作り、」「アメリカの優れた技術者は、ミサイルを作って、日本を守っている。」「日本に、コストを弁償させるべきじゃないか。」
 
  3.  1993 ( 平成5年 )年
  「日本が全面的な市場開放をしなければ、日本製品をボイコットすべきだ。」
 
  4.  2016 ( 平成28年 )年、大統領選出馬当時
  「日本は、中国やメキシコと同様、米国から雇用を奪った国だ。」「日本人と、日本企業の競争力は、尊敬しているが、好意は抱かない」「彼らは、我々をいつも打ち負かしてきた。」「日本が、米国産牛肉の輸入に課してるものと同率の関税を、」「日本からの、自動車輸入に課すべきだ。」
 
  5.  2017 ( 平成29年 )年、大統領就任直後トランプタワーで、安倍首相と会談後
  「日本は、私どもの米軍をホストしてくれている。」「日本国民に、お礼を申し上げたい。」「北朝鮮によるミサイル発射に対し、「米国は100%、日本と共にある。」「100%、自分と米国を信頼してもらいたい。」
 
  6.  2017 ( 平成29年 )年、大統領就任後
  「日本の、度重なる円安誘導のせいで、」「友達は高いキャタピラーではなく、コマツのトラクターを購入した。」「日本の安倍は、(米経済を)殺す者だ。」「やつは凄い。地獄の円安で、アメリカが日本と競争できないようにした。」
 
 「日米安保条約で、アメリカ防衛の義務を日本が負っておらず、」「アメリカが、日本を防衛する義務を負っていることは、不都合だ。」「もし日本が攻撃されたら、私たちは直ちに救援に行かなくてはならない。」「もし私たちが攻撃を受けたら、日本は私たちを助けなくてもいい。」「この取引は公平なのか?」
 
  7.  2017 ( 平成29年 )年、日本訪問時、拉致被害者の家族と面会。
  「悲しい話を、たくさん聞いた。」「拉致された被害者が、愛する人々の元に戻れるよう、安倍晋三首相と力を合わせていきたい。」
 
  8.  2018 ( 平成30年 )年、ホワイトハウスでの、与野党議員懇談会
  「日本や韓国、サウジアラビアは、米国に防衛してもらっているのに、」「経費の一部だけしか支払わないのは、不公正だ。」「貿易とは別の議論だが、現実の問題だ」
 
  9. 2019 ( 平成31年 )年、タンカーがホルムズ海峡で攻撃を受けた事件
   「米国は今や、最大のエネルギー生産国になっており、」「日本や中国など各国は、タンカーを自国で防衛すべきだ。」
 
 敗戦以来日本は米国の従属国ですから、何をするにも米国大統領の意向に左右されます。煩雑さを承知の上で、アメリカの歴代大統領に関する情報を紹介しました。
 
 息子たちも、訪問される方々も、まどろこしい思いをされるかもしれませんが、全てが拉致問題、朝銀への融資問題、慰安婦問題、南京問題につながります。
 
 調べながらパソコンに向かうため、遅々とした進みです。浅学非才をご容赦ください。
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日本の危機 - 解決への助走 -25 -(1) ( アメリカの対日政策 )

2019-11-30 06:47:44 | 徒然の記
 今回からは私の意見となりますので、櫻井氏の書評から外れます。
ブログのタイトルを変えるべきかもしれませんが、氏の著作から導き出された意見なので、このままにしておきます。
 
 『マッカーサー回想記』、『ライシャワーの日本史』、『天皇ヒロヒト』、『菊と刀』、『開放朝鮮の歴史』 、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』、『文明の衝突』、『大いなる失敗』・・・
 
 櫻井氏の著書を読みながら、過去に読んだ本を思い出し、拉致問題と長銀融資問題について、別のアプローチがあることを発見しました。慰安婦問題、徴用工問題、南京事件、靖国問題等々、中国と韓国・北朝鮮に関わる全ての問題は、根っこが一つだという発見です。
 
 これらの読書で、私が教えられたのは次の二つでした。
 
   1.  第二次世界大戦後の、アメリカの対日政策
 
   2.  第二次世界大戦後の、アメリカのアジア政策
 
 ここからが肝心な点ですが、一部の保守人のように得意になったり自惚れたりせず、客観的事実として、現在の私たちが肝に命じておくべきアメリカの「日本観」があります。
 
  ・  世界一の強大国であるアメリカに、戦争を挑んできた国は日本しかいない。
  ・ 東洋の後進国とあなどっていたが、とんでもない危険な国だった。
 
  ・     日本がアメリカに挑めないように、未来永劫、徹底的に管理しなければならない。
  ・  日本人は米国の直接統治に抵抗するはずだから、日本人の手で管理する方法を取る。
 
 このため彼らが実行したのが、「東京裁判」と「憲法改正」です。彼らは日本を、最強の国にしている源が、二つであることを分析していました。(『菊と刀』)
 
   1.  皇  室      ・・神話に基づく長い伝統を持ち、国民の敬愛の中心にある天皇
   2.  明治憲法    ・・神聖不可侵の天皇が制定された憲法
 
 占領軍として日本へ来た彼らは、天皇を廃位すれば内乱が発生し、占領統治ができないことを知り、天皇に敬意を払いつつ、日本改造を進める方がスムーズにいくことに気づきました。特にマッカーサーは、天皇を利用する政策に力を入れ、内乱や暴動なしに、二つの目的を達成しました。
 
   1.  現行憲法の押し付け ・・天皇を象徴に変えた憲法 ( 天皇の人間宣言 )
   2.  軍備の全廃     ・・軍備放棄 ( 陸海空軍の不所持 )
 
 単なる「復讐裁判」であるにもかかわらず、米国は「正義による裁判」として「東京裁判」を強行し、日本国内だけでなく、国際社会にも大々的な宣伝をしました。米英仏ソが、つい先日まで武力で他国を侵略し、虐殺をしていた国であることを言わず、「日本だけが、侵略国だった。」「日本だけが、極悪非道で間違った戦争をした。」と、断罪しました。これが世に言われる「東京裁判史観」です。
 
 賀屋興宣氏のように、米国の意図を冷笑していた人物もいましたが、多くの政治家は米国に屈従し、判決を甘受しました。中には、本気でそう思う人間も者もいました。敗戦国のため表立って反対できず、政界、官界、財界、学界、マスコミ界に、当初は「面従腹背」「臥薪嘗胆」の風もあったのだろうと、推察します。
 
 どこの国にも、我が身可愛さで敵に魂心を売る人間がいますが、貧しい日本のため頑張るより、豊かなアメリカに協力する方が利益が大きいと、変節する人間が増え、瞬く間に政界、官界、財界、学界、マスコミ界の主流を占めるようになりました。
 
 新聞とラジオと出版物が、東京裁判史観しか報道しないとなれば、多くの国民も、そのままに受け取りそのうち信じていきます。
 
 つまりこれが、「第二次世界大戦後の、アメリカの対日政策」で、「未来永劫、日本がアメリカに挑めないように、徹底的に管理しなければならない。」、と言うものの中身です。未来永劫ですから、現在も続いていると言う話になります。
 
 もう一つ大事なことは、「アメリカ」と一括りで述べる間違いです。日本人と一口に言っても、「国を大切にする保守」と「敵対国に協力する反日・左翼」が混在しているように、アメリカも一つではありません。「未来永劫、日本がアメリカに挑めないように、徹底的に管理しなければならない。」という考えが共通していても、現実の対応で二つに分かれるようです。
 
 「アメリカの民主党は露骨な反日だが、共和党は知日、親日の風がある。」
 
 息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々に言います。現在のアメリカは、あからさまな敵対国ではありません。大事な同盟国ですから、中国や韓国・北朝鮮が日本にしているような、感情的な対応をしてはなりません。
 
 しかし、心を許す相手でないことも肝に銘じ、私たちが賢い国民になる必要があります。
 
 スペースの都合で今回はここまでとし、次回から少し本題に近づいていこうと思います。興味のない方と、全く別の考えをしている方はスルーしてください。
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日本の危機 - 解決への助走 -24 ( 自民、公明、民主党、これが日本の政党か ? )

2019-11-28 22:07:47 | 徒然の記
 村山訪朝団には、元首相の村山氏と野中氏の他に、超党派の議員が同行しています。外務省の責任者も含め、何人が行ったのか、誰と誰だったのか。櫻井氏は、詳しく書いていません。
 
 ネットで調べても、資料が見つかりませんので、氏が書いている議員の談話だけを紹介します。こういう愚かな人物が、今も議員として在籍しているのかどうか、彼らの顔も知りませんし、知りたくもありません。自民党、公明党、民主党は、国民が拉致されたのに、救出する気概も責任感もありません。これが日本の政党と政治家かと、呆れてものが言えません。
 
  〈 1.  自民党 原田義昭議員 〉
  「今回の訪朝の意義は、前提条件を置かずに、」「相手国と、国交正常化交渉のテーブルにつけたことです。」「これからは茨の道だが、不用意に話題を振ることなく、」「進めていく必要がある。」「行方不明者と表現したことを、責める向きもあるが、」「交渉には、緩急織り交ぜたボールが必要です。」
 
  〈 2.  自民党 青木宏之議員 〉
  「とにかく、国交正常化に向けた扉を、開けなくてならないということで、訪朝になった。」「今後の対北朝鮮策として、連絡窓口を、」「平壌に設置することが、必要だ。」「政治と人道問題を、絡めてはならない。」「人道問題はあくまで人道問題で、政治は関与しない。」
 
  〈 3.  公明党久保田哲司議員 〉
  「日本人の、北朝鮮に対する見方は、」「一定の色眼鏡をかけて、見たものだ。」「互いの立場を理解するには、国交回復が必要で、」「赤十字に拉致問題を担わせるのは、特別におかしなことではありません。」
 
  〈 4.  民主党大畠章宏議員 〉
 「窓口を開き、パイプを作りながら、」「拉致問題と国交回復を、同時進行で進めれば良い。」
 
 桜井氏は、野中氏の談話を紹介していませんが、ネットを検索していたらも、偶然情報を見つけましたので、転記します。
 
 平成14年11月の投稿で、タイトルが「拉致事件を放置した政治家・外務省・言論人」、と付けられています。その中から、「野中広務氏の責任」という部分を転記します。
 
 元資料となる新聞名と月刊誌名も書かれていますので、参考として残します。
 
 「政治家と言えば、まず最初に、自民党の元幹事長・野中広務氏を挙げねばなるまい。」「北朝鮮との国交正常化を、ライフワーク(文藝春秋・平成十二年六月号)だと言ってはばからない、」「数少ない政治家であり、」
 
 「平成二年の、金丸・田辺訪朝団に加わったのをはじめ、」「与党訪朝団(平成九年)や、超党派訪朝団(平成十一年)の事務局長を務めた。」
 
 「また、何の役にも立たなかった、コメ支援(合計百十七万トン。無償支援は九十万トンを超える)に、最も積極的だった人物でもある。」
 
 「野中氏は小泉訪朝後に、いくたびかあの国と交渉しながら、」「時に利あらずして、」「(被害者を)救出できなかったことは、申し訳ない(日経・九月二十九日)、と述べたようだが、」「これまでの発言を見ると、被害者救出が、野中氏の念頭にあったとはとても思えない。」
 
 「例えば、平成十年四月六日、自民党本部での講演で、」「野中氏はこう述べている。」「拉致疑惑があるから、食糧は送るなとの意見は強いが、」「(北朝鮮では)従軍慰安婦や、植民地、強制連行があった。」
 
 「(北朝鮮とは)、近くて近い国にしたい。」「日本はコメが余っているのに、隣人を助けることができないのは恥ずかしい。」「壁を破ってでも、食糧援助をすべきだと思って、環境整備をしている」(産経・同年四月七日)」
 
 「また平成十一年十二月、隣国が困っているのに援助せず、」「心を通わせないで、拉致疑惑をはじめとする問題が、解決するか(十二月五日・NHK日曜討論)、」「とも述べていた。」
 
 「さらに野中氏は、拉致被害者の救出運動を、一貫して貶めてもきた。」「例えばコメ支援に反対し、拉致被害者家族が、自民党前に座り込みをしたが、」「それに対して氏は、」「日本人の拉致問題を解決しないで、コメ支援はけしからんと言うが、」「日本国内で一生懸命吠えていても、横田めぐみさんは返ってこない、と言った(三月二十九日・島根県での講演)。」
 
 「野中氏の発言は、他にもまだあるが、」「いずれも、拉致事件の解決抜きに、北朝鮮との関係改善をすべきであり、」「そのためには、コメ支援が必要だというものである。」「しかし、野中氏が主導したコメ支援が、」「拉致問題解決に、何の役にも立たなかったことは、」「今度の小泉訪朝が、如実に示している。」
 
 「野中氏は、そうした政治責任をどう考えているのか、先ず明らかにすべきであろう。」「少なくとも、 〈 時に利あらずして 〉などと、」「責任を時代のせいにするのは、卑怯というものである。」
 
 この章で野中氏の責任を追及したかった櫻井氏は、ネットの情報を紹介すれば良かったのです。しかし氏は隔靴掻痒、北朝鮮政府そのものを批判しています。
 
 「拉致問題について、日朝両国間の溝は深い。」「村山訪朝団の帰国後、朝鮮労働党の機関紙、」「労働新聞は、拉致問題は、日本の不純勢力が、」「両国の関係改善に、水を指すものだと、報じ、」「その二日後、北朝鮮の駐中国大使朱昌駿氏が、」「我が国に拉致された人は、一人もいないと、」「語っている。」
 
 小泉総理が訪朝したとき、金正日が、拉致を認めたのですから、日本政府も、政治家も、一体何をやっているのでしょう。桜井氏が、無能な村山内閣と、愚かな野中氏の責任にしたい気持ちは分かりますが、次回は別の観点から、私なりの北朝鮮問題を述べたいと思います。
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日本の危機 - 解決への助走 -23 ( 拉致は、他人事なのか )

2019-11-28 15:22:35 | 徒然の記
  「第24章 拉致問題を棚上げにした、日朝国交正常化交渉の裏切り」・・最後の章です。
 
  23年前に、北朝鮮に一人娘のめぐみさんを拉致された横田滋さんは、平成11年の村山訪朝団の成果を、次のように語りました。 
 
 「がっかりしました。」「人道問題として、赤十字に任せると言うことでは、」「結局、前回と同じ結果になるのではないでしょうか。」
 
 氏は、この章の書き出しの頭に、横田氏の言葉を持って来ています。平成12年の本ですから、計算すると恵さんが拉致されたのは42年前になります。42年間も、拉致被害者の人数も正確につかめず、安否すら分からず、なお、未解決のままです。
 
 解決の切り札がないため、「出口論」と「入口論」と言う二つが、ずっと議論されてきたと聞きます。初めて聞く言葉なので、氏の説明を紹介します。
 
  〈 入口論 〉
   拉致問題の解決を前提とする、国交正常化と食料援助の話し合い
 
  〈 出口論 〉
   拉致問題の解決を前提とせず、国交正常化と食料援助の話し合いをし、結果として拉致問題の解決につなげる。
 
  村山氏は「出口論」に立ち訪朝しましたが、北朝鮮側の善意を期待するだけの交渉だったため、何の成果もなく終わりました。
 
 「訪朝団は、徹頭徹尾、野中広務氏が仕切ったものだ。」「ではその話し合いは、どのようにして実現されたか。」「野中氏とは別に、当然だが外務省も、交渉再開の糸口を探っていた。」
 
 氏はこのように語り、経過の説明をします。文章にせず、項目のみを時系列で整理してみました。
 
  1.  平成11 年8月10日、北朝鮮が政府声明を発表。
  「日本が善隣友好関係の樹立を望むのなら、話し合いに応じる。」「冒険的挑発を行うなら、無慈悲な報復をする。」
 
  2.  外務省は、北朝鮮の真意が前半部分にあるのなら、交渉の可能性があると判断。
 
  3.   平成11 年10月18日、日朝課長クラスの話し合いが、シンガポールで実施。
  この場で北朝鮮が、食料援助を要求。外務省は交渉再開のサインと受け止め、野中氏に報告。
 
  4.  野中氏が、朝鮮総連の許宗萬氏と会う。また野中氏は、北の交渉窓口として、朝鮮労働党書記金容淳氏に接触し、金氏と訪朝条件の詰めをする。
 
  しかし窓口である金氏には、難点がありました。
 
  ・ 金氏は、平成10年4月から、急速に力を失っていた。
  ・ 平成10年11月には、事実上、統一戦線部長の職を解かれたと言われていた。
  ・  野中氏は、北朝鮮の主要な人物の中で金氏しか人脈がないため、窓口にした。
 
  ・  金氏にとり、野中氏からのアプローチは、起死回生のチャンスだった。
  ・  百万トンの食料援助を得れば、金氏はもう一度認められることとなる。
 
  ・  統一戦線部長という金氏の立場は、拉致工作も含んでおり、拉致問題の解決となれば、金氏の担当部署の犯罪を追及することとなる。果たして、そのようなことが可能なのか。
 
 現実は予測どおりの展開となり、村山訪朝は無残な失敗でした。同行記者団の一人と、専門家の話を氏が紹介しています。
 
 「歓迎宴の会場には、円卓が5〜6席ほどあり、」「質素というしか形容し難い、雰囲気でした。」
 
 「いくら北朝鮮でも、歓迎宴となれば多くの皿がテーブルに並ぶのですが、」「かってないほど、貧弱な料理でした。」「そして、金氏が一人で喋り続けたと言えるほど、」「彼の発言が多かった。」「自分の運命がかかっていますから、彼は、」「必死だったと思います。」
 
 会議の冒頭から、金氏は、強硬でした。
 
  ・ この訪朝団は、北朝鮮側のみが求めたものでないこと。
  ・ 北朝鮮側は、断固として拉致を認めないこと。
  ・ 日本側のペースで、交渉に応じるつもりはないこと。
 
 会談の席で氏は強調し、「拉致」という記事を書く産経新聞社の同席を、拒絶しました。訪朝団は二日間の会議を経て、三日目に共同発表をしました。内容は次の二点です。
 
  1.  今まで進めてきた、政党及び政府間の対話と交流を踏まえ、国交正常化交渉を進める。
 
  2.  両国が関心を持っている「人道問題」の重要性を認識し、政府の協力のもとで、赤十字が取り組む。
 
 日本国民を拉致した拉致犯罪行為が、人道問題と言い換えられています。情けない訪朝団というべきか、愛国心のない政治家たちというべきか、次回は関係した議員たちの話を紹介します。
 
 息子たちは、どうしてここまで村山訪朝団の話にこだわるのかと、疑問に思うのかもしれません。櫻井氏による、野中氏の責任追求という思いとは別に、日朝交渉そのものに対する日本の姿勢に、父は疑問を感じています。実力者と言われる野中氏個人の思惑を超える、もっと大きな日朝間の枠組みがあると思えてなりません。
 
 そして何よりも、息子たちに言いたいのは、ここです。
 
「もしも、お前たちの内の1人でも、理由もなく外国に拉致されたら、」「父は決して許さない。」「これが、他人事であろうか。」
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日本の危機 - 解決への助走 -22 ( 約束を守らなかった野中氏 )

2019-11-27 16:58:16 | 徒然の記
 もう一度朝銀関係信用組合の話に戻り、櫻井氏の説明を紹介します。
 
 「小渕政権は、金融制度の安定化を目指し、総額60兆円の支援策を打ち出したが、」「今その裏で、奇妙な事実が進行中だ。」「潰れてもおかしくない北朝鮮系の、朝銀信用組合が、形を変えて存続し、」「そこに預金保険機構から、事実上の税金が投入されようとしている。」
 
 実は平成9年の橋本内閣の時、同様なことが行われていました。「朝銀大阪信金」が破綻した時、京都、奈良、和歌山、滋賀、兵庫の朝銀が合併し、「朝銀近畿信組」が発足しました。同時に「朝銀大阪信金」は、すべての事業を「朝銀近畿信組」に譲渡し、この時は、預金保険機構から、三千百億円が支払われました。

  青字部分は、19回目のブログの転記ですが、これを頭に入れて氏の意見を読むと、全体が理解できます。
 
 「朝銀大阪信金が破綻し、3千億円のお金が動くのに、」「どのような正当な理由が、あったのか。」「何故破綻した朝銀大阪は、潰されなかったのか。」
 
 「日本の金融機関の破綻では、逮捕者が出ているにもかかわらず、」「何故朝銀大阪の責任者は、何の取り調べも受けていないのか。」「その情報が、全くないのは何故か。」
 
 「外交的、政治的配慮というのなら、その配慮の根拠を、」「政府は、きちんと説明すべきである。」「それもせず、今度は小渕内閣で、」「一兆円にものぼる、資金投入がとり沙汰されている。」「このような流れを作ったのは、誰か。」「取材では、政治家の関与があったと複数の人が述べた。」
 
 櫻井氏自身が取材をした、朝鮮総連の中枢に近いという人物の話です。
 
 「現在朝鮮総連の、実質的なナンバーワンは、」「許宗萬中央委員会副議長です。」「許氏と極めて近いのが、官房長官の野中氏です。」「二人の交流は、金丸氏の訪朝以来のことで、」「平成11年7月初めにも、自民党のもう一人の大物政治家を交え、」「会合をしています。」「今回の件では、野中さんが影響力を発揮した、というのが私の推測です。」
 
 韓国民団幹部の話も、紹介しています。
 
 「預金保険機構の金で賄わせるという構図の、後押しをしたのは、」「野中さんだと言われています。」「総連内部で言われていることですから、」「信憑性は、高いのではないですか。」
 
 野中氏にインタビューした時の状況を、述べています。
 
 「野中官房長官は、どのように答えるか。」「氏は真っ向から否定した。」「氏は、朝銀大阪の3千億円の話は、ごく最近まで知らなかったと、述べた。」「全国の朝銀の再編問題については、」「つい先日、金融監督庁から聞いた、とも述べた。」
 
 「何も知らない官房長官の名前が、何故、」「そこ此処で、囁かれるのかと問うと、」「平成2年に、金丸訪朝団に加わり、」「誰もが嫌がり、一番難しい、核査察の問題を交渉しました。」「激しい議論になり、逆に友好関係ができた。」「そういうこともあって、利権がどうとか、」「私の名前を出す人が、いるのでしょう、と答えた。」
 
 「公的資金を入れるのなら、当然、経営者の責任が問われ、」「背任行為があれば、刑事責任を告発していくことは、」「別に長銀に限らず、なされるべきです。」「厳正な監査も、必要です。」「監査結果は、きちんと公表すべきです。」「私は、関係機関にそう言うつもりです。」
 
 野中氏の答えに対し、氏は次のように述べ第23章を終わっています。
 
 「官房長官としての、この言葉を、」「私は心から、歓迎するものだ。」「本来なら、やって当然のことを、」「これまでやってこなかった。」「この異常を、正常に戻す約束を、」「野中氏はしたことになる。」
 
 「国民のお金を、正当な理由なく使わせないためにも、」「また心ならずも、金正日政権への肩入れを、しないためにも、」「野中氏の言葉に、希望をつなぐものである。」
 
 野中氏の責任を断定する物証がなく、関係者の談話だけですから、 恐らくここまでが、ジャーナリストとしての氏の限界だったのだか思います。時の権力者である野中氏を、追求したのですから、氏の勇気に敬意を表すべきでしょうか。
 
 しかし氏の期待は裏切られ、朝銀への公的資金の投入が実施されました。その怒りが、次の章につながったのでないかと推察します。いよいよ最後の章になります。
 
  「第24章 拉致問題を棚上げした日朝国交正常化交渉の裏切り」
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日本の危機 - 解決への助走 -21 ( 北朝鮮の学習組 ( がくしゅうそ ) )

2019-11-27 07:43:18 | 徒然の記
 学習組 ( がくしゅうそ ) について詳しく述べると、朝銀問題から離れますので、今回は概要のみとし、機会があれば別途報告します。
 
 《   学習組の概要   》
   1.  金父子に絶対の忠誠を誓い、故金日成主席の主体思想を指導方針とする、細胞組織。
   2.  朝鮮総連、朝鮮学校、その他日本全国に、約1000の学習組がある。
   3.  組員は、本国から送られてくるのでなく、在日朝鮮人である。
   4.  当面の目的は、韓国を、北の主導で飲み込み、統一すること。
   5.  究極の目的は、日本で主体革命の偉業を成し遂げること。 ( 日本の北朝鮮化 ) 
 
   6.  学習組細胞は、原則として組員が3名以上いる組織に、存在する。
   7.  学習組は、本国朝鮮労働党の指導下にある。
   8.  朝鮮総連の中にあるが、対等の位置にある。
   9.  学習組の存在が公になると、日本に総連弾圧の口実を与えることになるため、朝鮮総連の活動家として振る舞うよう、故金正日書記からの通達がある。
 
 非公開組織だと説明されていますが、19年前の話なので、今はネットで検索すると情報が出てきます。日本にとっては、病原菌のような厄介な組織です。皇室を無くし、とって代わろうというのですから、むしろ危険な組織です。
 
 最近の動画で、元共産党員だった篠原常一郎氏が、日本全国に広がっている「チュチェ思想研究会」の危険性を語っています。学習組との関係がどうなっているのか、同じ組織が名称変更をしたのか、よく分かりませんが似た動きをしています。
 
 「チュチェ思想研究会」の設立者たちは、何故か北海道のアイヌ独立運動や、沖縄の独立運動のリーダーでもあり、油断のならない人物です。なぜアイヌ新法を安倍政権が成立させたのか、菅官房長官は、なぜ旗振り役をしているのか。自民党政権と思えない、最近の安倍内閣です。
 
 過去は現在につながっていますから、氏の書評への真剣さが増します。「温故知新」とは、このことでしょうか。櫻井氏が指摘する事実はみな、現在の日本が抱える問題の遠因となっています。
 
 294ページに戻り、北朝鮮への非合法な送金方法につき、氏の説明を紹介します。
 
 「鳥取県境港(さかいみなと)市は、北朝鮮の元山市と姉妹都市関係を結んだ。」「近海で行っていた松葉ガニ漁が、次第に範囲を広げ、」「北朝鮮の領海へも、入るようになったためだ。」「港へは、北朝鮮の運搬船も入るようになり、」「民間ベースで、自然発生的に関係が築かれていった。」
 
 「平成4年に、水産庁から指導が入り、」「平成7年には、日本の漁船に、北朝鮮の人間を乗せてはならないという、」「規則ができた。」「それ以前は、堺港と北朝鮮を結ぶ海のルートは、」「いわば自由な、公開されたルートだった。」
 
 堺港の漁業関係者には周知の話だとしても、私には驚きの事実です。平成4年は宮澤内閣で、その後は細川、羽田、村山内閣です。罪もない国民が北朝鮮に拉致されたのに、政府も国民も無関心だった頃です。漁業関係者が語る、当時の話を、氏が紹介します。
 
 「私は10 年くらい前に、朝鮮総連の幹部からの働きかけで、」「北朝鮮と、直接取引を始めました。」「契約は、われわれが北朝鮮の領海で操業する代わりに、」「彼らに、漁の指導をするというものでした。」「向こうに三ヶ月滞在し、器械の操作、衛星を使ったナビゲーションシステムなどを、」「教えました。」
 
 「双方の港でのチェックは、無いに等しいので、」「人、物、現金、何でも運びました。」「非合法の機械類も、パナマ向けとかで許可を取り、」「実際には、北朝鮮に持っていく船もありました。」「海上保安庁が、船の中を調べるわけではありませんから、」「工作員が潜んでいても、見つかりません。」「人間と物の行き来は、他の船でも目撃していますが、」「金を運んだことはないです。」
 
 境港でこんな事実があったことを、当時の誰が知っていたのでしょう。前回出てきたの朴氏の話が、また紹介されます。
 
 「実際の現金輸送が、人の目に見えるはずがないのです。」「5千万円単位で括り、ビニール袋で包めば、」「野菜や衣類の段ボール箱に、スッと入ります。」「新潟港の万景峰号には、多くの段ボールが積まれます。」「いとも、容易いことです。」「万景峰号でなくても、不正送金の手段は、」「いくらでもあります。」
 
 さすがの氏も、我慢できなくなったらしく、怒りの声をあげています。
 
 「つまり、密輸出、密出国、全て可能だというのだ。」「要は、日本側のチェック体制が、全くできていないということだ。」「むしろ、不正送金を、見て見ぬふりをする政策でないか、ということだ。」「朝銀信組の場合、監督官庁に被害届を出しても、」「受理するだけで、一向に調べない。」
 
 週刊新潮に、これほど重大な事実が公にされていたのに、私は何も知りませんでした。こうした事実の上に立ち、氏が野中広務氏の疑惑について語りますが、スペースがなくなりましたので、続きは次回といたします。
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日本の危機 - 解決への助走 -20 ( 北朝鮮の愛国事業 )

2019-11-26 14:16:40 | 徒然の記
 今回は、最初から氏の本を、転記します。
 
 「あえて言えば、朝銀信用組合は、不法な手段で資金を集め、」「北朝鮮に送金している疑いが、濃いのである。」「経過を辿れば、北朝鮮への不正送金が原因となり、」「経営破綻した可能性は、否定できない。」
 
 バブル経済が崩壊した時、銀行が経営破綻したほとんどの原因は、高騰した土地への途方もない融資でした。土地さえ担保にしていれば、いくらでも金が貸りられ、当時の日本には、多くの土地成金が生まれ、わが世の春を謳歌していました。土地を買う者に融資し、土地を開発する業者に資金を提供し、真面目な人間にでもヤクザでも、お構いなしに金を貸し、まさに乱脈経営の横行でした。
 
 土地の値段が暴落した時、金を借りた会社・個人が返済不能となり、融資した銀行には赤字が積み上がりました。破綻した地方銀行は見放され、破綻させられない大手銀行には、支援の公的資金が投入されました。頭取以下の責任者は、解任されたり、刑罰を受けたりしました。しかし朝銀信用組合の経営破綻は、バブルとは無関係の、本国への不正送金が原因だと、氏が説明します。
 
 「となれば、預金保険機構から、資金を出すことは、」「北朝鮮への送金を、日本国民の税金で支えることになる。」「理不尽な資金の流れの具体例を、見てみよう。」
 
 こういって氏は、一人の在日の人物と、朝銀信用組合の訴訟問題を説明します。文章にすると長くなりますので、箇条書きにします。
 
  《    朴日好氏   》
   • 北朝鮮国籍の56才の在日男性。小平市にある朝鮮大学八期生で、在日のエリート。
   • 40歳まで、朝鮮総連組織部で勤務。昭和58年、叔父の会社「東名商事株式会社」の経営を引き継ぐ。
   • 東名商事は、日本と北朝鮮間の貿易を主業務とする会社。総連勤務を離れても、氏は総連の現役幹部である。
 
  《   訴訟問題の経緯   》
   1.  平成元年4月、氏は朝銀愛知に、朝銀愛知副理事長の崔宗哲氏の要請により、口座を開設。
   2.  同月、氏は東名商事所有の、土地代金等5億6千459万円を預け入れた。
   3.  その四日後、全額が引き出されたが、通帳、印鑑を崔副理事長に預けていたため、同年12月末まで気づかなかった。
 
   4.  一方、氏は崔副理事長の依頼に応じ、「愛国事業」遂行のため、朝銀愛知本店に尹志彦の名義で、70億円を預金していた。
    •  「愛国事業」とは、朝銀が大きな金を動かし、大きな利益を得たら本国へ送金したり、総連の事業費に使うが、元本はやがて本人に返すと言うもの。祖国を熱烈に思う在日たちが、投資資金を提供したもの。
 
   5.  平成10年11月、氏は、17億5千万円を朝銀愛知に横領されたとして、名古屋地裁に訴えた。 
   6.  その内訳は、70億円の中の未返却金11億8千549万円と、土地代金等5億6千459万円。
 
  《   副理事長崔氏の説明   》
   ・ 横領した17億5千万円のうち、五億円は、上部団体である朝鮮総連中央部へ、上納した。
   ・2. その余の金員は、朝鮮民主主義共和国に、送金した。
 
  《   朴日好氏の説明   》
   ・ 朝鮮総連と朝銀が一体となり、不法に資金を集め、北朝鮮に送金している。
   ・金融機関が、預金者に無断で、預金を着服し、本国へ送ることなどあり得ないと考えるのは、朝銀の実態を知らないからだ。
 
  《   朝鮮総連幹部、元朝銀役員 (匿名希望) の説明   》
   ・昭和55年以前は、北への送金は、われわれ側からの発意で行われた。
   ・それ以後は、半ば強制的となり、朝鮮総連幹部は本国の意向に逆らえなくなった。
   ・ 総連は本国からノルマを指令されると、そのノルマは朝銀に押し付けられる。
 
   ・ 在日朝鮮人の事業は、韓国系の在日に比べて、大きくならない。利益が少しでもあれば、本国へ持っていかれるのが原因。
   ・祖国愛から、自己犠牲に耐えてきたが、今のやり方は尋常ではない。
   ・ 日本人は知らないが、これは「学習組」と言う組織がやらせている。
 
 彼らは、私には信じられない世界で生きています。同じ在日と言っても、韓国系と北朝鮮系の違いが、少し分かってきました。次回は、「学習組」について述べます。
 
 いつの間にか、冬です。小雨の降る曇り日なので、気持ちが沈みます。ストーブをつけ、暖かい部屋でパソコンに向かっています。在日の人々について知ると、自分の国へ感謝したくなります。政府自民党や野党に不満が多々あるのに、日本への感謝が湧いてくる不思議さがあります。
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日本の危機 - 解決への助走 -19 ( 朝銀関連信用金庫疑惑について )

2019-11-25 16:30:36 | 徒然の記
 予想もしない、長いシリーズになってしまいましたが、後は二章を残すだけです。
 
 第23章 北朝鮮闇送金ルート脅威の実態
 第24章 拉致問題を棚上げした日朝国交正常化交渉の裏切り
 
 第23章では、小渕政権における朝銀支援の不明瞭さ、第24章では、村山内閣の拉致問題交渉の不明瞭さ、いずれの場合にも関与している、野中広務氏への疑問が述べられています。
 
 野中氏はかって、加藤紘一、古賀誠氏らと共に、獅子身中の虫としてブログで批判しました。彼らは自民党の幹部でありながら、安倍政権の批判を、揃って赤旗に寄稿した節操のない政治家です。
 
 野中氏は平成6年に、自社さ連立による村山内閣で、自治大臣・国家公安委員長として初入閣し、小渕・森政権では、官房長官・幹事長代理・幹事長として力を発揮し、「影の総理」と言われたこともありました。奸物とも呼ばれ、好ましくない評判がある人物です。
 
 第23章と第24章で、櫻井氏は一連の北朝鮮疑惑の中心に、野中氏の存在があると述べています。多くの点で、氏の意見に同意しますが、氏の著作から19年が経過した現在、別のものが見えてきました。出版当時なら、氏の意見で説明がついたのでしょうが、以後に生じたことを考え合わせると、それだけでは説明がつかなくなっています。
 
 在日問題と、第23章、第24章は別の問題でなく、相互に関連し、日本の政治の複雑にしていいると、考えています。この複雑さを、氏が「闇」と言う言葉で表現したのだと思います。ジャーナリスト出身ですから、センセーショナルな言葉を使ったのでしょうが、私は単に「政治の複雑さ」と呼びます。 
 
 定年後に読書を始め、学徒の道をやっと歩いている私に、「政治の複雑さ」がうまく説明できるのか、自信がありません。政治学者か政治記者か、歴史学者のように、豊富な専門知識を持つ人物にしか、やれないことのような気がします。自信がないと言うのは、その意味ですが、一方では別の思いもあります。
 
 「自分の国のことである以上、常識で語れないはずがない。」「知識のある学者にしか、国のことが語れないと言うのなら、」「一般庶民は、選挙の一票が行使できないことになる。」「国を思う庶民の常識だって、馬鹿にできないはずだ。」と、厚かましさと楽天主義で、頑張ることにしました。ブログの目的が、息子たちに伝えたい日本の姿ですから、父親なら諦めてはなりません。
 
 説明に入る前に、当時の内閣と官房長官の名前を、調べました。複数の名前は、第一次内閣、第二次内閣での官房長官名、あるいは任期途中で交代した場合などです。私と同じ年代の方なら、懐かしい名前ばかりだと思います。
 
 平成 8 ~10年 橋本内閣   官房長官 (梶山静六 村岡兼造)
 平成10 ~12年 小渕内閣   官房長官 (野中広務 青木幹雄)
 平成12 ~13年 森内閣    官房長官 (青木幹雄 中川秀直 福田康夫)
 平成13 ~17年 小泉内閣   官房長官 (福田康夫 細田博之 安倍晋三)
 
 「小渕政権は、金融制度の安定化を目指し、総額60兆円の支援策を打ち出したが、」「今その裏で、奇妙な事実が進行中だ。」「潰れてもおかしくない、北朝鮮系の、朝銀信用組合が形を変えて存続し、」「そこに預金保険機構から、事実上の税金が投入されようとしている。」
 
 これが第23章の書き出しの文章ですが、平成9年の橋本内閣の時にも、同様なことが行われています。「朝銀大阪信金」が破綻した時、京都、奈良、和歌山、滋賀、兵庫の朝銀が合併し、「朝銀近畿信組」が発足しました。同時に「朝銀大阪信金」は、すべての事業を「朝銀近畿信組」に譲渡しまし、この時は、預金保険機構から、三千百億円が支払われました。
 
 「現在進行中の、全国的規模での朝銀再編成は、」「この朝銀大阪の立て直しを、モデルにしている。」「だが問題は、朝銀信用組合の実態が、」「極めて分かりにくいことだ。」
 
 氏が、朝銀にまつわる不明瞭な事実を説明します。噂では耳にしたことがありますが、19年前に、氏がここまで公表していたとは知りませんでした。氏の著作自体が、当時の「週刊新潮」に掲載されていた、シリーズ記事の集大成と言いますから、すでに読んでいる人が沢山いるのかもしれません。
 
 スペースの都合で、ここで一区切りとし、次回を続けます。
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日本の危機 - 解決への助走 -18 ( 国無き民を作らない政治 )

2019-11-23 18:51:19 | 徒然の記
 在日問題は、戦後の日本が抱える重いテーマです。私はこれまでブログの中で、単純な主張を繰り返してきました。
 
 「そんなに嫌な日本なら、韓国でも、北朝鮮でも好きな国へ帰れば良いでないか。」「もともと密航してきた不法滞在者なんだから、国外追放すれば良い。」
 
 日本を憎み、嫌悪する彼らを見ていますと、今でも嫌悪感が先に立ちます。在日問題について区切りをつけ、今回で終わりたいと考え、櫻井氏の意見を紹介します。
 
 氏はまず、在日韓国青年会が行った、アンケートの結果を紹介します。
 
 1.  日本で差別を受けたことがあるか。
  (1)  ほとんど無い・全く無い 58.5%    (2)  ある  41.5%
 
 2.  日本に愛着を感じるか。
  (1)  非常に感じる・どちらかといえば感じる 73.2%  (2)  感じない  26.8%
 
  「この数字を見れば、41.5%の人が、差別されたことがあると言い、26.8%の人が、日本に愛着を感じないということである。」「日本人として、こうした数字の持つ重さを、」「心に刻み込まなければならないのは、当然である。」
 
 「一度しかない一生を、彼らが日本で過ごしていることの意味を読み取り、心して差別や偏見をなくしていく努力を、私たちはするべきだ。」
 
 思いがけない言葉を読み、私は一瞬驚きました。
 
 「なぜなら、大半の在日の人々にとっては、とどのつまり永住の地は日本であり、朝鮮半島ではないのだ。」「彼らの本国では、在日の人々は韓国人や朝鮮人であるよりは、日本人だとみなされている現実があるからだ。」
 
 こういって氏は、平成11年の11月に、韓国外交通商相・洪淳瑛氏が述べた言葉を紹介します。
 
 「在日韓国人は生活の根拠を日本に持ち、大半は韓国語が使えず、帰化していなくても日本人だ。」
 
 亡くなった盧武鉉大統領は、「在日は、祖国が一番苦しい時に、日本でぬくぬくと暮らしていた裏切り者だ。在日は、同胞ではない。」と冷酷なことを言っていましたが、韓国外国通商相も冷たい反応だったとは、知りませんでした。
 
 「また祖国のためと、北朝鮮に戻って行った多くの在日朝鮮人が、北の祖国で帰胞 ( キボ ) と呼ばれ、冷たく扱われているのを、私たちは知っているはずだ。」「だからこそ私たちは、日本人や日本から差別をされていると感じている、」「在日の人々の心を思い、差別を無くしていく必要がある。」
 
 彼らが母国で冷遇されるのは、自業自得だと思い、一片の同情もしていませんでした。だから氏の意見を読んだ時、すぐには納得できませんでした。反日・左翼の学者や、反日の野党議員が言うのなら、私は最後まで拒絶したと思います。
 
 「在日の彼らには現実を見つめてもらい、国や国籍についてもっと真剣に、考えてもらうことだ。」「七割を超える、多くの在日の人々が、日本に愛着を感じていると言う事実を、もっと大切に受け止めることだ。」「彼らを、日本国民として受け入れる日本側の努力が必要だ。」
 
 私にしても、好んで在日の人々を嫌悪しているのではありません。国同士が対立したため、親しかった在日の友と争い、疎遠になった経験もあります。大学で同じクラスだった朴君と、運動部で頑張った閔君の顔を思い出します。
 
 「国や国籍を軽んじて参政権を与えることは、真の意味で、どこの国にも属さない浮き草のような民、国なきタミを作り出すことになる。」「それはまた、日本の崩壊を招くことにつながると、私たち日本人が自覚すべきだ。」
 
 「その滅びの道に、党利党略で日本を誘い込むのだとしたら、公明党は亡国の党である。」「それを是とする自自公小渕政権は、亡国の政権である。」
 
 「隔靴掻痒」「論理が一貫しない」と、氏を評した自分が恥ずかしくなりました。いつだったかチャンネル桜の動画で、在日の老人が訴えていた姿を思い出しました。
 
 「私たち在日の多くは、日本に同化し、日本人と仲良く暮らしています。」「騒ぎを起こし、日本人に暴力を振るっているのは、在日の内の一割にも満たない者たちです。」「日本の政府が、彼らを甘やかすから、彼らがいい気になるのです。」「多くの在日は、彼らのために誤解され憎まれたりするのです。」「日本の政府は、彼らに厳しくし、取り締まってほしい。」
 
 過激な反日活動をしている者は、5~6万人と言われていますから、あの老人の訴えと符合します。過激な在日にだけ目を奪われず、日本に同化している在日の人々のことを、忘れてはなりませんでした。
 
 櫻井氏の意見を、立派で尊いものと感じました。今回は氏に敬意を表し、自分は自戒してブログを終わります。
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日本の危機 - 解決への助走 -17 ( 公明党と在日韓国人の関係 )

2019-11-23 12:04:20 | 徒然の記
 島村議員の意見を、紹介します。
 
 「韓国政府は、日本に対し、この相互主義を盾にとっています。」「しかし、双方の定住者数には、開きがあります。」「ちょっとやそっとの、違いではありません。」
 
  島村氏が説明した、平成の10年の数字。
 
   1.   在日の人数        64万人
    2.   選挙権年令の20才以上  59万9千人  
   3.   7割が韓国系在日       41万9千人   
 
   4.   韓国定住の日本人20才以上 300人    
 
 数字の上から見ても、これでは相互主義にならないと島村氏が言います。民主党は、韓国の意見のままに相互主義の主張ですから、相変わらず反日の党です。櫻井氏が、島村氏の意見を補足しています。
 
 「歴史問題も、参政権付与の理由にされがちである。」「在日の人々は、日本に強制連行されてきたのだから、」「日本は彼らに、参政権を与える義務と、責任がある、」「と言うものだ。」
 
 「だがこのことは、在日の人々自身が否定している。」「強制連行で来させられた人々は、そのほとんどが、日本の敗戦以降、帰国しているのである。」「現在の日本定住者の祖父母たちは、自分の意思で渡日した人々である。」
 
 氏はこのように、婉曲に表現します。「隔靴掻痒」と私が言うのは、こう言う叙述に対してです。15回目のブログで、私が書いた数字を、もう一度転記します。
 
  1.  敗戦直後の在日朝鮮人の数     約230万人
  2.  徴用工                                約170万人   ( 1.の内数 )
  3.  この内帰還した 徴用工の数           約170万人   (この内自由意志で、残った者が、245名)
  4.  職を求めて密航して来た者の数   約60万人  
 
 自由意志で残った245名という数字は、厚生省の資料にあります。60万人の在日の人々は、99%が「密航して来た不法残留者」だと、氏には明確に言ってもらいたいでありませんか。
 
 公明党が、在日を支援する理由について、氏が二人の人物の意見を紹介しています。
 
 1.  自民党中山正暉氏 ( 選挙制度調査会副会長)
 「参政権付与問題について、公明党さんが最も熱心です。」「強引に選挙権を与えるというより、自主申告制を考えているようです。」「あれほど熱心なのは、党員や学会会員の中に、」「かなりの在日の人が、いるからでしょう。」
 
 「現在日本には、南北合わせて、」「68万人の、朝鮮半島出身者がいます。」「その内3分の1に近い、19万8千人が大阪府に在住し、」「そのうちの12万人が、大阪市に住んでいます。」「大阪市の市長選挙の勝敗など、」「簡単に左右できます。」「それだけの数の力を、彼らは持っている。」「公明党は、選挙では、大阪とか強いですから、」「そういう関係もあって、熱心なのでしょう。」
 
 2.  ジャーナリスト乙骨正生氏
 「幹部クラスはともかく、学会の一般会員には、」「在日の人は、かなりいます。」「大石寺と宗門紛争し、分裂した現在も、」「韓国内には、創価学会の会員は40万人いると、言われています。」「韓国でもそれだけの規模、日本でも多数の在日会員を抱えていることが、」「この問題に執心する、最大の理由だと思います。
 
 3.  公明党遠藤議員の反論
 「党員や創価学会員に、在日の人が多いという指摘ですが、」「別に関係ありません。」「確かに党員の中には、在日の方もいるかと思いますが、」「入党に際して、国籍は限定していないので、」「在日の人がどれだけいるのか、特に把握していません。」
 
 4. 櫻井氏の反論
 「公明党は、創価学会の影響もあり、」「国境を越えて、宗教的な、愛や友情を大切にする気持ちが、」「働くのであろうが、政治を軽々に、」「その種のセンチメントに、からめてはならない。」「政党として、外国人の住民に、参政権を与えることの重大性を、」「もっと、認識せよ。」
 
 公明党が、今後も日本の政党であり続けたいと考えるのなら、在日の住民に引きずられるのでなく、在日の人々に帰化を促し、その上で参政権を与えれば良いのです。自分の住む日本を、憎んだり恨んだりしかできない在日韓国人を、そのまま受け入れる姿勢が、そもそも間違っています。
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