6月16日に「LGBT法」が成立して以来、11月19日までの千葉日報に10件の記事が掲載されました。岸田内閣の支持率低下の大きな要因になり世間を騒がせている割には、4ヶ月で10件と少ない件数です。
それもそのはず、この4ヶ月間には「LGBT法」以上の大ニースが世間を騒がせていました。
・福島県発の「処理水」放出問題・・・全魚連の反対と中国の敵対的大反対
・風力発電を巡る秋本議員の収賄事件・・同氏の離党と逮捕
・毎年恒例となった「終戦の日」のマスコミによる大合唱・・「平和を守れ」「戦争の悲惨さを忘れるな」
・マイナンバーカードを巡る不手際と、賛否両論、批判報道
大ニュースの陰に隠れ、大手マスコミが報道しなかったと言う結果が、千葉日報の10件の記事です。議論を尽くさず岸田首相が強行した「LGBT法」について、国民の怒りが生半可なものでなかった印が、百田、有本両氏が作った「日本保守党」に象徴されています。
1. エマニエル大使に言われるまま、法の成立を強行した岸田総理への怒り
2. 党幹部の強行策に反対せず、賛成票を投じた自由民主党議員への失望と怒り
3. 自由民主党以上の悪法案を主張した反日野党への怒り
国を愛し、大切にする国民は、政治家の全てに失望と怒りを抱き、保守層の多くの心が離れていったのは事実でしょう。
「日本国民の過半数が、包摂性と平等を支持している」
「日本の世論から外れたことは言っていない」
産経新聞のインタビューに反論したエマニエル大使の言葉が、国民の怒りをどれほど増幅させていたのか、アメリカ政府はこれから思い知ることになるでしょう。規約も綱領も無く、党首も決まっていない段階で、「日本保守党」フィーバーが高まった原因は、前記 1. 2. 3. で言い尽くされています。
「日本保守党」への異常な熱気と興奮の高まりは、令和元年に「N党」が立ち上がった時の状況に似ています。振り上げた拳の下し所がない国民は、威勢の良い言葉に心を奪われます。
「LGBT法が国会を通ったら、わしは新党を作ったる。自民党を許さん。」
ネットでは、「日本保守党」の生まれた話として百田氏の発言が拡散され、氏自身も街頭演説で喋っていました。保守の一人として「ねこ庭」の私も、百田氏の新党に賛成すべきと思われるでしょうが、そうなっていません。反対しているので無く、水島氏が作った「新党くにもり」と神谷氏が立ち上げた「参政党」の内紛を見ていますので、簡単に賛成できません。
前回の「ねこ庭」で、日本が直面している4つの課題の最後に提案をしました。
4. 保守勢力の協力体制
・強い日本を取り戻すには、自由民主党の中の保守勢力と保守新党がバラバラであっては不可能
・新党同士が攻撃し合うようでは、日本は取り戻せない
ネットでは連日、「新党くにもり」「参政党」「日本保守党」が互いに批判と攻撃をし合っています。自分の党こそが「日本を取り戻す」という気概は買うとしても、本来の敵を脇へ置き保守同士が潰し合いをするのでは先の見込みがありません。新党関係の当事者は真剣なのでしょうが、「ねこ庭」から眺めている限り三党への注文は同じです。水島氏の「新党くにもり」のシリーズの時、次のように述べました。
・水島氏は政治を弄んではならない。
・本人が正しいと信じていても、賛同する同志を集められない政治活動は、所詮束の間の茶番劇で終わる
・「新党くにもり」は水島氏の意向とは逆に、淀みに浮かぶ泡沫 ( うたかた ) となって消えていく
世間の高い評価とは別に、百田氏も有本氏も今の段階では「政治を弄んでいる」と見えてなりません。賛同する同士とは、風に乗って集まってくる党員や聴衆ではありません。長い時間をかけた熟議の上で集まる人間で、例えて言うなら幕末の志士です。
捕まれば斬首と覚悟した上で、志士たちは日本中を回って討幕運動をし、明治維新につなげました。その場の思いつきで人集めをした集団ではありません。「日本保守党」が、現名古屋市長の河村隆氏と元大学教授武田邦彦氏と連携する動きに疑問を感じます。
河村氏は盟友だった大村知事と仲違いして、知事リコール運動に参加し、武田氏はネットで話題を提供している「参政党告発者」の一人です。二人は著名人かもしれませんが、百田氏と有本氏の人選に ? ? ?となります。同党がこれから先どのように変化して行くのか期待もありますが、疑問が先行する船出です。
横道に逸れているのでは無く、LGBT法成立後の出来事の中で最も大きな反動だと思い、詳しく述べました。次回からは本論へ戻り、千葉日報の下記10件の記事を紹介いたします。
1. 6月24日 「LGBT法施行」「性自認、留意規定扱い焦点」
2. 6月27日 「ジェンダー意識変化」「男性トイレは青 ? 」「公共施設、表示多様に」
3. 7月12日 「トイレ制限 国に違法判決」「性同一性障害巡り最高裁 」「経産省職員 勝訴確定」
4. 7月17日 「性同一性障害の最高裁判決」「多数者の同意前提は問題 」「戸籍性別変更も要件見直せ」
5. 8月1日 「保守層に 生理的不安感」「女性守る議連 自民片山氏 」
6. 10月24日 「性別変更、手術は必要か」「最高裁大法廷あす憲法判断 」「性同一性障害の特例法規定」
7. 10月26日 「当事者の壁に選択肢」「リスク負わず望む性で 」
8. 10月26日 「性別変更 手術要件は違憲」「生殖能力巡り最高裁大法廷 」「特例法で初、国は見直しへ」
9. 11月19日 「当事者 ハードル下がった」「性別変更 生殖能力要件違憲 」「SNS中傷に不安も募る」
10. 11月19日 「変わる外見、傷つく心」「性別変更 生殖能力要件違憲 」「本人確認で生活に不都合」