ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『教育への告発 』- 6 ( 貴重な時間の無駄 )

2021-02-28 20:39:03 | 徒然の記

 貴重な時間を無駄にすると知りながら、善本氏の意見を紹介します。意見のタイトルは、「子供がつくる学校へ」です。

  ・教員になって14年目、私は江戸川区の日本語学校に勤務した。中国や韓国から引揚げてきた、日本語の全くわからない子供達に、日本語をどう教えるかという学校である。」

 この説明からして、疑問が生じます。日本人の子供なら、たとえ引き揚げてきていても、日本語が全く分からないということはあり得ません。いつの頃の話か時期が書いてありませんが、当時中国や韓国から引き揚げて来た子が、江戸川区にそんなに沢山いたのでしょうか。

 日本語が全く話せない子供がいるとすれば、中国からの子供は、「中国残留孤児」しか考えられません。韓国からの子供は、戦後のどさくさに紛れ、韓国から密航して来た韓国人家族の子供しか思いつきません。嘘ではないのでしょうが、大切な説明を省略している点で、氏の意見全体に疑問符がつきます。

  ・この子供たちは、日本の子供たちから中国人、汚い。臭い !!  などと、言われていた。まさしくはじめに、民族差別ありきであった。

 文章を素直に読めば、この子供たちは日本人ではありません。日本人が民族差別をしていたとそれが言いたいため、事実を曖昧にしたまま意見を述べています

  ・子供にとっての壁は言葉であると、当時の私は考え、言葉をどう教えるかという技術的なことしか考えていなかった。子供たちは、なかなか受け付けてくれなかった。

  ・子供の立場で、もう一度授業を見直してみることにした。」

 氏が最初から事実をきちんと説明していないため、以後が辻褄の合わない話になります。岩波書店の選んだ反日左翼学者たちは、編集に際してなんの疑問も抱かなかったのでしょうか。

  ・中国や韓国から引揚げてきた日本語の全くわからない子供達に、日本語をどう教えるかという学校である。

 最初の氏の説明は、こうでした。引き揚げという言葉を使えば、子供たちは日本人ということになります。辞書を調べますと、次のように書かれています。

  ・引き揚げとは、外国から本国へ帰ること。

  ・特に第二次世界大戦後、外地で生活していた人が内地に帰ったことを指す。

  ・博多、浦賀、舞鶴などが引き揚げ港として指定され、昭和21年末までに、500万人以上の人が引き揚げた。

 母に連れられ、引き揚げの第一船で博多港に着いた私は、この500万人の一人でした。わずか3才でしたが、日本語のわからない幼児ではありませんでした。氏の話への違和感が、ためにする作為への怒りへ変わります。

  ・引き揚げの子どもたちは、自分のもう一つの故郷、中国や韓国を大切にする気持ちがとても強かったのである。

 引き揚げて来た家族が日本人なら、子供だけがそんな気持ちになることはありません。もともと中国、韓国人の子供だから、そうなるのです。人生の貴重な時間を無駄にするというのは、氏の意見をわざわざ読む虚しさを指します。

  ・そこで、子供たちのもう一つの故郷の母国語を大切にし、中国語クラブを作ってみた。子供たちは、見違えるように生き生きとして来たのです。

  ・氏の体験ですから嘘ではないとしても、事実を省略した捏造です。捏造を土台にして、氏は大胆にも教育一般論につなげていきます。

  ・私は当初日本語学級の子供たちを、教え込む対象としてしか見ず、「 学ぶ側  」から授業を考えてこなかったことを、深く反省せざるを得なかった。

  ・日本の学校は総体で言うならば、「 学ぶところ 」 であるが、いつの頃からか、「教室」となってしまった。

  ・子供を教育の対象としてだけでなく、主体として捉え、子供が学ぶ場・学室と考えることの方が、より妥当性がある。今、このような発想の転換こそが求められている。

 以上が結びの言葉ですが、昭和10年頃は、岩波書店と反日左翼の編者たちは、こんな悪書を日本で出版していたのです。

 戸塚廉氏が試みた「子供が作る、子供中心の授業」が、とっくの昔に失敗したのはなぜか。「温故知新」の読書が教えてくれた事実を、忘れないことが大切です。極論は常に間違いますが、「子供が作る、子供中心の授業」も、その極論の一つです。

 大人が指導せず子供に任せていると、子供は喜ぶでしょうが、それでは教育になりません。「子供たちが聞けば応えるが、正解は教えない。」「子供達自身で考える助けをするだけで、強制はしない。」・・・こう言う基本方針ですから、漢字も教えない、分数の計算も教えない、小数点についても生徒が質問しないと教えない。

 このままでいくと、自分の子供たちは上の学校へ行けなくなる。他の子どもが知っていることも知らないままになれば、先々生きていく場所がなくなるのではないか。「子供の村」小学校では、通う子の親たちから苦情が寄せられるようになりました。

 廃校になったり統合されたり、教育方針を転換したり、「子供の村」小学校は失敗しました。後にその一部は、無着成恭氏の「綴り方教室」に引き継がれ、大村はま氏の「単元学習」にも生かされましたが、教育の主流にはなりませんでした。

 善本氏が得意らしく主張しても、「極論は所詮、極論」でしかありません。

 《 主として政府の管理教育を告発・批判している人たち 》

 この章で予定していた人物の5名が終わり、あと一人6人目の佐藤文隆氏だけとなりました。「貴重な時間の無駄」でも、佐藤氏の意見を紹介する必要があるかどうか。一休みして、考えます。

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『教育への告発 』- 5 ( ないものねだり一覧 )

2021-02-27 20:33:46 | 徒然の記

 前回の続きです。なるべく私の意見を抑えようと思います。

 《 主として政府の管理教育を告発・批判している人たち 》

  3.  中川あきら氏 弁護士

  ・学校の管理強化の進行は、一方で学校の密室制、閉鎖性を招き、他方で学校による情報の独占と情報の操作現象を生んだ。

  ・その結果、学校で何があったかを知りたいと言う親に対して、学校はひたすら、事故に起因する責任問題にどう対処するかと言う、管理機構の保守にとらわれた姿勢を取り続け、情報を親に対し隠すことによって、親が知りたい子供の情報を遮断している。

 教師たちが生徒関連情報を外に出さず、隠す行為を批判している点では、前回の浜脇氏と似ていますが、結論が異なります。浜脇氏は日教組が戦う姿勢をなくし、先生個人を守ることをしなくなったから、責任逃れをする教師が増えたのだと言いました。中川氏は、反日弁護士らしく、格調高い空論です。

  ・学校が親の信頼を回復するためには、説明責任を果たし情報を開示し、教育的配慮を尽くす必要がある。それが21世紀に向けて、「学校を開く 」ということであり、学校再生の出発点をなすものであることを再確認しておきたい。

  4.  遠藤圭氏 民俗学者

  ・今日、都市型の合理性や、物質的繁栄の中で、山漁村の労働や生活習慣、職人の伝統的な手仕事が、急速に形骸化していく時代に、これらを確かな民族の記録として世に提示し、暮らしを通じて体現していくことが、ささやかな自分の使命であるような気がしている。

 忘れられようとしている農業、漁業、林業の中に、多くの職人たちの素晴らしい手仕事があります。氏は全国を回ってこれらを体験し、記録に残し、伝えようとしています。地道な研鑽の姿を知り、頭が下がりましたが、最後の結論がいけません。岩波書店に協力すると、国を愛する学者もたちまち反日左翼に変じます。

  ・長い歴史に培われ、受け継がれてきた文化を否定することが、発展や進歩だとするのなら、もしそれを教育と言うのなら、戦後我々が選択した教育システムが、大きな誤りだったことになる。少なくとも、そういう過ちを、子供や未来に引き渡したくない。

  5. 善本幸夫氏 小学校教諭  

  ・明治以来、日本の教育は、上位下達中央集権体制を基礎としており、その中央支配は戦後、『学習指導要領体制』として、現在まで貫かれている。そしてこれに従わないもの、違反するものは容赦なく弾圧した。 

 明治時代にはその時代特有の国際情勢があり、上位下達中央集権体制も必要だったかもしれないのに、氏は形通りの解釈を述べます。

  ・かって私たちは教育現場で、ともすると保守派と進歩派、組合員と非組合員というような安易な色分けを行い、 教育研究の場でもお互いに棲み分けをしてきたように、思われる。

  ・これは、冷戦構造時代の価値観そのものであり、その究極に文部省と日教組という図式があった。しかし現代の教育改革を考えるとき、先に上げた二分法的な考え方はほとんど意味がなくなり、通用しなくなるであろう。

 同じ反日左翼でも、ちょっと違うぞと、期待を抱かせる意見でした。正直で率直な言葉に引かされます

  ・教育現場の人間として、授業改革の方向性についていうならば、二つの分水嶺があると思う。

 文章より箇条書きの方が分かり易いので、書き換えてみます。

  1. 明治以来の伝統的な授業形

   ・黒板を使い、学力観に固執した教科書中心主義の学習

   ・木目の細かい、系統学習を組織していく道

  2. 子供自らが作る授業

   ・従来の学力観を改め、子供自らの体験や学びを通し、学習を進めていく道

   ・つまり子供が作る授業、子供自身の学習課題を解決していこうとするもの

 なんだ、こういう話かとがっかりします。独創的な氏の考えを期待したのに、大正時代の教育論でした。氏は「ねこ庭」で『昭和教育史の証言』を読んでいるとは、考えもしなかったのでしょう。「子供が作る、子供中心の授業」など、戸塚廉氏が試みたとっくの昔の話です。

 戸塚氏の主眼は、子供たちへ自由と愛に満ちた教育を与えたいという、博愛精神でした。当時は、野口援太郎、下中弥三郎、志垣寛、為藤五郎など、自由教育の指導者たちが、『芦屋児童の村』小学校、『雲雀ヶ丘児童の村』小学校、『東京児童の村』小学校と、試行錯誤しながら創設・運営していました。

 戸塚氏が共産党員だったので、善本氏も反日左翼繋がりで戸塚氏のことを知っていたのかもしれません。結論から言いますと、「子供が作る授業」は失敗しています。意見を挟むまいと心がけていても、都合のいい話だけをされると、黙っておれなくなります。

 結局氏の意見は、唾棄すべき反日左翼の主張として終わり神経を逆撫でします。スペースがなくなりましたので、続きは次回といたしますが、興味のない方はスルーしてください。読む価値はなく、読めば人生の貴重な時間の浪費になります。

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『教育への告発 』- 4 ( ないものねだり一覧 )

2021-02-27 00:36:39 | 徒然の記

 共同通信社が森会長の言葉を切り取り、連日一面トップで叩き、ついに辞任をさせました。手元にある千葉日報を、確認しましたら、2月の6日から、10日、11日、12日、13日と、配信していました。しかも、10日以降は、毎日一面と社会面にトップ記事として扱っています。

 この間の攻撃報道は、共同通信社だけでなく、NHKを筆頭に民放各社と、反日左翼の朝日が先頭に立ち、新聞各社がしました。氏の発言を是とする気持ちはありませんが、ここまで残酷な集中攻撃については、疑問と不快感しかありません。これこそが「言葉狩り」「魔女狩り」であり、自分の気に入らない意見を言う人間への、「差別」です。

 『教育への告発』のブログの4回目に当たり、私はためらいを感じています。なぜなら今回は、ないものねだりをした寄稿者たちの意見を切り取り、一覧にしようとしているからです。

 巨大マスコミの全国発信と比較すれば、「ねこ庭」のブログなど比較にならない発信力です。ためらう方がおかしいのだと自分に言い聞かせ、作業を開始します。

 《 主として政府の管理教育を告発・批判している人たち 》

  1.  脇浜義明氏 定時制高校教諭

   ・『学校の論理』・・要するに先生が、文字通り教育公務員になってしまった。警察官や自衛官と、さして変わらない。そんな先生ばかりいる学校だったら、さぞかし面白くないだろう。

   ・問題は、どうしてそういう先生が増えたか、と言うことだ。もちろん、文部省を頂点とする教育委員会の、抑圧的な教員管理政策も大きな理由の一つだろう。

 警察官や自衛隊員が聞けば、気分を害する意見です。氏が言わんとしているのは、従来の日教組が戦う姿勢を失い、教員を守る共同体でなくなったため、個々の教師が直接管理職と対面するようになったからだ、と言うことです。氏は定年間際の、元日教組の幹部だったのでしょう。日教組の戦術転向と組織率低下を嘆いています。

  2. 姜信子氏 ノンフィクションライター

   ・日本社会は、色々と美しいもの建前論は飛び交っていても、結局は明治以来変わることのない、立身出世主義に貫かれた学歴偏重社会で、その上純潔志向が強い。

   ・教育制度も、国際化やら、ゆとり教育やら、さまざまな謳い文句をつけているが、要するに成績で子供を振り分けて、社会に送り出す制度だ。

   ・在日韓国人の親たちの多くは、この学歴偏向の日本社会のレールにまずは子供たちを乗せるため、各種学校の資格しかない民族学校ではなく、日本の公・私立校に入学させる。」

   ・そして純血主義の日本社会で、他者として生き抜くだけの力を、身につけさせようとする教育に、並々ならぬ情熱を注ぐ。

 氏は自ら在日韓国人だと公言し、意見を述べています。堂々としているとは思いますが、日本以上の学歴社会である韓国のことを言わず、日本をそこまで批判するのかという、不快感が生まれます。多くの日本人が韓国人を嫌悪するのは、自分のことを棚にあげ、日本人を酷評する姿勢だと思います。

 氏のような在日コリアンの人々を知ると、詩人ラジャ氏の言葉を思い浮かべます。

   自分たちだけで 集まっては 自分たちだけの 楽しみや
  ぜいたくに ふけりながら 自分がお世話になって住んでいる
 
  自分の会社が仕事をしている その国と国民のことを
  さげすんだ目で見たり バカにしたりする」
 
  こんなひとたちと 本当に 仲良くしていけるのだろうか
 
 ラジャ氏の詩は、東南アジアに住む在留日本人への批判ですが、在日コリアンについて考えると、常にこの一節が思い出されます。日本で彼らは確かに苦労していると思いますが、彼らの中には成功した実業家がいて、国会議員がいて、著名な芸能人がいて、小説家や大学教授がいます。
 
 これらの人々も、氏と同様に遠慮せず日本批判をします。
 
 「自分がお世話になって住んでいる
  自分の会社が仕事をしている その国と国民のことを
  さげすんだ目で見たり バカにしたりする」
 
 まさにこの詩の通りですから、嫌悪します。慢心した日本人駐在員たちが、アジアの国々で嫌悪されても当然だと思っています。こんなものは差別でもなんでもなく、礼儀知らずの人間に対する怒りであり、軽蔑だと考えています。
 
 たった二人の意見しか紹介できませんでしたが、次回はもう少し増やします。余計な意見を挟まず、言葉を転記すれば済む話です。努力してみようと思います。
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『教育への告発 』- 3 ( ないものねだり )

2021-02-26 18:16:15 | 徒然の記

  岩波書店が集めた、反日左翼の編者たちの『教育への告発』が、何を意味しているのか。これまで読んできたところで、まとめますと、彼らが告発の対象としているのは、およそ次のようなものになります。

   1. 政府  2. 文科省  3. 教師たち  4. 世間  5. マスコミ 

 告発の根拠としているのは、だいたい以下の思考です。

   1. 子供の自主性尊重  2. 子供の個性の尊重  3. 子供の人権への配慮

   4. 子供への愛     5. 子供への思いやり 

 本の構成の仕方を見ていますと、「日本国憲法」に対するマスコミの姿勢とよく似ています。

   1. 戦争はいけない   2. 人殺しはいけない  3. 軍隊はなくていい

   4. 平和は素晴らしい   5. 人間は皆同じ   6. 差別や偏見はいけない

 「日本国憲法」と結びつけず、言葉だけを取り出してみますと、ほとんど誰もが賛成する内容です。個別の言葉が正しいからと言って、そのまま憲法改正反対に結びつけると、大きな間違いが生じます。弱肉強食の国際社会では、力のない弱い国は、存在を脅かされ続けるというのが、現実です。一つ一つの言葉が素晴らしいからと、憲法改正に反対していると、大切な自分の国が亡くなります。

 本に原稿を寄せた人たちの意見は、憲法問題を語る人々とよく似ています。 

   1. 子供の自主性尊重   2. 子供の個性の尊重  3. 子供の人権への配慮

   4. 子供への愛      5. 子供への思いやり 

 一つ一つの言葉に、反対する人はいません。どれも大切な意見です。しかしそれを、学校教育にそのまま当てはめ、実行しない学校を批判し、受け入れない学校を否定すると、大きな矛盾が生じます。教師一人が30人の生徒を抱えている教室で、一人の障害児を受け入れる困難さを考慮しないと、それは現実を無視した暴論になりかねません。

 正しいはずの意見も、自己主張だけする身勝手さが前面に出ますと、「ないものねだり」のわがままに堕してしまいます。具体的な例はこれから述べますが、「ないものねだり」の意見を述べている人物の名前を、先に上げておきます。

 1. 主として政府の管理教育を告発・批判している人たち

  ・脇浜義明氏 定時制高校教諭  姜(きょう)信子氏 ノンフィクションライター

  ・中川あきら氏 弁護士      ・遠藤圭氏 民俗学

  ・善本幸氏  小学校教諭     ・佐藤文隆氏 京大教授

 2. 主として子供の自主性尊重の面から、現行教育を告発・批判している人たち

  ・河島淳子氏 医師        ・松金功氏 作家

  ・渡辺実氏  小学校教諭     ・若桑みどり氏 千葉大学

 一つ一つとしては、正しい意見なのに、全体としてまとめると、何かおかしい・・というのが、岩波書店の本です。嘘を述べている訳でなく、間違った意見を言っていないのに何か変だと、今回の本に限らず、岩波書店の出版物全般にそれが言えます。中国や韓国の政府のように、明らかな強弁を、恥も外聞もなく押しつけるのは、不快ですが、それでもこちらの方は、「暴言」だとすぐに分かります。

 岩波書店のように、嘘でもなく間違いでもない意見を並べ、読後に全体として考えると「何か変だ」というのは、多くの読者が騙されるという点で、むしろ悪質ではないのでしょうか。もう少し言いますと、戦後のマスコミの報道が、そっくりこのやり方ではなかったのかと考えたりします。

 岩波書店のために弁護しておきますと、23年前の本ですから、当時はこれで済んだのかもしれません。NHKも、朝日も、共同通信社も同じことをしていましたし、読者も疑っていませんでした。愛国心を否定し、ご先祖様をないがしろにしても、まだ危機が目の前にありませんでした。

 しかし今は違います。中国も、北朝鮮も核を持ち、日本へ照準を合わせたミサイルを何百発と配備しています。中国は尖閣の領海を日々侵犯し、先日、武器使用を可能とする法整備をしました。反日左翼の言う「平和憲法」は、武力行使のできない日本を侵犯させる、「外敵誘引憲法」となっています。危険な外敵は、中国や韓国だけではありません。

 米国の中には中国や韓国を利用し、日本を崩壊させたがっている勢力がいます。のんびりしていると、日本はこれらの国の従属国になる恐れがあります。それなのに、テレビも新聞もつまらないゴシップ報道ばかりしています。新聞が部数を減らし、テレビの視聴率が落ちている原因がここにあると、どうして気づかないのでしょう。

 「マルクス主義の時代は終わった。」「日本国憲法の時代は終わった。」「東京裁判史観の時代は終わった。」「アメリカ一国支配の時代は終わった。」「危険な中国が台頭している。」「自衛隊をこのまま、戦えない軍隊としていたら、日本は侵略される。」

 ことさら危機を煽らなくても、世界のニュースを見ていればよほどの馬鹿でない限り感じ取ります。つまり岩波書店は、日本の中に「よほどの馬鹿」を作ってきた「腐れマスコミ」の一部です。時期外れの本だとしても、批判し攻撃しなければならない理由がここにあります。

 具体的な意見は、次回からの紹介となりますので、私の意見が間違っているか、偏見なのかは、「ねこ庭」を訪問された方々が判断されることになります。

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『教育への告発 』- 2 ( 執筆者紹介 )

2021-02-25 19:21:07 | 徒然の記

 『教育への告発』の書評、第2回目です。31人の執筆者の意見が紹介されています。えっ、こんな人が岩波書店に協力するのかと、意外な人物の名前もあります。岩波書店はほとんど儲けにならないのに、東西の古典と呼ばれる本を再出版したりしていますから、良心的で誠実な出版社だと誤解している人が沢山います。

 学生時代の私もその一人で、岩波新書などを本棚に並べていると、それだけで本物の学徒になった気分でした。執筆者の中に混じる意外な人物は、そんな昔の私みたいに、岩波書店を勘違いしている人間なのかもしれません。有難いことに、最終ページに「執筆者紹介」(あいうえお順)がありますので、そのまま転記します。

 31名ともなりますと、味気なく退屈なブログになります。「ねこ庭」を訪問される方々がまた減るかと、残念な気もしますが、興味のある人間にとっては、貴重な情報です。全員の意見を紹介できませんから、せめて名前だけでもと、そんな気持ちもあります。( 2冊目以降も、同じことをするとは限りません。 )

1. 安土敏氏 昭和12年生 企業小説家     2. 網野善彦氏 昭和3年生 日本歴史

3. ウォルフレン・K 氏 昭和16年生 ジャーナリスト

4. 遠藤けい氏 昭和19年生 民俗学

5. 小川三夫氏 昭和22年生 宮大工      6. 河島淳子氏 昭和16年生 医師

7. 姜(きょう)信子氏 昭和36年生 ノンフィクションライター

8. 坂上香氏 昭和40年生 ドキュメンタリー・ディレクター

9. 佐藤文隆氏 昭和13年生 京大教授     10. 三遊亭円楽氏 昭和8年生 落語家

11. 清野初美氏 昭和24年生 子どもの人権   12. 竹内敏晴氏 大正14年生  演出家

13. 谷川俊太郎氏 昭和6年生 詩人      14. 寺脇研氏 昭和27年生 文部省

15. 中川明氏  昭和16年生 弁護士       16. 中野重人氏 昭和12年生 国立教育研究所

17. ニコル・C・W 氏  昭和15年生 作家、探検家

18. 野口克海氏 昭和17年生 堺市教育委員会

19. 橋本治氏 昭和23年生 作家        20. 林光氏 昭和6年生   作曲家

21. 日高六郎氏 大正6年生 社会学者     22. 日野原重明氏 明治44年生 医者

23. 平井雷太氏 昭和24年生 塾経営      24. 前田雅子氏 昭和28年生 不登校の子供の会 

25. 松金功氏 昭和35年生 作家        26. 森圭氏 昭和10年生 北海道大学

27. 山田洋二氏 昭和6年生 映画監督     28. 善本幸夫氏 昭和25年生 小学校教諭

29. 若桑みどり氏 昭和10年生 千葉大学     30. 脇浜義明氏 昭和16年生 定時制高校教諭 

31. 渡辺実氏 昭和29年生 小学校教諭

 現在、219ページですから、既に半分を読み終えています。小中学校の教師や、学者や文筆業者の意見など、これまで何人の「教育論」を読んだのか、正確な人数は覚えていませんが、どれも真剣な意見でした。

 言葉の勢いで「反日左翼」と、ひとくくりにしていますが、切り捨てているわけではありません。立っている場所が異なるため、違った見方になりますが、指摘している問題点は無視できないものが多々あります。反日左翼嫌いの自分が、どこまで偏見を捨て、これらの人々の意見を紹介できるか。

 頭を悩ませているのは、ここです。ちょうどスペースがなくなりましたので、一息入れ、無い知恵を絞ろうと思います。どうやら、時間の助けが必要なようです。

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『教育への告発』 (岩波書店への告発)

2021-02-25 13:00:38 | 徒然の記

 本日から、岩波書店刊行の教育関係書 ( 3冊 ) の書評にかかります。

 1冊目は、編集委員6名編『教育への告発』  (  平成10年刊 )  です。まず最初に、編集委員6名の、氏名と略歴をネットで調べましたので紹介いたします。私の知らない人物ばかりで、全員大学教授でした。

 1. 佐伯胖 ( ゆたか ) 氏

  認知心理学者、田園調布学園大学大学院教授、東京大学・青山学院大学名誉教授

 2. 黒崎勲氏

  教育行政学者、東京都立大学名誉教授 日本大学文理学部教授

 3. 佐藤学氏

  学習院大学特任教授、東京大学名誉教授、「安保法関連法案に反対する学者の会」発起人

 4. 田中孝彦氏

  国際政治学者、早稲田大学政経学術院教授、元日本国際政治学会理事

 5. 浜田寿美男氏

  発達心理学者、奈良女子大学名誉教授。立命館大学特別招聘教授[

 6. 藤田英典氏

  教育学者、都留文化大学学長、東京大学・共栄大学名誉教授

 編者の略歴を調べれば、本の傾向が分かると思ったのですが、これだけでは不十分でした。「安保法関連法案に反対する学者の会」発起人の佐藤優氏のように、明らかな左翼学者がいますので、反日の編者たちだろうと予想ができます。
 
 「はじめに」の部分に、6人の編集者による本書の出版目的が述べられていますので、抜粋して紹介します。これを読みますと、私のような愛国の庶民も、反日左翼学者たちも、同じような気持ちで、今の日本を眺めていることが分かります。
 
 「子供・青少年をめぐって、心の痛む事件や、これまでの常識でははかれないような、不条理な現象が頻発し、私たちの心に重くのしかかっている。」
 
 「そうした状況は、私たちの想像を超えて、深刻化しているように思われる。このままでは、私たちの社会はどうなるのだろうか。子供の未来は、どうなるのだろうか。」
 
 同じ問題意識を持ちながら、具体的な意見になりますと、岩波書店が集めた反日左翼学者と私は、全く別になります。本は今から23年前の出版で、平成10年といえば、橋本内閣か小渕内閣の頃です。既に社会主義国の総本山のソ連が崩壊し、日本のバブル経済も崩壊し、政治も経済も混乱していた時です。
 
 「高度成長期以降の、文化・社会のドラスチックな変容は、これまでにない物質的な豊かさを、私たちに実現してきたが、同時に、学び育つという、人間の営みを危機に陥れた。」
 
 「これまでの教育を支えてきた、学校、家庭、地域といったシステムが、正常に機能しなくなっているように、思われる。そのことも、多くの人たちが、不安と危機感を募らせる原因となっている。」
 
 「今教育は、私たちすべてにとって、解決すべき最重要課題として、浮上しているのである。」
 
 どことなく格調の高い、高揚した文章の響きが、朝日新聞の論調に似ていると感じるのは、私だけでしょうか。本を半分読んでいるから分かるのですが、内容はほとんど、現在の政府を批判・攻撃し、日本の戦前を否定する「東京裁判史観」です。岩波書店はこれを「教育への告発」と言う言葉を使い、読者をたぶらかそうとしています。
 
 私は逆に、そんな岩波書店に対し、「岩波書店への告発」という副題をつけました。どこまでやれるのか自信はありませんが、次回から試みようと思います。
 
 浜の真砂は尽きるとも、世に盗人( ぬすっと )の種は尽きまじ

 石川五右衛門の言葉を思い出しながら、そんなことは承知の上だと反論しながら、悪書との戦いを再開します。

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温故知新の読書 ( 石川五右衛門、辞世の歌 )

2021-02-23 15:20:20 | 徒然の記

 外国人労働者問題に関し、共同通信社の手抜きの事実を報告しましたので、本日から、また「温故知新」の読書へ戻ります。

 本棚にある下記11冊のうち8冊を読み終え、現在、3.番目の『教育への告発』を読んでいます。

       1. 『いじめと不登校』4     編集委員6名   (  平成10年 )

       2. 『いま教育を問う』1   編集委員6名   (  平成10年 )

    3. 『教育への告発』0     編集委員6名   (  平成10年 ) 

    4. 『教師』                        森口秀志編   (  平成11年 )

    5. 『昭和教育史の証言  教育証言の会  ( 昭和51年 )

    6. 『学校は変われるか』      菱村幸彦  (  平成8年 )

    7. 『教なき国民は滅ぶ』  鷲野一之   (  平成9年 )

    8. 『教育問答』 なだいなだ  (  昭和52年 )   

      9. 『ジャカルタ日本人学校の日々』 石井光信   (  平成7年 )

     10. 『日本の教師に伝えたいこと』 大村はま   (  平成7年 )

   11. 『学校崩壊』 川上亮一   (  平成11年 )

 未読の3冊は、「岩波講座 現代の教育 ( 全13巻 )」と紹介してあります。図書館の廃棄本として、私の手に入ったのが13冊の内の3冊だったことが分かります。

 別の図書館で探せば、残りが見つかるのかもしれませんが、反日左翼の岩波書店の本ですから、3冊も読めば十分です。同じ反日左翼でも、私は新聞より本を読む時間の方が気に入っています。新聞は直近のことを騒々しく伝え、大小様々の活字で、大仰な見出しをつけ、読者の心を騒がせる工夫が目立ち過ぎます。

 それに比べると本は、どれも控えめで、節度があります。活字はみな同じ大きさで並び、自己主張する文字がありません。余計な写真もなく、落ち着いて読めますから、時に居眠りをするほど、静かな時間が流れます。

 いつからそうなったのか、すっかり忘れていますが、私のブログの目的は、反日左翼の悪書への批判と攻撃です。特に敗戦後の本は、反日左翼思想の賞賛と宣伝に堕し、若者たちを惑わせています。残る私の一生は、どうやら「反日左翼の悪書との戦い」に費やされるのではないでしょうか。

 戦いといっても、武器を取っての殺し合いでなく、ネットの世界でブログを書くという作業です。戦後出版された悪書は、数知れませんから、残る時間を費やしても、ほんの一部を読むだけでしょうし、一部への批評で終わるはずです。この作業は、砂浜の砂つぶを拾っているようなものですから、笑う人間がいると思います。

   浜の真砂は尽きるとも、世に盗人( ぬすっと )の種は尽きまじ

 読書の日々に、私は時折この言葉を思い出し、一人で苦笑します。あの大泥棒の石川五右衛門の、辞世の歌だと聞いていますが、昔の日本では、泥棒までが教訓めいた歌を後世に残しています。

 数知れない浜の砂つぶも、本気で運び去れば、なくなってしまう日が来るだろうが、盗人( ぬすっと )は決してこの世から消えない。悪人の種は、人間社会がある限り、尽きるものではない、悪人をいくら処刑しても、所詮は無駄な話と、五右衛門が開き直っています。

 今回のテーマは、大泥棒の五右衛門への反論です。砂浜の砂に似た反日左翼の書を目の敵にし、いくら批判・攻撃しても、人間社会がある限り、反日左翼のタネは尽きないと、この大泥棒が笑っています。そんなことは、とっくの昔に分かっているわいと、私も彼を笑います。

 この機会に、息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々に、私の考えを伝えておくことといたします。特に、息子たちには強調しておかねばなりません。

 「父が戦っているのは、反日左翼を根絶やしにするためではありません。」「戦っているのは、この世にある過激なもの、大袈裟なもの、偏って多すぎるもの・・」「こういうバランスの取れないものが、はびこっている状況なのです。」

 泥棒や詐欺師や人殺しの悪人が、どんなに努力してもこの世から無くならないのと同様に、反日左翼を根絶やしにしようとすることが、そもそもの間違いです。人間の心に、百八つの煩悩があると言われますが、正義も不正義も善も悪も、そこには同時に混在しています。多くの人間が正しく生きているのは、個人個人が、自分の中の悪や不正と闘い、それらを減らしているからです。

 個人の努力が、悪を減らしていることを理解していれば、邪魔な思想を絶滅させようと考える必要はありません。要は、その量を減らせばいいのです。反日左翼だけではありません。保守主義も、平和主義も、無政府主義も、快楽主義も、自堕落な自由主義も、量が少なければ害はありません。

 戦後の日本に溢れている反日左翼思想は、あまりに過剰となり、社会の均衡を破壊していますから、私はその過剰な量を減らそうとしています。いつか憲法が改正され、日本軍が再建されたら、反日左翼思想は激減します。すると今度は、軍国主義や、利己的な自国主義が台頭するのかも知れません。

 そうなったら、今度は過剰となった思考に、私は反対します。詳しく述べるにはスペースが足りませんので、息子たちに分かりやすいよう、単純化していますが、それは先の話で、当面は、日本をダメにする反日左翼との戦いが優先します。五右衛門の達見を否定しているのでなく、敬意を表した上で、反論しているに過ぎません。

 私の中にある不変のものは、次の二つです。

 ・ 自分の国を愛する心

 ・ ご先祖様への敬愛と尊崇の念

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外国人労働者問題の現状 - 5 ( 総まとめ )

2021-02-22 22:07:33 | 徒然の記

 今回は、総まとめです。第一回目にブログで、私は次のようにのべました。

 「米国の大統領選挙問題は、世界に発信されたアメリカの恥ですが、外国人労働者問題は、世界に発信されている日本の恥ではないでしょうか。」

 恥ずべき問題の特集を組み、事実を知りながら知らない振りをし、見当違いの記事を書く共同通信社を、「日本の腐れマスコミ」の代表として批判いたしました。同社の過去記事を転記することにより、今やマスコミは、「社会の木鐸」でなく、「日本社会のゴミ」と成り果てている事実を紹介いたしました。

 建前としての政策、法律は立派でも、ジッコ ( JITCO )も、厚生労働省、経済産業省、法務省も、外国人労働者問題については、悪徳業者を放任する無責任ぶりが見えました。彼らは世界に発信されている「日本の恥」を、改めようとする気持ちさえない役人たちでした。

 また、これを報道する共同通信社も、ゴシップ記事を流すだけで、問題の本質は故意に言及しませんでした。事実を国民に知らせる使命を、放棄しました。

 当初の目的通り、政治家の堕落とマスコミの堕落を証明した私は、果たして今、得意になっているのでしょうか。自分の意見が間違っていなかったと、息子たちや、「ねこ庭」を訪問される方々に報告で来たことを、喜んでいるのでしょうか。

 それは、大きな間違いです。自分国の政府や役人やマスコミの腐敗を見つけ出して喜ぶのは、反日左翼のすることで、国を愛する人間はしません。込み上げてくるのは、苦い悲しみと、後味の悪さだけです。

 今後もこうした状況のまま、日本が外国人労働者を放置するのなら、韓国のいう慰安婦や軍艦島の強制労働の嘘を、アジア諸国の人々がどうして疑いましょうか。私ですら、こんな制度を放置している政府に対し、怒りを抱きます。非人道的な制度で、アジアの若者を酷使する現実を、見て見ぬ振りをするのなら、一体何が日本の国際貢献なのでしょう。

 人道を外れた行為への糾弾には、右も左もありません。制度を悪用する人間たちは、処罰せねばなりません。帰国した若者たちは親日どころか、日本憎悪の固まりとなってしまうのが落ちでしょう。こんな制度のどこが、国際協力と言えるのでしょう。日本人の嫌がる3K職場に、低賃金の若者たちを集めているだけの話ではありませんか。

「日本人は、立派なことを言っても、やっていることは違う。」「信用できない、ウソつきたちだ。」

 研修員制度で苦しんだ若者たちに非難されたら、私は恥じて頭を垂れるしかありません。韓国が捏造する徴用工問題についても、慰安婦問題についても、これでは文句がつけられなくなります。

 「良識のある、礼儀正しい日本人はどこえ消えたのか。」

 日本人として、恥ずかしさをこらえつつ、ブログの総まとめといたします。後味の悪いブログとなりました。

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外国人労働者問題の現状 - 4 ( AHM協同組合 )

2021-02-22 19:11:54 | 徒然の記

 今回は、管理団体の「その他」の規定に関する説明の続きです。公益法人以外でも、次の二つを満たしていると、例外として認められるという文章です。分かりやすいように、青字で転記します。

  ①  監理事業を行うことについて特別の理由があること

  ②  重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いていること

 なお、①については過去3年以内に、以下の(ア)、または(イ)を行った実績があり、当該実績を資料等により明確に示すことが要件となります。

(ア)公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する、法律上の「公益目的事業」に該当する業務

(イ) 職業訓練、教育支援、我が国から外国への技能等の移転に関する業務等、人材育成の支援に関する業務

 この文章を、一般の人間は読む機会がありませんし、目にしたとしても、おそらく、チンプンカンプンでしょう。お役所のすることだから間違いあるまいと、何となく信じるのが関の山です。

 ここで私は、「百の議論より一つの証拠」として、「管理団体」の一つを紹介します。平成30年1月22日付けの共同通信社の記事で、以前ブログにしましたが、再転記します。

 「フィリピン人技能実習生(25)が、職場の暴力に耐えかねて、」「労働組合に加入したところ、実習生の受け入れ窓口となったAHM協同組合が、」「労組にファックスを送り、実習生を脱退させるよう求めたことが、」「21日にわかった。」

 記事にあるAHM協同組合が、いわゆる「管理団体」です。

 「実習生ら四人は、神奈川県の建設会社で勤務。」「殴る蹴るの暴力や、馬鹿野郎など、暴言を日常的に受け、」「労組神奈川シティユニオンに入った。」「ユニオンは、AHMやジッコに、四人の新たな実習先を探すよう要求。」

 この記事を読むと、AHM協同組合が窓口となり、フイリピン人実習生を建設会社に送り込んでいたということが、分かります。

 「ユニオンからの返事のファックスには、公益財団ジッコなどが、AHMに対し、」「労組加入者は、実習先が見つからないとの見解を示したとも、記載。」

 この記事は、役所の説明に負けない分かりにくさがあります。「ユニオン」は、一人でも加入できる労働組合として有名で、加入した組合員のいる会社を脅し、労働条件を改定させるだけでなく、経営者を脅し、損害賠償金を強請っているという話が頻発していました。

 共同通信社の記者は、ユニオンへの取材を直接でなく、電話やファックスでしていたようです。記事の内容からしますと、公益財団ジッコからユニオンへ来た回答を、記者が更にファックスで入手したのだと読めます。ジッコからユニオンへ来たファックスを、私なりに書いてみますと、次のようになります。

 「ユニオン殿

   弊財団は、AHM協同組合に対し、労組加入者は、実習先が見つからないとの見解を、既に伝えております。」

 共同通信社の記者も、曖昧な記事にしたことを悔いるのか、最後に言い訳が書かれていました。

 「記者の取材に対し、ジッコもAHMも、『係争中のため、回答を差し控える』と返事をしている。」

 深い考えもなく、平成30年1月22日付けの共同通信社の記事を取り上げましたが、今回のテーマにぴったりの記事でした。ジッコ、管理組合、ユニオン、共同通信社の実態が、一度に分かります。

 私はこの時、AHM協同組合について別途調べていましたので、これも再転記します。このような悪徳業者は、実名を明らかにし、国民の前に事実を示す必要があります。

 《  AHM協同組合  》

   設  立 平成15年12月

   認  可 国土交通省・農林水産省・経済産業省

   代表理事 有賀 稔幸

   所属団体 群馬県中小企業団体中央会・高崎青年会議所・高崎商工会議所

   事業内容 外国人技能実習生受入事業

   受け入れ実績 150社以上・1000名以上

   拠   点  群馬県高崎市飯塚町260-1 YSビル3F

 代表理事の有賀氏は、高崎青年会議所のメンバーであり、若手委員の一人です。AHM協同組合のホームページに書かれた、氏の挨拶文の一部を紹介いたします。

 「私たち、AHM協同組合は高い理念と夢を持ち、皆様方のご発展の一翼を担うべく、日々活動しております。」

 「2020年に東京オリンピック・パラリンピックを迎え、」「さらにはTPPへと、日本はよりグローバルな社会へ移行して行きます。」「国際化が進む中、我が国では少子高齢化社会を迎え、」「国内の労働力不足が、深刻化しています。」「外国人雇用について、考えていかなければいけない時期なのかもしれません。」

 「初めて外国人技能実習制度を活用される企業様は、様々な不安がおありだと思いますが、」「全力でサポートさせていただく所存です。」

 「外国人実習生と円滑な関係を築くためには、やはり公平且つ平等に、」「正しい評価を、日本人外国人に関係なく、行うべきだと思います。」

 「日本で仕事を従事する為には、最低限の日本語はマスターしなければなりません。」「ただ、母国で約4ヶ月間と、日本での集合講習1ヶ月だけで、」「全ての日本語を理解するのは、やはり難しいのです。」

 「外国人技能実習制度を上手に活用すれば、御社の規模の拡大化・安定化・活性化につながります。」「また、実習生を育成することにより、人材育成能力や管理能力の向上も期待できます。」「実習制度を上手に活用し、海外進出を果たした企業様もございます。」

 「外国人技能実習制度には、まだまだ魅力がたくさんあります。」

 「それでは、皆様にお会いできる日を心よりお待ち申し上げます!」

 氏の挨拶文は3倍以上の長さなので、たくさん割愛しましたが、当時私が記事を読み、不思議でならなかったのは次のような点でした。

 1.  どうしてAHM協同組合のような俄かづくりの組織が、管理団体として認められたのか。

 2.  営利を目的としない団体であるとしたら、どこから収入を得て活動しているのか。

 3.  新聞記事になるような、ひどい条件の建設会社へ研修生を送り込み、放置していたのは何故なのか。

 4.  群馬県に拠点を置く会社が、何故神奈川県の建設会社へ人を斡旋したのか。

 AHM協同組合は、たまたま共同通信社が報じた一つの例に過ぎません。似たような形の「管理団体」が全国にあります。条文では例外扱いの「その他」ですが、業者数で言いますと、こちらの方が多数を占めているのではないでしょうか。

 全国管理団体の数、管理団体の一覧表のデータを、見つけられなかったのが残念ですが、ここまででも、プログの目的は達しています。息子たちや、「ねこ庭」を訪問される方々のためには、曖昧に終わらせてならないと思いますので、次回を総まとめといたします。興味のある方は、足をお運びください。

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外国人労働者問題の現状 - 3 ( 管理団体 )

2021-02-21 22:26:51 | 徒然の記

 私は共同通信社のように、営利を目的としていませんから、捏造のブログを書く必要がありません。同社がしたような、手抜きも致しません。退屈かも知れませんが、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々は、しばらく我慢してください。

 まず紹介するのは、ジッコ ( JITCO )のホームページです。公開情報ですから、捏造のしようがありませんが、とても詳細なので、必要と思われる部分を切り取って引用します。「管理団体」という項目をクリックすると、次の文章が出てきます。

 「『外国人技能実習制度』をご存知ですか?」「日本が先進国としての役割を果たし、国際社会との調和ある発展を図っていくために、」「日本の技能や技術または知識を、開発途上国の人達へ伝えて母国へ持ち帰ってもらい、」「開発途上国が、経済発展できるよう協力する制度です。」

 「平成28年11月28日に公布され、平成29年11月1日に施行された、」「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)に基づいて、新しい技能実習制度が現在実施されています。」

 役所の文章は、分かりやすさが目的でなく、内容の正確さに重点があります。読んだ人間からクレームがつけられないようにと、役所特有の自己防衛が優先しますので、分かりにくくなります。だから、我慢して読んでください。我慢して読めば、共同通信社の手抜きが理解できます。

 「外国人実習生を企業が受入れる際、企業単独型と団体管理型の、どちらかを選択します。」「企業単独型は、日本の企業が直接、海外の現地法人、合弁企業や、」「取引先企業の職員を受け入れて、技能実習を実施する型式です。」

 「団体管理型は、非営利の監理団体(事業協同組合、商工会など)が、」「技能実習生を受け入れ、傘下の企業などで技能実習を実施する型式です。」

 この説明で、技能実習生の受け入れ方法には、企業単独型と団体管理型の二つがあると分かりました。

 「企業単独型の場合、自社で受入れを行わなければいけないので、」「業界の大手であれば可能ですが、中小企業の場合は難しく、」「ほとんど団体管理型を選択し、各監理団体を通して受入れを行うことになります。」

 実習生の過酷な扱いが発生しているのは、大手企業でなく、団体管理型であることが、なんとなく予想されてきます。

 監理団体について詳しく知るには、「管理団体として認可される法人形態について」という項目をクリックします。

 「監理団体は、技能等の移転による国際協力の推進を目的とする、技能実習制度において、重要な役割を果たす機関であり、」」「営利を目的としない法人であることが、求められています。」「具体的には、以下のように省令で認められる法人形態が、列挙されています。」

 長い説明ですが、我慢して読んでください。我慢できない人は、共同通信社と同じ手抜きをしていることになる、恐れがあります。

「・商工会議所:実習監理を受ける団体監理型実習実施者が、当該商工会議所の会員である場合に限る。

商工会:実習監理を受ける団体監理型実習実施者が、当該商工会の会員である場合に限る。

中小企業団体:中小企業団体の組織に関する、法律第三条第一項に規定する中小企業団体をいう。その実習監理を受ける団体監理型実習実施者が、当該中小企業団体の組合員又は会員である場合に限る。

・職業訓練法人

・農業協同組合:実習監理を受ける団体監理型実習実施者が、当該農業協同組合の組合員であって、農業を営む場合に限る。

・漁業協同組合:実習監理を受ける団体監理型実習実施者が、当該漁業協同組合の組合員であって、漁業を営む場合に限る。

・公益社団法人

・公益財団法人

・その他:前各号に掲げる法人以外の法人であって、監理事業を行うことについて特別の理由があり、かつ、重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いているもの。」

 これで「管理団体」が分かった気になってはいけません。役人の文章には、常に抜け道があり、「その他」の言葉が曲者です。共同通信社の記事を読んでも、読者はきっと分からないと思いますが、記事の中の「中間業者」というのが、実は「管理団体」のことです。

 この管理団体こそが、研修生たちを食い物にしている悪徳業者なのです。ジッコの説明文を読めば、管理団体としては、商工会議所、商工会、中小企業団体、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合などと、立派な団体の名前が並んでいます。もちろんこうした組織は、あくどいことはしませんが、問題は「その他」です。

 ホームページには、さらに次のような説明文が続きます。

 「原則として、監理団体として許可される法人形態は、」「 商工会議所、商工会、中小企業団体、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人又は公益財団法人であることが、必要とされています。」

 「これ以外の法人形態で、監理団体になろうとする場合は、以下の2つの要件を満たすことを立証する必要があります。」

 役人の書く文章で、私たち国民が気をつけなくてならないのは、「原則として」という言葉と、「その他」という言葉です。ここにはたいてい。例外の悪事と、国民への誤魔化しが集約されています。

 スペースがなくなりましたので、役人の誤魔化しと、知りながら国民に伝えなかった共同通信社の「手抜き」は、次回での説明となります。

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