ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日曜討論

2015-06-28 12:41:20 | 徒然の記

 6月28日。何気なく、NHKの日曜討論を見た。安保関連法案に関する、各党の幹事長討論だった。

 歴代総理と、内閣法制局が積み重ねて来た解釈、(集団的自衛権の行使はしない) を、一内閣の閣議で覆しても良いのか。国際情勢の変化という、たったこれだけの理由で、こんな重大な変更が、行われていいのか。

 共産党幹事長山下芳生氏の意見だった。
たったこれだけの理由と彼は言うが、中国の軍事的挑発行為が、「たったこれだけ」という言葉で片付けるられるものか。耳を疑ってしまった。国民の怒りや、危惧の念を無視し、こんな話をするから、共産党は赤い中国の代弁者だと言われる。

 北朝鮮が、日本向けのテポドンを何百基も設置し、核開発し、発射実験を誇示している。この危険な行為に関し、社民党の又一幹事長は、こう発言した。

 「北朝鮮をここまで追い込んだのは、ブッシュ大統領だった。」「悪の帝国と彼が名指し、北を敵視した時、」「それを改めさせるため、日本は何をしたのか。」

 山下氏と同様、日本の安全保障を考える討議だというのに、敵対国の弁護しかやらない又一氏に驚かされる。もうすぐ消滅する党だとは思うが、こんな見当違いの意見を、幹事長が得々として述べるようでは、国民の嫌悪感をさらに高め、消滅の速度が早まるだろう。

 慰安婦の韓国も同じことだが、平穏なアジアに波風を立て、嵐を呼び込んでいる原因は中国・北朝鮮にあり、日本が常に受け身であったのは、衆目の一致するところだ。挑発してくる敵対国を批判せず、被害者である日本を攻め立てるのだから、彼らのやっていることはまさしく利敵行為だ。

 NHKの報道が、そのまま全国に伝わるのは、本当に有り難い。わざわざ説明しなくても、どの政党が日本の党なのか、どの党が売国の党か一目瞭然だ。来年の参議院選挙が、楽しみでならない。

 [ 補 足 ]

 民主党の福山氏の発言については、言及する価値が無かったので割愛した。「類は類を呼ぶ、同病相哀れむ。」・・、強いてコメントをするとしたら、こんなところか。

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憲法学者三人の意見

2015-06-25 22:36:35 | 徒然の記
 衆議院の憲法審査会で、参考人として呼ばれた三人の学者が、安保関連法案を違憲だと述べた。
早速マスコミが、鬼の首でも取ったように騒いでいる。これでは国民の理解が得られなくなるだろうと、喜んでいる。国を大切にする心を捨ててしまった戦後の学会が、いかに情けない教授たちに牛耳られているかと、その事実が国民の前に明らかにされたのだから、結構な話でないか。分かり切ったことをなぜ大騒ぎするのかと、私は逆に首をかしげる。

 マッカーサーの占領政策に洗脳されたままの政界、学会、教育界、マスコミだと、保守の人間が主張しているが、その生きた事例がこの学者先生たちでないか。菅官房長官が「違憲でないと言う著名な学者も多数いる。」と言ったら、「著名な学者の名前を教えて欲しい。」と著名でない首都大学准教授の木村氏がツイッターで呟いた。学会の多数意見が、関連法案違憲説と知った上での皮肉だ。

 私が驚くのは、むしろ自民党の対応の方だ。
「これで法案成立への潮目が変わった。」と落胆する議員たちのお粗末さ。本当かウソか、新聞記事だから当てにならないが、こんなことを言う議員がいるとしたら、国民の方が落胆するだろう。
三人の学者の話を聞く前から、国民は、憲法改正を目指す安倍氏に投票したという事実を忘れているのか。それどころか、自民党の議員の中には、党是が「憲法改正」であることすら忘れてしまった者がいる。国民に対し、国会で学者の賛否両論を聞かせるという気配りすら忘れている。日頃はマスコミの偏向報道に、両論を公平に伝えよと言う彼らが、自分のこととなると忘れてしまう傲慢さ。
三人の学者が何を喋るのか、日頃から注意しておれば分かったはずなのに、国民に託された多数に奢って、手抜きをしたとしか思えない。自民党の憲法改正推進本部に名前を連ねている議員たちは、信念を持って参画しているのではないのか。

 不手際などという言葉では済まされない、この不甲斐なさ。

民主党や共産党の国会質問も苦々しいが、保守政党としての責任と自覚を失った自民党には本物の怒りを覚える。
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唾棄すべき韓国の無節操

2015-06-21 20:58:25 | 徒然の記

 韓国が、無節操な変貌をしている。 

 日本の支援無しでは国が崩壊し、朴クネも失脚する。経済は駄目、重大事故が頻発、ウィルスまで蔓延しつつある。政治への信頼も崩れてしまった韓国だ。朴大統領の方針変更を受け、韓国外相が、岸田外務大臣と会談を行った。恥も外聞も無く、韓国の外相は、どの面さげてやって来たのか。

 だが、韓国を許してはならない。彼らの変節を、容認してはならない。恩をあだで返すしか知らない政府に、支援の手を差し伸べてはならない。

 彼らは捏造の慰安婦問題で、どれだけわが国を貶め、国民を苦しめたか。米国の各地に慰安婦像を建て、フランスの漫画祭では、大ウソの漫画でフランス人を騙し、出展していた日本人を叩き出させたでないか。

 安倍総理の顔を踏んづけたり、首を切ったり、日の丸を引き裂いたり、燃やしたり、狂ったようなデモをやった韓国の人間たちだ。そのような愚行を、韓国へ返す気はないが、傷つけられた日本人の誇りは、戻らない。日本人らしく毅然と、隣国の愚かしい政治家や政府や、これを支持する国民を、無視するだけのことだ。

 のど元過ぎれば、熱さ忘るる。恥知らずの韓国は、国難をやり過ごせば、その内また、「日帝の植民地支配への謝罪」だとか、「弁償」だとか、腹に据えかねる強弁を始めるに、決まっている。国家間の条約ですら、平気で破る政府と国民でないか。かけた情けや思いやりが、後に千倍もの悪口憎言となって返ってくる。そんな彼らの、何が信頼できようか。

 首脳会談など、やる必要なしだ。韓国への経済支援は、びた一文やる必要なし。日本の腐れマスコミと、お花畑のインテリや学者たちに、私たちは、これ以上騙されてはならない。経済界が金儲けのため、妥協に傾いても、政治家の中の親韓派(獅子身中の虫・駆除すべき害虫)たちが、同調しても、国民は許すはずが無いと、韓国政府は知るべし。

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半島を出よ(下巻)

2015-06-18 13:15:20 | 徒然の記
 下巻を読んだが、「醜悪な駄作」という印象は不変だった。
芥川賞受賞作家でなく、本当はコミック漫画受賞作家と呼ぶ方が正しい。こんなものが果たして文学なのか。どこを読んでも、荒唐無稽な少年漫画でしかない。芥川賞もすっかりレベルが落ちたということだろうか。ノーベル文学賞だって、反日・売国の大江健三郎が受賞しているし、国際標準に照らせば無理も無い話か。

 家族を殺害したり、友人を惨殺したり、破壊と反抗と孤立を繰り返して来たアウトローたちが、イシハラという男のもとに集まっている。アウトローなのか落ちこぼれなのか、彼らを前にイシハラが語る。暴走族を相手にしていない、その理由の説明だ。
「暴走族の連中は、いやな奴を殴ったり警察に反抗したりする。ヒノもタテノもカネシロも、タケグチやフクダや他のみんなも、最低で最悪でどうしようもないやつばかりだけど、お前らは面白い。」
「いっしょにいると気分が悪くなるし、酒も飲まないし、頭がおかしい奴ばかりだけど、やはり面白い。」
「暴走族は寂しくて、ただ愛に飢えているだけだ。お前らは違う。愛も含めて、どんな社会的な約束ごとに対しても,最初から折り合いがつけられないんだ。お前らは誰にも好かれないが、誰にも騙されない。暴走族はすぐに多数派になびく。だがお前らは、多数派の方から拒絶されている。だから面白いんだ。」

 その後、暴走族の親玉たちに対して、イシハラが演説する。
「おれたちは何のために生きるか。それは破壊のためだ。この世には二種類の人間しかいない。防波堤や防風林や灌漑用水をこつこつと、爪の垢に灯をともすように作る人間と、脳天がぶち割れ金玉が打ち震えるような、感動と情熱と欲情をもって、既得権益層と旧来のシステムを破壊する人間の、二種類だ。」

 演説はもっと沢山の修飾語が使われているのだが、冗長なので省略した。こんな人間たちのどこが面白いのか、善悪のタガが外れている村上氏の文だ。しかもドストイェフスキーの真似としか思えない二元論。文豪はラスコリニコフに、この世には支配する優秀な人間と、生きても甲斐の無い支配されるだけのバカな人間の二種類がいると語らせた。金貸しの老婆を殺す理由づけに苦悩したラスコリニコフに、多少は理解できるものを感じさせられたが、村上氏の二元論は何の共感も呼ばない愚論でしかない。

 名前をわざとカタカナにしているのは、彼らが日本に帰属する国民でなく、祖国喪失の人間だとでも言いたいのだろう。
見え透いた虚構だ。このカタカナたちの中に、武器弾薬のマニアがいる。爆発物の狂人的専門家がいる。サソリや蛇やカエルなど、世界中の毒虫を飼育している変人もいる。破壊と殺戮に生き甲斐を覚えるおぞましい彼らが、北朝鮮侵入軍の司令部破壊を画策する。

 侵略軍は撤収した八階建てのシーホークホテルに司令部を置き、隣接する広場で兵たちが野営している。高麗遠征軍と名乗る侵略者どもは、やがて到着する12万の兵の受け入れ準備に大わらわだ。相変わらず政府は慌てふためくばかりで、何の対策も打ち出せず、国民に実体を知らせようともしない。無能無策の政府に失望した福岡市民やマスコミの中から、日を追うごとに靡いて行く者が現れてくる。

 だが、長々と詰まらない解説をするのを止め、結論を急ごう。
つまりこのアウトローたちが、シーホークホテルに侵入し、爆発物を仕掛け、見事にホテルを崩壊させ、一挙に侵略者どもを葬ってしまうという話だ。
鍛え抜かれた軍人を相手にこっそりとビルへ侵入し、見つかると闘い、死人の山を築きながら目的を遂行する。何の軍事的訓練も受けていない、ど素人のアウトローたちが、正規の特殊部隊と互角の闘いをするのだから、呆れた筋書きだ。日本に司令部が無くなったため、18万の北朝鮮軍が引き返し、ビルの破壊は誰がやったのか分からないまま、目出たし目出たしで話が終わる。これを少年漫画と言わずして、なんと言おう。

 本の最後に村上氏の後書きがある。愚にもつかない内容で申し訳ないと、多少恥じらいがあるのかと思ったら、どうしてどうして。
引用する方が恥ずかしくてならないが、愚劣な本を飾る記念として追記しておく。
「今回、北朝鮮を含め膨大な情報が詰まったこの小説で、私は改めて校正という仕事の困難さと重要性を再認識した。校正者の◯◯◎子さんに、心からの敬意を表します。」
「今回私は、本の装丁のアイディアがなかった。表紙の装画もデザインもまったく浮かばなかった。こんなことは初めてだった。ひょっとしたら小説にすべてのアイディアと力を注いで、一滴も残っていなかったのかもしれない。◯◯氏との仕事の中でも、特筆すべき一作となった。氏に感謝します。」
作者は得意満面だが、校正者とデザイン担当者の姓名を割愛した。世間に名前が出されるのは気の毒でならないと、せめてもの心遣いだ。

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半島を出よ

2015-06-15 16:38:50 | 徒然の記

 村上龍氏著「半島を出よ」(上) (平成17年刊 幻冬社) 昭和27年長崎県生まれの、芥川賞受賞作家だ。
下巻がまだ残っているが、このような醜悪な小説を久しぶりに読んだ。似たものをあげるとすれば、本多勝一の「中国の旅」だろうか。

 上巻だけなので、下巻で感想が変わるかもしれないがこの小説の醜悪さはどうしようもないレベルだ。ひとえに作者の人品の卑しさから生まれる叙述であり、批評にも値しない作品だ。ブログに取り上げているのは、形容しがたい不愉快さと憤りが抑えられないからだ。それでも下巻を読もうとしているのは、何時もながらの野次馬根性でしかない。

 北朝鮮の特殊部隊員9名が突然福岡に上陸し、野球試合中の福岡ドームを急襲する。観客3万人を人質にして福岡市を占領してしまう。日を置かず、追いかけるように12万の北朝鮮精鋭軍が上陸し、福岡県の独立宣言をするというものだ。総理大臣以下政府は、人質の生命を第一とするため動きがとれず。同盟国アメリカは、日本自身の問題だと言って傍観者の立場に終始する。

 目的のため手段を選ばず、殺人でも破壊でも平然と行う兵士たちが、平和惚けした日本人を打ちのめし、政府も警察も自衛隊も取るべき策が無い。恐怖に駆られた市長が狂人となり、怯えた県知事が北朝鮮軍への協力を始める。市役所の職員の中から軍に協力する者が現われ、市民からも軍に同調する人間が出てくる。鍛え抜かれた兵士たちの強靭さと冷酷さ、残虐さに怯える者や、逆に喝采して参加したがる人間など、荒唐無稽で乱暴な話が執拗な描写で綴られて行く。

 指で両目を突き眼球をえぐり出したり、銃で頭の半分を吹っ飛ばし、肉片や脳漿が散乱するなど、グロテスクな描写が得意げに続く。どういう思いでこのような文章を連ねているのか、村上氏の神経を疑いたくなる。

 平和憲法に安住し、敵国の恐ろしさを忘れてしまった日本人への警鐘かと最初は思ったが、そうした高尚さは何処にも無い。臆病で情けない日本人たちが曝す醜態を、楽しんでいるとしか思えない筋立てだ。使えもしない軍備を有し、張り子の虎のようにうろたえるだけの自衛隊も描かれる・・・・・。

 こんな本を書く方も書く方だが、読まされる者は堪ったものでない。村上氏の意図が何なのか。次第に怒りと侮蔑の念が込み上げてくる。大した根性も無い自分だからこの程度で済むのだろうが、気骨のある日本人なら引き裂いて破り捨てるに違いない本だ。
幻冬社がどんな出版社なのか知らないが、害毒書としか思えない本を、よくぞ大きな顔で出版したものと感心する。朝日新聞だって、本多勝一の本を平気で出しているのだから、出版界は落ちるところまで落ちているということなのだろうか。言論の自由などという立派な言葉の向こう側には、こんな害毒書の氾濫も放任されるのか。

 本が出版されるのは表現の自由だから目をつむるとして、読者からソッポを向かれこの本は売れなかったと、せめてそんな社会であって欲しいものだ。読み終えたらこの本は、有価物回収の日のゴミだ。続く下巻も、読む前からそうすると決めている。こんなくそゴミみたいな本が一册1900円だ。上下二巻で3800円もする。図書館員は読まずに購入したのか、読んでから慌てて廃棄図書に回したのか。詮索するのも腹立たしい。もしも、「みみずの戯言」を読まれた方がいたら、くれぐれもこの本には手を出されぬよう提案したい。

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チベットを馬で行く

2015-06-11 19:51:31 | 徒然の記

 渡辺一枝氏著「チベットを馬で行く」(平成8年刊 文芸春秋社)、を読み終えた。

 案内人、馬方、コック、運転手の四人を連れ、馬でチベットを旅する。そんな長距離の馬の旅は誰もしないため、氏は、すっかり人々の好奇心の的になる。まして女性だから、いやでも話題になる。

 食料、馬の飼料、衣類、日用雑貨等々、多量の必需品を積んだトラックに、運転手とコックが乗り、残りの三人が馬だ。先行して走るトラックが、後から来る彼女らのため、休息地を探して、昼食を用意し、野営場所ではテント張りをする。

 4177キロメートルの距離を、5ヶ月かけて旅をした記録だ。
トラックに伴走されながら行くのに、「チベットを馬で行く」という表題は、大袈裟でないかと最初は思ったが、読み進むうちに大変な旅だと分かった。一日のうちに、夏から冬へと温度が急変し、天候も気まぐれで、雨かと思えばたちまち晴れ、晴れた思えば雪を降らせる。私の想像を超える、厳しいチベットの自然だった。

 色々と日々の雑事が挟まり、550 ページの本が一週間かかった。途中で何度か諦めかけたが、読み終えて良かったと今は考える。

 少女時代に、チベットというあだ名が付いていたほど、チベット大好きの作者だから、自然も人も、食べ物も暮らしも、何もかもが心をとらえて離さない。そのせいか、道ばたの木々や草、歩く道のぬかるみや石ころなど、最初から細かく説明される。詳しく丁寧であるだけに、私は途方に暮れた。

 森の全体を示して欲しいのに、木や草や小石や、空模様を詳述されると、作者が何を語ろうとしているのか、分からなくなる。同行者の仕種や、テントの様子や、近くにキャンプしている住民たちのことなど、目についたまま、これでもかと説明され、益々混乱する。けれども、それはそれで、氏の特徴だろうから我慢できないものではない。読むのを止めたくなったのは、こんな叙述のせいだった。

 「彼らが好意でしてくれたのだが、私は、車に飾られた日の丸が嫌いだった。」
「日本は、地続きに他国との境界線を持たず、徴兵制も無いので、呑気に暮らしているが、論理上はともかくも、実態は軍隊と変わらぬ戦力を有する、自衛隊を抱えることについて、もっと危機感を持つべきではないのだろうか。」

 これは、私が嫌悪する反戦平和論者の語り口であり、軍国主義の日本が、他国を侵略したと言う人々の言葉だ。

 チベット人同行者のリーダーは、ツェワンという若者だ。大学卒の彼は、祖国チベットを大切にしているが、中国への非難は余りしない。中国人は酷いと氏が言っても、中国人全体が悪いのではない。チベットにだって、いい人間もいるし悪い奴もいる。どっちもどっちだと、返って氏をなだめたりする。しかし自国の寺を破壊し、仏像を破壊し、国内の資源を奪っている中国を、心の内では許していない。ちょっとした言葉の端はしに、ツェワンの熱い心が、見え隠れする。

 かって私は、大井功氏が書いた「チベット問題を読み解く」、という本を読んだ。
氏の説明では、チベット本来の領土が、現在の中国領の4分1を占める宏大さだったと教えられた。ダライラマ14世の亡命後に、自治区として中国が認めている領土だって、中国の8分1という広さがある。

 中国政府はここに、回教徒のウィグル人と漢民族をどんどん移住させ、チベット人そのものの、少数民族化を図っている。強大な武力にものを言わせ、じわじわと「民族浄化策」を押し進めている。

 智力胆力に優れた好青年のツェワンは、独身主義者である。どうして結婚しないのかという氏の問いに、彼が応える。
「チベットが自分たちに戻って来る日まで、自由でいたいから。」

 若い彼の言葉に、思わず胸をつかれた。そこに私は、大西中将の訓話に応え、国のため命を散らした、若い特攻隊員の姿を重ねずにおれなかった。

 チベットの何もかもが好きでならず、死んでも悔いは無いという氏なのに、なぜ、国を奪われたチベット人の、悲しみや怒りに目を向けないのか。無法な中国を、ひと言も責めないのは何故か。本当に彼女はチベットを愛しているのか。日の丸を嫌う彼女には、国を思う者の気持ちなど分かりはしないのか・・・・・と、こうして私は、何度も本を投げ出したくなった。

 「でもお父さん。この人は何もかも分かってるのよ。ツェワンの言葉がそうして書いてあるんだから、分かっているのよ。」
「中国のお世話になって、この旅行が出来たんなら、中国の悪口なんか書けないでしょ。」
 食事の時、私が氏の本を強く非難したら、家内が宥めた。なるほどそうかもしれない、いやそうなんだと納得した。( 家内は時に、思いがけず、立派なことを聞かせてくれる時があるが、この時もそうだった。) 

 日本が侵略した満州の、ハルピンに生まれたことが、渡辺のトラウマであるらしい。
理屈抜きの軍嫌いがここから始まり、横柄で権柄ずくな軍人となると、顔も見たくないらしい。そんな人間なら私だって、軍人でなくても嫌いだ。まして軍人は、武器と権力を持っているのだから、彼女に賛同する。

 本の最後に書かれた著者の略歴を見ると、昭和20年生まれとあった。そうなると、氏は私より2才年下だ。同じ満州でも、私はもっと奥地で、ソ連との国境に近いハイラルで生まれた。2才と何ヶ月かの私に、満州の記憶は刻まれていないが、トラウマになるような思いが、どうして彼女にあるのだろう。池上彰氏と同様の捏造を、正しいものであるかのように伝えているのかと、不思議な気がする。

 だが、最後に彼女がこう書いていた。長い困難な旅を終え、目的地で日の丸を見て感激したときのことだ。

 「私の知らない私が、まだここにいた。この正体を、突き詰めてみたい。」「そのことがきっと、異なる民族の間に繰り返される問題を、更に深く考えさせてくれるだろう。」「帰属意識というものを一切持たず、人は生きられるのだろうか。私はそれが知りたい。」

 確かに日の丸は、軍隊の旗印だった。だからと言って、日の丸が、即戦争を意味し、侵略の軍隊を表すものだと、そのように単純化してはいけない。日の丸は、戦争の旗印の役もするが、、それ以上に、歴史や風土や祖先を包含する、国の象徴なのだ。日本語が日本人に独特の言語であるように、国旗も、その国独自のものであり、人の心を一つにする力を持つ。世界の国々が国旗を大切にし、敬意を払うのは、戦争の旗印だからではない。

 私は、氏の率直な気持ちの表明に、心を動かされ、最後まで読んだことに喜びを覚えた。氏は誠実さにおいて、池上氏と、天と地の差があると理解した。もちろん天は渡辺氏で、地が池上氏だ。

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池上彰の「反日韓国の謎とは」

2015-06-06 23:46:41 | 徒然の記
 昨夜フジテレビの特別番組を見た。池上彰の「反日韓国の謎とは」である。

 この報道は、やるべきだったのか、やらない方が良かったのか。
マスコミが国民に知らせていなかった話を伝えたという点は、良かったと思うが、間違ったことを正しい事実のように述べたところに疑問がある。彼は自分の意見を述べたのか、誰かに与えられた原稿を読んだだけなのか。「反日韓国の謎」を言う以前に、「池上彰の謎」があった。

 他のブログで指摘されていたが、これに「ウソ」が添えられていたとしたら、私の結論は「池上氏は、番組をやるべきでなかった。」と、ハッキリ決まる。

 タレントたちが氏の説明に驚いたり憤慨したりしていたから、韓国政府の悪辣さや非常識さが伝わった点は評価した。しかし、間違った説明で彼らの同意を得る行為は、私から見れば反日行為そのものだった。

 氏の韓国政府に関する説明はかなり際どく赤裸でもあったから、バランスを取るため日本の欠点も述べたのだろうか。最後には、双方が話し合い、理解する努力をすべしという、目出たし目出たしの結論になっていた。始めから、その方向へという意図があったのだろう。
事実をすべて語れないところが、フジテレビの限界なのか、池上氏の限界なのか。間違った事実を語るのなら、最初から何もしない方が良かったと、厳しい意見を述べるが、その間違いの二つは、私には妥協できない歴史の事実だ。

 その1. ナチのユダヤ人虐殺と日本の戦争を同列に置いて説明したこと。
ドイツは何度でも近隣諸国に謝ったが、日本はドイツのように謝罪していないと、あたかも日本軍の戦闘行為がナチの虐殺と同じものであるかのように説明した。ジャーナリストとしての氏の良識や知識について失望すると共に、隠された意図を感じた。

 その2. 諸悪の根源である財閥を日本が改革できたのは、GHQのお陰である。韓国は外部からの力が働かないから、悪辣な財閥の改革ができないと説明した。GHQはこの他に、農地改革もやっているし、労働三法も作らせている。あたかもGHQの支配が日本にとって素晴らしいものであったかのような説明が疑問でならない。
 GHQの支配と統治は「憲法問題」を筆頭に、数々の難題を日本に残しており、良いものだったという簡単な説明では済まされないものが多過ぎる。単純化がマスコミの解説手法だとしても、こんなことをするから、国民がいつまでもお花畑の住民として安住する。

  最後に、他のブログで指摘された氏の「ウソ」だ。
「東日本の災害のとき、一番最初に駆けつけて来たのは、韓国の救助隊でした。」最初に駆けつけて来たのは米国であり、台湾だった。しかし台湾は救助の申し出を一番にしたのに、時の菅政府が二日間返事を保留した。菅総理は中国と韓国に気遣いをし、両国が来るまで返事を遅らせたのだと言うこと。マスコミの人間なら誰でも知っていることを言わず、言わないだけならまだしも、ウソの説明で視聴者を騙すというのだから、氏の人間性を疑ってしまった。


  今晩も池上氏の番組があるらしいが、とてもじゃないが見る気になれない。立派なことを喋っても、中身はこんなお粗末な話だ。やっぱり、日本のマスコミは国民の魂を曇らせ、駄目にするため、日々努力している「腐れマスコミ」でしかない。
 
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国会討論 隊員の安全

2015-06-01 20:55:27 | 徒然の記

 衆議院の国会討論を、NHKで見た。

 民主党の後藤裕一氏の質問だった。今回の法改正で、自衛隊員のリスクが更に高まるのではないか。戦争に巻き込まれるリスクが、大きくなるのではないか・・と、こんな内容である。奇妙な質疑のお陰で、こういう名前の議員がいることを初めて知った。

 自衛隊員の安全確保をもっと考えろとか、リスクを減らせとか、あいた口の塞がらない議論だ。法案を廃案にしたいがための、時間稼ぎのへ理屈と直ぐに分かった。これでは在日朝鮮人の、あの徐教授と似たり寄ったりの、ためにする主張と同じ匂いだ。

 もともと自衛隊は、国の安全を守り、国民に降りかかる危険とリスクに対処するため、存在する。隊員たちは、命をかけて任務を遂行し、私たちのような一般人に、とうてい真似の出来ない役務に従事している。

 だからこそ国民は、自衛隊に敬意を払い、隊員に感謝している。また、彼らこそが危険やリスクへ立ち向かうエキスパートなのだ。後藤氏の話を耳にしたら、自衛隊の幹部や一般の隊員は、その無知と無理解に言葉を失うことだろう。民主党の議員だからと言って、国会において、貴重な時間を無駄遣いする行為を見過ごして良いのだろうか。

 途中だったけれど、空しさと怒りのため、テレビのスイッチを切ってしまった。

 中国が尖閣諸島の領海を侵犯し、南沙諸島を埋め立て飛行場を建設し、軍事基地を広げている時だというのに、後藤氏は何ゆえ呑気な質問をするのか。
米中が衝突するかもしれないと、いやなニュースが流れ、米国に追随するのなら、日本の未来は無いと、中国軍の幹部が、高村副総裁に言ったという報道もされている。

 切迫した微妙な時期に、兵の安全やリスクを第一にと、そんな議論をする国がどこにあるのだろう。国民の多数が支持している安倍政権に対し、民意無視の独裁だなどという意見は、どこを押せば出てくるのか。国防を討議すべき国会で、隊員の安全に力点を置いた不毛な議論がなされるとは・・。

 なるほど「これが世界の常識、日本の非常識」の見本か。

 総理を相手に、国会でクイズをやる、テレビタレントみたいな小西議員もそうだったが、どうやら民主党には、国防意識の欠落した人間が集まっているらしい。時間稼ぎのための議論を、このままだらだらと続けていれば、次の参議院選では、誰も民主党に投票しないだろう。消滅した社会党が、風前の灯火みたいな社民党へと変じたように、国民にソッポを向かれるはずだ。

 国防を忘れ、危険な中国に同調する民主党や共産党には、やはり大事な国政を任せられない。国を大切に思う国民が、どんなに無念な思いで、売国議員の質問を聞いているのか。気づこうとしもしない諸君らのことを、私は「獅子身中の虫」と呼び、駆除すべき害虫と考える。

 国民が判断する時が近づいている時期だから、愚かな姿をいくらでも曝すがいい。迷っている国民には、格好の判断材料になる。

コメント (8)
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