ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

都知事選挙に見る日本の政治 - 17 ( 英国の自虐史観教育 )

2024-06-12 17:02:55 | 徒然の記

  次回で元へ戻り、田母神氏を評価している部分を紹介します。

 そう言ったもののいざ評価を試みますと、過激な「田母神節」が邪魔をします。都知事選立候補者の中で有力視されている3人と並べて、氏を評価するのがブログの目的でしたから、そろそろ「ねこ庭」の結論を出さないと都知事選挙が始まってしまいます。

 小池氏 ❌

  ・・「目新しい物好きなだけの「風見鳥政治家」」で、太陽光パネル設置による首都東京破壊を目指している

 蓮舫氏 ❌

  ・・「小池都政をリセットする」「裏金問題で汚れた自由民主党とずぶずぶ」と相変わらず批判だけの無策政治家、しかも反日左翼勢力共産党と社民党に支援されている

 石丸氏 ❌

  ・・政治家に不可欠の思想信条がなく、元銀行マンらしい数字的効率化の追求だけで、首都東京の機能分散というより、弱体化を目指している

 ここに田母神氏の評価を加えれば今回のシリーズが終わるのですが、簡単に終われないので苦慮しています。

 氏の著作『自らの身は顧みず』を読んだ時の感想を思い出してみます。

    1. 氏の愛国心は90%同意できる。氏が極右と言われるのなら私も同じだ。

   2.  氏は来栖参謀総長以来二人目の、政治的犠牲者となった自衛隊の高官だった。

   3.  国の安全保障、防衛省の組織に関する意見は正論であり、いずれ見直される時が来る。

   4. 歴史に関する意見も正論だが、「何が何でも日本が正しい」と主張する頑固さに普通の国民は違和感を覚える。

  と、こんな感想です。同じ保守と言いましても、林房雄氏の著作を手にした時の強い感銘や敬意の念は、残念ながら生じませんでした。
 
  「誰にでも分かりやすく、ユーモアを交えて語る。」と氏は言いますが、氏の「ユーモア」は、いわゆる「駄洒落」の類で、知的な風刺や警句の味がありません。
 
 「誰にでも分かりやすく」というのは大事ですが、物ごとを単純化してしまうと、真意が間違って伝わる危惧があります。

  ・私は、日本の国をいい国だといってクビになりました。そんなら、自衛隊のトップには、日本の国は悪い国だという人間がふさわしいのか。

 講演会で氏は聴衆の笑いを誘っていましたが、こうした単純化や極論は、愚かな者を笑わせても、真面目な人間は眉をしかめます。

  ・国防の基本には、愛国心がある。日本はいい国だと自衛隊員が誇れなくて、どうして国が守れるのか。

 氏の意見に反対しませんが、「日本はいい国」という表現の中に氏独特のレトリックがあり、素直に肯定できない夾雑物が含まれます。

 問題になった「田母神論文」も、改めて読み返しますと同じ印象でした。以前と違い、今度はじっくり読みました。氏を真似て遠慮なく言いますと、このレベルの内容なら若い自衛官の論文であり、将官である氏には別の論理展開があったのではないか・・という印象です。

 反日・左翼マスコミと反日の野党が跋扈している日本で、自衛隊のトップがこうした論文を書けば、どういう騒動になるか予測できるはずです。戦後70余年が経過したのに、いつまで隊員たちの誇りを踏みにじるのかと、トップである氏の怒りを理解しますが「論文」の表現には疑問が残ります。

 氏の論文は、政府とマスコミと世論に対する反撃で、反日左翼に言わせれば、「敵対的攻撃」の挑戦状です。氏は承知の上で論文を提出し、実名を公表しました。問題提起のための覚悟だったと、評したい気持ちもあります。

  いずれにしましても氏への正しい評価は、ずっと後になるはずです。安全保障法が成立した後来栖氏が再評価されたように、憲法改正後に、田母神氏が見直される日が来るのかもしれません。

 「憲法改正」後に見直されても、都知事選挙には間に合いません。「ねこ庭」の過去記事を探していると、真面目な氏の意見がありました。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介します。

  ・自国のことを悪く言う自虐史観に悩んでいたのは、日本だけではない。

  ・大英帝国として世界中に植民地を持ち、英国旗を7つの海にはためかせていたイギリスもそうだったのである
 
  ・1970年代から80年代に入り、イギリス人は誇りを失い働く意欲を失っていた。世に言う英国病である。
 
  ・学校では学級が崩壊し、子供たちの学力も極端に落ち込んだ。当時の学校で行われていたのは、英国を 「侵略者」と断罪する教育だった。
 
  ・左翼団体の作った教科書が使用され、イギリスは人種差別に満ちた侵略国家であり、白人文化は残虐非道の文化であると非難されていた。
 
  ・こんな教科書で教育されていては、子供たちは国家にプライドが持てるはずがないと考えたのは、時の首相のサッチャーだった。
 
  ・サッチャーは、教育の大改革を実行した。
 
  ・改革の柱は自虐的な偏向教育の是正と、教育水準の向上である。
 
  ・歴史のカリキュラムについては自国への誇りや、アイデンティティーの形成が目標とされた。
 
  ・もちろん、教職員組合や労働組合からは猛反発を食らった。教職員組合は、半年に渡ってストライキを実施したが、サッチャーは屈しなかった。
 
  ・サッチャーの実績は、規制緩和など経済面の改革ばかりが注目されたが、その前にこうした国民の意識改革をやり遂げたのである。
 
  ・サッチャーは鉄の女と言われたが、信念の愛国者だった。
 
 スペイン、ボルトガルに始まる欧米列強のアジア・アフリカ侵略が、日本を「東亜百年戦争」に引き込んだのですから、「ねこ庭」では英国を残虐な侵略国家の中心と見ています。
 
 サッチャー首相がこのために苦労していたとは知りませんでしたが、本家本元のイギリスが自虐史観教育で苦しんでいたとするのなら、日本の政治家はサッチャーを見習うべきでしょう。
 
 スペースがなくなりましたので、田母神氏の都知事候補者としての評価を次回にしたいと思います。結論を思案中ですから、ちょうど良いタイミングになりそうです。
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