1月12日付の、朝日新聞の社説を読んだ。主筆若宮氏が書いていた。
氏は安倍自民党の圧勝と、石原慎太郎氏の率いる維新の会の躍進が、日本の右傾化を示しており、心配でならないと述べている。平成19年の憲法制定60周年のおり、朝日新聞社は社内で真剣な議論を重ねた上で、自衛隊は軍隊としない方が良いと結論づけたと言う。理由として、氏は次の二つを挙げている
1. 憲法9条は、軍国主義で失敗した日本のメッセージであること。
2. 周辺国へ安心感を与え、国民の間にも定着していること。
安倍総理が過去の歴史を正当化し、領土問題で強気を見せ、ここで改憲すれば、更に周辺国の警戒が高まると、安倍氏の危険性を強調している。
「日本が周辺国から敵視されないためには、こちらから刺激をしないことだ。」と言い、憲法に手をつけなかった、護憲派宮澤元首相の談話を紹介している。
若宮氏の社説にも驚いたが、宮澤氏がこんな意見の持ち主だったと知りさらに驚いた。保守自民党の総裁でありながら、国の自主独立のために憲法改正が必要だと、そんなことは考えていなかったのだ。これでは、憲法改正に反対する反日左翼政党の議員と、どこが違うのか。
「国を守るために軍隊を持つ」というのが、世界の常識だ。自分で自分の国を守るから独立国家であり、これが普通の国だ。軍隊がないと言いながら、自衛隊という名前で軍を持ち、軍隊でないと言い張る戦後の日本が、正しい姿だとでも言うのだろうか。
そんな歪な日本にしたから、国を大切にする人間が少なくなり、歴史や文化まで否定する人間が増えたのだが、そんなことには何の関心もないのだろうか。原因が「日本国憲法」にあり、氏のような亡国の愚論を発信する新聞にあると、多くの国民がなぜ言わないのか。不思議でならない。
周辺国への刺激と反発の悪循環を止めなければならない、今は改憲の時ではないと、氏はこういう主張だ。日本が何をやっても反対する中国と韓国に、なぜそこまで気を遣わなくてならないのか、ならば改憲の時はいつ来るのか、いつ日本は普通の国になれるのか、次第に怒りを覚えてきた。
マスコミ界のリーダーと言われる朝日新聞の主張は、日本のことより、常に中国と韓国のためになされてきた。戦後の日本人が憲法に苦しめられてきた事実を無視し、「国民に定着した憲法」などと独り合点している。
大東亜戦争で中国に責任を覚えるものがあるから、このおかしな憲法に目をつむっていたが、一方では、未来永劫このままでは国が駄目になると、憂国の怒りをこらえ今日まで来た。氏の言うような、能天気な「定着」である訳がない。
戦後70余年が経過し、戦争犯罪を断罪したと言われる東京裁判が、戦勝国による復讐裁判だったと判明した今は、日本の未来を改めて考える時ではないのか。
「周辺国を刺激しない」などと、ぼかして言っても、周辺国は中国と韓国のことで、他のアジア諸国はそのようなことは思っていない。日本を憎み続ける隣国のため、日本はいつまでも我慢すべしと、こんな社説がどうしてまかり通るのか。
「南方週末」を見るまでもなく、氏の好きな中国は、自分の気に入らないマスコミを平気で弾圧する国だ。それにひきかえ、右翼、国家主義者だと、氏が非難してやまない安倍氏が、氏の偏向記事に一度でも干渉したことがあるだろうか。
幸いにも、氏は今回の社説を最後に定年退職するとのことだから、日本のために良かったと祝いたい。しかし憲法をこのままで良いと結論づけたのは、何人かが議論を重ねた結果なので、朝日新聞社には氏のような偏向日本人が、まだ存在していることになる。
氏が退職しても、国民の心を傷つけ、国をダメにする記事が途切れることなく書かれるのだ。日本の右傾化でなく、朝日の反日姿勢こそ心配し、眉をひそめずにおれなくなる。
偏向のない正論だと思っているが、朝日新聞社では私のような意見を言う者を、「右翼」と呼ぶらしい。