ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

ウクライナへの支援はやめるべし

2022-04-29 15:15:06 | 徒然の記

 4月26日のNHK、WEB  NEWSを見ました。

「ウクライナ 各国の支援に感謝の動画投稿も 日本は言及されず」

 「ウクライナ外務省は25日、公式ツイッターに、各国からの支援に感謝する動画を投稿しました。」「動画ではアメリカやカナダなど31の国名が紹介され、〈私たちの友情は私たちの勝利だ〉としています。」

 「紹介された国のほとんどは、NATOの加盟国で、アゼルバイジャンやエジプトなど加盟していない国もある一方で、日本は言及されていませんでした。」
 
 読んでいるうちに、不快感に襲われてきました。

 「投稿ではウクライナ軍幹部の名前で、〈このような困難な時期に、揺るぎない支援をしてくれた、われわれのパートナーに心から感謝している〉と記しています。」
 
 日本はかって東日本大震災の時、真っ先に巨額の見舞金を送ってくれた台湾に対し、ウクライナ政府と同様の扱いをしました。支援してくれた国への感謝の文書の中に、台湾の名前を入れませんでした。菅総理が説明していたと思います。
 
 「台湾は国でなく、わが国との国交もありません。」
 
 反日左翼の総理だったとはいえ日本の総理ですから、その記憶がウクライナへの怒りを抑えました。しかし続くウクライナ大使館の弁解と、松野官房長官、林外務大臣の談話を読んでいると、反日左翼の菅政権に劣らない自民党政府の不甲斐なさに、押さえていた怒りが戻りました。
 
 〈 在日ウクライナ大使館の弁解 〉
 
  「武器を提供してくれた国に対する、感謝を示すためのものだ。」
  「日本の支援や協力にはもちろん感謝している」
 
 〈 松野官房長官の記者会見談話 〉
 
  「これまでの日本の各種支援については、累次にわたってゼレンスキー大統領をはじめ、ウクライナ政府要人から謝意が表明されている。」「本件は軍事支援の文脈で謝意が示されたものと推察しているが、いずれにせよウクライナ側にその趣旨を確認中だ。」
 
  「日本としては、ロシアによる侵略を一刻も早くやめさせるため、引き続きG7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携しながら、適切に対応していく考えだ。」

 〈 林外務大臣の記者会見談話 〉
 
  「本件については、武器支援の文脈において支援を行った国々への謝意が示されたものとの説明が、ウクライナ側からあった。」
 
  「そして、ウクライナ政府として、わが国がこれまで行ってきた人道支援や財政支援、そして防衛装備品の供与などの最大限の支援に対し、改めて謝意が表明されたところだ。」
 
 松野氏と林氏に問いたいではありませんか。ウクライナ政府の公式ツィッターのどこに、「武器支援をしてくれた国への感謝」と書いてありますか ? ウクライナを思い、ウクライナの人々のためにと、多くの国民が支援しているのを知りながら、こんな大使館の言い訳をそのまま聞き、国民に恥ずかしくないのかと、言いたくなります。
 
 3月16日にゼレンスキー大統領が、米国連邦議会でオンライン演説をした時から、なんとなくウクライナはおかしいと思っていました。先ほどゼレンスキー氏の演説の全文を探して、読みました。
 
 「ウクライナは、反日国家ではないのか ? 」
 
 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々のため、その一部を紹介します。
 
 「皆様、アメリカの人々。」「あなた方のすばらしい歴史の中に、ウクライナ人を理解するためのページがあります。」
 
 「いまの私たちを理解するため。最も必要とされるときに。パールハーバーを思い出してください。」「1941年12月7日の恐ろしい朝。あなたたちを攻撃してきた飛行機のせいで空が真っ黒になったとき。それをただ思い出してください。」
 
 彼はロシアの侵略を、日本の「真珠湾攻撃」と同じものとして米国人に訴えています。米国人が最も敏感に反応し、敵意を掻き立てる事実と知った上での演説でした。
 
 彼は卑怯な日本の騙し打ちと言いたいのでしょうが、日本の攻撃を事前に知りながら、国民に知らせなかったのはルーズベルトだったと、現在多くの日本人は、アメリカが隠していた真珠湾の事実を知っています。
 
 松野官房長官と林外相は、一月前のゼレンスキー氏の演説を知らなかったのでしょうか。知った上での、記者会見談話だとすれば、二人は国益を忘れたおめでたい政治家です。
 
 私の疑問を確信に変えたのは、ネットの世界の情報でした。ウクライナ国防省が発表している公式ツィッターです。
 
 ムッソリーニとヒトラーと昭和天皇の顔写真が並べられ、文字が書かれています。日本語に訳しますと、次のようになります。
 
 「1945年、ファシズムとナチズムは敗北した。」
 
 ゼレンスキー氏の演説と合わせますと、疑問が消えます。国民の敬愛する昭和天皇をここまで貶める国を、なんのために支援する必要があるのでしょう。これまでの支援は致し方なしとしても、今後はする必要がありません。
 
 岸田総理や松野官房長官、林外務大臣は、反日国家の動向についてアンテナを張っていないのでしょうか。そんな情報音痴で、この危機に満ちた状況の中、日本の舵取りができるのでしょうか。他人の話を聞く耳を持つ、と自認する総理へ言います。
 
 「反日国家ウクライナへの支援は、やめるべし」
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「獅子身中の虫」 島田祐巳氏の紹介

2022-04-27 14:56:14 | 徒然の記

 先週の22日から今日まで、丸5日間ブログを書いていません。過去のブログの修正作業をしていました。急ぐ理由は、以前にも言いましたが、なぜか古いブログが集中して読まれているからです。

 2年、3年、6年、8年、9年前と、まとめて読まれています。どなたが、何の目的で「ねこ庭」の古いブログを読まれているのか、不思議な気がします。

 自分で読んでみますと、説明不足、誤解、誤字、脱字をたくさん見つけ、これでは「息子たちに読ませられない」と、修正作業にかかりました。まだ半分も終わっていませんが、読書もブログの更新も止まったままです。

 「ねこ庭」を訪問される方々に、念の為お伝えしますと、次のようになります。

 「私のブログが中断していても、ご心配無用です。」「老いてますます元気な私は、病気をしません。」「修正作業に、時間を取られているだけです。」

 久しぶりに千葉日報を手にし、「獅子身中の虫」の記事を読み、修正作業を中断することにしました。4月14日、9ページの「文化面」の記事です。言うまでもなく共同通信社の配信記事です。性懲りも無く、日本をダメにする記事「新著の余録」を全国発信しています。記事のタイトルを紹介します。

 「古代から息づく神話」「日本の宗教と政治」「島田祐巳さん」

 記事の書き出しを、転記します

 「150冊以上の著書を刊行してきた宗教学の大家島田祐巳さんが、〈ここ20年の集大成〉と語る一冊である。」

 いつものように共同通信社は、凡庸な氏を大家と宣伝し読者の目を惹きつけます。氏の顔写真の横に、コメントがあります。

 「2005年から、東京大の先端科学技術研究センターに研究員として5年間在籍し、政治学を学ばなければ、この本はできなかったと話す島田祐巳さん。」

 先端科学技術研究センターの前身は東京帝国大学航空研究所で、東京大学内にある組織です。これとよく似た組織が東大社会科学研究所で、日本の反日左翼を養成する組織です。従って、よく似た場所で5年間研究した島田氏も、立派な反日左翼です。

 「本書は、政教分離の原則に反するとの批判がある、創価学会と公明党の関係はもとより、」「多くの神社を包括する〈神社本庁〉と自民党の関係、仏教、天理教、」「そしてオウム真理教と社会との関係まで、詳しく紹介。」

 そういえば、オウム真理教が活動していた頃、氏の名前を聞いたことがあります。時流に乗る話題を探し、世間に名前を売る魂胆なのかもしれません。

 「島田さんが特に〈危うい〉と感じているのは、天皇制である。」

 なるほどそう言うことかと、共同通信社と氏の一致点を見つけました。

 「島田さんの念頭には、綱渡り状態の皇位継承問題もある。」

 共同通信社の説明の後で、氏の意見が紹介されます。

 「女性天皇や女系天皇を容認したとしても、一つの家系を継承していくことが相当難しいことに変わりはない。」

 「そんな中、小室圭さんと真子さんに向けられたバッシングを見ていると、」「みんなこの国をどうしたいのかと、疑問に思ってしまった、」

 バッシングしたのは、反日左翼のマスコミですから、氏は宗教面からでなく日本のマスコミへの疑問を抱くべきでした。多くの国民が憂国の情から、お二人について考え、祝福したり危惧したりした苦渋については考えません。

 氏は天皇と社会の関係を、『古事記』『日本書紀』にまで遡って研究した結果、発見をしたそうです。

 「天皇を現人神と祀った後に、敗戦で失効した〈表の国体〉に隠れた、古代から息づく〈裏の国体〉である。」

 要するに氏は、なぜ天皇陛下が今も国事行為をなされるのかに疑問を抱き、このことを真剣に考えないまま放置されているのが、恐ろしいことだと語っています。

 天皇陛下の国事行為は、「憲法改正や法律の公布」「国会の招集」などが憲法に定められています。

 「何らかの理由で、天皇が国事行為を果たせなければ社会は機能しなくなる。」

 だからいつまでも、陛下に重要な国事行為を委ねていて良いのか、止めるべきではないのかと、言いたいのです。お止めいただけない理由として、氏が発見したという〈裏の国体〉という新語につながります。軽薄な反日学者の考えつきそうな造語に、早速共同通信社が飛びついていますが、「今年の流行語大賞」でも狙っているのでしょうか。

 「政教分離で宗教を否定しているのに、我々は神話に基づいてものを考えたり、行動したりしている。」「その矛盾を、議論の出発点にしなければならない。」

 記事に書かれた氏の結論が、これです。政教分離を規定したのは、アメリカがくれた「日本国憲法」で、私たち国民はそんなことを考えていません。まして、憲法をくれたアメリカ自身が政教分離をしていません。5年間も東大の研究所にいて、他国のことは調べず、「日本が間違っている」「日本だけが悪い」と、相変わらず思考していたものと見えます。

 「皇室の廃止」と言う結論があるだけで、小室圭氏も眞子さまも女系天皇も女性天皇も、記事には何の関係もありません。矛盾は陛下の国事行為にあるのではなく、「日本国憲法」にあります。

 久しぶりに新聞を読みましたが、これではプーチン氏のロシアを批判できません。ロシアでは、国営メディアがウクライナ侵略を正当化し、欧米諸国のウソニュースでロシアが不当に攻撃されていると伝えています。多くの国民は、ロシアの国営メディアを信じ、ウクライナ侵略の事実を知りません。

 共同新聞の記事を読みますと、反日左翼の島田氏の「皇室廃止」の愚論が、何か正しいことのように発信されています。マスコミの情報操作について、ロシアを笑えません。

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 49 ( 氏の結論 )

2022-04-21 19:32:47 | 徒然の記

  『 日本が軍事大国になる日 』・・それはいつなのか ?

今回は、予想していなかった氏の答えを聞くことになります。

 「多くの日本国民は気づいていないかもしれないが、日本は世界から期待されるだけの強力な軍事力を、すでに持っている。」

 軍事力から見れば、日本は軍事大国だったのです。しかし外交面から見れば、軍事大国ではない。ではどうすれば良いのか・・氏は婉曲に、遠回しに示唆するだけで、はっきり意見を述べません。

 「ある国が、〈軍事大国にはなりません〉〈軍事を外交の手段として使いません。〉など、いくら声高に言っても、それをまともに信じる国はない。」

 「どの国も自分の利権を守る正当な権利があり、そのために〈自衛力〉を行使するのは当たり前だからである。」

 「憲法を改正すれば、今日からでも日本は軍事大国になる。」と、その一言が言えないようです。氏には、率直に言えないものが内心にあるのでしょうか。氏は、通常使われる「国益」と言う言葉を使わず、「利権」と言っています。国益は利権だけでないと思いますが、軍事評論家から見るとそうなるのでしょうか。

 「〈自衛力〉は行使される側から見れば、それが自分たちの利権に対する、軍事的侵害と映るだけの話である。」

 「ある国が軍事的脅威になるかどうかは、その国が持つ軍事力が、」「他の国に脅威を及ぼしうる能力があるかどうかで、判断される。」

 「日本国民は予想もしていないだろうが、海上自衛隊の能力は、」「そのまま東南アジアやインド洋に進出して、戦闘作戦を長期に渡り継続できることを意味する。」

 もちろん一般の国民は、こうした事実を知りません。政治家も語りませんし、マスコミも報道しません。

 「海上自衛隊の艦隊補給艦は、諸外国の保有する艦隊補給艦に比べるとまだ小型で、」「補給能力は小さいが、問題はそんなことでなく、」「米海軍の支援を得られない限り、これまでは南シナ海やインド洋に作戦のため進出することができなかったのが、」「今や独自でできるようになったという、大きな変化である。」

 「こうした能力を日本は持っているし、持ちつつある。」「世界はそれを見逃していない。」

 氏の言う世界とはどの国を指しているのか ?  ・・ここに一つの鍵がありそうです。つまりそれは、「日本が自衛権を行使すれば、軍事的侵略と映る国」・・そうなると答えが見えてきます。氏が軍事データの詳細を説明しなかった、世界の軍事大国、米国と中国とロシアです。

 3カ国のいずれにも与したくないだけでなく、日本の側にも立たず、客観的立場を守ろうとしているのでしょうか。歯切れの悪い説明が続きます。

 「だがこうした日本の能力は、日本がその生存を維持するためにも、また極めて有効である。」

 歯切れの悪さだけでなく、次は日本への批判かと思われる意見になります。

 「兵器の輸出が悪いと考えているのは、日本くらいのもので、」「他の国は、国家安全保障に必要な兵器は、輸入、開発、保持する権利があると考えている。」「問題視されるのは、それが過度に蓄積され、」「その地域の軍事バランスを崩すと、看做された時である。」

 「〈過度な蓄積〉と考えるのは他の国で、当事国は〈必要最小限〉と考えるのが普通である。」「日本は兵器輸入金額で、世界で一位ないし二位の輸入大国であることを、日本人のほとんどは知らない。」

 ここで氏は、関係各国の国防費をグラフで表示します。平成3 ( 1991 ) 年のデータです。なるほど、中国と韓国・北朝鮮に比較すると大きな数字です。

  日本 165億ドル   中国 120億ドル   韓国 64億ドル  北朝鮮 53億ドル

  米国 2,271億ドル         ロシア 916億ドル

 日本への批判は、すでに過去となっています。データは31年前のもので、急速に経済力をつけた中国が巨額の国防費を使い、他国を圧倒しているのは周知の通りです。国民が何も知らないと氏が語るのなら、事実をマスコミに発表すれば良かったのです。

 政府が国民に隠している「軍事大国日本の事実」なら、反日マスコミがこぞって飛びつき、反日野党と活動家たちとともに大騒ぎして、政府攻撃をしたに違いありません。

 「政府は、国民を騙すな。」「日本を、戦争のできる国にするな ! 」

 国民は嫌でも事実を知ったはずです。もう一つ言いますと、氏に言われるまでもなく反日野党と活動家とマスコミは事実を知っていました。なぜいつものように騒々しい報道をしなかったのか・・答えは簡単です。

 平成6年の内閣総理大臣は、社会党委員長・村山富市氏でした。

 物分かりが良いと言うのは、政治の世界では難しいことです。あちこちに気遣いをし、氏も苦労したのだと思いますが、軍事評論家は風見鶏ではいけません。今回はシリーズの最後ですから、氏の代わりに、氏の言わんとした結論を述べます。

 オイルロードの説明時に、氏が読者へ問いかけた言葉を思い出してください。

 「海洋を含めた東南アジアの平和的安定は、日本の死活問題なのに、」「日本は軍事力は派遣できませんと、言い切れるのだろうか ? 」

 「言い切れません。」「そのためには、憲法改正が必要です。」

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 48 ( 海上自衛隊の実力 )

2022-04-20 13:58:27 | 徒然の記

 「ではオイルロードで軍事紛争が起きた場合、日本は何ができ、」「何をすることを、世界から要求されるのだろうか。」

 本日は、読者への問いかけから始めます。言うまでもなくオイルロードは、日本経済の生命線です。

 「憲法が武力による解決の放棄を謳っている以上、日本は商船隊の安全航行を確保するため、海上戦闘力を派遣することは難しい。」「だが、〈火の粉が降りかかってきた〉場合にはどうするのか。」

 説明が抽象論でなく具体的である分だけ、氏が本気で読者に説明しようとする姿勢が感じられます。

 「南シナ海でロシアの商船が不審船に脅かされた時、ロシア海軍が出動したように、」「船団護衛とまで行かなくても、日本も海域のパトロールを海上自衛隊に行わせるのか ?」

 「或いは日本から出ていく外国の商船が、大きな軍事的脅威を受けた場合、」「それでも日本は一切の軍事力を派遣しないで、座視するのだろうか ? 」

 マスコミが報道しないものは、事実があっても無いことになりますから、私たち国民はこう言う事態を知りません。差し迫って考えるとこもありません。だから氏は、説明しようと努力しています。

 「もう少し具体的な例を考えてみる。」

 イランと欧米や他の湾岸諸国との関係が悪化して、イランが軍事力を行使し、ペルシャ湾とアラビア海の海上交通に脅しをかけてきた場合について述べます。

 「湾岸危機の時のように、国連の決議で、多くの国が協力して、」「海域を通過する商船の護衛作戦がとられ、国連が日本に海上自衛隊の派遣を要求してきた時、」「日本はそれを、断り切れるのだろうか ? 」

 この問いかけに読者は反論できませんが、次の説明では言葉を失います。と言うより、国民の多くが知らない軍事情報です。

 「海上自衛隊は現在、世界で最も若い艦齢、つまり最新の装備を持つ艦艇を保有し、」「その量も、世界で4位ないし5位にまで成長している。」

 「主要戦闘艦艇の保有量は、英海軍が2年後に35隻になるのに、日本は現在60隻を保有している。」「対潜作戦能力は世界のトップクラスで、大型対潜ヘリコプター、対潜ミサイル、遠距離探知ソナーなど、」「どれをとっても一流であり、陸上発進の対潜哨戒機は世界最高の能力を持つ。」「それを104機と、米国に次いで世界第2位の数を保有している。」

 「イージス・システムを搭載する護衛艦は、4隻の建造が進められている。」「このように高性能で、高価な兵器指揮システムを保有できるのは、」「米海軍以外では、世界でも日本しかない。」

 驚くべき海上自衛隊の軍備と、世界での位置づけです。装備のことは知りませんでしたが、隊員については知っています。平和憲法のある日本に、人殺しの自衛隊はいらないと、横断幕を掲げた反日左翼活動家たちがデモをし、マスコミが大きく報道する日本で、隊員たちは過酷な訓練に励んでいます。

 反日野党の誹謗を背に受けても、国防のための訓練に励むのですから、使命感と士気の高さを国民が知っています。大災害時の救助活動を通じても、彼らの献身に感謝しています。武器だけ最新鋭でも、使いこなせる兵士がいない国があるのですから、自衛隊の頼もしさが実感できます。

 「南シナ海での軍事衝突や緊張が高まった時、間に入って兵力引き離しを行う軍事力の主体は、」「当然海軍力となる。」「現在、そして将来この地域に有力な艦隊を派遣できる国は、米国と日本しかないだろう。」

 なぜなら中国や台湾、或いはベトナム、フィリピンなどのアセアン諸国は紛争当事国ですから、仲裁役になれません。

 「ロシアも二、三隻を派遣するのがおそらく限度で、それはオーストラリアやニュージィランドも同じである。」「となると、中心となる海軍力を提供できるのは、米国と日本しかない。」

 「海洋を含めた東南アジアの平和的安定は、日本の死活問題なのに、」「日本は軍事力は派遣できませんと、言い切れるのだろうか ? 」

 次の説明は勇気のある言葉です。肝に銘じて読む価値があります。

 「ペルシャ湾やアラビア海の場合と違って、中国は南シナ海紛争への外部勢力の介入に、確実に反対する。」「国連安全保障理事会の理事国も反対する。」

 「それでも世界の多くの国が日本に、平和執行あるいは維持の主体的役割を要求するとき、」「日本はいかなる対応をするつもりなのか。」

 「日本がその軍事力を、積極的に使うべきと言うものではない。」「有効な軍事力を持つ日本に、世界が期待する可能性もあると言うことである。」「そのような場合、日本はどうするのかと言うことを、考えておく必要があろう。」

 氏の著書が出版された同じ年の平成6年に、マレーシアのマハティール首相が、訪問してきた村山首相と土井たか子衆議院議長に語った言葉を思い出しました。

 「日本が、50年前に起きたことを謝り続けるのは、理解できない。」「過去のことは教訓とすべきだが、将来に向かって進むべきだ。」
 
 「日本は、これからのアジアの平和と安定のため、」「国連の安保常任理事国となり、すべての責任を果たしてほしい。」「過去の反省のため、日本がPKOの派遣もできないのは、」「残念なことだ。」
 
 江畑氏のいう、日本に期待する世界の多くの国の一つが、マレーシアだったと理解しました。現在251ページです。亡くなられた氏の意思を、息子たちに正しく伝えるためにはもう一回述べる必要があります。どうか、皆さんも「ねこ庭」へ足をお運びください。
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『 日本が軍事大国になる日 』 - 47 ( 外交と軍事力と、氏の意思)

2022-04-19 13:03:38 | 徒然の記

 「尖閣諸島の問題について台湾と国交のない日本は、領土交渉ができない立場にあるが、」「さりとて中国との交渉を、台湾を差し置いて行うこともできないだろう。」

 日本の報道を見ている限り、江畑氏のような意見は出てきません。

 「尖閣問題で日本を脅迫しているのは、中国だ。」

 おそらくこれが99%の日本人の考えで、台湾が関係していると思う者はほとんどいません。敵対国は中国であり、台湾はむしろ友好国として胸に刻まれています。だから中国と台湾を同じように説明する氏に、意外感を持ちました。

 「しかも日本は、基本的には、こうした外交上の問題を武力で解決することをしないと宣言している。」

 武力で解決するにも何も、日本中が「平和憲法」の海ですから、行使する武力がありません。しかし氏は軍事評論家なので、自分の考えを述べます。

 「だが国固有の自衛権まで憲法が否定するものでなく、それは自然権であるとする考え方もある。」「〈降りかかる火の粉は、払わねばならない〉、とする政策もあるだろう。」「問題は、どこまでの事態を〈火の粉が降りかかってきた〉、と解釈するかである。」

 依然として私の頭にあるのは、領海侵犯を繰り返す中国で、台湾のことはありません。

 「尖閣諸島で言うなら、他の国によって軍事的に占領され、」「それが継続している状態なのか、それとも単に海上保安庁の船を接近させたら、」「相手の軍艦に阻止されたり、攻撃を受けたりした場合なのか。」「その状況になってみないと、想像することは難しい。」

 著書が出版されてから26年たった今、氏の予想の正しかったことを教えられます。

 「ただこれだけは、予想できる。」「ある国が尖閣諸島の周辺に、強力な戦闘力を持つ軍艦を常に配置すれば、」「それは海上保安庁の巡視船で排除することは、不可能である。」

 かっては中国公船が領海を通過するだけでしたが、現在は武器装備の艦艇が、2隻、3隻、尖閣の海に常時浮かんでいます。海上保安庁の巡視船は遠巻きに眺めるだけで、排除できません。

 「日本がそれをするべきと言うものではないが、」「もし日本が強力な戦闘能力を持つ艦艇  ( 海上自衛隊の艦艇以外にないが  ) を、尖閣諸島の周辺に配置する意思を持ち、」「その態勢を作れば、実際に常日頃から戦闘艦が配備されていなくても、」「他国はそう簡単には、尖閣諸島領有を既成事実化することはできないと言うことである。」

 平成21年に始まった民主党の鳩山政権は、沖縄の基地に反対し日米同盟に亀裂を作りました。菅政権では、海上保安庁の巡視活動を体当たりで妨害した中国船を、捕らえていたのに釈放しました。800万人と言われる中国民兵の一部が、漁船を動かしていたのですが、菅総理は国民に事実を隠しました。

 野田氏が尖閣を国有化しましたが、その後安倍政権になり、媚中の二階幹事長が中国に拝跪し、現在の状況作りに協力しました。それでもマスコミは反日左翼の民主党を応援し、安倍政権を叩き続けました。平成21年に難病のため、60歳の若さで亡くなった氏は、どんな思いでこの事態の推移を眺めていたのでしょう。

 「このような行為は当然ながら、外交政策と一体であり、」「外交のために軍事力を利用することに他ならないが、外交力が軍事力に根差すことは、」「今日なお、厳然たる事実である。」

 氏の意見が素晴らしいのでなく、これが世界の常識で、言わない日本が異次元の世界なのです。

 「日本が軍事力を外交の道具として使わなくても、相手が使用した場合、」「こちらは、有力なカードが一枚不足してテーブルにつかねばならないことを意味する。」

 現在の日本外交はカードが一枚不足していると言うより、外交そのものがなくなっています。馬渕氏のような憂国の士もいるのかもしれませんが、大勢としては「害務省」です。「平和外交」「全方位外交」では、日本の独立を諦めたことになると、氏は言外に述べています。

 「軍事力を外交の場でちらつかせなくても、力を持っていると言うだけでも、」「ある程度のカードとしての、意味を持つ。」「だが相手が、その相手がカードをテーブルに出すことはないと高をくくったら、」「カードを持っていても、意味をなさない。」

 自衛隊はカードなのに、出さないのだから意味がないと氏は言っています。憲法で動けなくしているから、自衛隊はカードにならないと私は拡大解釈して、息子たちに伝えます。

 「日本は尖閣問題をなるべく棚上げし、先送りしたいと考えているようだが、」「いつかは必ず直面せねばならない問題である。」「東シナ海における不審船による襲撃事件のように、一部は既に現実に動き始めている。」「覚悟しておかねばなるまい。」

 氏の説明はここで終わっていますが、覚悟の意味するものはなんなのか。それはただ一つしかありません。

 「憲法を改正し、自衛隊を他国のような普通の軍隊にする。」

 自分に都合よく解釈しているのでなく、これが私たちに伝えたい氏の意思です。

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 46 ( 「オイルロード」 )

2022-04-18 16:33:37 | 徒然の記

 江畑氏の著作を、読み終えました。書評の一回めに「謙虚な軍事評論家」と評しましたが、最後まで氏はそうでした。氏の言葉の全てが心の中で反響し、目を閉じると自然に頭が下がります。

 私たちへの「遺言」として、受け止めるべきものがあります。息子たちと、「ねこ庭」訪問される方々へ氏の願いの一端でも、正しく伝えられたらと思います。

 反日左翼思想を嫌悪し、日本を否定する人々への強い怒りを燃やす自分は、果たして冷静な氏の言葉を伝えるにふさわしい人間かと、自問自答させられます。自分に都合の良い解釈をせず、感情を昂らせない努力をしなければなりません。

 本が出版された平成6年がどのような年であったのか、調べてみました。

  • 細川護熙首相辞任、羽田孜内閣発足。
  • 巨人の槙原寛己投手が完全試合を達成。
  • 羽田内閣総辞職、自社さ連立政権の村山富市内閣発足、自民党与党に返り咲く。
  • 松本サリン事件が発生。
  • 宇宙飛行士の向井千秋がスペースシャトル コロンビアで宇宙へ飛び発つ。
  • 夏は猛暑によって全国各地で水不足となり、東京で観測史上最高温度の39.1度を記録。
  • ジュリアナ東京閉店。
  • 関西国際空港開港。
  • プロ野球オリックスのイチロー選手が史上初の年間200本安打を達成する。
  • 大江健三郎がノーベル文学賞を受賞。
  • つくば母子殺人事件が発覚。
  • 大相撲で貴乃花光司が横綱に昇進する。
  • ソニー初の家庭用テレビゲーム機、プレイステーション発売。
  • 新生党、公明党、日本新党、民社党等が合流して、新進党結成。
  • リレハンメルオリンピック開催
  • パレスチナ自治政府設立。
  • ルワンダ虐殺が発生。
  • 南アフリカ共和国でネルソン・マンデラが大統領に。
  • アイルトン・セナがレース中の事故で死去。
  • 英仏海峡トンネル開通
  • 北朝鮮の国家主席である金日成が死去
  • メジャーリーグベースボールがストライキに突入、ワールドシリーズ中止。

 「政界の壊し屋」である小沢一郎氏が、活躍していた年でした。細川内閣、羽田内閣、村山内閣と、今は懐かしい思い出となった短命内閣です。槙原寛己投手の完全試合、イチロー選手の年間200本安打達成、貴乃花光司の横綱昇進と、スポーツ界では明るい話題に国民が沸いていました。

 南アフリカ共和国ではネルソン・マンデラが大統領になり、北朝鮮では金日成が死去していました。パレスチナ自治政府が生まれ、少し世界が静かになるかと思われる一方で、アフリカのルワンダでは、民族同士が争う虐殺が発生しました。世界も日本も政治の話になると、今も変わらない混乱と激変とです。氏はこうした世相を観察しながら著書を執筆していました。

 「東北アジアからインド洋、ペルシャ湾に至る地域は、」「日本が輸入する石油のほとんどが生産され、運ばれてくる場所である。」

 「石油だけでなく、日本が必要とするほとんどの原材料が生産され、」「日本の製品が輸出され、通過する場所でもある。」「仮にこの海上交通路を、〈オイルロード〉と呼ぶこととすると、」「この地域のどこに生じた紛争も、日本に大きな影響を及ぼさずにはいないであろう。」

 重要な輸送路と知っていても、多くの日本人は、〈オイルロード〉を軍事とは結びつけて考えません。

 「日本は年間7億トンの物資を輸入し、7000万トン以上の貨物を輸出している。」「その99%以上が、船で運ばれる。」「これは毎日、二万トン級の貨物船100隻が日本の港に入り、」「10隻が出港するということでもある。」

 「7億トンの中には石油も含まれるから、そう簡単には貨物船100隻と計算することはできないが、」「石油だけでも20万トンタンカーが、三日に一隻は日本に入港せねばならない計算になる。」

 数字で説明されると、〈オイルロード〉の重要性が分かってきます。この地域にある輸入資源が積み出せなくなったり、製品が送れなくなる事態が生じれば、日本経済は大パニックになります。さらに日本は、これらの地域に巨額の投資を行なっているから、〈オイルロード〉の安全保障に無関心でいられないはずと語ります。

 「〈オイルロード〉に存在する紛争、あるいは危険要因を、」「日本から辿っていくと、先ず東シナ海における尖閣諸島の領有権問題がある。」

 「この問題に関しては、日本も台湾もあまり積極的に触れないようにしているが、」「平成4 ( 1992 ) 年の中国の領海法公布により、事態が非常に複雑になってきた。」

 今から26年前、日本の政界は中国詣でをしていた時ですから、尖閣問題はマスコミが報道しませんでした。そんな時に氏が、尖閣の危険性を指摘していたことになります。

 次回は氏の尖閣に関する意見を、紹介します。

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 45 ( 語られない、大国の軍事データ )

2022-04-16 17:31:30 | 徒然の記

 本日は、江畑氏が説明していない中国軍について、紹介します。

 平成25 ( 2013 )年に、中国国務院が発表した資料によると次の通りです。

   陸軍 85万人  海軍 23万5千人  空軍   39万8千人  合計 148万3千人

 この数字には、国境警備部隊、海軍防衛部隊、軍事施設警備部隊の人数が含まれていません。年度が違いますが、平成23 ( 2011 )年に、中国共産党が発表した別の数字があります。

  中国民兵  800万人

 平成24 ( 2012 )年にイギリス国際戦略研究所が出している資料には、次の中国軍データがあります。

  現役兵 228万5千人  予備役兵 51万人  人民武装警察隊 ( 武警  )  66万人

 日本などの民主主義国と違い、中国は『防衛白書』に相当するものを毎年発行せず、軍の数字を公表するのを渋っているため、正確なデータがありません。除外された部隊の人数も大きいはずですが、中国民兵の800万人には、驚かされます。

 中国は国家予算を毎年発表していますが、軍事費であっても、他の名目に含め、正確な金額が他国に知られないようにしています。こんな曖昧な数字なので、江畑氏は著作で説明しなかったのでしょうか。国務院が発表したデータだけで、インド軍と比較しますと、下記のようになります。

   中 国  軍   陸軍     85万           海軍23万5千人   空軍 39万8千人   合計 148万3千人

   イ ン ド 軍   陸軍 110万5千人   海軍  5万5千人    空軍 11万人    合計 127万人

 合計数だけのインド軍との比較では、妥当な数字に見えますが、中国共産党が発表した「民兵800万人」を加えると、とんでもない数字になります。さらにイギリス国際戦略研究所が出している「人民武装警察隊 ( 武警  ) 」の66万人を追加すると、1千万人を超える兵力になります。

 専門家の江畑氏も、著作での説明に窮し除外したのでしょうか。中国軍とインド軍の比較データに、自衛隊を並べると下記のようになります。

   中 国  軍   陸軍     85万人           海軍23万5千人   空軍 39万8千人   合計 148万3千人

   イ ン ド 軍   陸軍 110万5千人   海軍  5万5千人    空軍 11万人    合計 127万人

   自 衛 隊  陸軍    15万人           海軍4万5千人   空軍 4万6千人   合計 24万1千人

 人数の大さだけが大国の印でなかったとはいえ、ここまで兵力の差がありますと、自衛隊の小ささが分かります。3月29日の新聞で、小谷哲男・明海大教授が米軍との共同防衛を語り、「憲法改正」に言及していた意味が分ります。

 中国民兵というのは、中国が軍の近代化を進める上で、人民解放軍の人員削減を進めた時の名残りです。兵士を武器と考えていた毛沢東は、人海戦術でゲリラ戦に勝利してきました。しかし軍の近代化が進むと、多すぎる兵が軍事費の足枷となり、削減を迫られました。余剰となった軍人をそのまま軍から外へだすと、社会不安のもとになるので、彼らはいったん「中国民兵」という半軍組織へ移されました。当初3 千万人いたのを、800万人まで減らしたと言いますから、並大抵の苦労ではなかったと思われます。

 尖閣の海に大挙して押し寄せた漁船には、民兵が乗っていたと聞きます。ウクライナ侵攻の後、習近平氏の中国が台湾と尖閣の侵略を開始したら、800万人の民兵だけでも自衛隊の対応は困難です。専守防衛、正当防衛でなければ攻撃禁止と、憲法に縛られている自衛隊は、お構いなしに攻撃してくる彼らに、全滅させられるのでは無いでしょうか。

 プーチンのロシア軍がウクライナでしている殺戮が、やがて中国が、沖縄や九州でする無差別攻撃の見本です。「憲法改正」のための審査会に、野党が参加するかしないかなど、国会議員諸氏は何を寝ぼけているのでしょう。国民の多くが「お花畑」で眠っているとしても、日本のリーダーである政治家が一緒に眠っていてどうするのでしょうか。

 不確かなネットの情報ですが、大国の軍隊に関し次のような数字もあります。

 中国軍・・299万3千人  インド軍・・272万8千人  米軍・・149万2千人 ロシア軍・・113万4千人

 米軍は149万2千人の内、約45万人を世界各国に駐留させています。駐留軍とはいわば実戦配備された攻撃部隊ですから、中国とロシアが米国を真似、他国への駐留に努力しています。崩壊したロシアにはその力がなくなっていますが、中国は頑張っています。

 氏は著書のタイトルを 『 日本が軍事大国になる日 』としていますが、本気で語りたいのなら、中国軍だけでなく、米軍とロシア軍を語らなくては不可能です。この国々こそが軍事大国であり、世界の平和を自由にしているのですから、これを語らずに日本のことが言えるのでしょうか。

 最後になり、このような疑問に突き当たりました。調べてみますと、軍事データを公表していないのは中国だけでなく、米国とロシアも同じでした。図書館で調べても、ネットで検索しても、出てくるのは中国同様隠された数字が多く、公表されていてもさまざまな数字があり、私のような門外漢には、どれが正しいのか分りません。

 「両論併記」の原則を守れば、中国政府の曖昧さだけを批判するのでなく、アメリカもロシアも、似たような大国だということです。

 「正確な数字を出せば、軍の脆弱部分が敵に知られる。」

 江畑氏が著書の最初で説明していましたが、その通りを彼らが実行していました。言及する勇気がなかったため、氏は著書で取り上げなかったので無いかと、そんな気もしてきました。

 私はまだ著書の最後を、読んでいません。氏の結論が、「ねこ庭」のブログを飾ると考え、故意に延ばしてきました。明日は最後まで読み、氏の結論を紹介し、長いシリーズを終わりたいと思います。息子たちはもちろんですが、皆様のお越しをお待ちしています。

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『 日本が軍事大国になる日 』 - 44 ( インド軍と、敵対する中国 )

2022-04-15 18:48:13 | 徒然の記

 1 週間ぶりに、江畑氏の書評へ戻りました。前回に続くインド軍の説明です。軍事力だけでなく、人口の多い国を大国とする意見もありますので、本論に入る前に世界の国別人口を、11位まで紹介します。平成20年の、国連人口基金( UNFPA ) のデータを参照しています。

  1. 中国 14億5千万人         2. インド   14億人     3. アメリカ 3億3千万人

  4. インドネシア 2億8千万人      5. パキスタン 2億3千万人 

  6. ナイジェリア 2億2千万人      7. ブラジル  2億2千万人

  8. バングラディシュ 1億7千万人    9. ロシア   1億7千万人

   10. メキシコ 1億3千万人       11. 日本   1億3千万人

 これらの国々が、世界の11位までの大国です。データを眺めますと、ここには大国と言われて良いはずのヨーロッパの国がありません。「人口が多ければ大国だ」と言う意見も、一つの見方にすぎないと分ります。国名を言うと差し障りがあるのでやめますが、最貧国と呼ばれている国が世界の上位にいます。

 世界の国の数は全部で、195です。これは日本が承認した国の数なので、北朝鮮と台湾とパレスチナが含まれていないため、198ヶ国と言うデータもあります。現在世界を掻き回している大国が、ロシアと中国とアメリカですから、このデータも当たっていると言えば当たっています。

 江畑氏の評価を紹介します。

 「インド軍は100万以上の陸軍兵力と、アジア第2位の空軍機保有数と、」「アジア唯一の空母保有国という点で、地域超大国としての地位を十分に確立している。」

 「インド軍は基本的に陸軍中心で、空軍がこれに続く。」「3度にわたるパキスタン戦争と、中国との国境紛争でその傾向は一層強くなった。」

 世界一の覇権国を伺っている中国が、インドへの敵対心を燃やすはずです。ミャンマー、バングラディシュ、そしてイランとの親密化政策で「インド包囲網」作ろうとしています。参考のためASEAN各国軍の下記比較データに、インド軍を加えてみました。

    イ   ン   ド  軍    陸軍 110万5千人  海軍 5万5千人  空軍 11万人

    インドネシア軍    陸軍  21万5千人  海軍  4万4千人  空軍 1万2千人

    シンガポール軍    陸軍   4万5千人   海軍   5千人        空軍     6千人

    マレーシア軍     陸軍  10万5千人  海軍 1万5千人   空軍 1万2千人

    フィリピン軍     陸軍   7万2千人   海軍 2万3千人  空軍 1万5千人

    ベトナム軍      陸軍 110万人        海軍 3万6千人  空軍 2万人

    タ イ 軍      陸軍   19万5千人  海軍  5万人        空軍 1万2千人

    ミャンマー軍        陸軍   37万5千人  海軍 1万5千人      空軍 1万5千人

 ベトナムの陸軍も110万人と大規模ですが、インド軍の方が装備が充実し、空軍と海軍はベトナムを凌いでいます。「平和の国インド」のイメージが、次第に薄れていきます。

 ではインドを敵視する中国軍は、どうなっているのか。ここで不思議な発見をしました。江畑氏はアジア諸国の軍隊につき、詳細な説明をしていますが、中国軍については何も述べていません。うっかり読み落としたのかと、何度も探しましたが、どこにもありません。戦車、戦闘機、軍艦など、型式や年代まで説明している氏が、中国軍に触れていないというこの不思議な発見に驚きます。

 インド軍の話から横道へ逸れますが、次回は中国軍の説明をします。

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国民の審判 - 5 ( 3つのネット情報に見る、民意の力 )

2022-04-12 22:40:06 | 徒然の記

 共同通信社による、画期的な「両論併記」の続きです。

 〈  小谷哲男教授の意見  〉

   ・法が制定された背景には、世界の警察官役から手を引こうとする米国を、引き止める必要性があった。

   ・米国が攻撃されても日本に守る義務がない「安保タダ乗り」論に、反論できる土台にもなった。

   ・数年内に起こると言われる、台湾有事への備えにも重要だ。

   ・米艦防護が可能となり、戦闘機への給油もできる。日本の領域外でも、支援ができるようになった。

   ・「切れ目のない対応」を掲げる安保法も、完璧ではない。昨年8月のアフガニスタンからの邦人輸送は、他国に遅れた。

   ・中東で民間船を守る護衛艦の派遣には適用できていない。

   ・台湾有事となれば、沖縄の米軍基地は当然ターゲットとなる。

   ・ウクライナ侵攻を見て中国は初期段階で、台湾や日本にある米軍基地をミサイルで破壊する必要性を得たはずだ。

   ・国際秩序は大きく変動している。安保法で認められたのは、限定的な集団自衛権だ。必要最小限の自衛力しか使えない。

   ・ロシアや北朝鮮の脅威を前にして、集団的自衛権を完全に行使し、日本を守るには憲法を改正することが望ましい。

 小谷氏の紹介が長くなったのは、氏が具体的な事実を語っていたからです。植村氏の意見は、左傾の人物らしく紋切り型の抽象論のため、取り立てて紹介する内容がありません。「アメリカの戦争に巻き込まれる」と言うのは、61年前の安保騒動の時からのスローガンです。あの頃は、多くの若者がこのスローガンに熱狂しました。

 しかし現在は、国際情勢を見れば分かるとおり、「アメリカの戦争に巻き込まれる」のでなく、中国、ロシア、北朝鮮の挑発を受け、日本が戦争の当事者になりつつあります。巻き込まれるのでなく、日本の戦争ですから、米軍の協力無しでは国が滅びます。小谷氏が米軍と戦う必要性を語るのは当然ですし、自衛隊の手足を縛る憲法を改正しなくてならないという意見も、危機感の現れです。

 植村教授の抽象論は、使い古された左翼のスローガンで説得力がなく、危機感も色褪せています。ここで、両氏の意見より、もっと民意の力を感じさせる情報を3つ紹介します。

  1.  朝日新聞ネット 〉

    「国民民主党が、憲法改正について議論する衆院憲法審査会の運営について、今国会から自民党が中心の「与党側」の幹事懇談会に参加することがわかった。改憲に向けて、自民党や公明党との共同歩調を強める。」

 普段の朝日なら、口をきわめて国民民主党を批判するはずなのに、事実だけを伝えています。突然変異かと、目を疑いたくなる記事ですが、民意の力は共同通信社だけでなく、朝日新聞も変えようとしているのでしょうか。

 〈 2.  HUFFPOSTネット 〉

  「国民民主党の玉木雄一郎代表は、11月7日、公式Twitterで「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが、忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と、他の野党に対して、憲法の議論をすることの必要性を訴えた。

   去年までだったら、口に出せない言葉です。立憲民主党や共産党は、「国民民主党は、自民党の補完勢力になった」と酷評していますが、「女性宮家」に賛成している国民民主党は、間違いなく反日左翼政党の仲間です。

 〈 3.  FNNプライムオンライン 〉  ( 維新の会 吉村氏の談話 )

 「われわれ、維新の会は改憲勢力、改憲について賛成の立場だ。ただ、憲法改正は自民党が本気にならないと、憲法改正の国民投票までは絶対にたどりつかない。」

 「自民党は憲法改正を党是と言いながら、実は、単に一部の保守層のガス抜きのためにやっているようなもの。実際本気で憲法改正をやろうと思ってないというのが僕の考え、見立てだ。」

 「本気で自民党が憲法改正をするというのであれば、われわれも本気で付き合うが、単に自民党のやるやる詐欺に付き合うつもりはない。スケジュールを決めることをしっかりやらないと成り立たない。井戸端会議になる。」

 「これまでずっと議論してきたわけで、自民党も維新の会もそれぞれ憲法改正の項目は出している。例えば、来年の参議院選挙に国民投票をやるというスケジュールを決めて、その先でもいいが、スケジュールをきちんと決めて、そこから逆算してやっていこうということを自民党はやらない。」

 「結局、全員の合意がない限り進めるのはやめましょうというのが、基本的に自民党の姿勢。憲法改正について国民はまだ一度も国民投票をしたことはない。大阪では大阪府と大阪市を1つに合体させて、東京のような都政を敷くという大阪都構想を実現させるために住民投票を2回やった。われわれは死ぬ気で、必要だと思ってやってきた。」

 「この死ぬ気でもやる覚悟が、自民党の憲法改正にはない。(改憲論議を)後押しできたらいいと思うが、ただこれは本当に自民党の本気度、そこをぜひ知りたい。」

 強烈な自民党批判ですが、私の気持ちを代弁しています。国民の負託を得て、安定多数を確保しているのに、自民党議員諸氏には覚悟が見えません。右顧左眄し、辺りの様子を伺うだけで、国民の願いを叶えようとする本気度が見えません。

 しかし維新の会の「大阪都構想」と、沖縄を独立させれば良いという橋下氏の意見に疑念があり、同会を保守党として考えるにはまだ時間がかかりそうです。

 民意の力の動きと国民の審判の力が、日本を変えている状況を伝えるため、3つのネット情報を紹介しました。明日から、また江畑氏の書評へ戻ります。

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国民の審判 - 4 ( 画期的な「両論併記」 )

2022-04-12 17:13:07 | 徒然の記

  〈 3.  3月29日 「植村秀樹・流通経済大教授 ( 64才 ) 」「日米一体化  抑止にならぬ」

           「小谷哲男・明海大教授 ( 44才 ) 」  「切れ目埋め  危機に対処を」 〉

 「国民の審判」を表すものとして、共同通信社の記事を3件上げ、2件の紹介が終わり、最後の一件となりました。植村、小谷両教授の記事に入る前に、なぜ朗報と考えるかにつき説明します。

 これは、同社が千葉日報に配信した記事の中で、初めて読む真正面からの「両論併記」の実例です。紙面の半分を使う大きな記事で、両氏の顔写真があります。左翼学者にばかり紙面を提供せず、保守系の学者にも意見発表の場を作るべきというのは、マスコミに対する長年の要望でした。

 記憶する限り3月29日の記事は、紛れもなく「両論併記」で、対立する意見を同時掲載し、読者に委ねています。客観報道とは、こういう紙面を言うのではないでしょうか。反日の朝日や東京新聞が、同様のことを始めたのかどうか知りませんが、同社だけの紙面作りとしても、日本にとって画期的なことです。

 「平和憲法を守れ」、「戦争法を許すな」の一本槍では、国民の支持を失うという危機感がさせたでしょうから、これを「民意」と理解し、「国民の審判」と名づけました。記事の中身は明るくありませんが、同社の姿勢が変化しているところに、明るい光を見ます。

 マスコミと野党が大反対する中で、安倍内閣が成立させた「安全保障関連法」について、同社が特集を組みました。植村教授は「安全保障関連法」を評価せず、米国の戦争に日本を巻き込む危険な法律だと語ります。小谷教授は、「安全保障関連法」を是認し、これからは米国に頼るばかりでなく、共同で安全保障体制を作るべしと述べています。

 今後、こういう姿勢で共同通信社が記事を全国発信するとしたら、国民の意識がさらに変わり、日本が変わります。いつもなら左翼学者の側に立つ説明が、3月29日の記事は違います。

 「集団的自衛権行使を容認した、安全保障関連法は、29日で施行から6年となった。」「ロシアのウクライナ侵攻が続き、中国による台湾への軍事圧力が高まる。」

 特集記事を組んだ理由の、説明をしています。

「日本はどう対応すべきか。」「ともに安全保障に詳しい植村秀樹・流通経済大学教授と、」「小谷哲男・明快大教授に、最近の情勢を踏まえて聞いた。」

 両教授の意見の要点を、箇条書きにして紹介します。

 〈  植村秀樹教授の意見  〉

   ・「安全保障関連法」の施行以来、日米の一体化がどんどん進んでいる。

   ・沖縄の負担はほとんど減っておらず、「本土の沖縄化」だけが進んだ。

   ・米国の中国包囲網の中に日米一体化はあり、米国の世界戦略の一環だ。

   ・米国の国力が落ち、軍事力の低下を日本が補っていると、中国は見るだろう。

   ・間接的な協力だけをしていた日本が、攻撃もしてくるかもしれないと、緊張感を高めかねない。

   ・台湾有事では、米国は「台湾関係法」があるため介入する可能性がある。そうなれば、日本が巻き込まれることは明らかだ。

   ・発動につながる「存立危機事態」の認定は、結局は日米両政府の判断だ。

   ・日本は米国追随で主体性がなく、姿勢が見えない。

   ・台湾有事だけでなく、世界のどこでも米国支援の名目で巻き込まれる恐れもある。

   ・国民の関心は薄く、メディアや野党の追及も弱い。事態は悪化している。

 以上が、植村教授の意見の要点です。せっかくの両論併記ですから、ここで私の意見を挟まず、次は小谷教授の意見を紹介します。

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