155ページに戻ります。2012 ( 平成24 ) の中国共産党大会で、胡錦濤・党総書記が行った演説が、紹介されています。
・我々は、海洋資源を開発する能力を高め、海洋権益を断固守り、海洋強国づくりに取り組むべきだ。我が国の国際的地位にふさわしい、強大な軍隊を作ることは、戦略的任務だ。
・国防強化の目的は、国家の主権、領土の統一を守ることにある。いかなる外部の圧力にも、屈服しない。
いつの記事だったか中国の将軍の、
「大国にふさわしい軍を持つのは、当然だ。」
「他国に、とやかく干渉されることではない。」
と発言のもとが、胡錦濤氏の演説だったとは分かりした。さらに記者は、次のように説明します。
・尖閣諸島を巡る日本への対応や、南シナ海の領有権をめぐる、フィリピンや、ベトナムとの摩擦の激化を背景に、中国は、海軍を含む「海洋関連部局」の、連携強化を模索している。軍と政府を挙げ、海洋進出の総合力を高めていることは、周辺国にとって、脅威となりそうだ。
ここで私は、前回紹介した、「尖閣国有化方針」をめぐる「外事小組」の会議での、軍人の意見とのつながりを理解しました。
・日本、フィリピン、ベトナムのうち、どこかとの戦争はやむおえない。
しかしマスコミは、中国軍人の言葉を国民に伝えていません。共同通信社もNHKも、報道しませんでした。
・南沙諸島の埋め立ては、民間が利用できる飛行場や港を作っている。軍事施設では、断じてない。
その代わりマスコミは、中国外務省のこの「ウソ発表」を伝えていました。さらに産経記者は、日本の不幸が民主党の野田政権にもあったと教えます。
民主党は、官僚の言いなりにならない政治を実現する。政治主導の政権運営をすると、彼らは金権腐敗の自民党から、政権を奪いました。政権の座につくと、素人集団の議員たちは、官僚の助け無しで国会答弁も出来ませんでした。醜態を見せる大臣たちの姿に、国民が失望しました。
鳩山、菅と、二人の総理が「日米同盟」に亀裂を生じさせました。この時の状況を、記者が語っています。
・首相就任直前だった野田佳彦は、外務省幹部にこう告げた。私は当面、震災や財政など、内政問題に付きっきりになる。外交は、外務省に任せたい。
・官僚をうまく使うのが、真のリーダーだと言われ、鳩山や菅の二の舞になるまいとする思惑が災いし、日中間のトップ外交が疎かになり、関係悪化の遠因となった。
中国が国を挙げて、海洋進出に取り組んでいる危険な時、野田氏はこうしたな失敗をしていました。国難の出発点だった尖閣問題を、自分で考えず、害務省に丸投げしたのです。氏も、鳩山、菅氏に劣らない無能な政治家だったことになります。
氏が官僚に助言されるまま、尖閣の国有化をしたため、激しい反日デモが起こり、日本企業が標的になる、異常事態が発生しました。
・2012 ( 平成24 ) の9月、ロシアで行われた「APECの会議」時に、胡錦濤は野田の求めに応じ、「 立ち話 」 をした。胡錦濤は、尖閣の国有化は不法で無効だとまくし立てた。
・わずかに15分、日本語・中国語の通訳が不在で、英語通訳を介しての、不自由な会話だった。
関係者の感想によりますと、意見交換でなく、胡錦濤氏からの一方的な最後通告とも言える中身だった、と言います。野田氏が外交を外務省に任せたため、中国の内情が分からず、相手の話を聞くしかできませんでした。
・折しも中国では、次期指導部をめぐる人事の激闘の中、不穏な空気が漂っていた。引退後に足元を救われないためにも、胡錦濤は次期トップへの影響力を確保する必要があった。
・もし引退後に院政が敷けないなら、家族の金銭問題で攻撃対象にさえ、なりかねない。
・胡錦濤は武力以外の全ての手段で、日本へ強行姿勢を取る準備を備え、野田と会った。ここで反撃しなければ、日本が増長するとの判断だった。
「野田総理は、胡錦濤氏と、実りのない会談をした。」
と、マスコミは簡単な報道をしました。
外務省には、中国親派の「チャイナスクール」が、幅をきかせています。しかし日本を敵視する中国の情報は手に入れず、巨額のODA資金を言われるままに与え、軍備の増強に協力していたのですから、まさに害務省です。
こう言う実情を知れば、野田氏も鳩山氏同様、日本の国益を損なった歴史に残る総理です。国民が民主党を見限り、自民党支持に戻った選択は正しかったと言えます。
次回は、安倍総理が中国政府からどのように見られているか、日経記者の説明を聞きます。「武漢コロナ騒ぎ」で外出できず、時間のある方は「ねこ庭」へ足を運んでください。いっそうストレスが溜まるのかもしれませんが、もしそれでよければ・・