朝が来た。気が重いが、昨日の続きを始めよう。徐氏が、日本の若者のために書いたという本だ。
「欧米に習って、他民族を支配することを目指しながら、」「日本は、政治体制においては、民主主義を取り入れませんでした。」
「 個人の自由、人権の尊重 、民主的議会制度、法の下の平等などが、」「実現されるのが文明国なのに、日本の帝国主義は、欧米と異なるものでした。」「天皇に忠誠で、国のため、文句も言わず死んで行くことが、立派だと言うのです。」
氏の説明は、このあたりからおかしくなってくる。欧米の植民地支配とは、どのようなものなのか。氏はどんな想像をしているのか。
英国が、インドを実質支配したのがおよそ220年間だ。1871年には、英国王がインド皇帝を兼ね「インド帝国」を作っている。オランダが、インドネシアを支配したのは、300年間と言われる。ベトナムは中国の支配を受けること約1000年で、フランスに支配されたのが100年だ。
この間欧州列強は、植民地から過酷な税を徴収し本国へ送り、住民を奴隷同様に扱い、ただ同然の賃金で働かせ、莫大な富を得た。
当時の列強が 、個人の自由や人権の尊重、あるいは、民主的議会制度や法の下の平等を植民地で行っていたと、誰も考えていない。
氏は現在の目で戦前の日本を眺め、糾弾している。欧米の植民地の実態を語らず、日本だけが酷いことをしたという嘘を展開している。
教育勅語を真似た朝鮮教育令や、日本語の普及に力を入れ、朝鮮語を第二外国語としたことについては、氏の怒りを理解するが、それを言うのなら、もっと残酷な統治をしていた、西欧の植民地について正確に説明すべきでないのか。
「朝鮮学校の教室に、北朝鮮の指導者の肖像画があるのは、」「問題だと、多くの日本人が言います。」「私立の宗教系の学校などで、宗教的指導者の肖像を掲げることは、問題にされません。」「この対応の差は、どうしてなのでしょう」
宗教的指導者の肖像とは、聖母マリアやキリスト、あるいは、ローマ法王を指しているのだろうが、国民を弾圧する独裁者の肖像と同じではない。
「日本で、卒業式や入学式のとき、日の丸や君が代を、」「強制していることは、どうなのか、考えてみる必要があります。」
これこそ余計なお世話で、教育への干渉ではないのか。
「朝鮮学校の生徒たちは、日本人と同様に納税し、日本社会に生きる、生徒たちなのです。」「そういう子どもたちの、教育を受ける権利を、侵害してはなりません。」「根本的に、どの学校であれ、政府が、教育内容に干渉することは、許されておりません。」
納税しているから、日本人と同じ処遇をと、在日の人々は必ず言う。納税は世界のどこに住んでいても、所得を得ていれば払わなくてならない。納税していても、国籍の違う人間は、外国人として扱われる。同じ扱いをされたければ、帰化すればいいのだ。世界の常識だ。日本の子供向けに書かいた本と言うが、子供はこんなことまで知らないので、氏の説明をそのまま信じてしまう。
日本にある限り学校と名前がつくのなら、朝鮮学校でも、日本政府の管轄下にある。安価な用地の提供や税の減免など、国の支援や保護を受けるのだから、指導があるのは当然だ。
朝鮮学校では、氏のような教師たちが日本への憎しみを植え付け、反日教育をしているので、文部省が指導するのは当たり前の話だ。しかし氏の主張は、現在の韓国・北朝鮮政府同様、我田引水のへ理屈に、近づいて行く。
「日本は、過去の真実を糾明し、反省し、」「心から謝罪し、必要とあらば補償し、和解しなければなりません。」「これが、世界の、あらゆる国々で見られる、歴史を清算するプロセスなのです。」
徐先生、私の知る事実はこうなのですよと、反論せずにおれなくなる。
昭和40年に、当時の朴政権とかわした、日韓基本条約で、日本はすでに巨額の賠償額を払っている。
総額8億ドルで、内訳は無償で3億ドル、有償で2億ドル、民間ベースで3億ドルだ。現在の貨幣価値で換算すると、約4兆8千億円という試算もある。この金額は、当時の韓国の国家予算の2.3倍だから、半端な金額ではない。
韓国政府が、この事実を国民に知らせていないから、今でも日本が、戦後賠償をしていないと思われている。参考までにつけ加えると、敗戦後に、日本が韓国に残した資産は53億ドルだ。現在の貨幣価値に換算すると、31兆8千億円とも言われているが、もちろんこれも、朝鮮のものになった。
小渕総理が、韓国に謝罪したことについて、次のように説明する。
「小渕首相の謝罪文には、北朝鮮の国民が入らず、」「在日朝鮮人も入っていません。」
まだ戦闘状態にある敵国で、国交の無い北朝鮮に首相が謝るはずがない。まして密入国してきた在日朝鮮人に、なぜ謝る必要があるのだろう。
「私が、この本を書くことを引き受けた、一番大きな理由は、」「日本が、差別のない社会になって欲しいと思うからです。」「誰も差別されず、誰にも差別されない社会、」「そんな社会は、夢物語だと思う人も多いでしょうが、みんなが諦めてしまったら、未来は真っ暗ですね。」
「日の丸と君が代斉唱を強制し、起立しない先生が、処罰されるような学校で、」「どうやって、植民地支配を、過ちとして教えることができるでしょうか。」「どうやって、侵略戦争を、否定できるのでしょうか。」
政府は教育に干渉するなと言いながら、外国人の氏が、日本の教育に干渉している。しかし問題なのは、氏が文句を言う相手を、間違えているところだ。日本政府や日本人に、難癖をつけず、文句をいうのなら、在日朝鮮人を見捨てている韓国と、北朝鮮の政府に言うべきであろう。
ノムヒョン大統領が、在日朝鮮人を評した言葉を、氏は知らないのだろうか。
「在日は同朋ではない。国が一番苦しい時に、彼らは日本で、ぬくぬくと暮らしていた。国を裏切った人間たちだ。」
反日の在日朝鮮人に、帰る祖国がないという現実が、ここにある。氏は日本で言いたい放題を喋り、常識がないのに、大学の教授にまでなっている。自分の立場を知り、もっと謙虚になりなさいと、こっちの方が言いたい。
「誰にとっても、国家に属していないことは、」「実生活上の不利益になるだけでなく、精神的な苦痛にもなります。」「でも、どこかの国に属している 国民でなければ、」「人権が守られないなんて、おかしいと思いませんか。 」
「人権は、限られた人にだけ保障される、特権ではありません。」「人間は、どの国の国民でも、平等であるはずですが、」「さらに、国民であっても、無くても、平等でなくてはなりません。」
「それが、世界人権宣言をはじめ、国連難民条約などの、国際条約が掲げている理念です。」
氏は自国へ帰り、自分たちを見捨てた祖国に対して、文句を言うべきである。そうすれば暖かい貴方の国が、きっと願いを叶えてくれるだろう。
この有害図書が、図書館に借りた本でなければ、本多勝一の著書同様、野菜クズと一緒にゴミ袋へ入れ、ゴミステーションに捨ててしまっただろう。