「靖国神社」と「千鳥ケ淵戦没者墓苑」の相違点を説明すると、息子たちにも、石破首相が保守政治家でない理由が分かります。
客観的な相違点を事実として挙げると、つぎの3点があります。
1. 創設年 2. 管理主体 3. 祀られている英霊の総数
しかし私が息子たちに説明したいのは、すでに戦没者を祀る「神社」があるのに、なぜわざわざ別の「戦没者墓苑」を国が作ったのかと言う点です。
・同じく戦争で亡くなった軍人と一般人を、同じ日本人なのにどうして一緒に祀らないのか。
・日本の神社であるから「靖国神社」は神道ですが、「千鳥ケ淵戦没者墓苑」をわざわざ「無宗教の施設」であると強調する理由は何なのか。
・同じ戦争で亡くなった日本人を祀る場所なのに、どうして管理主体が異なっているのか。
私以外に疑問を抱く人もいると思いますが、国の根幹に関わる重要事なのに、政治家も学者もマスコミも国民に説明しません。
保守と左翼の双方が黙っていると言うのは、もしかするとこの問題は「パンドラの箱」に似ているのでしょうか。国民が蓋を開けると、保守にも左翼にも不都合な事実が閉じ込められているということなのでしょうか。
ネットや書籍を調べて、ウィキペディアの情報を2件見つけました。関係すると思われる部分だけを紹介します。
1. 昭和28年に来日した、アメリカ合衆国副大統領のリチャード・ニクソンが、「靖国神社参拝」を断ったという経緯もある。
2. 平成25年10月3日、アメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官が、日米安全保障協議委員会のため来日したおり、「千鳥ケ淵戦没者墓苑」で献花した。アメリカの閣僚が訪れるのは初めてとされる。
GHQが戦後の日本を統治したのは、昭和27年までですから、ニクソン副大統領が来日したのはその翌年のことになります。外国要人が戦没者の墓地を訪れて献花をするのは外交儀礼なので、日本政府が「靖国神社」へ案内しようとしたのかもしれません。
どのような断り方をされたのか、これが政府にとっては大きなショックだったのかもしれないと、私は考えました。「千鳥ケ淵戦没者墓苑」の建設がその6年後の昭和34年ですから、これをきっかけに無宗教の「墓苑」が急遽作られたと考えても、辻褄は合います。
「東京裁判」で日本を戦争犯罪国家としたアメリカの副大統領に、「靖国参拝」を拒絶されたとなれば大問題です。しかし冷静に考えれば、「日本だけが間違った戦争をした」と断罪しているアメリカの副大統領が、敵兵の祀られた「靖国神社」へ行くはずがありません。
それでも政府の努力の甲斐があって、平成25年10月にケリー国務長官とヘーゲル国防長官が、「千鳥ケ淵戦没者墓苑」で献花をしています。一連の流れとして辻褄は合いますが、しかしこのような事情があるのなら、重要な事実なのでどこかに情報が残されているはずなのに、いくら探しても見つかりません。
肝心の情報は見つかりませんでしたが、息子たちに知らせたい関連情報が、平成30年の「ねこ庭」の過去記事にありましたので紹介します。
千葉日報に掲載されていた、反日評論家の保阪正康氏の意見です。
・ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が、揃って「千鳥が淵戦没者墓苑」を訪れたのは、安倍総理が「靖国神社とアーリントン墓地は同じ」と言ったことに対する、米国の怒りの意思表示である。
・靖国神社は宗教的・政治的であると同時に、何よりもA級戦犯の刑死者が祭礼の対象になっている。
・米国共和党の怒りは、神聖なアーリントンを異質な靖国と同じにしないで欲しい。こんな神社がアーリントンと同じである訳が無い、というものだ。
保坂氏はアメリカ側の立場に立ち、相変わらず日本を貶しています。私はと言うより、日本人の多くは「靖国神社」を神聖な場所と考えているのに、どうやら氏はそうではないようです。
私はこれまで何度か「ねこ庭」で氏の意見を紹介していますが、その度に不愉快になっています。「過去記事」なので、すでに不愉快になっているのですが、読み返すと怒りが湧いてきます。
現在の私たちの平和な暮らしを守るため、尊い命を捧げられた英霊への感謝の気持ちが、氏にはどこにもありません。「靖国神社」と「アーリントン墓地」は同じでないと、米国人が考えるのは自由ですが、日本人である氏が、どうしてそこまで同調して「靖国神社」を冒涜するのでしょう。
話がテーマを外れていますが、こんな愚かな評論家が日本をダメにしていると息子たちに教えたいと思います。記事を配信しているのが共同通信社ですから、息子たちに「トロイの木馬」たちの活動を伝える生きた勉強になります。
・すでに戦没者を祀る「神社」があるのに、なぜわざわざ別の「戦没者墓苑」を国が作ったのか。
横道へそれて遠回りをしましたが、この疑問に答えてくれる情報を、やっと見つけました。真面目に頑張れば、天の神様が助けてくれるということです。スペースの都合で、貴重な情報の紹介は次回にいたします。