■イタリア協奏曲3楽章、ゴルトベルク変奏曲16変奏、平均律1巻5番フーガは、緊密に通底■
~ KAWAI 名古屋 平均律 第1巻 5番D-Dur Prelude&Fuga アナリーゼ講座~
2016.12.1 中村洋子
★今日から師走。
11月は、関東地方で記録的な雪。
この12月はどんな月になるのでしょうか。
★12月16日、 KAWAI 金沢で開催の「Italienisches Konzert
イタリア協奏曲」第3楽章の勉強をしています。
第2楽章は、灯されていた明かりがふっと消えるように
終っていきます。
Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー(1886-1960)の
言葉を借りますと、
「・・・最後に再び、自らの中で嘆きが消え去っていく
(verlöschen)のである」
★その後、爆発するかのような喜びの第3楽章が始まりますが、
この第2楽章の終結から第3楽章への移り変わりを見て、
気付きました。
まさに、「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」の、
後半冒頭・第16変奏と、それを導き出す前半最後・第15変奏との
関係にピタリと当てはまるのです。
★ちょうど1月21日(土)、東京で
「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲・アナリーゼ講座」
第2期第1回(16~18変奏)を、開催いたします。
https://www.academia-music.com/academia/m.php/20161026-0
★第15変奏は、悲嘆の内に虚空をじっと見つめるような、
g-Moll ト短調の上行音階で、静かに幕を閉じます。
★第16変奏は、躍動する新しい命を、
天使のファンファーレが祝福するかのように、
G-Dur ト長調の上行音階で、幕が切って落とされます。
★玄冬の後の復活を意味するのかもしれません。
その「Goldberg-Variationen」第16変奏は、
フランス風序曲の付点リズムを、特徴としています。
★このフランス風序曲の性格は、なんと来年3月8日(水)、
KAWAI 名古屋で開催いたします
「Wohltemperirte ClavierⅠ平均律クラヴィーア曲集 第1巻
アナリーゼ講座・第5番 D-Dur ニ長調 Prelude & Fuga」の、
Fuga の性格そのものなのです。
★12月金沢「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」、
1月東京「Goldberg-Variationen」、
3月名古屋「Wohltemperirte ClavierⅠ」、
これはBach先生のご配慮としか思えませんね。
“ようやく、私の作品を少しばかり理解してきたようですね”
という声が、天国から降ってくるようです。
★12月は、降誕祭の月でもあります。
今月が皆さまにとって、良い月になりますように。
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■KAWAI 名古屋
Bach 平均律 第1巻5番
D-Dur Prelude&Fuga アナリーゼ講座
春の陽光のように明るく軽やかな前奏曲とフランス風序曲のフーガ
~「アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集」舞曲から~
http://shop.kawai.jp/nagoya/lecture/nakamura.html
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日時 : 2017年 3月 8日(水) 10:00 ~ 12:30
会場 : カワイ名古屋2F コンサートサロン「ブーレ」
〒460-0003 名古屋市中区錦3-15-15
予約 : Tel 052-962-3939 Fax 052-972-6427
★明るい春の陽光を浴び、ミツバチが花から花へと飛び回っているような軽やかな
「5番前奏曲」は、無味乾燥な指の練習曲では決してありません。上声の16分音符に目を奪われ勝ちですが、それを支えている下声の8分音符との有機的関係を詳しく分析していきますと、Bachの豊かな和声と対位法が絵画のように浮かび上がってきます。
★「クラヴィーアユーブング第2巻・フランス風序曲」と「同第4巻・ゴルトベルク変奏曲・第16変奏」、そしてこの「平均律1巻5番フーガ」は、ともに、≪フランス風序曲≫の性格を宿しています。オーケストラ作品のような豪奢な響きが聴こえてきます。
★この「5番前奏曲&フーガ」はどう弾くべきか・・・
大変参考になりますのは「アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集」の有名な舞曲です。それを手掛かりに、分かりやすくご説明いたします。
★この輝かしい「5番前奏曲&フーガ」が、生き生きと心から湧き上がるような音楽として演奏できることでしょう。
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■講師:中村洋子プロフィール
東京芸術大学作曲科卒。
・2008~15年、「インヴェンション・アナリーゼ講座」全15回を、東京で開催。
「平均律クラヴィーア曲集1、2巻アナリーゼ講座」全48回を、東京で開催。
自作品「Suite Nr.1~6 für Violoncello無伴奏チェロ組曲第1~6番」、
「10 Duette fur 2Violoncelli チェロ二重奏のための10の曲集」の楽譜を、
ベルリン、リース&エアラー社 (Ries & Erler Berlin) より出版。
「Regenbogen-Cellotrios 虹のチェロ三重奏曲集」、
「Zehn Phantasien fϋr Celloquartett(Band1,Nr.1-5) チェロ四重奏のための
10のファンタジー(第1巻、1~5番)」をドイツ・ドルトムントの
ハウケハック社 Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。
・2014年、自作品「Suite Nr. 1~6 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲第1~6番」のSACDを、Wolfgang Boettcher
ヴォルフガング・ベッチャー演奏で発表
disk UNION : GDRL 1001/1002)
・2016年、ブログ「音楽の大福帳」を書籍化した
≪クラシックの真実は大作曲家の自筆譜 にあり!≫
~バッハ、ショパンの自筆譜をアナリーゼすれば、曲の構造、
演奏法までも 分かる~ (DU BOOKS社)を出版。
・2016年、ベーレンライター出版社(Barenreiter-Verlag)が刊行した
バッハ「ゴルトベルク変奏曲」Urtext原典版の「序文」の日本語訳と
「訳者による注釈」を担当。
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