音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Debussy ベルガマスク組曲の和声は、インヴェンション14番から吸収■

2015-10-15 16:51:14 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Debussy ベルガマスク組曲の和声は、インヴェンション14番から吸収■
   ~第14回 金沢「インヴェンション・アナリーゼ講座」~

             2015.10.15   中村洋子

 

★金沢での「 インヴェンション講座 」も、あと 2回となりました。

最終曲から一つ前の 14番は、インヴェンション全体を総括する、

とても重要な曲といえます。

★≪インヴェンション 14番 B-Dur ≫は、冒頭にある 3小節の長いテーマを、

どのように、緊張感を保ちながら演奏するか、それが 「 要 」 といえます。

この 3小節のテーマには、一体どのような和声が、

内包されているのでしょうか?


それを、解きほぐします。

★≪ シンフォニア 14番 ≫ は、Fuga フーガのエッセンスを学べる曲です。

前半は、フーガの提示部として、例えようもない美しさ。

半は、充実した「 ストレッタ 」 が、展開されます。


「 ストレッタ 」 は、 “ フーガの華 ” といえます。

この点についても、分かりやすくご説明いたします。

 

★他の曲と同様に、この14番も Invention と Sinfonia の両方で、

一曲とみることができます。

それを「 自筆譜 」 と 「 Edwin Fischer エドウィン・フィッシャー版 」

基に、どう演奏と結びつけるかを含めて、詳しくお話しします。

第14番は、豊かな和声の Sequenz ( 反復進行 ゼクエンツ )に、

満ちています。

音楽の表情や「頂点」 を形作っていくうえで、決定的役割を、

果たしています。

Bach の和音は、 Sequenzと結びついた時、

その類稀な美しさを、存分に発揮します。

それを、完全に自家薬籠中のものにしたうえで、

「 Suite bergamasque ベルガマスク組曲 」 などの作品に、

消化していったのが、Claude  Debussy  クロード・ドビュッシー 

(1862~1918)です。

ドビュッシー と インヴェンションは、全く、無関係のように思われますが、

ドビュッシー の特徴的な和音は、実は、Bach の和声に多くを負っています。

それを、 ≪ベルガマスク組曲 ≫ を例にシンフォニア 14番から、

何を学びとり、完成させたか、解き明かします。


同様のことは、モーリス・ラヴェルの和声についても、いえます。

フランス近代音楽の源泉も、

すべてBach による、と言ういうことができます


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■日  時 : 2015年 11月18日(水) 午前 10時 ~ 12時 30分
■会  場 : カワイ金沢ショップ 金沢市南町5-9 
           ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分 )
■予  約 : Tel.076-262-8236 金沢ショップ

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■今後のスケジュール

・第15回 12月16日(水) Inventio & Sinfonia 第15番 h-Moll

・2016年1月20日(水) Beethoven PianoSonata Op.27-2 「月光」

・2016年2月17日(水) Beethoven PianoSonata Op.27-2 「月光」

 

 

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