音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■金沢「イタリア協奏曲アナリーゼ講座」は、第1楽章をさらに2回徹底分析■

2016-06-05 23:23:55 | ■私のアナリーゼ講座■

■金沢「イタリア協奏曲アナリーゼ講座」は、第1楽章をさらに2回徹底分析■
       ~第2回は8月10日(水)、第3回は9月28日(水)~

           2016.6.5     中村洋子

 


 

第1回「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」アナリーゼ講座を、

KAWAI 金沢で1日に、開催いたしましたが、

今回は、第1楽章についてあと2回、

じっくりと徹底分析する予定です。

第1回では、Bach後期の和声の特徴と、その分析、

そして、演奏法についてもお話いたしました。

 

第2回は8月10日(水)、イタリア協奏曲第1楽章の「構造」について、

第3回は9月28日(水)、これまでの分析をどのように演奏に活かすか・・・

などを、考えております。


★「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」(Italian Concerto)は、

「Zweyter Theil der  Clavierübung クラヴィーアユーブンク 2巻」の、

前半の曲で、後半は、「Ouverture nach Französischer Art

フランス風序曲」です。

1735年に出版されました。


★「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」は

「Vierter der Clavierübung クラヴィーアユーブンク4巻」のことで、

 1741~42年の間に出版されています。

 

 


★このため、当ブログでご紹介したましたように、

「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」の和声の特徴が、

イタリア協奏曲にも、随所に見受けられます


金沢アナリーゼ講座では、このゴルトベルク変奏曲にも触れながら、

初版ファクシミリ(Fuzeau出版)と、Edwin Fischer

エドウィン・フィッシャー(1886-1960)の校訂版を基に、

勉強を進めていきたいと思います。

 

私の新しいCD「夏日星」は、ドイツでも良い反応を得られています。

ある cellistは、9歳のお嬢さんの violinとご自身のcelloで、

CDの最初に収録されています

「10 Duette für 2 Violoncelli」を弾いて、

楽しんでいらっしゃるそうです。

http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/1e78896e6562f681fa405d88fb1fae60

 

★また、別の cellistは、guitar ギターと cello チェロの二重奏として、

「演奏会で弾きたい」、というお手紙をお寄せくださいました。

 

 


★日本のピアニストの先生方も、このDuetteを工夫されて、

演奏されているようです。

そのまま、ピアノで弾ける曲はそのままで、

音域が重なっている曲は、

上声のパートを、1オクターブ上げて弾きますと、

立派なピアノソロとなります。


★さらに、「10 Duette für 2 Violoncelli」を、

solfège ソルフェージュ教材として、使うこともできます。

ピアノのレッスンは、「ト音記号」から入ることが多いのですが、

「ヘ音記号」で躓かないように、初めから「ヘ音記号」に慣れていくのは、

とても大切なことです。

この「Duette」のどちらかのパートを、ヘ音記号の高さのまま、

冒頭8小節程度で結構ですので、お子さまに弾かせてあげてください。

少し、書き取りができるようになった生徒には、

その8小節を、「書き取り聴音」の教材としてください。

難なく、「ヘ音記号」が身についていきます。

 

 


★このCDへの感想もたくさん頂いております。

Cello Duet を、ピアノで弾いてみました。
まだ全部は弾けません。
チョコチップクッキーって、どんなだろう?
と思っておりました。何回も弾くと、甘い香りや
お母さんの手元をじっと見つめる子どものワクワク
した気持ちが感じられます。
 香りまで感ずるところが不思議です。
雪の中の小さな教会を弾くと、心が落ち着き、
今はこの二つの曲を弾いております。
 ピアノで音色を弾き分けることは、まだまだですが、
そういう違いがあることを知ったことが
第一歩だと思っております


★≪“10のデュエット”はギターのノスタルジックな部分の音色を
強く感じます。どの曲も忘れております何かを
思い出させてくれそうで、ほんのりと心が温まるような
心地良さを感じます。
“夏日星”は幻想的で素敵です。
拝聴しておりますうちに、解説で書かれておりました
宮沢賢治の“双子の星”にとても興味が湧き、
読んでみましたら、何とも可愛らしくシュールなお話で
ございました。そこから曲を聴きますと、
より一層イメージがふくらみます。
二人の童子は、こうありたいと思う人間の理想の姿で
ございますね。
 “最上川”は、ギターという楽器のデュットの醍醐味を
堪能しました。素晴らしいです。
ゆったりとしたゆるやかな流れや早瀬の所が表現されて
いまして、川の大きさが感じられ、舟に乗って実際に川下りを
しているようでしたり、魚になって川の流れを楽しんでいるような
感覚になります。音の中で実体験をしております。

 

 

★心から楽しんでいただけているようで、とても嬉しいです。

是非、楽譜を見ながらCDをお聴きください

https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501678989

 

 


★私の著書≪クラシック音楽の真実は大作曲家の自筆譜にあり!≫の、

Chapter 8 『シューマンの音楽評論、音楽の本質を珠玉の言葉で表現』

P256で、ご紹介いたしましたように、

Robert Schumann  ロベルト・シューマン (1810-1856) は、

子供たちが、なるべく早くから、様々な音部記号に慣れるようにと、

力説しています。

楽譜を読むことが困難であるがゆえに、音楽から遠ざかってしまうことは、

とても勿体ないことでしょう。

 

 


楽譜は手段です。

Schumanの指摘するように、様々な「音部記号」に慣れ、

スコアとお友達になってください。


 

 

 

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