■金沢「イタリア協奏曲アナリーゼ講座」は、第1楽章をさらに2回徹底分析■
~第2回は8月10日(水)、第3回は9月28日(水)~
2016.6.5 中村洋子
★第1回「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」アナリーゼ講座を、
KAWAI 金沢で1日に、開催いたしましたが、
今回は、第1楽章についてあと2回、
じっくりと徹底分析する予定です。
第1回では、Bach後期の和声の特徴と、その分析、
そして、演奏法についてもお話いたしました。
★第2回は8月10日(水)、イタリア協奏曲第1楽章の「構造」について、
第3回は9月28日(水)、これまでの分析をどのように演奏に活かすか・・・
などを、考えております。
★「Italienisches Konzert イタリア協奏曲」(Italian Concerto)は、
「Zweyter Theil der Clavierübung クラヴィーアユーブンク 2巻」の、
前半の曲で、後半は、「Ouverture nach Französischer Art
フランス風序曲」です。
1735年に出版されました。
★「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」は
「Vierter der Clavierübung クラヴィーアユーブンク4巻」のことで、
1741~42年の間に出版されています。
★このため、当ブログでご紹介したましたように、
「Goldberg-Variationen ゴルトベルク変奏曲」の和声の特徴が、
イタリア協奏曲にも、随所に見受けられます。
★金沢アナリーゼ講座では、このゴルトベルク変奏曲にも触れながら、
初版ファクシミリ(Fuzeau出版)と、Edwin Fischer
エドウィン・フィッシャー(1886-1960)の校訂版を基に、
勉強を進めていきたいと思います。
★私の新しいCD「夏日星」は、ドイツでも良い反応を得られています。
ある cellistは、9歳のお嬢さんの violinとご自身のcelloで、
CDの最初に収録されています
「10 Duette für 2 Violoncelli」を弾いて、
楽しんでいらっしゃるそうです。
http://blog.goo.ne.jp/nybach-yoko/e/1e78896e6562f681fa405d88fb1fae60
★また、別の cellistは、guitar ギターと cello チェロの二重奏として、
「演奏会で弾きたい」、というお手紙をお寄せくださいました。
★日本のピアニストの先生方も、このDuetteを工夫されて、
演奏されているようです。
そのまま、ピアノで弾ける曲はそのままで、
音域が重なっている曲は、
上声のパートを、1オクターブ上げて弾きますと、
立派なピアノソロとなります。
★さらに、「10 Duette für 2 Violoncelli」を、
solfège ソルフェージュ教材として、使うこともできます。
ピアノのレッスンは、「ト音記号」から入ることが多いのですが、
「ヘ音記号」で躓かないように、初めから「ヘ音記号」に慣れていくのは、
とても大切なことです。
この「Duette」のどちらかのパートを、ヘ音記号の高さのまま、
冒頭8小節程度で結構ですので、お子さまに弾かせてあげてください。
少し、書き取りができるようになった生徒には、
その8小節を、「書き取り聴音」の教材としてください。
難なく、「ヘ音記号」が身についていきます。
★このCDへの感想もたくさん頂いております。
≪Cello Duet を、ピアノで弾いてみました。
まだ全部は弾けません。
チョコチップクッキーって、どんなだろう?
と思っておりました。何回も弾くと、甘い香りや
お母さんの手元をじっと見つめる子どものワクワク
した気持ちが感じられます。
香りまで感ずるところが不思議です。
雪の中の小さな教会を弾くと、心が落ち着き、
今はこの二つの曲を弾いております。
ピアノで音色を弾き分けることは、まだまだですが、
そういう違いがあることを知ったことが
第一歩だと思っております≫
★≪“10のデュエット”はギターのノスタルジックな部分の音色を
強く感じます。どの曲も忘れております何かを
思い出させてくれそうで、ほんのりと心が温まるような
心地良さを感じます。
“夏日星”は幻想的で素敵です。
拝聴しておりますうちに、解説で書かれておりました
宮沢賢治の“双子の星”にとても興味が湧き、
読んでみましたら、何とも可愛らしくシュールなお話で
ございました。そこから曲を聴きますと、
より一層イメージがふくらみます。
二人の童子は、こうありたいと思う人間の理想の姿で
ございますね。
“最上川”は、ギターという楽器のデュットの醍醐味を
堪能しました。素晴らしいです。
ゆったりとしたゆるやかな流れや早瀬の所が表現されて
いまして、川の大きさが感じられ、舟に乗って実際に川下りを
しているようでしたり、魚になって川の流れを楽しんでいるような
感覚になります。音の中で実体験をしております。≫
★心から楽しんでいただけているようで、とても嬉しいです。
是非、楽譜を見ながらCDをお聴きください。
https://www.academia-music.com/academia/search.php?mode=detail&id=1501678989
★私の著書≪クラシック音楽の真実は大作曲家の自筆譜にあり!≫の、
Chapter 8 『シューマンの音楽評論、音楽の本質を珠玉の言葉で表現』
P256で、ご紹介いたしましたように、
Robert Schumann ロベルト・シューマン (1810-1856) は、
子供たちが、なるべく早くから、様々な音部記号に慣れるようにと、
力説しています。
楽譜を読むことが困難であるがゆえに、音楽から遠ざかってしまうことは、
とても勿体ないことでしょう。
★楽譜は手段です。
Schumanの指摘するように、様々な「音部記号」に慣れ、
スコアとお友達になってください。
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