音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■第 4回「 平均律第 2巻・アナリーゼ講座 」6番 d-Moll prelude & fuga

2013-07-13 19:00:35 | ■私のアナリーゼ講座■

■第 4回「 平均律クラヴィーア曲集第 2巻・アナリーゼ講座 」
    第 2巻 6番 d-Moll  prelude & fuga
~ Klavier Konzert が投影されている6番 prelude、厳しく豊饒な6番 fuga ~

                     2013.7.13   中村洋子

 

 

★7月 9日に開催いたしました、

第 3回 「 平均律 第 2巻・アナリーゼ講座 」 では、

「 第 3番 Cis-Dur 」 について、 “ ロンドン写本 ” と呼ばれる

「 London Manuscript 」 と、

ほとんどの実用譜で採用されている

「 Altnickol アルトニコル写本 」 とを、演奏しながら、

詳しく、比較分析いたしました。


★その結果、明確に分かりましたのは、

「 Altnickol アルトニコル写本 」 が、

「 London Manuscript 」 より、後期であることから、

こちらの方が “ 最終稿に近い ” 、あるいは、

“ 優れている ” という訳では、

決してない、ということです。


この二つは、それぞれ別の 

≪ version ヴァージョン ≫ として、存在しているのです

どちらも、あたかも別々のストーリーを奏でるように、

展開しているのです。

Bachは、展開過程で異なった試み、構築をしています。

どちらも、説得力のある、

魅力的な筋道、となっています


★従いまして、 2007年新版の Henle版のように、

編集者が、その両者を、恣意的に混合することは、

決して、すべきではないと思います


どちらの版を選ぶかは、それを演奏する奏者に、

ゆだねるべきなのです。

 

 

★Bach の 平均律 第 2巻の自筆譜は、24曲中 21曲が、

イギリスの British Library に、収蔵されています。

これが、 「 London Manuscript 」 です。

4番 cis-Moll、 5番 D-Dur、 12番 f-Moll は、

残念ながら、行方不明です。

 

★Bach の作曲意図を、直接くみ取ることが可能な 21曲は、

私たちに残された、貴重な人類の遺産です。

私の講座では、

Bach の肉声のような、この 21曲を勉強した後に、

羅針盤を持たない航海のようですが、

残りの 3曲を、分析します。

 

★ 「 London Manuscript 」 のうち、2番、6番、9番、15番が、

妻アンナ・マグダレーナAnna Magdalena Bach の写譜です

(9番は、夫婦の合作)。

また、11番の一部も Anna Magdalena の写譜です。

 

★今回の 6番 d-Moll は、Anna Magdalena Bach の写譜です。

しかし、彼女の写譜は、現代の尊大な校訂者と異なり、

夫の楽譜をひたすら忠実に繊細に写しています。

雄渾な Bach 自身の写譜とは、別の趣きがあります。

 

 

★この 6番 d-Mollの prelude は、

Bach の Klavier Konzert の Tutti と、

曲想が、大変によく似ています。

Klavier Konzert の音楽が、この 平均律 2巻 に、

投影されているのです。

ピアノという現代の楽器で、これをどう演奏すべきか、

詳しく、ご説明いたします。

 

6番 d-Moll fuga は、

Bach の晩年の傑作群と共通の motive と内容をもち、

厳しくも豊饒な音楽です

prelude と fuga をただ、並列して弾くのではなく、

両者をどのように、強く結びつけるかを、

お話いたします。

 

■日  時 : 2013年 8月30日 ( 金 ) 午前 10時 ~ 12時 30分

■会  場 :  KAWAI 表参道  2F コンサートサロン・パウゼ

■予 約  :   Tel. 03-3409-1958

 

 

 ■ 講師:作曲家 中村 洋子

 東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。

日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

2003年~ 05年:アリオン音楽財団 ≪ 東京の夏音楽祭 ≫

新作を発表。

07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠

         W.ベッチャー氏演奏した CD 『 w.ベッチャー日本を弾 

     く 』 を発表。

08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』

         CD ソプラノとギターの 『 星の林に月の船 』 を発表。

08~09年: 「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」

               全 15回を開催。

09年 10月: 「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」 が、W.ベッチャー氏に

         よりドイツ・マンハイムで 初演される。

10~12年: BACH平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリ 

        ーゼ講座(24回) を、カワイ表参道で開催。       

09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello  無伴奏チェロ組曲

     第 1番 」 が、「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・

     リース&エアラー社から出版される。

10年:  CD 『 無伴奏チェロ組曲  第 3番、2番 』 W.ベッチャー

     演奏を発表

       「 Regenbogen-Cellotrios レーゲンボーゲン・

     チェロトリオス( 虹のチェロ三重奏曲集 )」 が、ドイツ・

     ドルトムントのハウケハック社    

      Musikverlag Hauke Hack 社から出版される。

11年 4月: 「 10 Duette für 2 Violoncelli 

       チェロ二重奏のための10の曲集 」

        が、「 Ries & Erler Berlin 」 ベルリン・

       リース&エアラー社から出版される。

12年12月: Zehn Phantasien für Celloquartett

        (Band 1,Nr.1-5) チェロ4重奏のための10の

        ファンタジー(第 1巻、1~5番)」が、

         ドイツ・ドルトムント Musikverlag Hauke Hack

        社から出版される。

・ スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、

  自作品が演奏される

 

★上記の 楽譜 と CD は、

「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 

「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で、

 販売中。

 

 

 

          ※copyright © Yoko Nakamura  
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